2022年08月12日 (金)
【22/08/12 shig
江部先生
いつもお世話になっております。
10年前に先生の著書を拝読して以来、ずっと糖質セイゲニストです。
おかげさまで、Max 6.8%だったHbA1cはほぼ6%以下に収まっていますし、
早朝血糖値も100mg/dl以下です。
糖質制限開始直後に、血糖降下薬からも離脱しています。
最近、私も興味本位でFGM(FreeStyle Libre)を自費購入し、装着してみました。
糖質制限食のおかげで、食事前後の変動幅は40mg/dl程度に収まっており予想通りだったのですが、
意外にも、夜間就寝時には1時間のうちに25~30mg/dlほどの急激な低下と上昇が見られました(逆スパイク、とでもいうのでしょうか)。その際、血糖の最低値は70mg/dlを下回っており、覚醒時にはあり得ない数値が出ていたので驚いた次第です。
就寝時に装着しているスマートバンドで計測した心拍数は、
低血糖発生の直後に100~120回/分ほどまで上昇していました。
FGMをつける前までは、なぜ夜間に突然心拍数があがるのだろうと不思議に思い、
主治医からは不整脈かもしれないので、
今度ホルター心電図検査をしてみようかとも言われていたのですが、
まさか血糖の「逆スパイク」が起こっていたとはまったく考えていませんでした。
これは医学的にはソモジー効果に分類される現象かと思うのですが、
インスリンや血糖降下薬を服用していない場合でも発生する機序にはどのようなことが考えられるでしょうか。
血糖値が突然下がってしまうという点に、なにか糖尿人に特有の問題(あるいは他の疾病との関係)があるのか、興味があります。
今までは正常人や糖尿病予備群がFGMをつけることがなかったので、
FGMの普及により、もっといろいろなことがわかってくるかもしれませんね。FreeStyleLibreがせめて今の半額ぐらいになれば、
常時装着できるのになあと思っています。
今では(セイゲニストとしては本意ではないのですが仕方なく)就寝前に小さじ1杯のアカシヤ蜂蜜をなめて夜間低血糖に対応しています。「逆スパイク」は完全には治まりませんが、低血糖域まで血糖値が落ちることはなくなっています。 】
こんばんは。
shig さんから、嬉しいコメントをいただきました。
コメント、拙著のご購入、ありがとうございます。
「10年前に先生の著書を拝読して以来、ずっと糖質セイゲニストです。
おかげさまで、Max 6.8%だったHbA1cはほぼ6%以下に収まっていますし、
早朝血糖値も100mg/dl以下です。
糖質制限開始直後に、血糖降下薬からも離脱しています。」
血糖値、HbA1cの改善、血糖降下薬からの離脱、
素晴らしい成果です。
糖質制限食を上手に実践しておられるのでしょう。
内服薬なしで、糖質制限食のみで、血糖値、HbA1cが、
基準値内ですから、shig さんは、
「糖質制限食を実践する限り正常人」と言えます。
「夜間就寝時には1時間のうちに25~30mg/dlほどの急激な低下と上昇が見られました(逆スパイク、とでもいうのでしょうか)。その際、血糖の最低値は70mg/dlを下回っており、覚醒時にはあり得ない数値が出ていたので驚いた次第です。
就寝時に装着しているスマートバンドで計測した心拍数は、
低血糖発生の直後に100~120回/分ほどまで上昇していました。」
なるほど、今まで、原因不明で、夜間心拍数が上昇していたのが、
FGM(FreeStyle Libre)装着のおかげで、
「夜間低血糖のために心拍数が上昇」 と判明しましたので
よかったと思います。
「ソモジー効果」とは、インスリン療法を行っている患者さんで、低血糖の後に反動的に血糖値が上昇する現象です。
「ソモジー効果」のソモジーは発見者の名前です。
低血糖状態では、カテコールアミン(ノルエピネフリン、エピネフリン)やコルチゾールなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌され、その結果、高血糖となります。
コルチゾール
成長ホルモン
ノルエピネフリン
エピネフリン
グルカゴン
が血糖値を上昇させるホルモンです。
これらのうち成長ホルモンは、午前0時をピークに
急速に分泌が減少します。
このため、午前0時から午前2時にかけて低血糖となる可能性はあります。
勿論個人差はあります。
「今では(セイゲニストとしては本意ではないのですが仕方なく)就寝前に小さじ1杯のアカシヤ蜂蜜をなめて夜間低血糖に対応しています。「逆スパイク」は完全には治まりませんが、低血糖域まで血糖値が落ちることはなくなっています。」
アカシヤ蜂蜜だとインスリンだけが分泌されるので、さじ加減がとても
難しいと思います。
タンパク質摂取なら<インスリンとグルカゴン>が共に分泌されます。
夕食後の夜食で、あるていどタンパク質を摂取しておけば就寝後の低血糖が
予防できると思います。
江部康二
江部先生
いつもお世話になっております。
10年前に先生の著書を拝読して以来、ずっと糖質セイゲニストです。
おかげさまで、Max 6.8%だったHbA1cはほぼ6%以下に収まっていますし、
早朝血糖値も100mg/dl以下です。
糖質制限開始直後に、血糖降下薬からも離脱しています。
最近、私も興味本位でFGM(FreeStyle Libre)を自費購入し、装着してみました。
糖質制限食のおかげで、食事前後の変動幅は40mg/dl程度に収まっており予想通りだったのですが、
意外にも、夜間就寝時には1時間のうちに25~30mg/dlほどの急激な低下と上昇が見られました(逆スパイク、とでもいうのでしょうか)。その際、血糖の最低値は70mg/dlを下回っており、覚醒時にはあり得ない数値が出ていたので驚いた次第です。
就寝時に装着しているスマートバンドで計測した心拍数は、
低血糖発生の直後に100~120回/分ほどまで上昇していました。
FGMをつける前までは、なぜ夜間に突然心拍数があがるのだろうと不思議に思い、
主治医からは不整脈かもしれないので、
今度ホルター心電図検査をしてみようかとも言われていたのですが、
まさか血糖の「逆スパイク」が起こっていたとはまったく考えていませんでした。
これは医学的にはソモジー効果に分類される現象かと思うのですが、
インスリンや血糖降下薬を服用していない場合でも発生する機序にはどのようなことが考えられるでしょうか。
血糖値が突然下がってしまうという点に、なにか糖尿人に特有の問題(あるいは他の疾病との関係)があるのか、興味があります。
今までは正常人や糖尿病予備群がFGMをつけることがなかったので、
FGMの普及により、もっといろいろなことがわかってくるかもしれませんね。FreeStyleLibreがせめて今の半額ぐらいになれば、
常時装着できるのになあと思っています。
今では(セイゲニストとしては本意ではないのですが仕方なく)就寝前に小さじ1杯のアカシヤ蜂蜜をなめて夜間低血糖に対応しています。「逆スパイク」は完全には治まりませんが、低血糖域まで血糖値が落ちることはなくなっています。 】
こんばんは。
shig さんから、嬉しいコメントをいただきました。
コメント、拙著のご購入、ありがとうございます。
「10年前に先生の著書を拝読して以来、ずっと糖質セイゲニストです。
おかげさまで、Max 6.8%だったHbA1cはほぼ6%以下に収まっていますし、
早朝血糖値も100mg/dl以下です。
糖質制限開始直後に、血糖降下薬からも離脱しています。」
血糖値、HbA1cの改善、血糖降下薬からの離脱、
素晴らしい成果です。
糖質制限食を上手に実践しておられるのでしょう。
内服薬なしで、糖質制限食のみで、血糖値、HbA1cが、
基準値内ですから、shig さんは、
「糖質制限食を実践する限り正常人」と言えます。
「夜間就寝時には1時間のうちに25~30mg/dlほどの急激な低下と上昇が見られました(逆スパイク、とでもいうのでしょうか)。その際、血糖の最低値は70mg/dlを下回っており、覚醒時にはあり得ない数値が出ていたので驚いた次第です。
就寝時に装着しているスマートバンドで計測した心拍数は、
低血糖発生の直後に100~120回/分ほどまで上昇していました。」
なるほど、今まで、原因不明で、夜間心拍数が上昇していたのが、
FGM(FreeStyle Libre)装着のおかげで、
「夜間低血糖のために心拍数が上昇」 と判明しましたので
よかったと思います。
「ソモジー効果」とは、インスリン療法を行っている患者さんで、低血糖の後に反動的に血糖値が上昇する現象です。
「ソモジー効果」のソモジーは発見者の名前です。
低血糖状態では、カテコールアミン(ノルエピネフリン、エピネフリン)やコルチゾールなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌され、その結果、高血糖となります。
コルチゾール
成長ホルモン
ノルエピネフリン
エピネフリン
グルカゴン
が血糖値を上昇させるホルモンです。
これらのうち成長ホルモンは、午前0時をピークに
急速に分泌が減少します。
このため、午前0時から午前2時にかけて低血糖となる可能性はあります。
勿論個人差はあります。
「今では(セイゲニストとしては本意ではないのですが仕方なく)就寝前に小さじ1杯のアカシヤ蜂蜜をなめて夜間低血糖に対応しています。「逆スパイク」は完全には治まりませんが、低血糖域まで血糖値が落ちることはなくなっています。」
アカシヤ蜂蜜だとインスリンだけが分泌されるので、さじ加減がとても
難しいと思います。
タンパク質摂取なら<インスリンとグルカゴン>が共に分泌されます。
夕食後の夜食で、あるていどタンパク質を摂取しておけば就寝後の低血糖が
予防できると思います。
江部康二
二か月間の血糖値の考察です。やはり早朝高血糖で、高い日で122、平均は103、昼平均は104、夕食直前82、食後2時間96、3時間で97でした。HBA1cは、こないだ病院で血液検査してもらっています。また結果ご連絡します。<m(__)m>
2022/08/13(Sat) 06:48 | URL | 甘いミカン | 【編集】
甘いミカン さん
早朝高血糖で、高い日で122、平均は103、
昼平均は104、夕
食直前82、
食後2時間96、
3時間で97でした。
①早朝空腹時血糖値は平均が103mgで、109mg/dl以下ですから、正常値です。
②早朝空腹時血糖値が高い日で、122mg/dlで、境界型くらいです。
早朝空腹時血糖値が境界型(IFG)の場合は、食後高血糖(IGT)に比較すると
糖尿病合併症のリスクは、ほとんどありません。
③昼平均、夕食直前、夕食後2時間、夕食後3時間・・・全て良好です。
④このまま、美味しく楽しく末永く糖質制限食を続けられて、健康長寿を目指しましょう。
早朝高血糖で、高い日で122、平均は103、
昼平均は104、夕
食直前82、
食後2時間96、
3時間で97でした。
①早朝空腹時血糖値は平均が103mgで、109mg/dl以下ですから、正常値です。
②早朝空腹時血糖値が高い日で、122mg/dlで、境界型くらいです。
早朝空腹時血糖値が境界型(IFG)の場合は、食後高血糖(IGT)に比較すると
糖尿病合併症のリスクは、ほとんどありません。
③昼平均、夕食直前、夕食後2時間、夕食後3時間・・・全て良好です。
④このまま、美味しく楽しく末永く糖質制限食を続けられて、健康長寿を目指しましょう。
2022/08/13(Sat) 09:03 | URL | ドクター江部 | 【編集】
どうも有難うございました。<m(__)m>
2022/08/13(Sat) 10:57 | URL | 甘いミカン | 【編集】
2022/08/13(Sat) 14:48 | URL | HIRO | 【編集】
HIRO さん
いろんな論文の紹介動画ですね。
かっけと海軍の高木兼寛先生の話は大賛成です。
pure study や断食に関しては、私も賛成です。
タフツ大学教授の説。
17:50 科学的に証明された心臓血管に良い食事
Benefit:フルーツ、ナッツ、フィッシュ
Harm:精製炭水化物、スターチ、砂糖・・・
大分前の研究なので、AGEsの害や果糖とAGEsのことは、
まだよくわかっていなかったと思います。
また当時の果物に比し、現代の果物は、
糖度が以上に高く、大きさも大きいですし、
ショ糖、ブドウ糖、果糖すべてが過剰です。
果糖はブドウ糖の数十倍の速度でAGEsになります。
結論として、現代の果物は、現実には毒と考えた方が良いと思います。
いろんな論文の紹介動画ですね。
かっけと海軍の高木兼寛先生の話は大賛成です。
pure study や断食に関しては、私も賛成です。
タフツ大学教授の説。
17:50 科学的に証明された心臓血管に良い食事
Benefit:フルーツ、ナッツ、フィッシュ
Harm:精製炭水化物、スターチ、砂糖・・・
大分前の研究なので、AGEsの害や果糖とAGEsのことは、
まだよくわかっていなかったと思います。
また当時の果物に比し、現代の果物は、
糖度が以上に高く、大きさも大きいですし、
ショ糖、ブドウ糖、果糖すべてが過剰です。
果糖はブドウ糖の数十倍の速度でAGEsになります。
結論として、現代の果物は、現実には毒と考えた方が良いと思います。
2022/08/13(Sat) 18:30 | URL | ドクター江部 | 【編集】
> 結論として、現代の果物は、現実には毒と考えた方が良いと思います。
この結論は、エビデンス1a(RCTのメタアナリシスがあるか、複数のRCTの結果がほぼ一致している)から、エビデンス5(専門家の報告・意見・経験に基づく)までの5段階の中では、どのレベルになりますか?
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/kounyo/evidence.html
エビデンスレベル
この結論は、エビデンス1a(RCTのメタアナリシスがあるか、複数のRCTの結果がほぼ一致している)から、エビデンス5(専門家の報告・意見・経験に基づく)までの5段階の中では、どのレベルになりますか?
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/kounyo/evidence.html
エビデンスレベル
2022/08/14(Sun) 13:35 | URL | 質問です | 【編集】
質問です さん
エビデンスはもちろん大事ですが、
エビデンスだけで、物事を語ることもまた、不十分です。
エビデンスがあるということは、過去のRCT研究やそのメタアナリシスが豊富ということとなります。
果物、果糖、AGEsに関しては、まだ、確固たるエビデンスは少ないと思います。
[外部の食材からのAGEs」の人体への影響もまだ論争中です。
「人体内部で作成されたAGEs」は人体への悪影響ありというエビデンスは徐々に蓄積されつつあると思います。
<果物、果糖、AGEs>が人体に悪影響があるというエビデンスがでそろうまで、待っていては
間に合わないと私は思います。
この場合、過去のエビデンスではなく、現在の自分の頭で考えて
<果物、果糖、AGEs>に関して、現在判明している生理学的事実など基づいて判断します。
「 結論として、現代の果物は、現実には毒と考えた方が良いと思います。」
従って、これはあくまでも、私見であり、エビデンスではありません。
私の私見をどう判断するかは、あくまでも読者の判断ということです。
エビデンスはもちろん大事ですが、
エビデンスだけで、物事を語ることもまた、不十分です。
エビデンスがあるということは、過去のRCT研究やそのメタアナリシスが豊富ということとなります。
果物、果糖、AGEsに関しては、まだ、確固たるエビデンスは少ないと思います。
[外部の食材からのAGEs」の人体への影響もまだ論争中です。
「人体内部で作成されたAGEs」は人体への悪影響ありというエビデンスは徐々に蓄積されつつあると思います。
<果物、果糖、AGEs>が人体に悪影響があるというエビデンスがでそろうまで、待っていては
間に合わないと私は思います。
この場合、過去のエビデンスではなく、現在の自分の頭で考えて
<果物、果糖、AGEs>に関して、現在判明している生理学的事実など基づいて判断します。
「 結論として、現代の果物は、現実には毒と考えた方が良いと思います。」
従って、これはあくまでも、私見であり、エビデンスではありません。
私の私見をどう判断するかは、あくまでも読者の判断ということです。
2022/08/14(Sun) 18:30 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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