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昆布の摂りすぎと甲状腺機能低下症。
【21/11/06 モン吉
甲状腺機能の数値低下
江部先生、こんばんは          

先生、マオマオさん横から失礼します。
私は糖質制限15年目ですが、4~5年前でしたか、
定期検査で先生から甲状腺機能の数値が低下していて、
橋本病の可能性を指摘されたことがありました。
甲状腺機能低下を色々調べてみると、
昆布やわかめ、ひじき、のり等にヨードが多く含まれ、
ヨードを摂りすぎると甲状腺機能の数値が低下する、
特に昆布にはヨードが多く含まれていることが分かりました。

以前から髪の毛が少し気なっていまして、
昆布やわかめは髪の毛に良いと言われていましたので、
以前は入れていませんでしたが、
丁度その頃朝、日によっては朝昼みそ汁にとろろ昆布を沢山入れていました。

「これが原因だ」と思い、とろろ昆布を止めました。
結果次回検査では、数値は正常になっていて、以来、ずっと数値は正常です。
私の場合は、とろろ昆布の摂りすぎが甲状腺機能の数値低下の原因でした。】


こんばんは。
モン吉さんから、昆布の摂りすぎと甲状腺機能低下症について
コメントを頂きました。
ありがとうございます。

【甲状腺機能低下を色々調べてみると、昆布やわかめ、ひじき、のり等にヨードが多く含まれ、ヨードを摂りすぎると甲状腺機能の数値が低下する、特に昆布にはヨードが多く含まれていることが分かりました。】

ヨードは甲状腺ホルモンの材料ですが、ヨードを摂りすぎるとヨードが甲状腺の組織内に蓄積してホルモン産生の過程を抑制してホルモン産生が低下して甲状腺機能低下症をきたすことがあります。この現象にはウォルフ-チャイコフ効果(Wolff-Chaikoff effect)という名前がついています。

昆布というと、健康なイメージがあって、昆布水を作って飲んだりとか、
もったいない精神で、出汁をとったあとの昆布を食べるとか、
モン吉さんのように「とろろ昆布健康法」とか、いろいろあります。

ほとんどの人が、『昆布の食べ過ぎで甲状腺機能低下症になることがある』などと
いうことは、全くご存じ無いと思います。
しかし、「昆布で甲状腺機能低下症」の人は思った以上に多いです。
私の患者さんにおいても、少なくとも過去20~30人はおられました。
勿論、モン吉さんと同様に、昆布摂取を中止したら、
甲状腺機能低下症は速やかに改善しました。


江部康二


以下の緑字の記載は、
http://www.jafsra.or.jp/information/info.php?seq=63
一般社団法人
日本食品安全協会
のサイトからの引用です。
とても参考になります。

とろろ昆布ダイエットに警鐘を

最近とろろ昆布がダイエットに良いとの情報をもとに、スーパー等の市場からとろろ昆布が消えるというような現象が起こっております。

 昆布の食べすぎはヨードの過剰摂取による甲状腺機能低下症を引き起こす可能性があります。我々はヨードを食事の成分からとっておりますが、その食材の中で極端にヨード含量が高いのが海藻です。日本人は海藻を多く摂取いたしますので通常の食事を摂っている方にはヨード不足は発生しません。しかし、欧米では海藻の摂取がほとんど無いために不足気味で、食塩にヨードを添加している国もあるほどです。

 現在、人間のヨードの最低必要量は、0.15mg/日位となっており、日本では成人の摂取上限値を3mg/日としております。日本の乾燥昆布は100グラム当たり100~400mgのヨードを含んでおりますので10g位の乾燥昆布を摂取するだけで上限値の3倍以上摂取することになります。ヨードは、不足すると甲状腺ホルモンを産生することができず甲状腺機能の低下を引き起こしますが、過剰に取りすぎても逆に、甲状腺機能低下を引き起こし、ひどいときには甲状腺腫を発症させると報告されています。実際に昆布の食べすぎによる甲状腺障害の報告は数多く認められております。

 今回、話題になっておりますとろろ昆布は、単なる乾燥昆布よりも一般的に食べやすく、実際に10g位は昆布類が好きな人なら食べても物足らないと感ずる量です。それが、ダイエットに結びつくと極端な量を摂取する人が出てきます。今までの日本人の食習慣から推測して、一日に10g位の昆布の摂取は毎日でなければそんなに心配する必要はないと考えられますが、現在のように、市場から消えるほど食べられているということは、一部の人に明らかに過剰摂取があることが考えられます。したがって、皆様のまわりにとろろ昆布ダイエットを実行しよう、または実行している人を見かけられましたら、注意喚起をしてあげてください。

 しかしながら、最近は和食的な食生活をしない人の場合、欧米人と同じように食事からのヨードの摂取が不足する傾向にあります。したがって、昆布を急に怖い食品として敬遠する必要は全くありません。昆布は、相変わらず食物繊維とミネラルの供給源としての重要な食品素材です。すなわち、昆布の料理が好きな人は、今まで通りの食べ方を続けても、かまわないと推測されます。ただ、一応、日本人成人のヨード一日摂取上限値が3mg/日であることと、乾燥昆布には100g当たり100mg以上のヨードを含んでいるということは頭の隅に留めておいてください。】






コメント
Re: 甲状腺機能の数値低下
江部先生、こんばんは           

記事に取り上げた頂いて、ありがとうございます。
昆布は体に良いと思っていましたので、驚きでした。
しかし適正量なら大丈夫という事で安心致しました。
2021/11/07(Sun) 20:19 | URL | モン吉 | 【編集
乾燥昆布100gを水で戻したら、大変な量になりますから、現実的ではないように思います。
おでんの昆布をひとつふたついただくくらいなら、心配していません。
2021/11/07(Sun) 21:45 | URL | 吉 | 【編集
江部先生、モン吉様

甲状腺機能低下について更なる知識を有難うございます。
モン吉様、低下症が治ってよかったですね。

私は海藻をあまり食べる機会がないので(月に数回、味噌汁の中に少し乾燥ワカメを使う程度)、また違う原因なのだと思われます。
これ言っちゃおしまいですが、加齢とか、更年期だから、とかかな…

チラージンを飲んで様子見します。
なかなか体重も増えませんが、間食も増やすようにします。
2021/11/09(Tue) 10:02 | URL | マオマオ | 【編集
ワカメは昆布の1/20のヨウ素量です。
昆布の代わりにワカメを。
ご参考までです。
(参考)
食品 含有量 (µg/g)
昆布(素干し) 2100-2400µg/g
カットわかめ 85µg/g
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%A6%E7%B4%A0#%E6%AC%A0%E4%B9%8F%E3%81%A8%E9%81%8E%E5%89%B0
2021/11/09(Tue) 22:07 | URL | なんでだろう | 【編集
Re: タイトルなし
なんでだろう さん

コメント、ありがとうございます。
わたしもワカメは、よく食べます。
2021/11/10(Wed) 07:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
小学生の我が子が橋本病の素因があるようで、
寿司(寿司酢に昆布含)、レトルトカレー(増粘剤のカラギナン)、おでんの煮汁を雑炊にしたもの、安さが売りのファミレスのカレー等
ヨウ素が大量に含まれる食品を食べると、病的ではない過活動注意欠陥になります。椅子に座っていられる、明るく陽気、口が達者なキャラクターに変身します。一緒にいるとうんざりする明るさです。
学校給食では月に3回ほど一食当たり>1.5mgのヨウ素が含まれるメニューが提供されています。これは子供には多すぎます。
医師は通常の生活なら食事制限する必要はないと言いますが、そんなことはないだろうと思い、1日の摂取量を年齢に合わせた量に制限することにしました。足りなければ牛乳を飲めばいいので、意外と簡単にできます。
それから2年たちますが、子供がおかしい病院に連れて行かなきゃ!と思う事がなくなりましたし、二重顎が改善しました(甲状腺の腫れが改善)
子供を観察していて思いましたが、寿司1貫でも凄まじいパワーを持つので、ヨウ素の取りすぎにはお気をつけください。
また、私がこのように、食生活に興味を持って粘り強く食事の管理ができるのも江部先生のおかげです。ありがとうございます。
2021/11/22(Mon) 13:47 | URL | ローカーボの母 | 【編集
Re: タイトルなし
ローカーボの母 さん

コメントをありがとうございます。
ヨウ素恐るべしなのですね。

『寿司(寿司酢に昆布含)、レトルトカレー(増粘剤のカラギナン)、
おでんの煮汁を雑炊にしたもの、安さが売りのファミレスのカレー等』


『学校給食では月に3回ほど一食当たり>1.5mgのヨウ素が含まれるメニューが提供されています。』

これは知りませんでいた。
参考になります。
2021/11/22(Mon) 14:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
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