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糖質制限食と中性脂肪③
おはようございます。

今回は、糖質制限食と中性脂肪の完結編です。

リポタンパク質の中で、

「外因性・食物由来の中性脂肪を積んでいるのがキロミクロン」
「内因性・肝臓合成の中性脂肪を積んでいるのがVLDL」

です。

いずれにせよ、積み荷の中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解して、筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませるのは、毛細血管壁に存在するリポタンパクリパーゼ(LPL)でしたね。

もし、このLPLが上手く働かない状況であれば、積み荷の中性脂肪は一向に減りませんので、血中の中性脂肪値は高値のままとなります。

この血中の中性脂肪値決定の鍵となる、LPLを制御しているのが、インスリンです。釜池先生の「糖質ゼロの食事術」によれば、インスリンは筋肉組織のLPLを抑制し、脂肪組織のLPLを活性化します。

脂質と共に、糖質を摂取すれば血糖値が上昇するので、インスリンが大量に追加分泌されます。脂質単独摂取だとインスリンはほとんど出ません。

インスリンが分泌されたら、筋肉細胞のLPLは抑制され、中性脂肪を分解・利用できなくなるので、その分キロミクロンやVLDL中の中性脂肪は減りません。

一方、インスリンは脂肪細胞のLPLを活性化させて、人体が正常な状態であれば、中性脂肪を分解し、取り込み、利用し、余れば脂肪細胞内に蓄積するので、血中の中性脂肪値は減る方向に向かいます。

ですから、正常なスリムな体型の若い人であれば、少々「脂質+糖質」を食べても、翌朝の空腹時中性脂肪値は、そんなに高値になりませんし、正常範囲にとどまるかもしれません。

しかし、メタボ人や脂質異常症になっている人たちは、そうはいきません。

このような人たちは、脂肪細胞の中に貯めてある中性脂肪が、すでに満杯状態になっていて、インスリンが分泌されても、それ以上の脂肪酸を取り込めないのです。従って、血中の中性脂肪値は減らないのです。

従いまして、メタボ人や脂質異常症の人が糖質を摂取すると、インスリンが大量に追加分泌されて、筋肉細胞も脂肪細胞も中性脂肪を取り込まない状態となるので、いつまでも高中性脂肪血症が続くこととなります。

キロミクロンやVLDL中の中性脂肪が分解されるときに、アポタンパク質をHDLに返します。高中性脂肪血症が続けば、HDLはアポタンパク質を返してもらえないので、アポタンパク質を充分量保有する、まっとうなHDLが減少するのです。

このように、メタボ人や脂質異常症の人は、脂肪細胞の中性脂肪取り込みは期待できませんが、糖質制限食ならインスリンが分泌されないので、筋肉細胞のLPLは活発に働き、中性脂肪を分解して脂肪酸にして取り込んで、エネルギー源としてどんどん利用し、アポタンパク質をHDLに返します。

まだ仮説ではありますが、これが、糖質制限食で中性脂肪が減少し、HDLコレステロールが増えるメカニズムです。

米国の権威ある雑誌にも、低糖質食の優位性を示す論文が掲載されました。糖尿人、メタボ人の皆さん、美味しく楽しく糖質制限食を実践して中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やしましょうね。 (^_^)



今回のブログは釜池豊秋先生の「糖質ゼロの食事術」を参考にさせていただきました。
謝謝。m(_ _)m


**
以下は米国の権威ある栄養雑誌に載った論文の要約です。

低糖質食はHDL-Cを増やす。
低糖質食はTGを減らし、肥満を改善する。
従来の高糖質食はHDL-Cを減らす。
高糖質食はTGを増やし、肥満を悪化させる。
American Journal of Clinical Nutrition, Vol. 83, No. 5, 989-990, May 2006
EDITORIAL Alternatives to low-fat diets1,2 Martijn B Katan



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
中性脂肪
江部先生

中性脂肪について質問致しました池田です。

3日に亘ってご説明賜り有難うございます。

先生のご本から糖質制限を始めて血糖値は確実に下がりました。

この血糖値は測定器がありますので、最近は測るのが楽しくなりました。

ところが中性脂肪の測定は直ぐに出来ません。

本来、肉が好きで、糖質制限食ではどんどん食べて良いということなので本当に有難いのです。

これで中性脂肪が下がればもう願ったりかなったりと言うことです。

どうも有難うございました。
2008/09/24(Wed) 09:46 | URL | 池田 | 【編集
2時間後血糖値について
はじめまして。
今年の人間ドックで「糖尿病」と診断されました たま(28歳・女)と申します。
現在、再検査待ちです。。。

結果を受けて、即 糖質制限食について知り、ダイエットにも良いということで(笑)再検査を受けていない今も実行中です。

レシピだと 調味料だけでなく調理法も勉強になりますので 大変重宝しております。


さて、私の検査結果なんですが、皆様のと少々違うようです。

HbA1c 5.0
空腹時血糖値 85

ここまで見れば正常人です。
ちなみにコレステロールはHDL-C:52、LDL-C:70 で正常範囲。
中性脂肪にいたっては38です。。。

これが、糖負荷試験の血糖値120分で212 と大幅にUPします。

ブログでご紹介されている皆様とは 少しデータが異なるような気がするのですが
このまま糖質制限食を継続していて大丈夫でしょうか?


※朝晩の炭水化物抜きに加え、大好きなチューハイ→焼酎、おつまみのスナック菓子→サラダ、おやつのドライフルーツ→止めて カラダの調子は問題なし!です。
2008/09/27(Sat) 11:14 | URL | たま | 【編集
血液検査の結果が出ました。
 こん◎◎は。
 
 江部先生の本を読んで始めた「糖質制限食」も3ヶ月が経ち、米飯が無くても気にならなくなりました。(まだ、お菓子の類を食べてしまいますが、できるだけ少なくするようにしています。)
 先日の検査結果(血糖値+肝機能他)は以下の通りでした。
GLU     105 GOT     16 GPT      25 γ-GPT   26   
T-CHO  149 TG      56 T-BIL   0.9 Amy     45
(9/11現在 HbA1c 4.9)

 今回は膵臓の状態を見てみよう、ということでアミラーゼのチェックもしてみたのですが、これも普通以下。実は、入院時にこの数値が400を超えており、胃潰瘍・十二指腸潰瘍→膵炎→高血糖となった可能性も指摘されました。
 ただ、血液検査の数値はよくても体重の増加傾向が著しく、最近の悩みの種です。野菜を食べている割には便秘もあります。薬は相変わらずスターシスとベイスンの併用です。
 糖質を避けて野菜を多めにしているんですが・・・。
 どうしたもんでしょうか??
   
2008/09/29(Mon) 13:32 | URL | すかんぴん | 【編集
中性脂肪が377になりました。質問です。
江部先生はじめまして。
8月下旬ころに偶然にブログを見つけて以来、先生の本も合わせまして、とても興味深く拝読させていただいております。

 中性脂肪値について質問がございます。糖質制限食を実施してから1ヵ月半くらい経つのですが、採血をしたところ、普段は基準値下ぎりぎりで経過していた中性脂肪値が377になりました。HDlコレステロールは52、LDLコレステロールは72です。他のデーターはすべて正常範囲内です。

 当方、ボディビルをしていまして、糖質制限食を通して減量、筋量アップできないものかと、実施している次第です。
 糖質をとしっかり制限して、脂肪を多くとり、運動エネルギーを脂肪に依存するようにし、その脂肪をカットしていくことで、体脂肪の利用を促せれば、というところから始めました。

一日の食事などを記載します。

173センチ、81キロ 32歳、糖尿の既往なし、家系に糖尿はいません。
 既往症なし、トレーニング歴6年。現在、体脂肪はかなり低い状態です。
 ドーピングは一切していません。

早朝・・果物少々

朝・・ラム肉330g、生野菜サラダどんぶり山盛り(オリーブオイル+自然塩+桜エビ+こうなご)
生クルミ+生カシューナッツ+生アーモンド(ナッツだけで計700キロカロリー位)

昼・・とりもも330gオリーブ油炒め
生サラダ、ナッツは朝食時と同量

夕方・・プロテイン60g

夜・・アミノ酸20g+BCAA20g

トレーニング後・・プロテイン80g(バナナを2本追加して食べることもあります)

就寝前・・プロテイン80g+シソ油10g、トマト、

減量のため、ナッツを2割程度に少なくする日、上記のとおり摂る日と、日々変化をつけています。上記の食事を1ヵ月半続けています。

 今までは中炭水化物(糖質は3食玄米です)、高蛋白、低脂肪でやっておりました。

 糖質制限食に変えてから感じたことですが、

・トレーニング時の粘りが非常に強くなった
・疲れにくくなった
・脂肪が落ちてきた
・筋肉量が増えてきたと周りに指摘された
・便通は逆に良くなった

体調はすこぶる良好です。

 中性脂肪値だけがずいぶん高いのですが、このままこの内容で続けても問題ないですしょうか。また、なぜ高いのでしょうか。

 これからも糖質制限食を勉強していきたいので、ぜひともアドバイスいただければ幸いです。

 ほかにも数点ありますが、

果物はインシュリンを分泌しないので肥満にならないので基本的に制限不要(糖尿でも大丈夫?)、
また、インシュリンに依存しないので筋グリコーゲンにならない、というのを見かけますが、実際はどうでしょうか。

 また、トレーニング直後はインシュリンの感受性が高くなっているるので、あえて高GI値の炭水化物を大量に(100g位)、大量のタンパク質とともに摂取するのがボディビルの定説になっています。
 「炭水化物をしっかりとらないと大きくなれない」という話もよく耳にします。この辺に対するご意見もぜひ伺いたいです。
 事実、筋発達のためのドーピングとしてインシュリンを使用して、確かに規格外の体を作っているいる選手もおりますゆえ(インシュリン以外の薬物を使用している可能性もありますが)・・

 ご多忙の中大変恐縮ですが、非常に興味がありますので、ご教授のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、失礼いたします。
2009/10/24(Sat) 17:18 | URL | 齋藤 | 【編集
Re: 中性脂肪が377になりました。質問です。
齋藤 さん。

朝の空腹時なら糖質制限食で中性脂肪は下がります。
食後なら数時間は高値のことがあります。

「果物はインシュリンを分泌しないので肥満にならないので基本的に制限不要(糖尿でも大丈夫?)」

果糖は血糖値はほとんど上げませんが、中性脂肪変わりやすいので太りやすいです。
果物には、果糖・ブドウ糖・ショ糖・糖アルコールなどが含まれています。

「インシュリンに依存しないので筋グリコーゲンにならない、というのを見かけますが、実際はどうでしょうか。 」

果糖はもっぱら、中性脂肪に変わります。

「また、トレーニング直後はインシュリンの感受性が高くなっているるので、あえて高GI値の炭水化物を大量に(100g位)、大量のタンパク質とともに摂取するのがボディビルの定説になっています。 」

トレーニング後は筋肉細胞のインスリン感受性が高まるので、血糖値は筋肉に沢山取り込まれて
エネルギー源として利用されたあとグリコーゲンとして貯蔵されます。
ただ余った血糖値は中性脂肪に変わります。

「 「炭水化物をしっかりとらないと大きくなれない」という話もよく耳にします。」

炭水化物・脂質・タンパク質のうち、炭水化物がもっとも太りやすいです。
血糖値を上昇させるのは炭水化物だけで、血糖値が上昇すればインスリンが追加分泌されて
筋肉などに血糖値を取り込ませます。しかし余った血糖値はすべて中性脂肪に変わります。
2009/10/25(Sun) 11:39 | URL | 江部康二 | 【編集
このまま続けても大丈夫でしょうか
江部先生ご返答ありがとうございます。

 朝の空腹時の採血だったら中性脂肪は正常範囲内だった可能性が高かったということですね。

 これからもこの食事を続けていく予定ですが、毎食後にいつも400近くまで中性脂肪をあげた状態を作っていても問題はないのでしょうか?
2009/10/25(Sun) 16:07 | URL | 齋藤 | 【編集
Re: このまま続けても大丈夫でしょうか
齋藤 さん。

食事由来の中性脂肪は
1回の循環で、脂肪細胞や肝細胞に取り込まれますので
問題ありません。
2009/10/25(Sun) 18:37 | URL | 江部康二 | 【編集
HDLコレステロールについてなのですが。
はじめまして。37歳の男です。先生の本を読みまして、糖質制限食を2ヶ月ほど続けまして、検査結果が前回はHBA1C(NGS)が7.0から6.2、空腹の血糖値が120から105になり驚いております。自分の場合中性脂肪も高く、ベザトールという薬を飲んでおりますが、糖質制限食の結果170から102まで下がりました。そこで心配なのがHDLの値なのです。これがなぜか102と高いのですが、問題があるのでしょうか?それと総タンパクが8.7で高いのですがこれも問題あるのでしょうか?お答え頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。
2014/01/18(Sat) 21:26 | URL | masa | 【編集
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