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江部康二の検査データとケトン体
こんにちは。

今日は第三金曜日、月例ライブの日です。台風13号が、四国沖を東へ進み、夕方に紀伊半島接近だそうで京都直撃はないのですが、お客さんの出足が心配です。(=_=;) 

さて、スーパー糖質制限食を数年間実践中の、江部康二の2008年8月の検査データです。
血中ケトン体尿中ケトン体に特に注目です。またスーパー糖質制限食実践中の正常値は??

夕方6時空腹時血糖値:104mg(60~109)
HbA1c:5.1%(4.3~5.8)
中性脂肪:68mg(50~149)
総コレステロール:231mg(150~219)
HDL-コレステロール:112.5mg(40~85)
LDL-コレステロール:104mg(140mg未満)
尿酸:2.8mg(3.4~7.0)
BUN:20.4mg(8~20)
クレアチニン:0.67mg(0.6~1.1)
GOT:27(9~38)
GPT:28(5~39)
γGTP:45(84以下)
総タンパク:7.2g(6.5~8.3)
アルブミン:4.8g(3.8~5.3)

血色素量:15.3(13~17
白血球数:9500(3900~9800)
赤血球数:476(400~560)

空腹時インスリン:2.4μU/ml(3~15)

血中ケトン体:939μM/L(26~122)
尿中アセトン体:陰性

尿アルブミン定量精密・クレアチニン補正値:14.6(30以下)

総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、脂質異常症の2007年ガイドラインから外れているので特に問題はありません。HDL-コレステロール、LDL-コレステロールもOKです。

スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、尿酸は低いですね。尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。

高タンパク食の影響でBUNが少し高値ですが、クレアチニンが正常で、生理的な範囲です。

焼酎などよく飲む割には肝機能も全く正常です。 (^_^)

インスリンは、基礎分泌がやや少なめです。糖尿病発見時に、既にあるていど回復不能のダメージが、膵臓のβ細胞にあったのでしょう。糖質制限食を実践する限りは全く正常人ですが、インスリン分泌能はやや低下していて、これは残念ながら治りません。 (;_;)

興味深いのは血中ケトン体は939μM(26~122)と、一般的基準値に比べればかなり高値ですが、尿中のアセトン体(ケトン体の一種)は陰性です。

これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、尿中に排泄されないのだと考えられます。

即ち、わたしの血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、インスリン作用は一定確保されていて、血糖値も104mgと正常です。

見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、私のようなデータが当たり前で、人類の標準だったと考えられます。

従って、糖質制限食実践中の人のケトン体の標準値は、200~1000~2000μMと考えられます。
糖質ゼロ食の釜池豊秋先生にお聞きしたところ、先生ご自身の血中ケトン体は、1000~2000レベルで、尿中ケトン体は、陰性だそうです。

なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、尿中のケトン体も陽性となり、どんどん体重が減少していきます。徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、尿中ケトン体は減っていき、体重減少も落ち着いてきます。


**
7月に調べた、1.5AG:5.8μg/ml(12~43)も一般的基準値より低値ですが、この時も血糖コントロールは極めて良好で正常範囲です。

従って、1.5AG:5.8は、糖質制限食実践中においては、正常値と考えられます。通常の糖質を摂取する食事をしていて1.5AGが低値なら、糖尿病のコントロール不良ということになりますが、糖質制限食実践中は、正常値が全く異なるわけです。(1.5AGに関しては2008年04月14日のブログをご参照ください。)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ケトン体について
先日、こむらかえりで質問させていただ
きました。
 念願かなって妊娠!!いま妊娠6週目です!!糖質制限で血糖が下がって、妊娠しやすい体質なり、その状態で(卵管造影で異常はなかったものの、)通りがよくなり、めでたく着床したんだと思っています!!ただ、いまだ胎嚢のみで心拍確認待ちで不安な日々です。

そこで質問なのですが、
1.
高血糖が催奇形性があるということは
よく書いてますが、高血糖で血糖そのものが催奇形性因子なのか、高血糖による何か
2次的なものが催奇形因子なのか情報がありません。何か情報があれば教えていただけますでしょうか?

2.
いわゆるケトン体
(アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、
アセトン)のなかで、
アセトンは催奇形性はないようです。
しかし、残りの2つの成分については
なにか影響はないものでしょうか?

3.
妊娠する前から糖質制限食で、
血糖は上腕で現状おおよそ
早朝で100~120
(早朝はやはりよる低くても
上がってしまいます(ToT)
食後2時間で130~160です。
HA1cは7月で5.8でした。
(もっと、厳密なコントロールでないと
いけないんでしょうね。。。心拍確認次第、大学病院に紹介と言われました。。。。)
妊娠初期における糖質制限食で
食のバランス上、気をつけておく事が
あれば教えていただけると幸いです。
インスリン投与なく、糖質を取ると血糖があがる事は明白で催奇形性を高めるようで怖いのですが、大学病院ではいわゆる食事指導&運動指導をされそうで、インスリン投与に至るまでの間に高血糖状態を食後1時間後とかに再々起こしてしまうと思われ、説得力のある血液データ(血糖以外の数値も良好)でいたいと思っています。
お忙しいところお手数ですが
ご教示いただけると幸いです。

2008/09/19(Fri) 21:44 | URL | ぴー | 【編集
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