2021年11月01日 (月)
【21/10/26 FOCS@山田改め、山田隆博
ファクターXとインスリンレベル
大阪大学の研究グループが、血中インスリンレベルを下げると、COVID-19に感染するリスクが低くなる可能性…についての論文をリリースしました。
https://diabetes.diabetesjournals.org/content/early/2021/10/21/db20-1094
脂肪細胞の高インスリン血症がGRP78の過剰発現を惹起し、スパイクタンパクとACE2との結合を増加させる…という機序です。
肥満者にはインスリン抵抗性があり、インスリンが大量分泌されて脂肪を同化することによって、さらにインスリン抵抗性が上がる…という負のスパイラルは広く知られており、肥満者に重症例が多いことの裏付けともなります。
別の研究報告では、SGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬がGRP78をダウンレギュレートさせる、と示しています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0014299921004027
1型の方は、SGLT-2iを投与することが望ましいでしょう。
さて、インスリンレベルを下げる簡単な手法があります。
そう、糖 質 制 限 です‼️
ケトン産生食は、GRP78発現のダウンレギュレーションをもたらした…との研究報告も存在します。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S053155652030406X
結論:新型コロナに感染したら、SGLT-2iで血糖値を下げケトン産生食を摂取すれば、重症化を防ぐ可能性がある。
…と言えそうです。
さらに我々日本人は、欧米人と比べてインスリン分泌が少ないことが知られていますが、これこそ『ファクターX』の最後の欠片ではないでしょうか。
すなわち、
①BCG(日本株)予防接種による訓練免疫
②マスク、手洗い、うがいを励行する勤勉な国民性
③高い公衆衛生レベル
④納豆など発酵食品の多食
⑤インスリンレベルの低さ
…これらの5要因が重なり合った結果、
日本人の感染者、重症例が少ないと言えそうです。】
こんばんは。
山田隆博さんから、興味深いコメントを頂きました。
ありがとうございます。
【大阪大学の研究グループが、血中インスリンレベルを下げると、COVID-19に感染するリスクが低くなる可能性…についての論文をリリースしました。
https://diabetes.diabetesjournals.org/content/early/2021/10/21/db20-1094
脂肪細胞の高インスリン血症がGRP78の過剰発現を惹起し、
スパイクタンパクとACE2との結合を増加させる…という機序です。】
これは、とても価値ある論文です。
GRP78はンパク質の一種で
細胞膜に発現するとスパイクタンパクとACE2との結合を増加させるということです。
高インスリン血症があると、GRP78が過剰に発現してしまいます。
【肥満者にはインスリン抵抗性があり、インスリンが大量分泌されて脂肪を同化することによって、さらにインスリン抵抗性が上がる…という負のスパイラルは広く知られており、肥満者に重症例が多いことの裏付けともなります。】
仰る通りと思います。
これで、肥満者に重症者が多い理由が一つ、明確となりました。
【別の研究報告では、SGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬がGRP78をダウンレギュレートさせる、と示しています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0014299921004027】
これもまた、価値ある論文です。
2019年9月に、ヨーロッパ心臓病学会(ESC)とEASDの共同によるガイドラインが改訂され、心血管病の既往があるかそのリスクが高い患者では、
メトホルミンではなく初めからSGLT2阻害薬かGLP-1受容体作動薬を使用することが推奨されています。
このように、
SGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の評価が極めて高くなってきています。
私も、糖尿病患者さんに対して、心血管病やそのリスクがなくても
SGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬を第一選択薬とすることが多いです。
それがGRP78をダウンレギュレートさせてくれれば、
コロナ重症化の予防となります。
【インスリンレベルを下げる簡単な手法があります。
そう、糖 質 制 限 です‼️
ケトン産生食は、GRP78発現のダウンレギュレーションをもたらした…との研究報告も存在します。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S053155652030406X】
これまた、とても価値ある研究報告です。
スーパー糖質制限食なら、インスリンレベルは最小限ですみますし、
血中ケトン体は高値となります。
【結論:新型コロナに感染したら、SGLT-2iで血糖値を下げケトン産生食を摂取すれば、
重症化を防ぐ可能性がある。
…と言えそうです。】
仰る通りと思います。
【さらに我々日本人は、欧米人と比べてインスリン分泌が少ないことが知られていますが、これこそ『ファクターX』の最後の欠片ではないでしょうか。
すなわち、
①BCG(日本株)予防接種による訓練免疫
②マスク、手洗い、うがいを励行する勤勉な国民性
③高い公衆衛生レベル
④納豆など発酵食品の多食
⑤インスリンレベルの低さ
…これらの5要因が重なり合った結果、
日本人の感染者、重症例が少ないと言えそうです。】
こちらも鋭いご指摘です。
『ファクターX』の最後のピースが『低インスリン血症』
納得です。
江部康二
ファクターXとインスリンレベル
大阪大学の研究グループが、血中インスリンレベルを下げると、COVID-19に感染するリスクが低くなる可能性…についての論文をリリースしました。
https://diabetes.diabetesjournals.org/content/early/2021/10/21/db20-1094
脂肪細胞の高インスリン血症がGRP78の過剰発現を惹起し、スパイクタンパクとACE2との結合を増加させる…という機序です。
肥満者にはインスリン抵抗性があり、インスリンが大量分泌されて脂肪を同化することによって、さらにインスリン抵抗性が上がる…という負のスパイラルは広く知られており、肥満者に重症例が多いことの裏付けともなります。
別の研究報告では、SGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬がGRP78をダウンレギュレートさせる、と示しています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0014299921004027
1型の方は、SGLT-2iを投与することが望ましいでしょう。
さて、インスリンレベルを下げる簡単な手法があります。
そう、糖 質 制 限 です‼️
ケトン産生食は、GRP78発現のダウンレギュレーションをもたらした…との研究報告も存在します。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S053155652030406X
結論:新型コロナに感染したら、SGLT-2iで血糖値を下げケトン産生食を摂取すれば、重症化を防ぐ可能性がある。
…と言えそうです。
さらに我々日本人は、欧米人と比べてインスリン分泌が少ないことが知られていますが、これこそ『ファクターX』の最後の欠片ではないでしょうか。
すなわち、
①BCG(日本株)予防接種による訓練免疫
②マスク、手洗い、うがいを励行する勤勉な国民性
③高い公衆衛生レベル
④納豆など発酵食品の多食
⑤インスリンレベルの低さ
…これらの5要因が重なり合った結果、
日本人の感染者、重症例が少ないと言えそうです。】
こんばんは。
山田隆博さんから、興味深いコメントを頂きました。
ありがとうございます。
【大阪大学の研究グループが、血中インスリンレベルを下げると、COVID-19に感染するリスクが低くなる可能性…についての論文をリリースしました。
https://diabetes.diabetesjournals.org/content/early/2021/10/21/db20-1094
脂肪細胞の高インスリン血症がGRP78の過剰発現を惹起し、
スパイクタンパクとACE2との結合を増加させる…という機序です。】
これは、とても価値ある論文です。
GRP78はンパク質の一種で
細胞膜に発現するとスパイクタンパクとACE2との結合を増加させるということです。
高インスリン血症があると、GRP78が過剰に発現してしまいます。
【肥満者にはインスリン抵抗性があり、インスリンが大量分泌されて脂肪を同化することによって、さらにインスリン抵抗性が上がる…という負のスパイラルは広く知られており、肥満者に重症例が多いことの裏付けともなります。】
仰る通りと思います。
これで、肥満者に重症者が多い理由が一つ、明確となりました。
【別の研究報告では、SGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬がGRP78をダウンレギュレートさせる、と示しています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0014299921004027】
これもまた、価値ある論文です。
2019年9月に、ヨーロッパ心臓病学会(ESC)とEASDの共同によるガイドラインが改訂され、心血管病の既往があるかそのリスクが高い患者では、
メトホルミンではなく初めからSGLT2阻害薬かGLP-1受容体作動薬を使用することが推奨されています。
このように、
SGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の評価が極めて高くなってきています。
私も、糖尿病患者さんに対して、心血管病やそのリスクがなくても
SGLT-2阻害薬とGLP-1受容体作動薬を第一選択薬とすることが多いです。
それがGRP78をダウンレギュレートさせてくれれば、
コロナ重症化の予防となります。
【インスリンレベルを下げる簡単な手法があります。
そう、糖 質 制 限 です‼️
ケトン産生食は、GRP78発現のダウンレギュレーションをもたらした…との研究報告も存在します。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S053155652030406X】
これまた、とても価値ある研究報告です。
スーパー糖質制限食なら、インスリンレベルは最小限ですみますし、
血中ケトン体は高値となります。
【結論:新型コロナに感染したら、SGLT-2iで血糖値を下げケトン産生食を摂取すれば、
重症化を防ぐ可能性がある。
…と言えそうです。】
仰る通りと思います。
【さらに我々日本人は、欧米人と比べてインスリン分泌が少ないことが知られていますが、これこそ『ファクターX』の最後の欠片ではないでしょうか。
すなわち、
①BCG(日本株)予防接種による訓練免疫
②マスク、手洗い、うがいを励行する勤勉な国民性
③高い公衆衛生レベル
④納豆など発酵食品の多食
⑤インスリンレベルの低さ
…これらの5要因が重なり合った結果、
日本人の感染者、重症例が少ないと言えそうです。】
こちらも鋭いご指摘です。
『ファクターX』の最後のピースが『低インスリン血症』
納得です。
江部康二
江部先生
投稿の仕方がわからずコメント欄から失礼します。
妻がケトアシドーシスに陥り搬送され、現在入院中でインスリン指導を受けています。私としては糖質制限をさせたいのですが、「主食を摂ってインスリン」という方針の病院で、3食主食が供されているようです。
居住する秋田県には糖質制限を指導する病医院はなく(先生がかつて講演された某病院も導入を見送ったそうです)このままインスリン離脱がかなわないのかと頭を抱えています。
退院後独断でスーパー糖質制限を実行するのは危険でしょうか?
どう判断したものか道筋などお示しいただければ幸いです。
投稿の仕方がわからずコメント欄から失礼します。
妻がケトアシドーシスに陥り搬送され、現在入院中でインスリン指導を受けています。私としては糖質制限をさせたいのですが、「主食を摂ってインスリン」という方針の病院で、3食主食が供されているようです。
居住する秋田県には糖質制限を指導する病医院はなく(先生がかつて講演された某病院も導入を見送ったそうです)このままインスリン離脱がかなわないのかと頭を抱えています。
退院後独断でスーパー糖質制限を実行するのは危険でしょうか?
どう判断したものか道筋などお示しいただければ幸いです。
| ホーム |