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江部康二の2021年9月の検査データの報告と解説。
こんにちは。

今回の記事は、
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を足かけ20年実践中の、
江部康二の2021年9月の検査データの報告と解説です。

2002年6月に糖尿病確定診断で、HbA1cは6.7%でした。
このとき、体重は67kg、身長は167cm。
内臓脂肪CTは126cm2 (100未満正常)
血圧は140-150/90前後 → 外来終了時は180/100。

スーパー糖質制限食を実践して、1ヶ月後にはHbA1cは基準値内になり、
半年後には体重は10kg減少して57kgとなり、
血圧も120~130/80程度と、正常化しました。
そのまま2020年2月まで、血圧と体重は維持です。

HbA1cは2002年7月には、6.0%となり、
2002年8月以降は、ずっと5.6%~5.9%で、
2021年5月まで、あしかけ20年間経過しています。

内臓脂肪CTは、2004年10月には、71 cm2となっています。
2002年12月には、体重は10kg減量できていて、その後維持なので
内臓脂肪も、そのときには既に71cm2に改善していたと思われます。

<スーパー糖質制限食実践時の血液・尿検査データの推移>

①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
 個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
⑮TSH、FT4、FT3も不変です。


上記に記載していない血液検査や尿検査については、
糖質制限食開始前後で差はありません。
以下は私の最新の検査データです。


<江部康二の2021年9月(71歳)の検査データ>

HbA1c:5.7%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):13.3%(11.6~16.0)

空腹時血糖値:97mg/dl(60~109)
空腹時インスリン:3.5μU/ml(3~15)

TSH:1.03(0.34~3.88)
F-T4:1.5(0.8~1.8)
F-T3:3.1(2.1~4.0)

中性脂肪:65mg(50~149)
総コレステロール:222mg(150~219)
HDL-コレステロール:95mg(40~85)
計算法LDL-コレステロール:113mg(140mg未満)
尿酸:4.1mg(3.4~7.0)
BUN:13.8mg(8~20)
クレアチニン:0.66mg(0.6~1.1)
血清シスタチンC:0.63g(0.61~1.00)
GOT:33(9~38)
GTP:29(5~39)
γGTP:39(84以下)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)

血色素量:14.8(13~17)
白血球数:5400(3900~9800)
赤血球数:460(400~560)

総ケトン体:1040.0μM/L(26.0~122)
βヒドロキシ酪酸:898.0μM/L(76以下) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:142.0μM/L(13.0~69.0)


HbA1cは正常範囲内で、5.7%です。
空腹時血糖値が、糖尿病発症後、スーパー糖質制限食でも、
正常範囲内でやや高め(正常高値:100~109mg/dl)のことがありますが、
まあ、糖尿病歴、20年ですから仕方ありませんね。
とは言いながら、最近は、早朝空腹時血糖値が、
90mg台も時にあるようになりました。
今回は97mg/dlと正常値でした。

GAは正常範囲内で、上限には大分余裕があります。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。

甲状腺機能は、20年間常に、正常です。

総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロールは多めです。
LDL-コレステロールは今回は正常です。
中性脂肪値が65と前回(2021年5月)より改善し、80以下となったのは、
気持ちお酒を減らしたからでしょうか。

HDL-Cが95(目標は60以上)と多く、中性脂肪が65(目標は80以下)と少ないので、
小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは、ほぼ皆無であり、極めて良好なパターンです。

スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、
尿酸は正常下限近くて、やや低めですね。
尿酸は抗酸化物質でもあるのですが、
スーパー糖質制限食実践で、私の身体には酸化ストレスが極めて少ないので
尿酸も少ないのだと思われます。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。

高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンもシスタチンCも正常なので腎機能も問題なしです。

焼酎などぼちぼち飲む割には肝機能も正常です。 (^_^)

インスリンは、基礎分泌が3.5μU/mlと正常範囲で低めですが、
空腹時血糖値が97mg/dlと正常なので問題ないです。
むしろ少ないインスリン分泌量で、
血糖値は正常なので好ましいパターンと言えます。
狩猟・採集時代のご先祖のインスリン分泌も、こんなものだった可能性が高いです。

血糖値がコントロールできている限り、
インスリン分泌は少なければ少ないほど身体には優しいのです。
過剰のインスリンは百害あって一利なしです。

総ケトン体:1040.0μM/L(26.0~122)
βヒドロキシ酪酸:898.0μM/L(76以下) 
アセト酢酸:142.0μM/L(13.0~69.0)
と、ケトン体は一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
生理的ケトーシスであり問題ありません。

即ち、私の血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、空腹時血糖値も97mgと正常です。

見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。

スーパー糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200μM/Lくらいと考えられますが、
3ヶ月くらい経過すると、尿中ケトン体は陰性になります。
これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。

ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
3000~5000μM/Lレベルですが、尿中ケトン体は、常に陽性です。

なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となります。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。


江部康二
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