2020年12月06日 (日)
こんばんは。
深刻、コロナ後遺症 倦怠感、呼吸困難…
「仕事できない」 進まぬ周知 医師、診断できず
毎日新聞2020年12月1日
新型コロナ感染症の後遺症に悩む青年の記事が
上記の毎日新聞に掲載されました。
新型コロナウイルス感染者で、
人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどの重症者は、
12月5日時点で520人となり、過去最多を更新しています。
一方で、テレビのニュースでは、
京都嵐山などの観光客の賑わいを報道していました。
政府のGo To トラベル政策による、感染多発地域からの人の移動増加も
感染増加にかなり関与していると考えられます。
私は、医療崩壊を防ぐためにも
『Go To トラベル』などと言っている場合ではないと思います。
<30代と比較した各年代新型コロナ重症化率(厚生労働省。11/28)>
0~10歳 0.5倍
10代 0.2倍
20代 0.3倍
30代 1.0
40代 4倍
50代 10倍
60代 25倍
70代 47倍
80代 71倍
90代 78倍
確かに、年齢とともに、重症化率は右肩上がりで急上昇しています。
しかし、若者といえども、確率は低いとは言え、後遺症で悩んでいる人もいます。
とくに重症でなくても、後遺症はでうると思われます。
毎日新聞の記事では、25歳男性の後遺症について述べています。
この男性は38度を超える高熱や胸の痛みに襲われて入院し、
週間後に退院しましたが、その後も倦怠感などの症状が続いています。
退院から約1カ月後に職場復帰したものの、
頭痛や胸の痛みは治まらず、激しい息切れを起こすことも増えています。
国立国際医療研究センターが2~6月に退院した63人に聞き取り調査(複数回答)を実施したところ、
退院4カ月後の時点で呼吸困難(7人)や倦怠感(6人)、嗅覚障害(6人)などの症状があることが確認されています。
複数回答とはいえ、少なくとも1~2割の人に後遺症がでています。
新型コロナ感染症、思った以上に後遺症が発生しています。
感染しないことが優先順位の一番です。
感染予防には、日本国民が初心に戻ること、
すなわち、、
三密を避け、マスク、手洗い、うがいの励行が必要と思います。
特に、対面や隣り合っての会話を伴う会食が大きな感染リスクとなるので
注意が必要です。
江部康二
☆☆☆
以下の青字の記載は毎日新聞記事の要約です。
[https://mainichi.jp/articles/20201201/ddm/041/040/102000c
深刻、コロナ後遺症 倦怠感、呼吸困難…
「仕事できない」 進まぬ周知 医師、診断できず
毎日新聞2020年12月1日 東京朝刊
新型コロナウイルスに感染後、何カ月にもわたり倦怠(けんたい)感や吐き気などの後遺症を訴える人が増えている。海外での研究は進みつつあるが、国内では認知度もなく、医療機関にかかっても取り合ってもらえないことが多いという。後遺症が疑われる人は今後も増加するとみられ、医療関係者からは「国は本腰を入れて対策を取るべきだ」との声が上がる。
「以前よりもはるかに疲れが取れなくなった。仕事もほとんどできない」。7月に感染し、今も後遺症に悩む埼玉県の男性(25)は訴えた。
この男性は38度を超える高熱や胸の痛みに襲われて入院。2週間後に感染力が下がったとして退院したが、その後も倦怠感などの症状が続いたという。退院から約1カ月後には職場復帰したものの、頭痛や胸の痛みは治まらず、激しい息切れを起こすことも増えている。
男性は後遺症の可能性があることを会社に伝えたが、今も力仕事を伴う職場に通い続ける。「心身共に限界で、退職も検討せざるをえない」と肩を落とす。
厚生労働省によると、後遺症についてはイタリアや米国などで研究が進んでおり、コロナには後遺症が疑われるケースがあることが分かりつつある。
国内でも国立国際医療研究センターが2~6月に退院した63人に聞き取り調査(複数回答)を実施したところ、退院4カ月後の時点で呼吸困難(7人)や倦怠感(6人)、嗅覚障害(6人)などの症状があることが確認された。
しかし、後遺症の存在は今も広く知られておらず、国内では医療機関であっても理解が進んでいない。
「何度も病院に通ったが、理由は分からないままだった」
東京都に住む団体職員の女性(47)は4月末ごろから微熱などの症状に悩まされ、その後の抗体検査で陽性が確認された。自宅療養を経て職場復帰したが、胸の痛みや強い倦怠感などの症状がたびたび表れるようになったという。
しかし、病院で受診しても「心因性ではないか」などと言われるだけで、在宅勤務を交えながら仕事を続けるしかなかった。
「ヒラハタクリニック」(東京都渋谷区)の平畑光一医師はこれまで、後遺症に悩む全国約400人の相談に応じてきた。
他の病院で病気と認められず、平畑医師を頼ってきた患者が多いという。平畑医師は「後遺症への国の対応は遅く、医療関係者への周知もなされていない。現場の医師たちもどう対応すべきか分からないのが実情だろう」と話す。
現在、平畑医師が問題視するのは、今春の「第1波」に検査を受けられなかった患者たちの存在だ。当時は「37・5度の発熱が4日以上」などの基準が厳格に運用され、未検査のままだったり、受診が発症から数週間後にずれ込んだりした例が相次いだ。
大阪市の運送会社で働く男性(44)もその一人だ。4月上旬、微熱や胸の痛みなどの症状が出たためコロナ感染を疑ったが、保健所に電話をかけてもつながらず、すぐにPCR検査を受けられなかった。
このため「コロナ感染者」には数えられていないが、半年以上がたった今でも起き上がれないほどの倦怠感に襲われることがあるという。仕事で車を運転する必要があるため、職場には復帰できていない。
男性は「明らかに体調がおかしいが、何の病気とも診断されていないので公的保険の傷病手当も受けられない。貯金を取り崩して生活せざるをえず、先が全く見えない」と漏らす。
平畑医師は「後遺症の患者が増えれば社会への悪影響も大きくなる。国も本格的な対策を急ぐべきだ」と訴える。
後遺症をめぐっては、厚労省が8月から実態調査に乗り出している。感染者らへのCT検査やアンケート調査を通し、症状の表れる患者の特徴や持続期間などを調べている。担当者は「後遺症といわれる症状と新型コロナの関連を確認し、治療をする必要があるか見極めたい」としている。【李英浩】]
深刻、コロナ後遺症 倦怠感、呼吸困難…
「仕事できない」 進まぬ周知 医師、診断できず
毎日新聞2020年12月1日
新型コロナ感染症の後遺症に悩む青年の記事が
上記の毎日新聞に掲載されました。
新型コロナウイルス感染者で、
人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどの重症者は、
12月5日時点で520人となり、過去最多を更新しています。
一方で、テレビのニュースでは、
京都嵐山などの観光客の賑わいを報道していました。
政府のGo To トラベル政策による、感染多発地域からの人の移動増加も
感染増加にかなり関与していると考えられます。
私は、医療崩壊を防ぐためにも
『Go To トラベル』などと言っている場合ではないと思います。
<30代と比較した各年代新型コロナ重症化率(厚生労働省。11/28)>
0~10歳 0.5倍
10代 0.2倍
20代 0.3倍
30代 1.0
40代 4倍
50代 10倍
60代 25倍
70代 47倍
80代 71倍
90代 78倍
確かに、年齢とともに、重症化率は右肩上がりで急上昇しています。
しかし、若者といえども、確率は低いとは言え、後遺症で悩んでいる人もいます。
とくに重症でなくても、後遺症はでうると思われます。
毎日新聞の記事では、25歳男性の後遺症について述べています。
この男性は38度を超える高熱や胸の痛みに襲われて入院し、
週間後に退院しましたが、その後も倦怠感などの症状が続いています。
退院から約1カ月後に職場復帰したものの、
頭痛や胸の痛みは治まらず、激しい息切れを起こすことも増えています。
国立国際医療研究センターが2~6月に退院した63人に聞き取り調査(複数回答)を実施したところ、
退院4カ月後の時点で呼吸困難(7人)や倦怠感(6人)、嗅覚障害(6人)などの症状があることが確認されています。
複数回答とはいえ、少なくとも1~2割の人に後遺症がでています。
新型コロナ感染症、思った以上に後遺症が発生しています。
感染しないことが優先順位の一番です。
感染予防には、日本国民が初心に戻ること、
すなわち、、
三密を避け、マスク、手洗い、うがいの励行が必要と思います。
特に、対面や隣り合っての会話を伴う会食が大きな感染リスクとなるので
注意が必要です。
江部康二
☆☆☆
以下の青字の記載は毎日新聞記事の要約です。
[https://mainichi.jp/articles/20201201/ddm/041/040/102000c
深刻、コロナ後遺症 倦怠感、呼吸困難…
「仕事できない」 進まぬ周知 医師、診断できず
毎日新聞2020年12月1日 東京朝刊
新型コロナウイルスに感染後、何カ月にもわたり倦怠(けんたい)感や吐き気などの後遺症を訴える人が増えている。海外での研究は進みつつあるが、国内では認知度もなく、医療機関にかかっても取り合ってもらえないことが多いという。後遺症が疑われる人は今後も増加するとみられ、医療関係者からは「国は本腰を入れて対策を取るべきだ」との声が上がる。
「以前よりもはるかに疲れが取れなくなった。仕事もほとんどできない」。7月に感染し、今も後遺症に悩む埼玉県の男性(25)は訴えた。
この男性は38度を超える高熱や胸の痛みに襲われて入院。2週間後に感染力が下がったとして退院したが、その後も倦怠感などの症状が続いたという。退院から約1カ月後には職場復帰したものの、頭痛や胸の痛みは治まらず、激しい息切れを起こすことも増えている。
男性は後遺症の可能性があることを会社に伝えたが、今も力仕事を伴う職場に通い続ける。「心身共に限界で、退職も検討せざるをえない」と肩を落とす。
厚生労働省によると、後遺症についてはイタリアや米国などで研究が進んでおり、コロナには後遺症が疑われるケースがあることが分かりつつある。
国内でも国立国際医療研究センターが2~6月に退院した63人に聞き取り調査(複数回答)を実施したところ、退院4カ月後の時点で呼吸困難(7人)や倦怠感(6人)、嗅覚障害(6人)などの症状があることが確認された。
しかし、後遺症の存在は今も広く知られておらず、国内では医療機関であっても理解が進んでいない。
「何度も病院に通ったが、理由は分からないままだった」
東京都に住む団体職員の女性(47)は4月末ごろから微熱などの症状に悩まされ、その後の抗体検査で陽性が確認された。自宅療養を経て職場復帰したが、胸の痛みや強い倦怠感などの症状がたびたび表れるようになったという。
しかし、病院で受診しても「心因性ではないか」などと言われるだけで、在宅勤務を交えながら仕事を続けるしかなかった。
「ヒラハタクリニック」(東京都渋谷区)の平畑光一医師はこれまで、後遺症に悩む全国約400人の相談に応じてきた。
他の病院で病気と認められず、平畑医師を頼ってきた患者が多いという。平畑医師は「後遺症への国の対応は遅く、医療関係者への周知もなされていない。現場の医師たちもどう対応すべきか分からないのが実情だろう」と話す。
現在、平畑医師が問題視するのは、今春の「第1波」に検査を受けられなかった患者たちの存在だ。当時は「37・5度の発熱が4日以上」などの基準が厳格に運用され、未検査のままだったり、受診が発症から数週間後にずれ込んだりした例が相次いだ。
大阪市の運送会社で働く男性(44)もその一人だ。4月上旬、微熱や胸の痛みなどの症状が出たためコロナ感染を疑ったが、保健所に電話をかけてもつながらず、すぐにPCR検査を受けられなかった。
このため「コロナ感染者」には数えられていないが、半年以上がたった今でも起き上がれないほどの倦怠感に襲われることがあるという。仕事で車を運転する必要があるため、職場には復帰できていない。
男性は「明らかに体調がおかしいが、何の病気とも診断されていないので公的保険の傷病手当も受けられない。貯金を取り崩して生活せざるをえず、先が全く見えない」と漏らす。
平畑医師は「後遺症の患者が増えれば社会への悪影響も大きくなる。国も本格的な対策を急ぐべきだ」と訴える。
後遺症をめぐっては、厚労省が8月から実態調査に乗り出している。感染者らへのCT検査やアンケート調査を通し、症状の表れる患者の特徴や持続期間などを調べている。担当者は「後遺症といわれる症状と新型コロナの関連を確認し、治療をする必要があるか見極めたい」としている。【李英浩】]
コロナ関連の解説ありがとうございます。
本題とずれますが、PCR検査の運用に関する問題点について、先生の御見解をお聞かせ頂きましたら幸いです。
高すぎるCt値によって感染性のない人までが陽性者として扱われることが混乱の一つではないかと思うのです。
国会の厚労委員会でも議論されています。
https://youtu.be/Kb9MuIjY8_E
そして、Go Toトラベルが感染拡大の要因になったとのことですが、人の移動によるものだとしたら、とっくに感染爆発してるはずが数ヶ月はしておりませんでした。
コロナは寒くなると流行するのは必然であり、人の移動よりも、今は高齢者施設や家庭内感染に注力すべきだと思うのです。
https://cdn.tv-osaka.co.jp/yasashii/news/?p=22089&_ga=2.177702179.700219841.1607340573-808059628.1607340573
本題とずれますが、PCR検査の運用に関する問題点について、先生の御見解をお聞かせ頂きましたら幸いです。
高すぎるCt値によって感染性のない人までが陽性者として扱われることが混乱の一つではないかと思うのです。
国会の厚労委員会でも議論されています。
https://youtu.be/Kb9MuIjY8_E
そして、Go Toトラベルが感染拡大の要因になったとのことですが、人の移動によるものだとしたら、とっくに感染爆発してるはずが数ヶ月はしておりませんでした。
コロナは寒くなると流行するのは必然であり、人の移動よりも、今は高齢者施設や家庭内感染に注力すべきだと思うのです。
https://cdn.tv-osaka.co.jp/yasashii/news/?p=22089&_ga=2.177702179.700219841.1607340573-808059628.1607340573
2020/12/09(Wed) 16:39 | URL | | 【編集】
①
『PCR検査の運用に関する問題点について、先生の御見解をお聞かせ頂きましたら幸いです。
高すぎるCt値によって感染性のない人までが陽性者として扱われることが混乱の一つではないかと思うのです。』
仰る通りと思います。
日本の国立感染症研究所のマニュアルでは、Ct値が40以内で陽性と定めているので、国内ではこれが基準と思われますが、
台湾では35未満、中国では37~40で再検査を推奨となっているそうです。米国でも40前後を陽性としています。
このように、陽性と判断するCt値は、各国で少しばらついています。
②
2020年12月8日現在、7日間の新規感染者数(人口100万人あたり)
ブラジル:1355.9
カナダ:1210.6
フランス:1226.0
ドイツ:1606.4
イタリア:2257.5
日本:123.5
韓国:83.3
中国:0.5
といった数字で、日本は欧米の10分の1くらいの感染者数です。
春、夏、秋も含めても、日本は元々、感染爆発はしていません。
韓国や中国も同様です。
その日本において、GoToトラベル利用者においては
そうでない人に比べて発症が2倍という報告です。
単純なお話と思います。
『PCR検査の運用に関する問題点について、先生の御見解をお聞かせ頂きましたら幸いです。
高すぎるCt値によって感染性のない人までが陽性者として扱われることが混乱の一つではないかと思うのです。』
仰る通りと思います。
日本の国立感染症研究所のマニュアルでは、Ct値が40以内で陽性と定めているので、国内ではこれが基準と思われますが、
台湾では35未満、中国では37~40で再検査を推奨となっているそうです。米国でも40前後を陽性としています。
このように、陽性と判断するCt値は、各国で少しばらついています。
②
2020年12月8日現在、7日間の新規感染者数(人口100万人あたり)
ブラジル:1355.9
カナダ:1210.6
フランス:1226.0
ドイツ:1606.4
イタリア:2257.5
日本:123.5
韓国:83.3
中国:0.5
といった数字で、日本は欧米の10分の1くらいの感染者数です。
春、夏、秋も含めても、日本は元々、感染爆発はしていません。
韓国や中国も同様です。
その日本において、GoToトラベル利用者においては
そうでない人に比べて発症が2倍という報告です。
単純なお話と思います。
2020/12/09(Wed) 22:40 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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