2022年04月05日 (火)
【22/04/04 apple
食後中性脂肪値の目安について
江部先生
いつもブログを拝見し、糖質制限について勉強させていただいております
さて、血液検査結果についてご相談させてください(50歳、女性、閉経済み)
結果は以下のとおりです
食後3時間値
血糖値100
グリコアルブミン12.9
HbA1C5.3
LDL109
HDL93
中性脂肪179
AST19
ALT20
γ-GPT14
因みに、非空腹時の中性脂肪値を検査するのは初めてで、
2ヶ月前は空腹時で34でした
また、2か月前よりタンパク質量を減らした結果、
HbA1Cが6.2→5.3、グリコアルブミンが14.0→12.9となりました
タンパク質を減らした代わりに、オイルやナッツの摂取量を増やしています
検査前の食事は糖質4g、タンパク質30g、
脂質61gくらいでした
脂質の内訳は、MCTオイル15g、ナッツ20g、
オイルサーディンとそのオリーブオイル36gくらいです
食後の中性脂肪値はいくつくらいまでが良いのでしょうか?
かかりつけ医によると、食後は200位までならOKとのことでした
江部先生のご意見をお聞かせください
また、食後中性脂肪値を改善するには
どのような食事が良いかご教授くださるとありがたいです
お忙しいところお手数おかけいたします
宜しくお願い申し上げます】
こんにちは。
apple さんから、食後の中性脂肪値について、コメント・質問を頂きました。
【2か月前よりタンパク質量を減らした結果、
HbA1Cが6.2→5.3%、グリコアルブミンが14.0→12.9%となりました】
【検査前の食事は糖質4g、タンパク質30g、脂質61gくらい】
タンパク質(P):17.5% 脂質(F):80.1% 糖質(C):2.3%
高雄病院スーパー糖質制限給食のPFC平均比率が<P32%:F56%:C12%>
ですので、apple さんの場合は、ケトン食に近いぐらい脂質の比率が多いですね。
タンパク質を減らして
HbA1Cが6.2→5.3%、グリコアルブミンが14.0→12.9%
と平均血糖値が低下しているのでapple さんは、
『タンパク質によるグルカゴン分泌』が『タンパク質によるインスリン分泌』より
優位なタイプと思われます。
ただ、平均血糖値だけ下げれば良いということではありません。
50歳ということも考慮すれば、
筋肉量の維持と免疫力の確保のために、
もう少しタンパク質摂取量を増やす方が望ましいです。
スーパー糖質制限食の「P:32%」まで行かなくても、
最低でも「P:20%」以上は確保しましょう。
【食後3時間値
血糖値100
グリコアルブミン12.9
HbA1C5.3
LDL109
HDL93
中性脂肪179
AST19
ALT20
γ-GPT14】
中性脂肪値以外は基準値内ですね。
中性脂肪値も食後3時間であれば、問題ない数値です。
<血中の中性脂肪値>
血液検査で測定されている中性脂肪値は、
食事由来のキロミクロンの積み荷の中性脂肪と、
肝臓で作っているVLDLの積み荷の中性脂肪を合計したものです。
筋肉細胞や脂肪細胞の毛細血管の壁には、リポタンパクリパーゼ(LPL)があります。
リポタンパクリパーゼ(LPL)が、リポタンパク質の積み荷の中性脂肪を、
2つの脂肪酸と1つのモノグリセリドに分解して、
筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて利用させます。
リポタンパクリパーゼが正常に働いていれば、
中性脂肪値は食後5~6時間で基準値内に戻るはずです。
しかし、食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、
食事由来の中性脂肪が血中に乳び状態であるので、個人差はあると思いますが、
高中性脂肪値となります。
スーパー糖質制限食実践中で、脂質・タンパク質を中心の食生活なら、
食後2時間~5時間くらいは食事由来のキロミクロンで高中性脂肪血症になる理屈です。
この間リポタンパクリパーゼ(LPL)がせっせと働いて、
食後5~6時間経過すれば中性脂肪値を基準値内に下げてくれると思います。
従って、スーパー糖質制限食で、
食後5~6時間以降と空腹時の中性脂肪値は当然基準値内に治まりますが、
食後1~5時間くらいの間は中性脂肪値は高値となります。
これは生理的な現象ですので心配はいりません。
<まとめ>
appleさんは、空腹時中性脂肪値は34mg/dlで60以下であり、
HDL-Cも93mg/dlで、60を超えていて、とても良好です。
このデータなら、「小粒子LDL-C」や「酸化LDL-C」は皆無で、
LDL-Cは全て標準の大きさの善玉であり、脂質データは極めて良好です。
中性脂肪値が、179mg/dlとやや高値なのも
食後3時間のデータであれば、全く問題ありあません。
江部康二
食後中性脂肪値の目安について
江部先生
いつもブログを拝見し、糖質制限について勉強させていただいております
さて、血液検査結果についてご相談させてください(50歳、女性、閉経済み)
結果は以下のとおりです
食後3時間値
血糖値100
グリコアルブミン12.9
HbA1C5.3
LDL109
HDL93
中性脂肪179
AST19
ALT20
γ-GPT14
因みに、非空腹時の中性脂肪値を検査するのは初めてで、
2ヶ月前は空腹時で34でした
また、2か月前よりタンパク質量を減らした結果、
HbA1Cが6.2→5.3、グリコアルブミンが14.0→12.9となりました
タンパク質を減らした代わりに、オイルやナッツの摂取量を増やしています
検査前の食事は糖質4g、タンパク質30g、
脂質61gくらいでした
脂質の内訳は、MCTオイル15g、ナッツ20g、
オイルサーディンとそのオリーブオイル36gくらいです
食後の中性脂肪値はいくつくらいまでが良いのでしょうか?
かかりつけ医によると、食後は200位までならOKとのことでした
江部先生のご意見をお聞かせください
また、食後中性脂肪値を改善するには
どのような食事が良いかご教授くださるとありがたいです
お忙しいところお手数おかけいたします
宜しくお願い申し上げます】
こんにちは。
apple さんから、食後の中性脂肪値について、コメント・質問を頂きました。
【2か月前よりタンパク質量を減らした結果、
HbA1Cが6.2→5.3%、グリコアルブミンが14.0→12.9%となりました】
【検査前の食事は糖質4g、タンパク質30g、脂質61gくらい】
タンパク質(P):17.5% 脂質(F):80.1% 糖質(C):2.3%
高雄病院スーパー糖質制限給食のPFC平均比率が<P32%:F56%:C12%>
ですので、apple さんの場合は、ケトン食に近いぐらい脂質の比率が多いですね。
タンパク質を減らして
HbA1Cが6.2→5.3%、グリコアルブミンが14.0→12.9%
と平均血糖値が低下しているのでapple さんは、
『タンパク質によるグルカゴン分泌』が『タンパク質によるインスリン分泌』より
優位なタイプと思われます。
ただ、平均血糖値だけ下げれば良いということではありません。
50歳ということも考慮すれば、
筋肉量の維持と免疫力の確保のために、
もう少しタンパク質摂取量を増やす方が望ましいです。
スーパー糖質制限食の「P:32%」まで行かなくても、
最低でも「P:20%」以上は確保しましょう。
【食後3時間値
血糖値100
グリコアルブミン12.9
HbA1C5.3
LDL109
HDL93
中性脂肪179
AST19
ALT20
γ-GPT14】
中性脂肪値以外は基準値内ですね。
中性脂肪値も食後3時間であれば、問題ない数値です。
<血中の中性脂肪値>
血液検査で測定されている中性脂肪値は、
食事由来のキロミクロンの積み荷の中性脂肪と、
肝臓で作っているVLDLの積み荷の中性脂肪を合計したものです。
筋肉細胞や脂肪細胞の毛細血管の壁には、リポタンパクリパーゼ(LPL)があります。
リポタンパクリパーゼ(LPL)が、リポタンパク質の積み荷の中性脂肪を、
2つの脂肪酸と1つのモノグリセリドに分解して、
筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて利用させます。
リポタンパクリパーゼが正常に働いていれば、
中性脂肪値は食後5~6時間で基準値内に戻るはずです。
しかし、食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、
食事由来の中性脂肪が血中に乳び状態であるので、個人差はあると思いますが、
高中性脂肪値となります。
スーパー糖質制限食実践中で、脂質・タンパク質を中心の食生活なら、
食後2時間~5時間くらいは食事由来のキロミクロンで高中性脂肪血症になる理屈です。
この間リポタンパクリパーゼ(LPL)がせっせと働いて、
食後5~6時間経過すれば中性脂肪値を基準値内に下げてくれると思います。
従って、スーパー糖質制限食で、
食後5~6時間以降と空腹時の中性脂肪値は当然基準値内に治まりますが、
食後1~5時間くらいの間は中性脂肪値は高値となります。
これは生理的な現象ですので心配はいりません。
<まとめ>
appleさんは、空腹時中性脂肪値は34mg/dlで60以下であり、
HDL-Cも93mg/dlで、60を超えていて、とても良好です。
このデータなら、「小粒子LDL-C」や「酸化LDL-C」は皆無で、
LDL-Cは全て標準の大きさの善玉であり、脂質データは極めて良好です。
中性脂肪値が、179mg/dlとやや高値なのも
食後3時間のデータであれば、全く問題ありあません。
江部康二
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