2021年10月20日 (水)
)こんばんは。
本日から急に寒くなりました。
家を出発して高雄病院について、車の外にでると下半身がかなり寒いと感じました。
理事長室のパソコンで、1時間ごとの天気予報をみると、
20日の夕から更に冷え込んで17時、14.8℃、20時、14.0℃、24時、12.9℃とありました。
本日は左京区下鴨の江部診療所の夜診の日です。
これは、やばいと思い、病棟回診が一段落して、家に一度戻り、パッチを穿いてきました。
今期、初パッチです。
さて我が家は、冬は鍋料理が多いです。
冬はお酒も美味しいですが、あまりに寒い日は、最初の1杯は焼酎のお湯割りで、その後は水割りに切り替えます。
焼酎も、基本25%のものが主で、濃いアルコールはできるだけ避けるようにしています。
さてアルコール1gは約7kcalの燃焼エネルギーを有し、摂取時の利用効率は70%ていどと推定されています。
一方、糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版 81ページの記載によれば、
アルコールは体重増加作用がないので、お酒のカロリーは計算しなくてもよいと思います。
そして、アルコール単体では、血糖を上昇させることはありません。
蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)は糖質を含まないので血糖を上昇させません。
醸造酒(ビール、日本酒など)は糖質を含むので血糖値を上昇させます。
<アルコールの適量>
世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。
米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml
に相当します。
<アルコールのリスク>
世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。
それから、過度のアルコール摂取は、肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。
その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。
<アルコールと血糖低下作用>
ご存知の方も多いと思いますが、アルコールには、血糖低下作用があります。
ただ個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、低下させるというように一律にはいきません。
エネルギー源としては、[アルコール→糖質→脂質→タンパク質]の順で利用されます。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、血糖値が下がる人もいると思います。
また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
アルコールの血糖低下作用については個人差が大きいので、ご注意ください。
なお、SU剤内服中の糖尿人やインスリン注射中の糖尿人は、過度のアルコール摂取により糖新生が阻害されると低血糖になりやすいので要注意です。
正常人でも、空きっ腹で大量のアルコールを摂取すれば、低血糖になる可能性もあります。
<江部康二の酒量は?>
私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、糖質ゼロビール350mlを1缶、その後、焼酎の水割りかロックを3~4杯です。
焼酎は25%の濃さで、720mlが3日間で空くくらいのペースです。
あるいは、糖質ゼロビール350mlを1缶と赤ワインを1/3本とかです。
若い頃に比べて、大分減らしましたが、
25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。
従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので、
世界がん研究基金や米国糖尿病協会の「適量=30ml」は、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)
上述のようにアルコールには発ガン性や脂肪肝のリスクも指摘されていますので、
各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか?
勿論、私は、アルコール摂取のリスクは充分承知した上で、自己責任でそれなりに飲酒しています。 (^^)
江部康二
本日から急に寒くなりました。
家を出発して高雄病院について、車の外にでると下半身がかなり寒いと感じました。
理事長室のパソコンで、1時間ごとの天気予報をみると、
20日の夕から更に冷え込んで17時、14.8℃、20時、14.0℃、24時、12.9℃とありました。
本日は左京区下鴨の江部診療所の夜診の日です。
これは、やばいと思い、病棟回診が一段落して、家に一度戻り、パッチを穿いてきました。
今期、初パッチです。
さて我が家は、冬は鍋料理が多いです。
冬はお酒も美味しいですが、あまりに寒い日は、最初の1杯は焼酎のお湯割りで、その後は水割りに切り替えます。
焼酎も、基本25%のものが主で、濃いアルコールはできるだけ避けるようにしています。
さてアルコール1gは約7kcalの燃焼エネルギーを有し、摂取時の利用効率は70%ていどと推定されています。
一方、糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版 81ページの記載によれば、
アルコールは体重増加作用がないので、お酒のカロリーは計算しなくてもよいと思います。
そして、アルコール単体では、血糖を上昇させることはありません。
蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)は糖質を含まないので血糖を上昇させません。
醸造酒(ビール、日本酒など)は糖質を含むので血糖値を上昇させます。
<アルコールの適量>
世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。
米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml
に相当します。
<アルコールのリスク>
世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。
それから、過度のアルコール摂取は、肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。
その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。
<アルコールと血糖低下作用>
ご存知の方も多いと思いますが、アルコールには、血糖低下作用があります。
ただ個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、低下させるというように一律にはいきません。
エネルギー源としては、[アルコール→糖質→脂質→タンパク質]の順で利用されます。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、血糖値が下がる人もいると思います。
また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
アルコールの血糖低下作用については個人差が大きいので、ご注意ください。
なお、SU剤内服中の糖尿人やインスリン注射中の糖尿人は、過度のアルコール摂取により糖新生が阻害されると低血糖になりやすいので要注意です。
正常人でも、空きっ腹で大量のアルコールを摂取すれば、低血糖になる可能性もあります。
<江部康二の酒量は?>
私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、糖質ゼロビール350mlを1缶、その後、焼酎の水割りかロックを3~4杯です。
焼酎は25%の濃さで、720mlが3日間で空くくらいのペースです。
あるいは、糖質ゼロビール350mlを1缶と赤ワインを1/3本とかです。
若い頃に比べて、大分減らしましたが、
25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。
従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので、
世界がん研究基金や米国糖尿病協会の「適量=30ml」は、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)
上述のようにアルコールには発ガン性や脂肪肝のリスクも指摘されていますので、
各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか?
勿論、私は、アルコール摂取のリスクは充分承知した上で、自己責任でそれなりに飲酒しています。 (^^)
江部康二
以下の事について以前より不思議に思っていることがあります。
>しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
経験上、アルコールを摂取すると糖が減り、結果、ケトン体が増えることが多いですが、ケトン体も肝臓で産生されていると思います。
糖新生が抑制されるのにケトン体産生が亢進するのは何故でしょうか。
アルコール摂取で血糖値が上がらないもう一つの理由は、アルコール分解に糖が利用されているのではないかと思っていますが如何でしょうか。
>しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
経験上、アルコールを摂取すると糖が減り、結果、ケトン体が増えることが多いですが、ケトン体も肝臓で産生されていると思います。
糖新生が抑制されるのにケトン体産生が亢進するのは何故でしょうか。
アルコール摂取で血糖値が上がらないもう一つの理由は、アルコール分解に糖が利用されているのではないかと思っていますが如何でしょうか。
2021/10/21(Thu) 07:11 | URL | 西村典彦 | 【編集】
西村典彦 さん
ケトン体は、血糖値が低い時に産生が高まります。
例えば、断食中は、血糖値はかなり低くなりますが、ケトン体は2000~3000とかに産生が高まります。
スーパー糖質制限食実践中は血糖値は低くなり、ケトン体高値となりますが、糖質を摂取して血糖値が上昇すると
ケトン体は即、下がります。
このように、血糖値とケトン体値は、インスリン作用が確保されているときは、基本的に逆相関関係にあります。
2021/10/21(Thu) 18:44 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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