2020年12月11日 (金)
こんばんは。
久堀さんから、
『コロナ患者2%に脳梗塞など血栓症 重症者は高頻度に』
https://news.yahoo.co.jp/articles/513cf4fd7b0058f45e919f8acb18fc8642d8f4f5
というヤフーニュースの記事の情報を頂きました。
久堀さん、ありがとうございます。
109病院の約6千人分の入院新型コロナ患者のデータで、
血栓症がみられたのは、1・9%にあたる105人でした。
発症者は軽症・中等症の患者のうち31人(0.6%)、
人工呼吸器やエクモを使用中の重症者のうち50人(13%)であり、
重症患者は軽症・中等症患者の約22倍、血栓を生じています。
日本人は欧米人に比べて血栓を生じにくいことも、
日本人が欧米人に比べて重症化しにくいことと関係していますが、
それでも、新型コロナで血栓は生じうるということです。
新型コロナウィルスは、ACE2受容体を介して、血管内に侵入できるのが
インフルエンザウィルスとの違いです。
血中に侵入することで、全身の凝固活性化と血栓性合併症を引き起こす可能性があります。
欧米人では、新型コロナによる血栓症は、日本人よりはるかに多いです。
オランダの病院では、入院患者198人のうち33人(17%)が血栓症と診断されています。
日本の入院患者の血栓症発症率1.9%に比べると、約9倍の発症率です。
2020年5月に発表されたオランダの病院での研究報告(☆)が以下です。、
『入院患者198人において、静脈血栓塞栓症(VTE)の発生率を調査しています。
74人の患者(37%)は集中治療室(ICU)に入院です。
198人中、14%が亡くなっています。
33人の患者(17%)がVTEと診断され、
通常の血栓症予防治療実施にもかかわらず、
22人(11%)に症候性VTEがありました。』
要するに、抗血栓治療を実施したにもかかわらず、
症状が出現してしまった訳で、新型コロナウィルスの
血栓を発症させる能力、恐るべしです。
やはり、血中に侵入し血管壁を傷害し、血管炎を起こすというのは凶悪です。
(☆)
Incidence of Venous Thromboembolism in Hospitalized Patients with COVID-19
Saskia Middeldorp, et al.
J Thromb Haemost. 2020 May 5. doi: 10.1111/jth.14888.
江部康二
☆☆☆
以下の青字の記載はヤフーニュースの要約です。
【https://news.yahoo.co.jp/articles/513cf4fd7b0058f45e919f8acb18fc8642d8f4f5
コロナ患者2%に脳梗塞など血栓症 重症者は高頻度に
12/9(水) 朝日新聞 DIGITAL
厚生労働省研究班などの調査チームは、
新型コロナウイルス感染症の重症患者の13%で、
脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞などの血栓症がみられたとする
報告書を公表した。
調査チームは「重症例における血栓症の頻度は相当高く、
予防すべき重要な合併症と言える」として対策を求めている。
血栓症は血管に血液の塊が詰まる病気で、
詰まる部位によっては命に関わる。
新型コロナ感染症では血栓が生じやすく、
症状の悪化に深くかかわっていると指摘されている。
国内の発生状況を調べるため、チームは、
399病院に8月末までに入院した患者の血栓症の発症状況などをたずねた。
回答は109病院から約6千人分。
94%が軽症・中等症、
6%は人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を必要とした
重症の患者だった。
血栓症がみられたのは、1・9%にあたる105人。
発症者は軽症・中等症の患者のうち31人(0・6%)、
人工呼吸器やエクモを使用中の重症者のうち50人(13%)だった。】
久堀さんから、
『コロナ患者2%に脳梗塞など血栓症 重症者は高頻度に』
https://news.yahoo.co.jp/articles/513cf4fd7b0058f45e919f8acb18fc8642d8f4f5
というヤフーニュースの記事の情報を頂きました。
久堀さん、ありがとうございます。
109病院の約6千人分の入院新型コロナ患者のデータで、
血栓症がみられたのは、1・9%にあたる105人でした。
発症者は軽症・中等症の患者のうち31人(0.6%)、
人工呼吸器やエクモを使用中の重症者のうち50人(13%)であり、
重症患者は軽症・中等症患者の約22倍、血栓を生じています。
日本人は欧米人に比べて血栓を生じにくいことも、
日本人が欧米人に比べて重症化しにくいことと関係していますが、
それでも、新型コロナで血栓は生じうるということです。
新型コロナウィルスは、ACE2受容体を介して、血管内に侵入できるのが
インフルエンザウィルスとの違いです。
血中に侵入することで、全身の凝固活性化と血栓性合併症を引き起こす可能性があります。
欧米人では、新型コロナによる血栓症は、日本人よりはるかに多いです。
オランダの病院では、入院患者198人のうち33人(17%)が血栓症と診断されています。
日本の入院患者の血栓症発症率1.9%に比べると、約9倍の発症率です。
2020年5月に発表されたオランダの病院での研究報告(☆)が以下です。、
『入院患者198人において、静脈血栓塞栓症(VTE)の発生率を調査しています。
74人の患者(37%)は集中治療室(ICU)に入院です。
198人中、14%が亡くなっています。
33人の患者(17%)がVTEと診断され、
通常の血栓症予防治療実施にもかかわらず、
22人(11%)に症候性VTEがありました。』
要するに、抗血栓治療を実施したにもかかわらず、
症状が出現してしまった訳で、新型コロナウィルスの
血栓を発症させる能力、恐るべしです。
やはり、血中に侵入し血管壁を傷害し、血管炎を起こすというのは凶悪です。
(☆)
Incidence of Venous Thromboembolism in Hospitalized Patients with COVID-19
Saskia Middeldorp, et al.
J Thromb Haemost. 2020 May 5. doi: 10.1111/jth.14888.
江部康二
☆☆☆
以下の青字の記載はヤフーニュースの要約です。
【https://news.yahoo.co.jp/articles/513cf4fd7b0058f45e919f8acb18fc8642d8f4f5
コロナ患者2%に脳梗塞など血栓症 重症者は高頻度に
12/9(水) 朝日新聞 DIGITAL
厚生労働省研究班などの調査チームは、
新型コロナウイルス感染症の重症患者の13%で、
脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞などの血栓症がみられたとする
報告書を公表した。
調査チームは「重症例における血栓症の頻度は相当高く、
予防すべき重要な合併症と言える」として対策を求めている。
血栓症は血管に血液の塊が詰まる病気で、
詰まる部位によっては命に関わる。
新型コロナ感染症では血栓が生じやすく、
症状の悪化に深くかかわっていると指摘されている。
国内の発生状況を調べるため、チームは、
399病院に8月末までに入院した患者の血栓症の発症状況などをたずねた。
回答は109病院から約6千人分。
94%が軽症・中等症、
6%は人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を必要とした
重症の患者だった。
血栓症がみられたのは、1・9%にあたる105人。
発症者は軽症・中等症の患者のうち31人(0・6%)、
人工呼吸器やエクモを使用中の重症者のうち50人(13%)だった。】
このあたり、確かにかなり難しいですね
"陰性"のはずが感染拡大…クラスターが発生した病院で見えた「コロナ対策の難しさ」
https://news.yahoo.co.jp/articles/fda380af1edb60b906f6c9fa25ba3d8b83bcda99?page=1
"陰性"のはずが感染拡大…クラスターが発生した病院で見えた「コロナ対策の難しさ」
https://news.yahoo.co.jp/articles/fda380af1edb60b906f6c9fa25ba3d8b83bcda99?page=1
2020/12/11(Fri) 23:27 | URL | 久堀 | 【編集】
久堀 さん
情報をありがとうございます。
"陰性"のはずが感染拡大・・・これは予防対策が困難ですね。
情報をありがとうございます。
"陰性"のはずが感染拡大・・・これは予防対策が困難ですね。
2020/12/12(Sat) 08:03 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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