2020年10月24日 (土)
こんばんは。
ヤフーニュースに、2020年10月23日(金)
『韓国、インフルエンザ予防接種の後36人死亡』
という驚天動地のニュースが掲載されました。
猫さんから、情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
インフルエンザワクチンは、
喘息や高血圧や糖尿病など持病がある人にも接種しますが
若い持病がない会社員、教員、病院職員、公務員などにも接種します。
つまり、過半数のインフルエンザワクチン接種者は、健康な人ということとなります。
健康な人が、インフルエンザワクチンの有害事象のため、
死亡するというのは、例え1人でもあってはいけないことと言えます。
韓国の死亡者の第一例目は、17歳の男性です。
例え1名でも大変なことなのに、それがぞくぞくと続き、わずか1週間で36名死亡とは、
とんでもない出来事です。
因果関係が証明出来てないとは言え、インフルエンザワクチンが関与して
死亡した可能性は高いのですから、
「韓国政府はワクチンと死亡との因果関係が明確になるまで、
無料の予防接種事業を続ける方針である。」
というのは、信じられない対応です。
インフルエンザワクチン関与が疑われる死亡者が、
わずか1週間で36名も出たのですから
安全性が担保されるまで、一旦ワクチン接種を中止して
しっかり調査するというのが、本筋と思います。
以下の青字の記載は記事の要約です。
【https://news.yahoo.co.jp/articles/a326d01b4e06750e9a6d4d6c3ff4cfc4814255e9
韓国、インフルエンザ予防接種の後36人死亡… 遺族から悲痛の声「健康だった人が…ワクチンを疑っている」
10/23(金) 10:10配信
韓国で、インフルエンザワクチンの接種後に死亡する事例が相次いでいる。・・・
・・・韓国でインフルエンザ予防接種の後、
死亡した人は本日(23日)昼まで36名となった。
14日に接種を受けた17歳の男性が16日に死亡した第1例目の以降、1週間での出来事。全国で複数地域で製造元が違う複数ワクチンの注射後に起きている事故であるため、
まだ因果関係が明確ではない。
韓国政府はワクチンと死亡との因果関係が明確になるまで、
無料の予防接種事業を続ける方針である。
続いている死亡事故より、新型コロナ感染症とインフルエンザが同時に蔓延する「ツインデミック」の被害をもっと恐れているからである。】
私は、は外来で薬を処方するとき、患者さんに
「副作用はないですか」と聞かれたときは、まず副作用が無い薬は無い事を説明します。
そのうえで、副作用のリスクは低く、有用性が高く、
現在の症状が改善する可能性が大きいことをを付け加えます。
薬を飲まずに、現在の症状を放置すれば、
例えば高血圧や高血糖による合併症のリスクが高くなることも説明して
患者さんが納得すれば、処方して内服して貰います。
つまり、薬を内服することのメリットとデメリットをきちんと理解してもらうことが重要と思います。
インフルエンザワクチンも同様に、メリットとデメリットがあります。
勿論インフルエンザワクチンにも副作用はあります。
局所反応として、注射部位の発赤、疼痛、腫脹は10~20%に起こりえますし、
発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などは接種を受けた方の5~10%に起こるとされています。
そしてまれにアレルギー反応、発疹、じんましん、発赤、掻痒感、呼吸困難などが
生じることがあります。
その他、重い副反応として、
ギラン・バレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、
肝機能障害、喘息発作、血小板減少性紫斑病などが報告されています。
また、ワクチンによる有害事象からのものと疑われる死亡例も有りますが、
厚生労働省によれば
2017年10月~2018年4月までで3例、
2016年10月~2017年4月までで2例、
2015年10月~2016年4月までで1例、
です。
このように、日本でも、本当に極めてまれに死亡例があることは確かです。
しかし韓国の今回の、1週間で36例と比べれば、
毎年1000万人以上接種しているのに非常に少ないです。
インフルエンザワクチンには、
『感染を水際で防ぐことはできないが、重症化を防ぐ効果』
があります。
今年は、新型コロナウィルスとの「ウィルス間干渉」で
インフルエンザ罹患者が極めて少ないです。
しかし例年だと、1シーズンでインフルエンザ死亡者は以下の如くです。
<インフルエンザ死亡者数>
2014年:1130人
2015年:2262人
2016年:1463人
2017年:2569人
2018年:3325人
これだけの死亡者のうちの一定数が、
インフルエンザワクチン摂取で減らせる可能性があるので、
ワクチン接種の意味はあるように思います。
実際、
ニューイングランドジャーナル(N Engl J Med 2001; 344:889-896)
に掲載された論文で、死亡者数が減少したことが報告されています。
江部康二
ヤフーニュースに、2020年10月23日(金)
『韓国、インフルエンザ予防接種の後36人死亡』
という驚天動地のニュースが掲載されました。
猫さんから、情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。
インフルエンザワクチンは、
喘息や高血圧や糖尿病など持病がある人にも接種しますが
若い持病がない会社員、教員、病院職員、公務員などにも接種します。
つまり、過半数のインフルエンザワクチン接種者は、健康な人ということとなります。
健康な人が、インフルエンザワクチンの有害事象のため、
死亡するというのは、例え1人でもあってはいけないことと言えます。
韓国の死亡者の第一例目は、17歳の男性です。
例え1名でも大変なことなのに、それがぞくぞくと続き、わずか1週間で36名死亡とは、
とんでもない出来事です。
因果関係が証明出来てないとは言え、インフルエンザワクチンが関与して
死亡した可能性は高いのですから、
「韓国政府はワクチンと死亡との因果関係が明確になるまで、
無料の予防接種事業を続ける方針である。」
というのは、信じられない対応です。
インフルエンザワクチン関与が疑われる死亡者が、
わずか1週間で36名も出たのですから
安全性が担保されるまで、一旦ワクチン接種を中止して
しっかり調査するというのが、本筋と思います。
以下の青字の記載は記事の要約です。
【https://news.yahoo.co.jp/articles/a326d01b4e06750e9a6d4d6c3ff4cfc4814255e9
韓国、インフルエンザ予防接種の後36人死亡… 遺族から悲痛の声「健康だった人が…ワクチンを疑っている」
10/23(金) 10:10配信
韓国で、インフルエンザワクチンの接種後に死亡する事例が相次いでいる。・・・
・・・韓国でインフルエンザ予防接種の後、
死亡した人は本日(23日)昼まで36名となった。
14日に接種を受けた17歳の男性が16日に死亡した第1例目の以降、1週間での出来事。全国で複数地域で製造元が違う複数ワクチンの注射後に起きている事故であるため、
まだ因果関係が明確ではない。
韓国政府はワクチンと死亡との因果関係が明確になるまで、
無料の予防接種事業を続ける方針である。
続いている死亡事故より、新型コロナ感染症とインフルエンザが同時に蔓延する「ツインデミック」の被害をもっと恐れているからである。】
私は、は外来で薬を処方するとき、患者さんに
「副作用はないですか」と聞かれたときは、まず副作用が無い薬は無い事を説明します。
そのうえで、副作用のリスクは低く、有用性が高く、
現在の症状が改善する可能性が大きいことをを付け加えます。
薬を飲まずに、現在の症状を放置すれば、
例えば高血圧や高血糖による合併症のリスクが高くなることも説明して
患者さんが納得すれば、処方して内服して貰います。
つまり、薬を内服することのメリットとデメリットをきちんと理解してもらうことが重要と思います。
インフルエンザワクチンも同様に、メリットとデメリットがあります。
勿論インフルエンザワクチンにも副作用はあります。
局所反応として、注射部位の発赤、疼痛、腫脹は10~20%に起こりえますし、
発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などは接種を受けた方の5~10%に起こるとされています。
そしてまれにアレルギー反応、発疹、じんましん、発赤、掻痒感、呼吸困難などが
生じることがあります。
その他、重い副反応として、
ギラン・バレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、
肝機能障害、喘息発作、血小板減少性紫斑病などが報告されています。
また、ワクチンによる有害事象からのものと疑われる死亡例も有りますが、
厚生労働省によれば
2017年10月~2018年4月までで3例、
2016年10月~2017年4月までで2例、
2015年10月~2016年4月までで1例、
です。
このように、日本でも、本当に極めてまれに死亡例があることは確かです。
しかし韓国の今回の、1週間で36例と比べれば、
毎年1000万人以上接種しているのに非常に少ないです。
インフルエンザワクチンには、
『感染を水際で防ぐことはできないが、重症化を防ぐ効果』
があります。
今年は、新型コロナウィルスとの「ウィルス間干渉」で
インフルエンザ罹患者が極めて少ないです。
しかし例年だと、1シーズンでインフルエンザ死亡者は以下の如くです。
<インフルエンザ死亡者数>
2014年:1130人
2015年:2262人
2016年:1463人
2017年:2569人
2018年:3325人
これだけの死亡者のうちの一定数が、
インフルエンザワクチン摂取で減らせる可能性があるので、
ワクチン接種の意味はあるように思います。
実際、
ニューイングランドジャーナル(N Engl J Med 2001; 344:889-896)
に掲載された論文で、死亡者数が減少したことが報告されています。
江部康二
その国で製造した自国メーカーのワクチンのようですね。
製造国やメーカーの確認も必要ですね。
製造国やメーカーの確認も必要ですね。
2020/10/24(Sat) 21:52 | URL | あるワクチン嫌い | 【編集】
6月より母が脳出血のため入院中の病院よりインフルエンザ予防接種予診票が少し前に届きました。
会話がほとんどできないくらいの意識レベルで、ほぼ寝たきり、食事は鼻からの経管接種と言う状態ですが、体力、免疫力も非常に低下していると予想されます。
感染リスクもありますが、予防接種を受ける事のリスクも健康な人とは比べ物にならないくらい高いのではないでしょうか。
強制ではないようなので、現在のところ、私の判断で提出しておりませんが、このような状態の入院患者にもインフルエンザ予防接種は行うのが普通なのでしょうか。
私の感覚では、今の母の状態で、まさかこんなものが届くとは思わなかったと言うのが正直なところです。
会話がほとんどできないくらいの意識レベルで、ほぼ寝たきり、食事は鼻からの経管接種と言う状態ですが、体力、免疫力も非常に低下していると予想されます。
感染リスクもありますが、予防接種を受ける事のリスクも健康な人とは比べ物にならないくらい高いのではないでしょうか。
強制ではないようなので、現在のところ、私の判断で提出しておりませんが、このような状態の入院患者にもインフルエンザ予防接種は行うのが普通なのでしょうか。
私の感覚では、今の母の状態で、まさかこんなものが届くとは思わなかったと言うのが正直なところです。
2020/10/25(Sun) 05:58 | URL | 西村典彦 | 【編集】
あるワクチン嫌い さん
少なくもインフルエンザワクチンに関しては、日本のメーカーのほうが安全性が確立されているようですね。
少なくもインフルエンザワクチンに関しては、日本のメーカーのほうが安全性が確立されているようですね。
2020/10/25(Sun) 09:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
西村典彦 さん
2020-2021年度のインフルエンザシーズンは、
例年のような流行は無いと思います。
南半球の冬(2020年7月~8月)、オーストラリア、南アフリカ、チリでは、インフルエンザが激減して終了しました。
日本でも、すでに南半球と同様の経過をたどっています。
例年の9月、10月のインフルエンザ罹患数に比べると、今年は1/100~1/1000の罹患数です。
新型コロナウィルスによる<ウィルス間の干渉>で、
インフルエンザウィルスがほとんど駆逐されたのだと思います。
従いまして、少なくとも、2020年度はインフルエンザワクチンは打たなくて良いと思います。
2020-2021年度のインフルエンザシーズンは、
例年のような流行は無いと思います。
南半球の冬(2020年7月~8月)、オーストラリア、南アフリカ、チリでは、インフルエンザが激減して終了しました。
日本でも、すでに南半球と同様の経過をたどっています。
例年の9月、10月のインフルエンザ罹患数に比べると、今年は1/100~1/1000の罹患数です。
新型コロナウィルスによる<ウィルス間の干渉>で、
インフルエンザウィルスがほとんど駆逐されたのだと思います。
従いまして、少なくとも、2020年度はインフルエンザワクチンは打たなくて良いと思います。
2020/10/25(Sun) 19:06 | URL | ドクター江部 | 【編集】
予防接種法では、定期接種と臨時接種がいずれも「努力義務」となっています
インフルエンザワクチンは65歳以上の全員が定期接種対象で、コロナウイルスワクチンは臨時接種になる見込みです
インフルエンザワクチンは65歳以上の全員が定期接種対象で、コロナウイルスワクチンは臨時接種になる見込みです
2020/10/25(Sun) 19:15 | URL | 中嶋一雄 | 【編集】
こんにちは。
いつも貴重な情報をありがとうございます!
クレアチニン1·8くらいの体の場合、インフルエンザワクチンは、うったことありませんが、腎機能への影響があるのではないかと心配してのことなのですが、疾患がある人は打たない方が良いでしょうか?いかがでしょうか?
いつも貴重な情報をありがとうございます!
クレアチニン1·8くらいの体の場合、インフルエンザワクチンは、うったことありませんが、腎機能への影響があるのではないかと心配してのことなのですが、疾患がある人は打たない方が良いでしょうか?いかがでしょうか?
2020/10/26(Mon) 14:53 | URL | メラんこりん | 【編集】
中嶋一雄 先生
インフルエンザワクチン
①
10/1から、65歳以上の方(定期接種対象者)に接種開始。
65歳未満の方は待つ。
②
10/26~上記以外の方に接種開始。
ということですね。
インフルエンザワクチン
①
10/1から、65歳以上の方(定期接種対象者)に接種開始。
65歳未満の方は待つ。
②
10/26~上記以外の方に接種開始。
ということですね。
2020/10/26(Mon) 16:03 | URL | ドクター江部 | 【編集】
メラんこりん さん
インフルエンザワクチンは、
「感染予防はできないけれど、重症化を防ぐ効果は期待できる」
といったワクチンです。
そして、腎不全など基礎疾患がある人は、重症化を防ぐ意味で、一般人よりも接種が推奨されるというのが
厚生労働省の考えです。
もっとも、2020-2021のインフルエンザシーズンは、新型コロナウィルスによる<ウィルス間干渉>
により、現在まで、インフルエンザ罹患者数は、例年の1/100~1/1000ていどです。
インフルエンザワクチンは、
「感染予防はできないけれど、重症化を防ぐ効果は期待できる」
といったワクチンです。
そして、腎不全など基礎疾患がある人は、重症化を防ぐ意味で、一般人よりも接種が推奨されるというのが
厚生労働省の考えです。
もっとも、2020-2021のインフルエンザシーズンは、新型コロナウィルスによる<ウィルス間干渉>
により、現在まで、インフルエンザ罹患者数は、例年の1/100~1/1000ていどです。
2020/10/26(Mon) 17:17 | URL | ドクター江部 | 【編集】
重症化を防いでいる、論文やエビデンスがあったら教えていただけませんでしょうか?
2020/10/27(Tue) 09:46 | URL | ななし | 【編集】
ななし さん
記事にあるように
以下の、論文があります。
ニューイングランドジャーナル(N Engl J Med 2001; 344:889-896)
記事にあるように
以下の、論文があります。
ニューイングランドジャーナル(N Engl J Med 2001; 344:889-896)
2020/10/27(Tue) 12:08 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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