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ヒトや動物は、水だけでどのくらい生存可能なのか?
こんばんは。

夏場に高齢者が熱中症で死亡することが結構あります。
東京都監察医務院によりますと2020年の夏、
東京23区で熱中症で亡くなった人は200人に上り、
このうち65歳以上の高齢者は178人と全体の89%を占めました。

人間の体の多くは、水分(体液)でできています。
人間の体に占める水分の割合は成人で60%あります。
しかし体の中の水分は加齢とともに減っていき、
65歳以上の高齢者では50%であり、隠れ脱水状態なのです。
脱水があると汗も出にくくなり熱中症になる可能性が高くなります。
熱中症で亡くなった人のうち、65歳以上の高齢者が89%だったのも頷けます。
このように、水は生命活動において、極めて重要な存在です。

以下は、2017/12/02の本ブログ記事の再掲載です。
☆☆☆
それでは『ヒトや動物は、水だけでどのくらい生存可能なのか?』
これは、興味深い問題です。
「断食研究」という有名な本が手元にあったので読んでみました。
「断食研究」(高比良英雄著、岩波書店、昭和五年、151,152ページ)によれば

『水だけの断食で、犬で21~117日の生存日数記録がある。
種々の学者によって報告されているものを総括すれば、
平均生存日数は、犬は38日、豚34日、猫30日、家兎15日、
モルモット8日、白鼠3日である。
鳥類では、鶏14日、鳩11日、鷲35日である。
鮭、カメレオン、山椒魚は12ヶ月、亀は18ヶ月耐える。
蝸牛は殆ど2年間の断食に耐える。
蠍は368日間、蜘蛛は17ヶ月間耐える。
人間では64日間断食して死亡した英国囚人の例がある。』


以上は断食研究より。
冷血動物や昆虫は、非常に長く断食に耐えるようです。
ヒトでは、
断食382日という記録があり、イギリスの文献に載ってたようです。
これがおそらくヒトの断食世界記録であり、ちゃんと生存していたと思われます。
高度肥満の人の断食記録です。

あとIRA(アイルランド共和国軍)の方々が英国の刑務所で、
ハンガーストライキをしてます。
アイルランド歴史資料室 によれば6名の男性がハンガーストライキで亡くなっています。
59~73日間で死亡しています。
結局、当然ですが、
体脂肪がどのくらいの備蓄があるかにより、生存日数が決まると思います。
体脂肪が燃え尽くして、たんぱく質が燃え始めると生命の危険があると思われます。

<アイルランド共和国軍、ハンガーストライキの記録>
27歳。
1981年3月1日のハンガーストライキを開始し、
66日後の5月5日に亡くなった。

25歳。
1981年3月15日にハンガーストライキを開始し、
59日後の5月12日に亡くなった。

24歳。
3月22日にハンガーストライキを開始し、
61日後の1981年5月21日に亡くなった。

24歳。
3月22日にハンガーストライキを開始し、
61日後の1981年5月21日に亡くなった。

30歳。
5月9日にハンガーストライキを開始し、
61日後の1981年7月8日に亡くなった。

25歳。
5月22日にハンガーストライキを開始し、
73日後の1981年8月2日に亡くなった。


江部康二


☆☆☆
オスティナートさんから
スライヤー生化学の記述についてコメント頂きました。
ありがとうございます。

17/12/02 オスティナート
生存可能な飢餓の期間
過去に投稿したコメントがあります。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3703.html

抜粋
生存可能な飢餓の期間は、主としてヒトのトリアシルグリセロール貯蔵量によって決まる。
貯蔵したトリアシルグリセロールが使い果たされた時にはどうなるのだろう。
残された唯一の燃料源はタンパク質である。
タンパク質の分解が加速し、心臓、肝臓、腎臓の機能が失われて否応なく死に至る。
参考にしていただけたら幸いです。
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