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桑田佳祐さんと逆流性食道炎。糖質制限食の治療効果。
こんにちは。
2021年9月17日(金)のヤフーニュースに

「僕自身は空っぽの容れ物」――世の中の空気を歌に込め続ける桑田佳祐の今
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a6ada5ec5b9058c5b5906883d6704c75a0ee9d0


という記事が掲載されました。
サザンオールスターズの桑田佳祐さんが
淡々と赤裸々に、ミュージシャンとしての43年の歴史を語っています。
とても興味深くよみました。
ブログ読者の皆さんも、是非、ご覧になってください。

1978年6月25日にシングル「勝手にシンドバッド」でデビュー。
1979年「いとしのエリー」の大ヒットをきっかけに、
日本を代表するロックグループとして名実ともに評価を受け、現在に至ります。
私はサザンオールスターズのファンであり、
「いとしのエリー」は、
わがバンド「ターニング・ポイント」のレパートリーです。

記事のなかで、「食道手術後であり、逆流性食道炎の症状で苦労していて、
ここ数年はほとんどリクライニング・チェアで頭の位置を高くした状態で寝ている。」
とありました。

本日は、「逆流性食道炎」と「糖質制限食」について、
記事にしたいと思います。
桑田さんのような、食道術後の逆流性食道炎に対しても、糖質制限は有効だと思います。
是非、実践して頂ければ嬉しい限りです。

逆流性食道炎は、酸性の胃液やそれと混ざった食物が、
食道に逆流して食道が炎症を起こし、
胸やけや胸の痛みなどを生じる病気です。

逆流性食道炎の症状を訴える患者さんのほとんどが、
糖質制限食開始後、リアルタイムに改善します。

当初、私自身が信じられなかったのですが、もう300人以上に試してみて、
脂っこいものより炭水化物が胸やけを起こす真犯人と確信しました。

ここまでくると、逆流性食道炎は、
炭水化物の過剰摂取が根本要因である可能性が極めて高いと思います。

700万年の人類の歴史のなかで、
炭水化物を大量に常食し始めたここ200~300年に発症した特殊な病気の一つが
逆流性食道炎
です。

一番印象的だったのは、中学校の頃から、
毎日昼食後1時間と夕食後1時間に、必ず胸やけがあった30代の男性患者さんです。
胸やけ以外は、何の病気も症状もありません。
特に、カレーライスの日は最悪で、夕食後1時間に加えて、
夜中の1時にも胸やけがあって苦しんだそうです。

この患者さんに、ブログ読者の皆さんでの成功経験があったので、
「騙されたと思って兎に角スーパー糖質制限食を試してごらん?」
と奨めてみました。

2週間後の外来診察で、糖質制限食開始当日から、
20年来の胸やけが一切消失
したという
驚きの報告をしていただきました。ヾ(゜▽゜)

カレーライスというのは、<ご飯+カレールーの小麦粉>で二重の糖質なので、
寿司飯(ご飯+砂糖)と共に最も血糖値を上げやすい食材です。σ(=_=;)ヾ 

「饅頭1個だと胸やけなしだけど、2個だと胸やけ必発」という人もあり、
個人の糖質摂取許容量の限界を超えると、
胃酸が出過ぎて胸やけを生じるような気もします。
逆流性食道炎を生じる限界の糖質摂取許容量には個人差があるようです。

逆流性食道炎の症状は、糖質制限食でリアルタイムに改善する例がほとんどです。
言い換えれば、糖質の過剰摂取が逆流性食道炎の原因の可能性が高いです。

それでは、そのメカニズムについて考察してみましょう。
まず血糖値が上昇すると、視床下部が感知し
副交感神経(迷走神経)を介して膵臓のランゲルハンス島のβ細胞に伝えられます。
このとき副交感神経が優位だと幽門が収縮し、噴門は弛緩しますので、
胃の内容物は食道へ逆流しやすくなります。
つまり糖質を摂取すると逆流性食道炎を起こしやすくなる理屈です。

この仮説は、岩手県久慈市の関上こどもクリニック、
関上勇先生からご教示頂きました。
私もこの仮説に賛成です。
関上先生、ありがとうございます。


江部康二
コメント
ケトン体についての新刊のご紹介
脳の寿命を延ばす「脳エネルギー」革命
-ブドウ糖神話の崩壊とケトン体の奇跡-
佐藤拓己著

神経科学、抗老化学を専門とする著者によるケトン体に注目した(主に脳の)エネルギー代謝についての著書です。
この中で私が注目するのは、ケトン体の濃度がどれくらいが良いのかと言う具体的な数値が挙げられている点です。
※私が感じるものとは少し違う数値が挙げられていますが、人それぞれだと思いますからこの点については何とも言えません。

まず、ケトン体濃度によるエネルギー利用比率は下記のように示されています(P270)

ケトン体濃度と脳内のエネルギー消費の割合(ブドウ糖%:ケトン体%)
0.1mmol(通常)       100% 0%
0.2~0.5mmol(カロリー制限) 90%> <10%
1.0mmol(糖質制限の目標)   70% 30%
2.5mmol(数日間の断食)    50% 50%
5.0mmol(ケトン食の目標)   30% 70%

ケトン体の受容体であるHCAR2は、0.5mmolで30%の活性、1.0mmolで75%近い活性が得られる(P190-191)ことから、0.5mmolくらいまで上がればHCAR2は優位に活性化する。
したがって、1.0mmolまで上げなくても0.5mmol程度を維持する事が大事であり、ケトン体合成を抑制するインスリンスパイクを起こさない事で脳のエネルギーとしてケトン体が利用できるとしていますが、そのための糖質量は(エネルギー比率を)3割から4割くらいにおさえるべき(P211)と述べられています(著者は、それ以上の糖質制限は推奨しない立場のようです)。
適切な糖質制限の目安はケトン体が0.2~0.5mmol程度であり、その程度であればケトン体とブドウ糖のハイブリッドが実現すると言う事のようです(P206)。
ただ、私は10%程度の糖質量ですが、それでも常時0.5mmolにはなりません。3割の糖質量では、0.2mmol以下になるだろうと予想できます。
ケトン体ができにくいのでしょうか。それとも蛋白質によるインスリン分泌でケトン体合成が抑制されているのでしょうか。

私は、感覚的には1.2mmol程度になると体が軽くなるのが感じられます。著者の推奨する0.5mmolでも抗老化作用はあるのかもしれませんが、具体的な感覚として感じ取る事はできません。
糖質20g以下で脂質65%以上の朝食をとると昼食前にその程度に上がりますが、仕事中にトイレに立った時などに廊下を歩くのが非常に軽く感じられたりします。
最近、多忙のため平日は昼食を摂らず、10時間以上休憩なしで連続して仕事をすることが多いですが、非常に疲労感が少なく、思考力も低下しません。
朝食から夕食までは絶食ですが、夕食前には0.3mmol程度まで下がることが多いです。消費してしまっているのでしょうか。絶食でも0.5mmolは維持できません。たぶん、もっと長時間の絶食であれば、再び、ケトン体が増えるのだろうと想像できます。

私が、注目した点を抜粋、要約、私の経験を追記しましたが、ケトン体の濃度などが具体的な数値として記されている一般書は少ないと思いますので参考までにご紹介いたしました。

最後に1つだけ質問ですが、この著書の中で、一つ疑問が生まれました。
短期記憶を司る脳の海馬がブドウ糖を利用するためのトランスポーターは、GLUT4のようです(P139)が、なぜインスリンを必要とするGLUT4なのでしょう。
糖を摂取した時だけブドウ糖を消費し、それ以外はケトン体を利用するように制御されていると言う事は、貯蔵量が少ないブドウ糖を節約しながら利用するための仕組みなのでしょうか。また、筋肉は運動によってインスリン非依存的にGLUT4が発現しますが、海馬にもそのような事があるのでしょうか。
2021/09/23(Thu) 18:43 | URL | 西村典彦 | 【編集
胸焼け
糖質は確かに胸焼け必発だと思います!あとそれに塩分が加わると糖質に匹敵するほど胸焼けが悪化します…
ざるそばやカレーなど小麦粉に塩分の多い物、粉っぽい物で胃酸の濃度を濃くするもの(粉が胃液を吸って濃度が上がるという勝手な予想です笑)は非常に胸焼けする気がします!
自分の場合はただの水か麦茶を飲むとだいぶマシになるので、塩気のある物は麦茶飲んでます。
ウーロン茶やコーヒー、緑地などは飲むほど悪化しました。
先生のおっしゃる通り、脂身の多い肉なんかは胸焼けと無縁ですね!油飲んでも胃もたれはしても胸焼けはしないと思います!
よくいらっしゃるのが、胸焼け=ムカつき、吐き気と勘違いされてる方がいる気がします(笑)
胸焼けは胃酸がジリジリみぞおち付近を酸で焼かれてる感じな気がするんですけれど、胸焼けと無縁の友達に説明しても理解してもらえません(^_^;)
2021/09/23(Thu) 19:04 | URL | 棒人間 | 【編集
Re: ケトン体についての新刊のご紹介

西村典彦 さん

脳の寿命を延ばす「脳エネルギー」革命
-ブドウ糖神話の崩壊とケトン体の奇跡-
佐藤拓己著


私もキンドルで購入して、興味深く読みました。

①私の場合一日2食で、1回の糖質量が10g~15gくらいです。
従って1日の糖質摂取量は、20~30gです。
血中βヒドロキシ酪酸値は、大抵は朝空腹時の測定ですが、0.3~0.6~0.12mmol/dl
くらいです。

②脳の海馬でもインスリンを産生しています。
海馬は短期記憶を担う特殊な役割があります。
膵臓のβ細胞と脳の海馬の神経細胞は似たものどうしであり、
健康なラットの海馬の神経幹細胞を、糖尿病ラットの膵臓に移植したら、
インスリン作用が上がり、血糖値が下がり、糖尿病が改善したという研究もあります。
健常者が経鼻的にインスリンを吸入すると15分後に記憶力が上昇するという研究もあります。
2021/09/23(Thu) 19:04 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 胸焼け
棒人間 さん

コメント、ありがとうございます。
糖質と共に塩分も良くないのですね。
了解です。
2021/09/23(Thu) 19:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
茯苓飲合半夏厚朴湯
私、逆流性食道炎に対しPPIの処方を継続的に受けています。

茯苓飲合半夏厚朴湯も逆流性食道炎に適応があるとのことですが、どうでしょうか
2021/09/23(Thu) 20:37 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
Re: 茯苓飲合半夏厚朴湯
中嶋一雄 先生

逆流性食道炎に、漢方薬も有効と思います。
2021/09/23(Thu) 20:43 | URL | ドクター江部 | 【編集
少年アスリートと糖質制限
いつも楽しく拝見させて頂いております。
小4の息子の事でご意見いただければと思います。
現在、少年野球で日々鍛えておりますが将来シニア野球に進む事を考えています。
実際にシニアに通っている方から「米は身長を伸ばして体格を良くするから、昼食はタッパーに米3合がノルマ」と言われました。
信じられません。
現在、家での食事は本人の希望もあり、糖質制限になっていて、体も動きやすく風邪もひいていません。
筋肉をつけるためにも、更にタンパク質を増やしていこうかと考えていたのですが…
そこで質問ですが、成長期の子供、特にアスリートは積極的に糖質を摂らないといけないのでしょうか?
体を作ったり、身長を伸ばしたりするのに必要なのはタンパク質ではないのでしょうか?
私としては指導者が、栄養学に全くの知見はなく、昔の考え方を続けているだけだと思うのですが。
ご意見をいただければ幸いです。
よろしくお願いします。
2021/09/23(Thu) 21:53 | URL | ぱむた | 【編集
Re: 少年アスリートと糖質制限
ぱむた さん


必須アミノ酸、必須脂肪酸はありますが、必須糖質はありません。
あと必要なのは、ビタミン、ミネラル、食物繊維です。


人類は、700万年間、大人も子供も、穀物なしの糖質制限食で生活していました。
穀物摂取は、わずか1万年前からに過ぎません。


アスリートも普通人も、子供も大人も、基本的には糖質は必要ありません。
ただ、食物繊維摂取のため、野菜やキノコや海藻を食べますが、それらに少量の糖質は含まれていますので、
その分の糖質は摂取することとなります。


人体の構成成分
水分:60~70%
タンパク質:15~20%
脂肪:13~20%
ミネラル:5~6%
糖質:1%以下

①②③④より、考察して
ぱむた さんのご子息の野球少年も、米を食べる必要はなく、
今まで通りの糖質制限食で大丈夫です。

2021/09/24(Fri) 07:35 | URL | ドクター江部 | 【編集
逆流性食道炎
私も4年ほど前から糖質制限してますが、真っ先に
逆流性食道炎が治りました。
これは、単純に炭水化物が消化が悪い事に原因があるのではないでしょうか。
肉などタンパク質はあっという間に消化されますが、米、うどんなど、
一見消化に良さそうな物は、胃の中で6、7時間以上とどまっているようです。内視鏡で見ると、米だけ残ってるそうです。
https://www.endoscopyclinic-urawa.com/blog/2843/

当然、その間、ちょっとした原因で逆流する事は
充分考えられます。
2021/09/24(Fri) 09:23 | URL | yosshy | 【編集
江部先生の言葉、必須『糖質』はありません!!
都内河北 鈴木です。

江部先生の言葉、『必須糖質は有りません。』!!

ぱむたさんの江部先生の返答を読み、
私自身の『糖質』排除の食生活で、成し得た
<<『生還、覚醒、5度の再覚醒、』>>が証明かなと考えます!!!

<<人体構成成分  糖質:1%以下>>
この構成成分では、過剰摂取なら、
人体に何等かの異常は、起こり得ることは、明白だなと考えます!!

何故なら、私は、『糖質』摂取:1食10g~20gで、1日1食、
月に2~3食です!!

この食事で、空腹は皆無で、『糖尿病』重症化する21年間が、3ヵ月足らずで『薬不要』で、正常化して、
<<『生還、』>>できたのです!!

以降9年目、今年3月には、脳梗塞後遺症が
<<『5度目の覚醒している事実現実があります!!』>>

これらの事を考えても人類には、
江部先生『糖質制限理論』(2005年発表)>>により解明された、
『糖質』の害毒は、人類は早急に理解把握しなければならないかなと考えます!!

<<現在の人類には、健康目指すなら、
  『糖質』は、タバコ以上の害毒だと、確信します!!>>

江部先生には、<<『生還、覚醒、5度の再覚醒、』>>でき、
更なる『改善』を期待できる健康状況で、9年目に生活できる事に、
感謝尽きません!!
ありがとうございます!!
敬具


2021/09/24(Fri) 10:17 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
ご回答いただきありがとうございました!
今まで通り、糖質制限で子供の体づくりをしていきます。
自信が持てました。ありがとうございます!
2021/09/24(Fri) 21:59 | URL | ぱむた | 【編集
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