fc2ブログ
SU剤は極力、使用制限する方向で。日本糖尿病学会は勧告すべき。
こんにちは。
今回は、長年、繁用されてきたSU剤についての考察です。
SU薬は、経口血糖降下薬の中では最も古くから使用されている薬です。

日本薬学会第136年会(横浜)
2016年3月27日の発表
2型糖尿病薬処方割合の推移


によると、
2005年度では、SU薬が50%以上を占めていて
ダントツです。
2位は、αGI薬で、2005年度で、20%くらいです。

その後、SU薬は減り続け、
2010年に登場したDPP-4阻害薬が増え続けて、
2012年に逆転しています。

2015年には、SU薬は、20%まで減少し、
DPP-4阻害薬は増え続けて、40%を超えています。

SU薬はこのように激減していますが、いまだにまだ処方する医師もいるとうことなので、
注意が必要です。


私の場合、スーパー糖質制限食が上手く実践できないために、コントロールがいまいちの糖尿人に、やむを得ずSU剤(アマリール:第3世代)を投与するときも、原則として、0.5mgの錠剤を1錠/日などのごく少量にしていました。

SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、少量に越したことはないのです。

そしてもし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第2世代SU剤)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、心筋障害のリスクがあるので即刻中止した方が無難です。

しかしながら、アマリールやグリミクロン(第3世代)も、HbA1cの改善効果はあるけれど、食後高血糖をマッチング良く防ぐことができないことと、空腹時には低血糖を招きやすい欠点が、CGM(☆)により明らかとなってきました。

つまり、SU剤は「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」という最大の酸化ストレスリスクを予防できていないどころか、悪化させている可能性が極めて高いのです。一見改善したように見えても、実は質の悪いHbA1cなのです。

CGMにより検査してみると、SU剤を内服して食事しても、食後高血糖はほとんど防げていなくて、空腹時の低血糖を生じていることが多かったのです。

例えば、夕食前にSU剤を内服して、従来の糖尿病食(高糖質食)を摂取すると、食後1時間とか2時間の血糖値は軽く200mg/dlを超えてきます。

なおかつ、夜中の午前3時頃には、50~60mg/dlなどの低血糖を高率に生じていたのです。

平均血糖値(HbA1c)は、一見6.5%とか良好でも、SU剤を内服していた場合は、「食後250mg/dlと空腹時50mg/dl」の
平均値をみているだけで、極めて質の悪いHbA1cなのです。

これでは、わざわざ平均血糖変動幅を増大させて食後高血糖は防げず、空腹時低血糖を頻回に起こすという
百害あって一利なしの薬物ということになります。

酸化ストレスリスクをもっとも生じやすい薬物がSU剤といえます。

このため私自身は、現在SU剤を、ほぼすべて中止して、SGLT2(エスジーエルティーツー)阻害薬、DPP-4(ディーピーピーフォー)阻害薬、メトホルミン、リベルサス(GLP1受容体作動薬)などに変更しました。
スーパー糖質制限食実践なら、SU薬の必要性は、皆無です。

日本糖尿病学会は、これらのCGMデータによる生理学的事実を、広く一般医師に公表し説明する義務があると思います。

しっかり説明して、SU剤の使用制限或いは中止を早急に勧告すべきです。

これは、日本糖尿病学会の喫緊の義務と思いますが、日本糖尿病学会さん、如何でしょう。


江部康二



(☆)CGM
CGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システム


ブドウ糖値を数日間連続的に測定できる持続ブドウ糖測定装置(CGMS)が、2012年4月から日本でも保険適応となり、日常臨床で使用できるようになりました。

ブドウ糖値の日内変動を24時間通して把握できるので、SMBG(血糖自己測定器)やHbA1cによるデータとは異なる情報を得ることができます。

15分ごとに測定して、24時間で96回、14日間で1344回のブドウ糖測定が可能です。

血糖ではなく皮下間質液中のブドウ糖値を連続測定するのですが、血糖値と同様とみなしてよいと思われます。

2000年頃、欧米で開発され使用されるようになりました。


江部康二

コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可