2型糖尿病発症時のβ細胞機能は、既に正常の50%に低下している。

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こんにちは。
2型糖尿病発症時のβ細胞機能は、どのていど残存しているのでしょう。
何と、すでに正常の50%に低下しているとのことです。

https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2007/PA02724_03
医学書院のサイト
に記載されていますので、
以下要約してみました。
上記サイトにグラフが載っていますので参考にして頂ければ幸いです。


A)1型糖尿病
自己免疫疾患による1型糖尿病は、
β細胞の量が低下して、残存β細胞量が10%前後になったときに、
糖尿病を発症するとされています。

B)2型糖尿病
2型糖尿病におけるβ細胞機能低下については、
ジョスリン糖尿病学の第14章、
糖尿病における経口薬治療の部分に掲載されているそうです。

UKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)の患者データをもとに、
HOMA-β指数を算出し、
推定した膵β細胞機能を縦軸に、横軸に罹病期間をとっています。
2型糖尿病患者のβ細胞機能は、
診断時点ですでに正常の50%前後であり、
年間約4%の割合で機能が低下し、
β細胞機能が15%前後となった時点で経口薬の効果は期待できず、
インスリン治療が必要となるということです。

<考察>
これでは、2型糖尿病も、慢性進行性の不治の病ということになり、
あまりにも寂しいお話ではありませんか。
しかしちょっと待ってください。
この結論はあくまでも、普通に糖質を50%くらい摂取している糖尿人のデータです。
すなわち、スーパー糖質制限食実践者には当てはまらないと考えられます。

年間約4%の割合で機能が低下していく主な要因は、
食後高血糖によるβ細胞の障害と考えられます。
スーパー糖質制限食なら、
食後高血糖が最小限(1.2時間値160mg/dl未満)ですみ、
β細胞の障害もほとんどないので、β細胞機能も保たれると思います。

N数が、1に過ぎませんが、私は52歳で糖尿病を発症し、
現在72歳となっています。
HbA1cは、20年間、一貫して5.6~5.8%くらいで維持されています。
今朝の空腹時血糖値は、SMBGで101mg/dlでした。
20年間、β細胞機能は、充分、保たれていると思われます。


☆UKPDS

1977年から1991年までの間に英国の23施設で
新規に糖尿病と診断された25〜65歳の患者が対象。
これらの該当者のうち2回の空腹時血糖値が
いずれも108mg/dLより高かった者を適格とした。
7616名の患者中、除外基準に該当する2514名を除外し、
残った5102名の候補者に3カ月間の食事療法を行った後、
空腹時血糖値が109mg/dL以上270mg/dL以下の者4209名を対象者として、
研究が行われた。
2型糖尿病の大規模研究として、金字塔とされる研究の一つである。


江部康二
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