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脂肪酸、肉の脂とオリーブオイル
おはようございます。

どんよりとした曇り空で、あまり秋らしくない今朝の京都です。

今回は肉の脂とオリーブオイルについて高野真さんから、コメント・質問をいただきました。

『08/10/19 高野真
インスリンと脂肪の種類

糖尿人ではないですが糖質制限で健康管理している者です。
釜池先生、江部先生、荒木裕先生と、 糖質制限の波が徐々に世の中に広がってますね。

9月22~24日の「糖質制限食と中性脂肪」読みました。

血中の中性脂肪の行き先がインスリンの影響を受ける、 という事は理解しました。
その仕組みは、全ての脂肪に関して同様に働くのでしょうか?

肉の脂(飽和脂肪酸)とオリーブオイル(一価不飽和脂肪酸)では、 オリーブオイルの方が中性脂肪になりにくそうに思ったので。

私は普段は糖質制限ですが、激しい運動をした後は 糖分を取らないと頭がクラクラ、目がギラギラしてきますし、 糖分を補給するまでその状態は持続します。

なので糖分を摂取するのですが、すると意識を保てないくらい 眠くなり、実際にそのまま気を失います。昏睡状態です。

糖分を摂取しなければならない時、脂肪を同時に摂らないほうがいいのか 飽和脂肪酸が体に悪いのか知りたくて質問させていただきました。

いつも非常に為になる記事に驚き、発見させてもらってます。
これからも頑張ってください。』


高野真さん。コメントありがとうございます。

高野さんは、以前ももうしあげたように、機能性低血糖症の可能性が高いですね。

肉の脂(飽和脂肪酸)やオリーブオイルなどの長鎖脂肪酸は、小腸で吸収されて小腸粘膜の細胞内で中性脂肪に再合成されてほとんどがリンパ菅、一部が静脈に入り、 筋肉や脂肪組織に運ばれ、余分なものは体脂肪(中性脂肪)として蓄積されます。

従って、中性脂肪に変わるという意味では同じようなものなのでしょうが、疫学的にはオリーブオイルが心筋梗塞予防によいとされていますね。また飽和脂肪酸は、取りすぎない方がよいとされています。

安静時に糖質と脂質を一緒に摂取すれば、インスリンが分泌されるので高中性脂肪血症になりやすいです。

しかし、運動中などでは、ナッツ類などでほどよく、脂質、糖質、タンパク質を補給すれば、高血糖にも反応性の低血糖にもなりにくいと思われます。

☆☆☆
脂肪酸は分子の長さによって、長鎖・中鎖・短鎖に分類されます。植物油の多くやラード・牛脂などは長鎖脂肪酸です。中鎖脂肪酸は長さがその約半分で、牛乳やココナッツ油などに含まれています。
母乳の脂肪分にも約3% 含まれています。短鎖脂肪酸にはバターに含まれる酪酸があります。

長鎖脂肪酸は、小腸でゆっくりと吸収されながら、粘膜で中性脂肪に再合成されてリンパ菅や静脈に入り、 筋肉や脂肪組織に運ばれ、余分なものは体脂肪として蓄積されます。

一方、中鎖脂肪酸は約4倍も吸収が速く、門脈という肝臓に栄養を送る血管に入り、肝臓で速やかに分解されてエネルギーに なります。代謝が長鎖脂肪酸にくらべ約10倍速いので、体脂肪になりにくいのが特長です。

☆☆☆
代表的な脂肪酸

        飽和             一価不飽和        多価不飽和
長鎖   パルミチン酸(牛脂、ラード)     オレイン酸       リノール酸、EPAなど   
中鎖   カプリル酸(ココナッツ油)      なし            なし
短鎖   酪酸(バター)             なし            なし


☆☆☆
天然の食用油は、

「多価不飽和脂肪酸」P
「一価不飽和脂肪酸」M
「飽和脂肪酸」S

の3種から成っています。

厚生労働省はP:M:Sの比率を3:4:3とすることを推奨しています。

多価不飽和脂肪酸
  リノール酸(ω-6系、大部分の植物油に含まれる)
  α-リノレン酸(ω-3系、緑の濃い野菜に含まれる)
  魚油に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)
 など

一価不飽和脂肪酸 
  オレイン酸(オリーブ油の主成分、動物性油脂にもある)な ど 

飽和脂肪酸:ステアリン酸、パルミチン酸など。
  獣肉油脂、牛乳、卵など動物性脂肪に多く含まれる。
  植物性油脂にも含まれる

☆☆☆
リノール酸とα-リノレン酸は人体で合成できない必須脂肪酸ですが、リノール酸は現在その過剰摂取が問題となっています。

日本脂質栄養学会は 2002年9月に、世界に先駆けて「リノール酸摂取を削減する提言」を採択しました( http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsln/teigenAnn02.htm )。

以下は提言からの抜粋です。

 『本学会は 1992年以来、必須脂肪酸であるリノール酸の摂取過剰と健康の問題について討論を重ね、学会内外の有識者の意見を集約・評価してきた。その結果、日本人のリノール酸摂りすぎを是正する方向に栄養指導を改めることが急務であるとの結論に達した。』

 『リノール酸摂取量を現在の高いレベルに保つことのメリットについては、科学的根拠が見出せない。リノール酸摂りすぎの害(心臓・脳血管系疾患、欧米型癌、アレルギー性疾患、その他炎症性疾患)については、動物実験のみならず臨床的にも明らかにされてきた。また、現在市場に供給されている育児用粉ミルク中のリノール酸は総脂肪酸中の 18%以上にもなっており、母乳中の必須脂肪酸組成と著しく乖離している。』

油脂の過剰摂取が問題にされることが多いのですが、結局そのほとんどがリノール酸だったわけです。現代の日本人は、必須脂肪酸として1~2g/日必要なのを、20g/日摂取しています。

☆☆☆
積極的に摂った方がよい油脂はオリーブオイルに含まれるオレイン酸など一価不飽和脂肪酸、α-リノレン酸、EPA、DHA などです。


***
今回のブログは
ホームページ
<体脂肪の食事学>(社)神奈川県栄養士会情報管理委員会編集
http://www24.big.or.jp/~keiyousi/kenmin/taisibou/taisibou.htm
から一部引用し、また参考にさせていただきました。
謝謝。

江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
糖新生
はじめて書込みさせていただきます。
先生のブログと本を参考に糖質制限にトライ中の、54歳、2型組、糖尿人9年生のdeosと申します。既にプチ糖質制限を自主的に開始しておりましたが、先週の診察でやっと主治医と栄養指導の方に、実際のデータを示すことで糖質管理にて治療に取り込む事(前は反対していましたが)説得できて大手を振って実践できそうです。

今年の3月まで、まったく自分で管理することに興味なく、ただただ経口薬が増えるまま気儘に生活してきた事もあり、空腹時180台、A1c 8.5迄行ってしまいました。メタボ元年に改めて見直してみると、1次予選(胴囲85cm↑)は軽くクリア、2次予選全3種目入賞していることに気がつき、一念発起生活改善に取り組み、毎朝1時間の速歩ウォーキング(約6.5km)と1500kcalの食事制限で、今年の9月迄に-16kgの減量<BMIをやっと30%を切ったぐらいで、欧米水準の肥満からは脱出しましたが、まだまだです(-ωー;)>、メタボ3種目はすべて特保基準内に収まる処まで来ました。 次の目標は、できればSU剤から脱して、なるべくβ細胞を鞭打たず生き残ったβさんとできるだけ末永いつきあいをしたいと思い、調べている内に先生にブログにたどり着くことが出来ました。(先生のブログを見て、新たに食後血糖140以内も目標として追加しました)

ベイスン、メルビン、アクトス(30mg1錠→15g1錠)、オイグルコン2.5mg3錠→アマリール1mg2錠)と状態改善するに従って処方を減らして貰ってますが、SU剤を減らした途端、それまで空腹時75~90位、A1C5.2~5.7と安定していたのに、空腹時120台となってしまい、プチ糖質制限を10月初旬から始めて見たところ、即効で75~110位にコントロールできるようになりました。ところが最近、前夜の食後2時間血糖値より朝が高くなっている、運動後の空腹時血糖値が何も食べていないにも係わらず上がると言う現象が起きております。多分「糖新生」が起きているのかと思いますが、糖質制限をした場合通常な過程なのでしょうか? 主治医は経験やデータがないので判断できないとの事で、お忙しい中大変恐縮ですが質問をさせて頂きました。

前夜 寝起  運動後
110 ー 120
109 88 108
84 91 ー
212 72 107 ※前日60%糖質摂食データ採集日

食後2時間122mgBG/C-ペプチド3.0、空腹時HOMA-R 0.9と一応インシュリン分泌/抵抗性はそこそこの様です。

運動により糖新生で血糖値が10も30も上がるものなのでしょうか? 少し、空腹での運動は抑えた方が良いのでしょうか?

肝臓にはグリコーゲンが10時間分ぐらい貯蓄されており、朝にこれが朝食までぐらいは多少残ってグリコースを分泌していると思っていましたが、糖尿人は貯蔵量が少ないのでしょうか?

この糖新生の段階を得て、ケトンを利用できる体質に変化していくのでしょうか?

多くの質問となってしまいましたが、よろしくおねがいします。
2008/10/28(Tue) 14:39 | URL | deos | 【編集
No title
はじめまして
大変感謝したくコメントさせていただきます。42才の男性です。

私も8年間下がらぬ血糖値と決別するために糖質制限食を7月下旬からはじめました。東京に住んでいますので高尾病院までいくのは大変なので東京で糖質制限に積極的な銀座の病院を探し出し、そちらのお世話になっています。

当初 7月12日空腹時血糖値が250mg/dlだったのですが糖質制限を始めた途端にリアルタイムで血糖値が下がり始め、先ほどSMBGしたところ86mg/dlでした。HbA1cは7.8%(8月2日)から5.9%(10月24日)まで下げることができました。主治医からは「薬なしでよくここまで頑張りました」とお褒めの言葉をいただきました。

前の主治医の時はコントロールがうまくいかず、行く度に叱られ、病院への足が遠ざかっていました。

カロリー制限と違い、食べないストレスをためずにできる糖質制限食は本当にすごいと実感しております。

11月30日の東京での講演会には是非とも参加いたしますのでよろしくお願いします。
2008/10/28(Tue) 21:22 | URL | みうパパ | 【編集
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