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新型コロナ ワクチン、不信払拭カギ 米、人種差別の暗い記憶
こんばんは。
毎日新聞2020年12月25日 東京朝刊に、

https://mainichi.jp/articles/20201225/ddm/002/040/090000c
新型コロナ ワクチン、不信払拭カギ 米、人種差別の暗い記憶

という記事が掲載されました。

米国ではかつて黒人が1930年代から70年代にかけて行われた梅毒の臨床研究において
「モルモット」にされた暗い歴史がありました。

従って、ワクチンに対しても不信感をもつ黒人や中南米系の人が多いようです。
このままだと、ワクチン接種者は半数にとどまるということであり、
WHOのいう集団免疫のためのワクチン接種率65~70%にはほど遠いようです。

世論調査で、ワクチンを「受ける」と答えた人は、白人では53%と5割を超えましたが、
中南米系は34%、黒人は24%にとどまりました。
黒人で「受けない」と答えた人は40%で、
白人の25%や中南米系の26%を大きく上回りました。

人口100万人あたりの死者数(2020/12/24現在)は、
米国では55.1人で、日本の2.4人の23倍です。

これだけの死亡者がでていても、ワクチンを打たない人が半数もいるなら
集団免疫の獲得は困難です。
従って少なくとも米国では、ワクチンが登場しても、
新型コロナ感染症が鎮静化する見通しはたっていません。

そして私が一番不思議に思っていたのは、僅か10ヶ月で、
何故ワクチンが完成したのかということで、そのあまりの速度に驚いたのです。

従来のワクチンは、弱毒化したウイルスを利用する「生ワクチン」や、
ウイルスの感染力を失わせた「不活化ワクチン」が主で、
卵でウイルスを大量培養するなどに時間がかかり、
感染防御や安全性確保のためもあり、開発に10年単位の期間を要していました。

 今回のファイザーやモデルナのワクチンは「遺伝子ワクチン」と呼ばれ、
ウイルスの遺伝子の一部「メッセンジャーRNA(mRNA)」を
人工的に作って利用するタイプです。
ウイルスのゲノム(全遺伝情報)が解明できれば遺伝子の合成は比較的容易で、
開発の時間とコストを削減できます。
この「遺伝子ワクチン」を接種すれば体内でウイルス特有のたんぱく質が作られます。
これを体が異物として記憶して、このたんぱく質を攻撃する抗体ができれば、
実際にウイルスそのものが侵入してきても攻撃できるようになる仕組みです。

ただこのようなタイプのワクチンは、人類は未経験であり、
遺伝子ワクチンが、未知の副反応を起こす可能性もあります。
短期的なアナフィラキシーショックは、すでに米国でも英国でも発症しています。
さらに長期的な未知の副反応が起こる可能性もあり、長期的安全性は
全く担保されていません。


私自身は、新型コロナワクチンを接種するつもりは全くありません。
スーパー糖質制限食で、粘膜免疫、自然免疫を高めて
感染予防あるいは発症予防を目指します。


江部康二


☆☆☆
以下の青字の記載は、毎日新聞記事の要約です。

https://mainichi.jp/articles/20201225/ddm/002/040/090000c
新型コロナ ワクチン、不信払拭カギ 米、人種差別の暗い記憶
毎日新聞2020年12月25日 東京朝刊
 新型コロナウイルスの感染者、死者ともに世界最多の米国で、ワクチンの接種が進んでいる。ワクチンを受けた人は23日、100万人を超えた。ただ、黒人や中南米系を中心に歴史などを背景としたワクチンへの不信感があり、接種を希望しているのは国民全体でも半数にとどまるとの調査もある。
世界保健機関(WHO)は、集団免疫の獲得にはワクチン接種率が65~70%になる必要があると指摘しているが、懐疑論をどこまで払拭(ふっしょく)できるかがカギとなりそうだ。
 「過去の歴史を理由に接種したがらないマイノリティー(人種的少数派)の人たちに言いたい。私は自分が(初の接種の)ターゲットにされたとも、利用されたとも思わない。世界中の私のような人にワクチンを受けることをお勧めします」。米国で接種第1号となった東部ニューヨーク市の黒人の看護師、サンドラ・リンゼイさんは、接種後の記者会見でそう語った。
 リンゼイさんが「私のような」と訴えたのには理由がある。米国ではかつて黒人が「モルモット」にされた暗い歴史があるからだ。1930年代から70年代にかけて行われた梅毒の臨床研究では、感染者と非感染者の黒人男性600人が、梅毒の治療を行わなかった場合に症状がどう進行するのかという調査の対象にされた。こうした過去の記憶から、ワクチン接種に警戒感を示す人が多い。
 
 実際、AP通信などによる米国の世論調査で、ワクチンを「受ける」と答えた人は、白人では53%と5割を超えたが、中南米系は34%、黒人は24%にとどまった。黒人で「受けない」と答えたのも40%で、白人の25%や中南米系の26%を大きく上回る。
 だが新型コロナは黒人や中南米系の感染割合が高く、マイノリティーの人々が接種することが重要だ。集中治療室でコロナ患者の対応にあたってきたリンゼイさんは、病院側が接種希望者を募った際に「差別的な扱いを受けたという歴史を知る黒人だからこそ」と自ら手を挙げたという。
 ワクチンへの信用は世界的に低迷しているのが現状だ。ワクチン開発が進む中、米ジョンズ・ホプキンズ大が23カ国で実施した調査では、今年7月時点と11月時点の比較で、「ワクチンを受ける」と答えた人の割合が20カ国で下落。フランスは51%から35%に、日本も70%から49%に下がった。副反応への懸念をあおる情報がソーシャルメディアで広がっていることが背景にあるとみられる。
 AP通信などの米国の世論調査でも、ワクチンを「受ける」と答えたのは47%で半数に届かず、「分からない」「受けない」は合わせて53%に上る。トランプ大統領がワクチン承認を保健当局に急がせた経緯も不信感を高めた。「科学者を軽視し、誤った治療法を推奨し、パンデミックの深刻さを見過ごしてきた大統領が、今度は、ワクチンは自分の手柄だと必死に主張している」(米紙ニューヨーク・タイムズ)との見方が、懐疑論の根拠の一つとなっている。
 ワクチン不信を打開しようと、オバマ前大統領ら歴代大統領3人は、国民を説得するためにメディアの前でワクチンを受けると意思表明した。バイデン次期大統領も21日、公の場で接種を受けるなど、政治家や著名人がワクチンを受けるよう呼びかけた。
 国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、ワクチン接種で集団免疫を獲得すれば、来年秋には不安なく映画館に行くなど「普段の生活」に戻ることができると予想する。ただし、それは人々が「ワクチンの安全性や効果」を理解し、積極的に接種することが前提だと指摘している。製薬会社や政府による安全性確保の努力のほか、ファウチ所長は、国民が正しい知識を持つ「科学リテラシー」の重要性を訴えている。【ニューヨーク隅俊之】

人工遺伝子で迅速開発 ウイルス培養は経ず
 米国などでは、短期間で開発、承認されたことも新型コロナワクチンへの不信感の一因となっている。だが今回のワクチンは、短期間で実用化するために、あえて従来のワクチンとは全く異なるコンセプトで開発を進めたものだ。
 ワクチンは体にウイルスを覚えさせ、同じものが侵入してきたときに異物として攻撃する「抗体」を作り出させる。従来のワクチンは、弱毒化したウイルスを利用する「生ワクチン」や、ウイルスの感染力を失わせた「不活化ワクチン」など、ウイルスそのものを使うことが多かった。だが卵など生きた細胞内でウイルスを大量培養するのに時間がかかるほか、外部流出を防ぐ厳重な設備も必要となり、一般的には開発に10年単位の期間を要するとされる。
 一方、ファイザーやモデルナのワクチンは「遺伝子ワクチン」と呼ばれ、ウイルスの遺伝子の一部「メッセンジャーRNA(mRNA)」を人工的に作って利用するタイプだ。ウイルスのゲノム(全遺伝情報)が解明できれば遺伝子の合成は比較的容易で、開発の時間とコストを削減できる。人工mRNAをワクチンとして接種すれば体内でウイルス特有のたんぱく質が作られ、体が異物として記憶する。このたんぱく質を攻撃する抗体ができれば、実際にウイルスそのものが侵入してきても攻撃できるようになる仕組みだ。
 米政権は「ワープスピード作戦」として100億ドル(約1兆400億円)を投入するなど資金面でも支援し、官民連携で開発を急いできた経緯がある。
 ただ、ファイザー、モデルナいずれも、臨床試験で9割超という高い有効性が確認され、重大な副反応はなかったと公表しているものの、接種が始まった英米ではアレルギー症状が起きた事例などが報告されており、副反応への注意が引き続き必要だ。今後、想定していない副反応が出てくる懸念も残る。
 宮坂昌之・大阪大名誉教授(免疫学)はこれらのワクチンについて、「今まで開発されたワクチンの中で最も有効性があるのではないか」と評価する一方、「強いワクチンは副反応を起こす可能性もある」とも指摘する。そのうえで「欧米での結果を十分に見極め、日本では感染リスクとワクチンの有効性、安全性をてんびんにかけて接種の判断をしていくべきだ」と話す。【渡辺諒】
コメント
ナイジェリアで第3の変異種 デンマークでは市中感染も 新型コロナ
ナイジェリアで第3の変異種 デンマークでは市中感染も 新型コロナ

https://news.yahoo.co.jp/articles/0f67500271bd5d204ed90377365dd72463d6512a
2020/12/25(Fri) 20:14 | URL | 久堀 | 【編集
変異種感染の5人 英から羽田と関空に帰国 18~21日に 厚労省発表
既に日本にも入って来てますね

変異種感染の5人 英から羽田と関空に帰国 18~21日に 厚労省発表

https://news.yahoo.co.jp/articles/081f4e4618224a95aac1f7c6d5bd91e4f6ccc6ad
2020/12/25(Fri) 22:22 | URL | 久堀 | 【編集
初めての投稿失礼致します。
江部先生のブログで糖質の勉強させて頂いております。

ステビアヘルスという商品を初めて知りました。
これは血糖値を上げない商品なのでしょうか。
Twitterにこの商品を使用したレシピがいくつも載っていて、どれも美味しそうで作ってみたいと思っています。
URLを記載します。

https://steviahealth-shop.com/

よろしくお願いします。
2020/12/26(Sat) 18:48 | URL | ヤマト | 【編集
Re: ナイジェリアで第3の変異種 デンマークでは市中感染も 新型コロナ
久堀 さん

情報をありがとうございます。
2020/12/27(Sun) 10:32 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 変異種感染の5人 英から羽田と関空に帰国 18~21日に 厚労省発表
久堀 さん

2020/12/28~2021年1月末まで
全世界から新規入国停止となりましたね。
2020/12/27(Sun) 10:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
ヤマトさん

ステビアヘルスは
原材料 エリスリトール、食物繊維/甘味料(ステビア)
なので
血糖値上昇なしです。
2020/12/27(Sun) 10:35 | URL | ドクター江部 | 【編集
ファイザーワクチン
米国で医療に従事している、感染症専攻の日本人医師です

ファイザーワクチンの1回目接種を受けたそうです

https://www.facebook.com/saki.ikeda/posts/10157796106448317
2020/12/27(Sun) 22:10 | URL | XXX | 【編集
Re: ファイザーワクチン
XXX さん

ワクチン有効ならいいですね。
2020/12/28(Mon) 16:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
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