2022年08月04日 (木)
こんにちは。
「糖質制限食」は、血糖コントロールは勿論のこと、減量にも最適です。
しかも、『我慢しなくても自然に摂取カロリーが減る』という利点があります。
このことは信頼度の高い英文論文で保証されています。
すなわち有名な「DIRECT試験」で、以下の青字の記載が論文の概要です。

よく引用されるイスラエルのShai先生の有名な論文、DIRECT
「低炭水化物食で体重減少・ HDL-C増加・HbA1c改善 RCT研究論文」
イスラエルの322人(男性86%)
(1)低脂肪食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(2)オリーブ油の地中海食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(3)低炭水化物食(カロリー制限なし)
3グループの食事法を2年間
低炭水化物食が、最も体重減少。HDL-Cも増加。
36名の糖尿病患者においてHbA1cが有意差をもって改善
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241
糖質制限群は、最初の2ヶ月は20g/日に糖質を制限、
その後3ヶ月目からは徐々に緩めて120g/日までOKと設定しています。
しかしながら、6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後、
40~41%の糖質を摂取しています。
つまり、このDIRECT論文も、
糖質40%の糖質制限食群(中糖質群)と
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)を比べた研究ということになります。
3群とも、出発点のベースラインからは、日々の摂取カロリーが、
6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後と全て、有意に減少しています。
ベースラインからのカロリー減少幅に3群で有意差はありませんでした。
糖質制限食群はカロリー制限なしの設定ですが、
低脂肪食群、地中海食群と有意差無く摂取エネルギーが減少しています。
つまり、同一カロリーの3群を比較検討した研究ということになります。
糖質制限食群は、脂質・蛋白質が多いので満足度・満腹度が高いので
カロリー制限なしの設定でしたが、
自然に我慢すること無く他の2群と同じだけのカロリーが減りました。
これは、かなり大きなメリットと言えます。
それで女性1500kcal、男性1800calのカロリー制限ありの他の2群に摂取カロリーを合わせてみると糖質制限食群でも、
女性で150g/日、男性で180g/日の炭水化物を摂取していることになります。
設定の120g/日をかなりオーバーしています。
これでは折角減少した体重もリバウンドを起こすでしょうね。
現実に2年後には、3群ともリバウンドを起こしています。
脂肪制限食が一番リバウンドが大きいです。
糖質制限食群も一番体重が減少していますが、
当初の5ヶ月間で達成した体重減少からは少しリバウンドしています。
この経過は、グラフをご参照ください。
私のようにスーパー糖質制限食実践中の場合、
一旦減少して適正になった体重はリバウンドを起こすことなく維持できます。
スーパー糖質制限食の場合は、
40~60g/日の糖質摂取量で、糖質の摂取比率は12%くらいです。
私の場合は、2002年にスーパー糖質制限食半年で10kg減量して、
167cm、57kgとなり、2022年8月現在も維持しています。
DIRECTの糖質摂取120g/日、糖質摂取比率40%は、
高雄病院のスーパー糖質制限食と比べると大きな差があります。
DIRECTによれば、40%の緩い糖質制限食でも、
「最も体重減少。HDL-Cも増加。HbA1cが有意差をもって改善。」
ということができます。(RCT研究論文2年間のエビデンスあり)
一方、スーパー糖質制限食に比べると、体重減少にリバウンドを生じています。
私は、やはり今後もずっと継続してスーパー糖質制限食を続けていきます。
DIRECT
Table2 炭水化物摂取比率
糖質制限群
ベースラインン:50.8%
6ヶ月後:41.4
12ヶ月後:41.6
24ヶ月後:40.4
地中海食群
ベースラインン:51.5%
6ヶ月後:49.8
12ヶ月後:50.0
24ヶ月後:50.2
低脂肪食群
ベースラインン:51.8%
6ヶ月後:50.4
12ヶ月後:50.5
24ヶ月後:50.7
江部康二
「糖質制限食」は、血糖コントロールは勿論のこと、減量にも最適です。
しかも、『我慢しなくても自然に摂取カロリーが減る』という利点があります。
このことは信頼度の高い英文論文で保証されています。
すなわち有名な「DIRECT試験」で、以下の青字の記載が論文の概要です。

よく引用されるイスラエルのShai先生の有名な論文、DIRECT
「低炭水化物食で体重減少・ HDL-C増加・HbA1c改善 RCT研究論文」
イスラエルの322人(男性86%)
(1)低脂肪食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(2)オリーブ油の地中海食(カロリー制限あり)女性1500kcal、男性1800kcal
(3)低炭水化物食(カロリー制限なし)
3グループの食事法を2年間
低炭水化物食が、最も体重減少。HDL-Cも増加。
36名の糖尿病患者においてHbA1cが有意差をもって改善
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241
糖質制限群は、最初の2ヶ月は20g/日に糖質を制限、
その後3ヶ月目からは徐々に緩めて120g/日までOKと設定しています。
しかしながら、6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後、
40~41%の糖質を摂取しています。
つまり、このDIRECT論文も、
糖質40%の糖質制限食群(中糖質群)と
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)を比べた研究ということになります。
3群とも、出発点のベースラインからは、日々の摂取カロリーが、
6ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後と全て、有意に減少しています。
ベースラインからのカロリー減少幅に3群で有意差はありませんでした。
糖質制限食群はカロリー制限なしの設定ですが、
低脂肪食群、地中海食群と有意差無く摂取エネルギーが減少しています。
つまり、同一カロリーの3群を比較検討した研究ということになります。
糖質制限食群は、脂質・蛋白質が多いので満足度・満腹度が高いので
カロリー制限なしの設定でしたが、
自然に我慢すること無く他の2群と同じだけのカロリーが減りました。
これは、かなり大きなメリットと言えます。
それで女性1500kcal、男性1800calのカロリー制限ありの他の2群に摂取カロリーを合わせてみると糖質制限食群でも、
女性で150g/日、男性で180g/日の炭水化物を摂取していることになります。
設定の120g/日をかなりオーバーしています。
これでは折角減少した体重もリバウンドを起こすでしょうね。
現実に2年後には、3群ともリバウンドを起こしています。
脂肪制限食が一番リバウンドが大きいです。
糖質制限食群も一番体重が減少していますが、
当初の5ヶ月間で達成した体重減少からは少しリバウンドしています。
この経過は、グラフをご参照ください。
私のようにスーパー糖質制限食実践中の場合、
一旦減少して適正になった体重はリバウンドを起こすことなく維持できます。
スーパー糖質制限食の場合は、
40~60g/日の糖質摂取量で、糖質の摂取比率は12%くらいです。
私の場合は、2002年にスーパー糖質制限食半年で10kg減量して、
167cm、57kgとなり、2022年8月現在も維持しています。
DIRECTの糖質摂取120g/日、糖質摂取比率40%は、
高雄病院のスーパー糖質制限食と比べると大きな差があります。
DIRECTによれば、40%の緩い糖質制限食でも、
「最も体重減少。HDL-Cも増加。HbA1cが有意差をもって改善。」
ということができます。(RCT研究論文2年間のエビデンスあり)
一方、スーパー糖質制限食に比べると、体重減少にリバウンドを生じています。
私は、やはり今後もずっと継続してスーパー糖質制限食を続けていきます。
DIRECT
Table2 炭水化物摂取比率
糖質制限群
ベースラインン:50.8%
6ヶ月後:41.4
12ヶ月後:41.6
24ヶ月後:40.4
地中海食群
ベースラインン:51.5%
6ヶ月後:49.8
12ヶ月後:50.0
24ヶ月後:50.2
低脂肪食群
ベースラインン:51.8%
6ヶ月後:50.4
12ヶ月後:50.5
24ヶ月後:50.7
江部康二
週に2、3回訪れてはブログを楽しく拝見しております。
貴著『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』を手にとった日から開始したスーパー糖質制限は、チートデイを設け、時々、鰻丼などを食べる日もありますが、開始して2年が経過しました。
先週測ったところ、身長176㎝に対し、体重64.2㎏、ジーンズのウェストが余るようになったためウェスト73㎝のジーンズに買い替えるなど見た目は悪くなく、血圧も相当下がり130を超えるか超えないか程度まで低下しましたが、数か月前の検診では尿酸値8.3mg/dl、LDL215(HDL48、中性脂肪58、総コレステロール291)など、まだ、高い数値がありました。
本だけでは、難しく本格的に医師の指導を受ける時期にきたのかと考えている今日この頃です。
貴著『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』を手にとった日から開始したスーパー糖質制限は、チートデイを設け、時々、鰻丼などを食べる日もありますが、開始して2年が経過しました。
先週測ったところ、身長176㎝に対し、体重64.2㎏、ジーンズのウェストが余るようになったためウェスト73㎝のジーンズに買い替えるなど見た目は悪くなく、血圧も相当下がり130を超えるか超えないか程度まで低下しましたが、数か月前の検診では尿酸値8.3mg/dl、LDL215(HDL48、中性脂肪58、総コレステロール291)など、まだ、高い数値がありました。
本だけでは、難しく本格的に医師の指導を受ける時期にきたのかと考えている今日この頃です。
Masa さん
体重減少、血圧改善、良かったです。
①コレステロールに関しては、<HDL-C60以上、中性脂肪60以下>であれば
LDL-Cは、全て標準の大きさの善玉ですので、それをめざしましょう。
HDL-Cを増やすには、<スーパー糖質制限食+運動(ウオーキングなど)>が有効です。
②尿酸値は個人差が大きいです。
9mgを超えるようなら、痛風発作を起こしやすいので治療が必要です。
体重減少、血圧改善、良かったです。
①コレステロールに関しては、<HDL-C60以上、中性脂肪60以下>であれば
LDL-Cは、全て標準の大きさの善玉ですので、それをめざしましょう。
HDL-Cを増やすには、<スーパー糖質制限食+運動(ウオーキングなど)>が有効です。
②尿酸値は個人差が大きいです。
9mgを超えるようなら、痛風発作を起こしやすいので治療が必要です。
2022/08/05(Fri) 07:15 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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