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高雄病院の「糖尿病・糖質制限食入院治療」についてのご案内。
こんばんは。

今回は、高雄病院の「糖尿病・糖質制限食入院治療」についてのご案内です。
高雄病院の「糖尿病・糖質制限食入院治療」ですが、
基本的には、まず外来診察を経て、担当医が入院の適応ありと判断して、
入院の手続きが始まります。

現在、新型コロナウイルス感染症が蔓延していますので、
遠方の患者さんも、外来受診が必要となっています。
感染予防のために、
『前もってイベルメクチン錠を内服して頂く』
『14日間の自宅待機で無症状であることを確認して頂く』
など新たな手続きが必要となっています。
これらのことも、外来診察予約時や受信時に担当職員から詳しく説明があります。



入院時に「CGM」(☆)を装着します。
初回入院の場合は、
入院初日と2日目までは、通常の糖尿病食(高糖質食)でCGMでチェックします。
3日目からは、スーパー糖質制限食に切り替えてCGMでチェックします。

糖尿病や肥満が改善すれば、
高脂血症、喘息、痛風、睡眠時無呼吸症候群、高血圧、脂肪肝も良くなると思います。

糖尿病という病名がありますので、健康保険が効きます。

高雄病院には、2021年現在、月に平均10名の糖尿人が、
全国から糖質制限食治療を希望して入院されます。
コロナの影響で、入院制限していた時期もあり、例年より少し少なめです。

遠方の方は、入院して糖質制限食で糖尿病自己管理の体験をし知識を会得してもらい、
退院されたら地元の医師にフォローしていただきます。

京都や近くの糖尿人でも、外来で、なかなか血糖値が下がりきらない時などは、
入院すると改善する人がほとんどですので、
『コントロール・教育入院』がお奨めです。
14日間あれば、コントロール・教育入院が可能です。
勿論健康保険が効きます。

入院3日目からのスーパー糖質制限食開始日から内服薬を中止しても、
コントロール良好となることがほとんどです。
その後、退院前には、グルコバイ(100)1錠を、食直前30秒に内服して、
あえて炊いたご飯2/3膳(約100gで糖質量は、約37g)など摂取して、
食後血糖値がどのくらい上昇するかを試して実験することがあります。

食後2時間で180mg/dl未満ならまあまあで、140mg/dl未満なら合格です。
グルコバイだけで力が及ばない時は、
「グルコバイ+グルファスト」食直前30秒に内服で試します。
期間的に余裕があれば、パンやうどんなども試します。
これは、退院後どうしても、
或いはやむを得ず糖質摂取せざるを得ないときのための
シミュレーションです。(^^)

インスリン注射をされている時は、3~4週間あった方が確実に減量できます。
インスリンの量は1/3以下になります。
内因性インスリンがあるていど残存している方は、
インスリン離脱できることもあります。
2型だけでなく、1型の糖尿人でも、インスリンの量は1/3以下になります。

入院して、CGMを装着することで、
「通常のカロリー制限の糖尿病食」と「糖質制限食」の効果の大きな差がリアルタイムに確認できます。

血糖値を直接上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質はあげないということを、
身をもって体験することで、糖質制限食へのモチベーションが高まります。
「通常のカロリー制限の糖尿病食(高糖質食)」摂取だと食後の血糖値は、インスリン注射や経口血糖降下剤を内服していても、
軽く200~240mg/dlを超える
ことがほとんどです。

「スーパー糖質制限食」だと、
同一カロリー摂取しても、食後血糖値は140~180mg/dl未満
となります。

入院して糖質制限食を摂取してCGM検査を実施しているのは、
日本中で高雄病院以外には、ほとんどありません。

入院中はその他、心電図、胸部レ線、頭部CTや頸動脈エコーなど、
糖尿病に関連するいろいろな検査もあります。

一日の尿をためて、尿糖測定やインスリン分泌量測定(尿中Cペプチド測定)も行います。
一日尿のCペプチド測定で、トータルなインスリンの分泌量がチェックできます。
早朝空腹時の血中IRI(インスリン)かCペプチド(インスリン注射をしている人はこちらを測定)を調べることで、
基礎分泌のインスリンがどのくらいでているかわかります。
インスリン抵抗性の検査やインスリン追加分泌能の検査もあります。
管理栄養士による具体的な栄養指導も2回あります。
 
糖質制限食を体験し学ばれて、退院後は地元の病院で通院され、
6ヶ月に一回くらい京都観光を兼ねて、高雄病院に来て頂いている方もおられます。
遠方の場合、年に一回、糖質制限食入院をされる方もおられます。

入院・外来治療の実績があれば、
高雄病院への電話で栄養相談やメールでの質問もOKです。

高雄病院では現実に、関東、北海道、九州、東海、中部、中国、九州地方など、
様々な遠方地域の糖尿人の入院も多いです。
北海道から沖縄まで万遍なくこられます。

全国の糖尿人の方々も、糖質制限食入院治療ご希望の場合は、
高雄病院 075-871-0245
まで、電話され、
入院担当職員とご相談いただければ幸いです。
(^_^)


江部康二

(☆)CGM
CGM(Continuous Glucose Monitoring):持続ブドウ糖測定。
CGM測定装置のごく細いビニール製の管を、専用の器具で皮下に装着します。
パチンという感じで装着しますが、痛みはありません。
24時間、組織間液のブドウ糖を測定できて、14日間継続可能です。
CGMはインスリンポンプを実施している患者さんがいる病院でないと
健康保険では検査できません。
高雄病院では、2016年12月から、CGMが健康保険で検査可能となりました。
コメント
糖尿病はないものの血圧が高い場合
私は幸い、血糖値は正常ですが、コレステロールと血圧がやや高めです。ご指導を受けることは可能でしょうか。千葉県で先生と同じ考えで治療して下さる所があるならご紹介下さると幸いです。
2021/10/03(Sun) 22:01 | URL | Masa | 【編集
Re: 糖尿病はないものの血圧が高い場合
Masa さん

宗田哲男先生がおられます。
産婦人科医師ですが、糖尿病や高血圧なども診療しておられます。


宗田マタニティクリニック(産婦人科)
http://www.muneta.org/ 

〒290-0024 千葉県市原市根田320-7
TEL : 0436-24-4103
FAX : 0436-24-4112
E-mail : mmc@mbr.nifty.com
休診日 : 木曜日 日曜日
診察時間 : 9:30~12:00/15:00~16:30
      (土曜日 16:00迄)

●お車 : 東京~京葉道路市原インターまで50分 インターより10分
●電車 : JR内房線 東京駅から43分(特急)五井駅下車
……五井駅からのバス……
【東口】 3番(朝・夕のみ) 国分寺台・山倉こどもの国行 「宗田マタニティクリニック前」下車
【西口】 1番(9~17時)  国分寺台・山倉こどもの国行 「宗田マタニティクリニック前」下車
●高速バス : 羽田空港~五井駅まで 45分1300円/横浜駅~五井駅まで 65分1600円
2021/10/04(Mon) 08:22 | URL | ドクター江部 | 【編集
睡眠と糖尿病
とある睡眠の名医曰く、全ての病気の元凶は睡眠であると。
ガン、心臓病、脳卒中、どんな病気でも最初は不眠から始まると言われてます。
睡眠は質、時間共に大切です。

睡眠の質が糖尿病患者のCKD発症を左右

https://medical.jiji.com/news/47524
2021/10/04(Mon) 14:49 | URL | 久堀 | 【編集
神奈川県で江部先生と同じ方針の先生
江部先生

こんばんは、先日のコメントではアドバイスありがとうございました。

私は0歳児がおり、江部先生の病院に今行くことが難しいです。

私も、横浜市〜都内あたりでもし同じ方針の医師がいらっしゃればぜひ差し支えなければ教えてほしいです。

今日は糖質7.6の食事で1時間後174、1.5時間後118でした。

これは血糖値スパイクですよね。これまで2時間後にはかることが多かったですが、早めてはかってみたらショックでした。

私には薬が必要なのでしょうか…。
今は何も服用していません。
2021/10/05(Tue) 21:53 | URL | みほこ | 【編集
Re: 神奈川県で江部先生と同じ方針の先生
みほこ さん

スーパー糖質制限食なら、薬は必要ありません。
ただ糖質を、20~40g摂取の緩やかな糖質制限でも、食後1時間値は180mg/dlを超えてくるのは
間違いないので、将来糖尿病になりやすいことは間違いありません。

このままスーパー糖質制限食を続けていけば、将来の糖尿病発症が予防でき、
またAGEsの蓄積も最小限ですむので、<糖化→老化>も予防できするので、一石二鳥と言えます。

医療機関は、日本糖質制限医療推進協会の提携医療機関をご参照頂ければ幸いうぃです。
https://www.toushitsuseigen.or.jp/med-institution
2021/10/06(Wed) 16:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます
江部先生

お返事くださりありがとうございます。
感謝します。

そうなのですね、スーパー糖質制限食でも今回の私のように、食後1時間においては高血糖になったりするのですね。

素朴な質問ですが、例えば外食など糖質を摂らなければならないとき(例:イタリアンコースにパスタが組み込まれているような)のときは江部先生としてはどう対処されるのですか?
2021/10/07(Thu) 07:16 | URL | みほこ | 【編集
Re: ありがとうございます
みほこ さん

病院理事長という立場上、
コロナ以降は、外食ゼロです。

コロナ前は、よく友人やスタッフと会食していました。
基本、行きつけの店しか行かないので、コースの場合も『スーパー糖質制限食』でお願いしてました。

以前、一度、日本料理の会席に招待されたことがあって、
ご飯や里芋は、残して防衛したのですが、各種料理に砂糖が使ってあるので、
食後は200mg/dlアップで、往生しました。
2021/10/07(Thu) 17:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
そうなのですね
そうなのですね。
行きつけのお店ならお願いできますね!

懐石料理での砂糖は確かに。
自宅なら砂糖をラカントにして和食が食べられますが。

お返事ありがとうございました^ ^
参考になりました。
2021/10/08(Fri) 00:02 | URL | みほこ | 【編集
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