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糖質制限食、質の良いHbA1c、質の悪いHbA1c。小粒子LDL-Cは?
【20/12/05 豆子
糖質制限1年でも超悪玉LDLが多いのは

初めまして。
以前より勉強させて頂いています。今回ひとつご相談させてください。

8年程前、それまで2年間厳格に続けていたマクロビへの疑問と
ダイエットの必要性からこちらのサイトに出会いました。
ご本も数冊購入しスーパー糖質制限を開始、
無理なく5キロ減量してその効果に驚きました。
以来、「ダイエットには糖質制限」という安心感を持ちつつ、
さほど食事に気を遣うことなく過ごしてきました。

昨年秋、下腹部の脂肪がいよいよ酷くなったため糖質制限を再開、
スムーズに減量できました。
ただ、開始後1ヵ月で受けた健診での総コレステロール値300超えと、
HbA1cがじわりと高くなっているのが気になりリブレで調べた処、
血糖値スパイクが生じるタイプであることがわかったため、
糖質制限を続けることをにしました。

もっともコレステロール値に関しては、
元々値が高い体質であり糖質制限で更に高くなるのは予想していましたし、
HDLが高く中性脂肪低めならばLDLはほぼ全部が大きなサイズのもののはず、
と気にしていませんでした。

それから1年間、糖質30~40g/1日 を続けて今回の健診。
sdLDL-Cのオプションが導入されたので意気揚々と受けたところ、
なんと値が高く要経過観察と出てしまいました。

まさかの結果にショックを受けています。
たとえ高HDLで且つ低中性脂肪であっても、
LDL値が多過ぎれば超悪玉LDLも増えてくるという事でしょうか。
この場合、服薬を開始した方が良いでしょうか。

以下、古い時期も加え4回分のデータです。

<現在> 61歳 女性 159cm 46kg

<検査年月>

・2009/5 49歳(普通食) 
・2010/12 51歳 (マクロビ7ヶ月 動物性食品皆無) 

    (普通食~~閉経~)

・2019/11 60歳 (糖質制限1ヶ月) 
・2020/11 61歳 (糖質制限13ヶ月 1日卵2、3個、チーズ50g以上等常食)


HDL   75     → 78    → 116     → 120
LDL   118    → 97    → 193      → 223
中性脂肪 62     → 59    → 59      → 71
HbA1c  4.9(JDS)  → 5.2(JDS) → 5.7 (NGSP) → 5.8
空腹時血糖値 85   → 88    → 92      → 86


2020/11 sd LDL-C 40.3mg/dL
(~30.0:異常なし、30.0~39.9:軽度異常、40.0~49.9:要経過観察、50.0~:要治療)

*2019/12 頸動脈エコー異常なし

なお、FreedomLite(+時々リブレ)にて食前100前後、
食後140未満を心掛けている割にHbA1cが下がらないのが不思議です。

また、少なくとも12年前から高かったクレアチニン(0.78~0.80)が
今回初めて0.57に改善したことは驚きでした。
糖質制限のお陰だと思っています。

以上、ご多忙とは存じますが、ご意見を伺えれば嬉しいです。
とりあえず現在、卵黄は食べず、チーズも15g/日程度までにしています。】


豆子 さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
減量成功、クレアチニンの改善、良かったです。


【2019年秋に糖質制限食開始後1ヵ月で受けた健診での
総コレステロール値300超えと、HbA1cがじわりと高くなっているのが気になり
リブレで調べた処、血糖値スパイクが生じるタイプであることがわかったため、
糖質制限を続けることをにしました。】


リブレをつけたのは正解でした。
医療機関で使う『リブレPro』と比較すると『リブレ』の正確度はかなり落ちますが、
一日を通しての、食後血糖の上昇や空腹時の低血糖の度合いなどが把握できるので
役に立ちます。
そして、グルコーススパイクを生じるタイプと確認できて糖質制限を
続けられたのはとても良いことでした。


【それから1年間、糖質30~40g/1日 を続けて今回の健診。
sdLDL-Cのオプションが導入されたので意気揚々と受けたところ、
なんと値が高く要経過観察と出てしまいました。】


糖質30~40g/1日 なら、スーパー糖質制限食ですね。
HDL-Cが60以上で、TGが60以下なら、小粒子LDL-Cは皆無です。
HDL-Cが60以上で、TGが80以下なら、小粒子LDL-Cはほとんど無しです。
なので、豆子さんの場合も問題ないです。
勿論、服薬も必要ありません。
2019/12 頸動脈エコー異常なし・・・これもLDL-Cが193と高値でも
                 画像診断で動脈硬化なしということですね。

実は小粒子LDLは、そう簡単には測定できないのです。
現在でも研究室でなら可能といったレベルで、通常の病院では測定できません。
健康診断の検査で、小粒子LDLを直接測定というのは、聞いたことがありません。
動脈硬化学会のホームページでも、
直接測定ではなくて、電気泳動法からの推定となっています。

2020/11 sd LDL-C 40.3mg/dL・・・従ってこれは、信頼に値しないデータです。


【なお、FreedomLite(+時々リブレ)にて食前100前後、
食後140未満を心掛けている割にHbA1cが下がらないのが不思議です。】

      2009       2010     2019     2020
HbA1c  5.3(NGSP)  → 5.2    → 5.7    → 5.8


2009年と2010年は、糖質ありの食事なので、
この数字は、『食後高血糖』『平均血糖変動幅増大』を伴う
質の悪いHbA1cです。
食後血糖値が160~170mg、空腹時や睡眠時の血糖値は60~70mgといった
血糖値の乱高下を繰り返して、酸化ストレスの元となっていたと思います。


FreedomLite(+時々リブレ)にて食前100前後、
食後140未満を心掛けている

2019年、糖質制限食開始以降のHbA1cは
『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』のない質の良いHbA1cです。
これなら、国際糖尿病連合の合併症予防の目標である
食後1時間、2時間血糖値160mg/dl未満もクリアしていて good job です。

これからも、安心して、美味しく楽しく糖質制限食を、末長く続けられて健康ライフを目指しましょう。


なお小粒子LDL-Cに関しては以下の本ブログ記事をご参照頂ければ幸いです。

中性脂肪が低値なら、小粒子LDLコレステロールはごく少ない。
2018年05月24日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4570.html



江部康二
コメント
都内河北 鈴木です。

本日記事も、江部先生『糖質制限理論』(2005年発表)の
説明不足では無く、
『日本医療界』の『食生活理論』が、
時代進化・対応していないからだと、認識します!!

何故なら、現在の日本医療界の指導の『医療・査定規定』が、
<<『糖質大量摂取しての食生活有っての『規定』だからです!!』>>

だから、数年前に
『日本は、世界1の糖尿の国!!』だと、発表しているではないですか!!

私は、江部先生『糖質制限理論』を理解把握して、
<<『生還、覚醒、4度の再覚醒、』結果を出しているから、
  明言できます、します!!>>

早期に『日本医療界』も、『何の改善皆無な事』を自覚して、
『真理の皆無の時代進化してい無い、無駄だと言える医療方針を、
変更するべきだと考えます!!!』

『日本医療界』も、専門組織『日本糖尿病学会』も、
『糖尿病・治療』には、
*江部先生『糖質制限理論』と、
*既存の『カロリ~制限理論』を、
 『二者択一』を提示指導してみては如何かなと考えます!!

結果は、その指導後の患者が
<<『明白な結果を出す患者が存在するはずです!!』>>

<<結果は、『日本糖尿病学会』に21年間『殺されかけた患者の私』が、
  3ヵ月足らず以降、9年目現在の『医療デ~タ』で、
  『生還、覚醒、4度の再覚醒、』改善している事で、
  明確に証明します!!!』>>

『糖尿病学会』信奉・従事者は、上から目線で、改善へ能書き垂れるのは、
『患者が指導に従わないから!!』では無く、
お前達の時代進化していない
『世界には存在していない「カロリ~制限理論」だと、
 医療知識・認識不足だ!!』と明言できる事は、
<<<私の『生還、覚醒、4度の再覚醒、』が証明しています!!!>>>

江部先生の日々のブログでの『糖質制限理論』の説明は、再認識になり、
感謝尽きません!!!
ありがとうございます。
敬具
2020/12/05(Sat) 19:25 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
小粒子LDLは電気泳動法で推測!
江部先生、記事に取り上げて下さりありがとうございました。
大変勉強になりました。

現時点での小粒子LDL-Cの測定は難しく、その値も信頼できないものであったとは、、、。

改めて検査報告の紙を見ると、解析を請け負ったであろう会社名と、「本検査は、確定診断としてご利用いただくことはできません」との注意書きがありました。

つまり、結果は参考程度にしてね、という事でしょうか。罪作りです。

一時は大ショックでしたが安心なお返事を頂きましたので、今後もますますバランスよい糖質制限食、そして適度な運動を心掛け、楽しく元気に過ごして参りたいと思います。


2020/12/05(Sat) 22:31 | URL | 豆子 | 【編集
Re: 小粒子LDLは電気泳動法で推測!
豆子 さん

「本検査は、確定診断としてご利用いただくことはできません」との注意書きがありました。

なるほど、それなりに納得です。
2020/12/06(Sun) 08:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
リバウンド
いつもお世話になっております。

スーパー糖質制限を始めて7年位になります。

ずっと良好を保っていてもその中でも数年に一度暴飲暴食を繰り返し
せっかくHbA1cを正常に保っていたのに、
その度自分を律して正常に戻しての繰り返しなのですが

情けないですが今年はコロナでのステイホームもあり油断して
またやってしまいました。

最近すごく喉が渇くなとか、食後の眠気に異変を感じ
自己血糖測定器も持っているのですが
チップがなく(調達中です)市販の尿糖試験紙で試したところ
尿糖出まくりでして、すぐにスーパー糖質制限を開始しました。

まだ糖質制限を再開して3日程度ですが、まだ尿糖を感知しておりこのまま血糖値が下がらないのかと不安になっております。

精神科も通院していて来週予約が入っているので
急遽血液検査をお願いしたいと思ってますが、
きっとそれなりのHbA1cと血糖値だとおもわれます。


そこで先生の見解をお聞きしたいのですが、

このまま糖質制限を続けていけば徐々に血糖値は緩やかに落ちていくのでしょうか?

それとも病院に行ってすぐさま薬物治療にシフトするべきか?

と悩んでいます。(入院を指示されるかもしれません)


今までも薬物なしに糖質制限で頑張って元に戻せたのでこのまま薬物治療なしで続けて行きたいです。

病院は今まで一度かかった事があるのですが
糖質制限って言葉を発した瞬間に先生のスイッチが入りお説教という流れは見えてるので、やはり糖質制限で様子を見たいところなのですが。

先生のお見立てはいかかでしょうか?
2020/12/08(Tue) 07:45 | URL | しょう | 【編集
Re: リバウンド
しょう さん

とりあえず病院にいって、検査をしましょう。
入院指示ではなく外来治療なら、
糖質制限食実践で、1ヶ月後どのていど改善するかを確認しましょう。

薬物が必要か否かは、医師と相談してください。
2020/12/08(Tue) 09:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
一見さんお断り。
早速コメントありがとうございます。
主治医ではない先生に無茶なご質問失礼しました。


覚悟を決めて二件病院に行ってみたのですが
コロナの影響でほとんどの時間を発熱患者にあてなければならず
診察を断られてしまいました。

仕方ないですが一ヶ月くらい糖質制限を続けてみて
改善してないようでしたら再度アポをとってみます。

ありがとうございました。
2020/12/08(Tue) 18:20 | URL | しょう | 【編集
小粒子LDLコレステロールについて
江部先生、突然の書き込みで失礼いたします。
私は低血糖に悩んでいたところ、インスリンの出始めが体質的に遅いと言われ、スーパー糖質制限を始めて半年くらいの29歳女性です。
スーパー糖質制限を始めてから、リブレでも血糖値の急激な変化はなくなり、HbA1cも5.3前後で安定しています。

今回はコレステロールについてご教示いただきたく、書き込みをさせていただきました。

先日、12時間程度の絶食ののち、朝イチで血液検査を受ける機会がありました。
中性脂肪105
HDLコレステロール60
LDLコレステロール175
との結果が出ました。

「HDL-Cが60以上で、TGが60以下なら、小粒子LDL-Cは皆無です。HDL-Cが60以上で、TGが80以下なら、小粒子LDL-Cはほとんど無しです。」
とのことでしたが、私の場合、小粒子LDLコレステロールがあるということになるのでしょうか。
そうであるとすれば、どのような対応策を取ればよいのでしょうか?

もともと痩せ型なので特段食べ過ぎているわけでもないと思いますし(BMI17.5)、毎日運動もしています。(縄跳び20〜30分、筋トレ15〜20分)
毎朝血中のケトン体も測っていますが、大体2.5〜4.0mmolくらいの数値が出ていて、食べた脂肪分は使えているものだと思っていました。

お忙しいところ恐れ入りますが、アドバイスをいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
2020/12/19(Sat) 14:01 | URL | あかね | 【編集
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