2007年05月11日 (金)
こんばんは、江部康二です。
comocomo さん。コメントありがとうございます。
「 糖質制限食を実践して動物性タンパク質を摂りすぎるとガンの発病率が上がらないか?」という質問ですね。
動物タンパク質の摂取に関しては諸説あるようですが、結局、本格的な疫学的研究が行われてないので、結論は出せないのが現状です。
ただ、生肉・生魚という高タンパク・高脂肪食が主食であるイヌイットの人々の疫学的研究においては、西洋人と比し特に発ガン性に差はなかったと報告されています。
そして、イヌイットさんに心筋梗塞、糖尿病、アレルギー疾患が少なかったことも報告されています。
Dyerberg.J :Scand J Clin Lab Invest Suppl. 1982;161:7-13.
それから過去の常識として、日本でも欧米でも心臓病、糖尿病、肥満・メタボリックシンドローム、ガンなどの元凶として、脂質が犯人とされてきました。
ところが、米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して、意外なことに心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げないことがアメリカ医学会雑誌2006年2月8日号で報告されました。
つまり、従来のヘルシー食(糖質を中心に野菜をたっぷりと摂取)を徹底して脂質を減らしても、ガンも心筋梗塞も減らなかったという衝撃的な事実が明らかとなったわけです。
「5万人の8年間に及ぶ大規模介入試験」というのは巨額の研究費が必要で、日本では不可能な第一級の研究ですから、その意味はとても大きいのです。
comocomo さん。コメントありがとうございます。
「 糖質制限食を実践して動物性タンパク質を摂りすぎるとガンの発病率が上がらないか?」という質問ですね。
動物タンパク質の摂取に関しては諸説あるようですが、結局、本格的な疫学的研究が行われてないので、結論は出せないのが現状です。
ただ、生肉・生魚という高タンパク・高脂肪食が主食であるイヌイットの人々の疫学的研究においては、西洋人と比し特に発ガン性に差はなかったと報告されています。
そして、イヌイットさんに心筋梗塞、糖尿病、アレルギー疾患が少なかったことも報告されています。
Dyerberg.J :Scand J Clin Lab Invest Suppl. 1982;161:7-13.
それから過去の常識として、日本でも欧米でも心臓病、糖尿病、肥満・メタボリックシンドローム、ガンなどの元凶として、脂質が犯人とされてきました。
ところが、米国の大規模介入試験(5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡)において脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して、意外なことに心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げないことがアメリカ医学会雑誌2006年2月8日号で報告されました。
つまり、従来のヘルシー食(糖質を中心に野菜をたっぷりと摂取)を徹底して脂質を減らしても、ガンも心筋梗塞も減らなかったという衝撃的な事実が明らかとなったわけです。
「5万人の8年間に及ぶ大規模介入試験」というのは巨額の研究費が必要で、日本では不可能な第一級の研究ですから、その意味はとても大きいのです。
私は、糖質制限食でガンの発病率が上がるとは思っていませんでした。なぜなら、ご飯とパンに注意をしていれば、あとは意外とバランスよく食べることができているからです。ご飯とパンを食べなくなるとガンになるような話は聞いたことがなかったことが、安心材料になっているのかもしれませんが。とはいえ、野菜、特に繊維質は積極的に取るようにはしています。
2007/05/12(Sat) 14:30 | URL | マキ | 【編集】
人間にとって食事はとても大切ですね。先生のコメントを読んで大変納得しました。食事療法ではメジャーでない糖質制限ですが、治療の選択肢のひとつとして知人に紹介してみます。ありがとうございました。
2007/05/12(Sat) 23:00 | URL | comocomo | 【編集】
この記事へのトラックバック
| ホーム |