2022年08月10日 (水)
こんにちは。
高雄病院では糖尿病患者さんに
CGM(持続ブドウ糖測定)を実施しています。
初回入院の患者さんは、
第1日目と2日目は、従来の糖尿病食(高糖質食)を食べて貰います。
第3日目からは、スーパー糖質制限食に変更します。
摂取カロリーは、従来の糖尿病食とスーパー糖質制限食で、同一としています。
CGMは非常に情報量が多い検査で、極めて有用です。
もっと、普及したらいいのになと思います。
例えば内服薬なしで、第1日目と2日目に
従来の糖尿病食を食べていただいた2型糖尿病患者さんで
夕食後は軽く200mg/dlを軽く超えていた方がおられました。
その人は翌朝明け方の午前3時頃には、
血糖値は60mg/dlを切っていました。
自覚症状はなかったので、CGMをしていなかったら、
全くわからなかったと思います。
HbA1cは6.8%くらいでまあまあコントロール良好でした。
午前8時の空腹時血糖値は、100mgくらいでした。
そのとき思ったのは、薬があるなしに関わらず、
実は日本中にこのようなケースが沢山あるのではないかということです。
このケース、HbA1cと午前8時の血糖値はコントロール良好ですが、
24時間を通して観察すると「血糖値の乱高下」が生じているので
酸化ストレスが増大していて、糖尿病合併症のリスクはたっぷりあります。
HbA1cはあくまでも平均血糖値を示しているに過ぎないので、
<血糖値の乱高下、平均血糖変動幅増大、食後高血糖、低血糖>
が存在したとしても、それを拾い上げることは不可能なのです。
しかしながら、現行の日本糖尿病学会の「血糖コントロール目標」は
HbA1cであり、7.0%未満が、合併症予防の目標値です。
そしてほとんどの病院において、
「HbA1cと早朝空腹時血糖値」により、糖尿病コントロールの評価をしています。
これでは、
「血糖値の乱高下 → 平均血糖変動幅増大」 及び 「食後高血糖」
という最大の酸化ストレスリスクも「低血糖」もチェックできません。
従って、例え「HbA1cと早朝空腹時血糖値」がコントロール良好でも、
糖尿病合併症を起こしてしまう糖尿病患者さんが、後を絶たないわけです。
日本では、2012年の統計まで糖尿病患者は増え続けています。
そして、日本では、糖尿病合併症は米国と異なり減少していません。
米国では糖尿病は増え続けていますが、糖尿病合併症は激減しています。
日本糖尿病学会『第56回日本糖尿病学会年次学術集会』熊本宣言2013
の記載が以下です。
『糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していません。
糖尿病腎症で透析になる人が年間16000人以上。
糖尿病網膜症で失明する人が年間3000人以上。
糖尿病足病変で切断する人が年間3000人以上。』
日本では、ほとんどの糖尿病患者さんが
糖質摂取比率50~60%のカロリー制限食を指導されています。
高糖質食を糖尿病患者さんが摂取すれば、
<血糖値の乱高下、平均血糖変動幅増大、食後高血糖>を必ず生じます。
人によれば、低血糖を生じることもあります。
これでは、糖尿病合併症が、減らないのも当たり前としか言いようがありません。
スーパー糖質制限食なら
<血糖値の乱高下、平均血糖変動幅増大、食後高血糖、低血糖>
は生じません。
このことは、CGMで明らかです。
純粋理論的に、糖尿病合併症を予防できる唯一の食事療法が
『糖質制限食』であることは、明白と思います。
日本全国の糖尿人の皆さん、
とにかくできるだけ早く、間に合う内に糖質制限食を導入して
糖尿病合併症を防ぎましょう。
江部康二
高雄病院では糖尿病患者さんに
CGM(持続ブドウ糖測定)を実施しています。
初回入院の患者さんは、
第1日目と2日目は、従来の糖尿病食(高糖質食)を食べて貰います。
第3日目からは、スーパー糖質制限食に変更します。
摂取カロリーは、従来の糖尿病食とスーパー糖質制限食で、同一としています。
CGMは非常に情報量が多い検査で、極めて有用です。
もっと、普及したらいいのになと思います。
例えば内服薬なしで、第1日目と2日目に
従来の糖尿病食を食べていただいた2型糖尿病患者さんで
夕食後は軽く200mg/dlを軽く超えていた方がおられました。
その人は翌朝明け方の午前3時頃には、
血糖値は60mg/dlを切っていました。
自覚症状はなかったので、CGMをしていなかったら、
全くわからなかったと思います。
HbA1cは6.8%くらいでまあまあコントロール良好でした。
午前8時の空腹時血糖値は、100mgくらいでした。
そのとき思ったのは、薬があるなしに関わらず、
実は日本中にこのようなケースが沢山あるのではないかということです。
このケース、HbA1cと午前8時の血糖値はコントロール良好ですが、
24時間を通して観察すると「血糖値の乱高下」が生じているので
酸化ストレスが増大していて、糖尿病合併症のリスクはたっぷりあります。
HbA1cはあくまでも平均血糖値を示しているに過ぎないので、
<血糖値の乱高下、平均血糖変動幅増大、食後高血糖、低血糖>
が存在したとしても、それを拾い上げることは不可能なのです。
しかしながら、現行の日本糖尿病学会の「血糖コントロール目標」は
HbA1cであり、7.0%未満が、合併症予防の目標値です。
そしてほとんどの病院において、
「HbA1cと早朝空腹時血糖値」により、糖尿病コントロールの評価をしています。
これでは、
「血糖値の乱高下 → 平均血糖変動幅増大」 及び 「食後高血糖」
という最大の酸化ストレスリスクも「低血糖」もチェックできません。
従って、例え「HbA1cと早朝空腹時血糖値」がコントロール良好でも、
糖尿病合併症を起こしてしまう糖尿病患者さんが、後を絶たないわけです。
日本では、2012年の統計まで糖尿病患者は増え続けています。
そして、日本では、糖尿病合併症は米国と異なり減少していません。
米国では糖尿病は増え続けていますが、糖尿病合併症は激減しています。
日本糖尿病学会『第56回日本糖尿病学会年次学術集会』熊本宣言2013
の記載が以下です。
『糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していません。
糖尿病腎症で透析になる人が年間16000人以上。
糖尿病網膜症で失明する人が年間3000人以上。
糖尿病足病変で切断する人が年間3000人以上。』
日本では、ほとんどの糖尿病患者さんが
糖質摂取比率50~60%のカロリー制限食を指導されています。
高糖質食を糖尿病患者さんが摂取すれば、
<血糖値の乱高下、平均血糖変動幅増大、食後高血糖>を必ず生じます。
人によれば、低血糖を生じることもあります。
これでは、糖尿病合併症が、減らないのも当たり前としか言いようがありません。
スーパー糖質制限食なら
<血糖値の乱高下、平均血糖変動幅増大、食後高血糖、低血糖>
は生じません。
このことは、CGMで明らかです。
純粋理論的に、糖尿病合併症を予防できる唯一の食事療法が
『糖質制限食』であることは、明白と思います。
日本全国の糖尿人の皆さん、
とにかくできるだけ早く、間に合う内に糖質制限食を導入して
糖尿病合併症を防ぎましょう。
江部康二
私のHbA1cの生涯のMAX値は6.9ですが、微少な眼底出血痕がありました。糖質制限後は速やかに消失しましたが、7.0以下でも合併症は起こります。
糖質制限前、夕食後には、起き上がれないくらいの眠気に襲われたり、夜中に着替えるくらい大量の寝汗をかいたりすることが頻繁にありました。
75gOGTTを受けた時、4時間後にリブレで40mg/dLとなり、異様な眠気に襲われ、食パン1枚を捕食しました。
糖質制限前は、毎晩のように低血糖を起こしていたものと思われます。
その後、4年以上、私費でフリースタイルリブレとSMBGでデータを取り続けたおかげで、何を食べるとどのような血糖変化になるかはおよそ把握できました。
定年退職後は、収入もないので高価なフリースタイルリブレは、旅行など日常と生活が変わる時のみ装着し、平素は早朝のSMBGのみとして、半年に一度のクリニックでの検査にどのような変化があるかを実験中です。以前から、ケトン電極も抜き打ち的に使用し、ケトン体値をチェックし、糖質制限ができている事も確認しています。
今のところ、HbA1c、血糖値には大きな変化がないので、早朝のSMBGでの確認のみで、以前と同様の糖質制限が継続されているはずです。リブレで長期に血糖変化を見てきたので食事と血糖変化の関係が細かく理解でき、食習慣を改善できたおかげと思います。現在も食べたものはすべてPFCを記録しています。
ただ、リブレは高価で無収入の現在、私費で継続的に使用するには負担が大きすぎます。これで合併症が防げるのなら、保険適用にしても十分に元が取れるくらいの効果はあるはずです。体温計や、血圧計のようにもっと自由にCGM、FGMが利用できる環境にならないものかと思います。
糖質制限前、夕食後には、起き上がれないくらいの眠気に襲われたり、夜中に着替えるくらい大量の寝汗をかいたりすることが頻繁にありました。
75gOGTTを受けた時、4時間後にリブレで40mg/dLとなり、異様な眠気に襲われ、食パン1枚を捕食しました。
糖質制限前は、毎晩のように低血糖を起こしていたものと思われます。
その後、4年以上、私費でフリースタイルリブレとSMBGでデータを取り続けたおかげで、何を食べるとどのような血糖変化になるかはおよそ把握できました。
定年退職後は、収入もないので高価なフリースタイルリブレは、旅行など日常と生活が変わる時のみ装着し、平素は早朝のSMBGのみとして、半年に一度のクリニックでの検査にどのような変化があるかを実験中です。以前から、ケトン電極も抜き打ち的に使用し、ケトン体値をチェックし、糖質制限ができている事も確認しています。
今のところ、HbA1c、血糖値には大きな変化がないので、早朝のSMBGでの確認のみで、以前と同様の糖質制限が継続されているはずです。リブレで長期に血糖変化を見てきたので食事と血糖変化の関係が細かく理解でき、食習慣を改善できたおかげと思います。現在も食べたものはすべてPFCを記録しています。
ただ、リブレは高価で無収入の現在、私費で継続的に使用するには負担が大きすぎます。これで合併症が防げるのなら、保険適用にしても十分に元が取れるくらいの効果はあるはずです。体温計や、血圧計のようにもっと自由にCGM、FGMが利用できる環境にならないものかと思います。
2022/08/10(Wed) 21:14 | URL | 西村 典彦 | 【編集】
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