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コレステロール値の上昇と糖質制限食。
【20/10/07 ありさ
コレステロールの上昇と食事の関係について
江部先生こんにちは。
突然の質問で失礼いたします。

私はもともと低コレステロール血症の疑いありで経過観察と言われるくらい、
コレステロールが低かったのですが、糖質制限を始めたところ、
1ヶ月でLDL、HDL、中性脂肪ととも約2倍になってしまいました。
今のデータは以下のとおりです。
HDL 74mg/dl
LDL 169mg/dl
中性脂肪 119mg/dl
身長159cm、体重45kgの28歳女です。
毎日30分ほど有酸素運動もしています。
食後でも血糖値は90程度までしか上がらなくなりました。

日々糖質が多いものは食べず、
肉、魚、卵、チーズ、
MCTオイル、オリーブオイル、フィッシュオイル、
バター、生クリームなどを主に食べています。

血中コレステロールについて、
肝臓での合成が8割、食物から2割というのが定説のようですが、
食事を変えただけで上がるのはなぜなのでしょうか?
(今まであまり働いてなかった合成機能が働き出した…?だとするとなぜ…?)

また、食事からの摂取が増えると合成量が減るとのことでしたが、
気長に待っていて問題ないのでしょうか?

健康診断で食事が悪いと怒られ、
また、記事を拝読して中性脂肪60mg/dlも超えている、
と少し不安になっています。

何かアドバイスをいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。】


こんばんは。
ありさ さんから、
コレステロール値の上昇と糖質制限食について、コメント・質問を頂きました。

【血中コレステロールについて、
肝臓での合成が8割、食物から2割というのが定説】


これは、長い目で見たらそうなるということです。
例えば、
『5万人の閉経女性を、半分は脂肪制限食、
半分は普通食で8年間追跡して比較したJAMAの研究』
JAMA ,295(6):629-642.  643-654. 655-666.

があります。
その結果は、コレステロール値に有意差なしで、
低脂肪食は、乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを全く下げなかったのです。

一方、例えば、玄米菜食的な食生活だった人が
糖質制限食を始めると、
「肝臓のコレステロール産生 + 食事由来のコレステロール」
が合わさって、しばらくの間は、コレステロールが高値となります。

HDL 74mg/dl
LDL 169mg/dl
中性脂肪 119mg/dl
身長159cm、体重45kg、BMI:17.8
28歳女性


やや、痩せ過ぎですので、まずは、
動物性脂質と動物性タンパク質をしっか摂取して
摂取エネルギーを増やして、46.8kgを目指しましょう。

次に脂質データですが、10時間以上の絶食で、
早朝空腹時に血液検査しましょう。
それで、
HDL-C:60mg/dl以上、
中性脂肪:60mg/dl以下、

ならば、LDL-Cは全て善玉であり、
肝臓から末梢組織までコレステロールという細胞膜の原料を運んでいく
大切な役割を担っています。
小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cといった悪玉はほぼ皆無ですので心配ないです。

以下のブログ記事もご参照頂ければ幸いです。

中性脂肪が低値なら、小粒子LDLコレステロールはごく少ない。
2018年05月24日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4570.html



江部康二
コメント
『LDLの事』、私も以前質問しました!!
都内河北 鈴木です。

私も2013年1月に、21年間の糖尿病・重症化して行く病態から、
『生還、』して数年経過した頃、『LDL数値』の事を1度質問した事があります、
結果は『糖質制限理論』実践者では、なんでもありませんでした!!』

現在の私は、LDL数値の事を言われると、
『中性脂肪は??』と質問します!!
当然『数値は低いです!!』

糖尿病・専門医の知識不足で医療指導され、査定され、
薬大量投与の結果、改善皆無で、
病態悪化していった事の怖さを体験した私は、
医療進化皆無の「日本糖尿病学会」の医療は、
何ぞやと考えている8年目の毎日です!!

江部先生の、人様の質問に真摯に返答される場が、現在はブログに有って
良かったなと、日々読んでいて、健康への再確認し戒めになり、
感謝尽きません!!

<<「日本糖尿病学会」の医療理論は、世界に存在していないのに、
  何故、現在も信じて信奉している医療者の存在か、
  疑問な、不思議な日が続いています!!>>

江部先生には、『生還、覚醒、4度の再覚醒、』している
8年目に体調快調に成りながら、生活できる事に、
感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2020/10/08(Thu) 09:58 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
妊娠糖尿病
当記事に関係のないコメント(質問)ですが、失礼致します。

初めまして。
先生のブログのおかげで、インスリン療法を免れることができました。妊娠糖尿病(?)で、先日教育入院を終えた者です。
・自身の糖尿病の特性
・これからの食事管理で気をつけること
についてご意見を伺えたらと思いましてコメントしました。

【私について】
第二子妊娠中、5ヶ月、33歳、42kg(妊娠前は45kg※つわりが重く体重減)、159cm、第一子(2年前)は妊娠糖尿病の指摘なし、父が2型糖尿病

【75gの糖負荷検査の結果】
空腹時53
1h後196
2h後221
HbA1c5.3%

上記のような結果で、個人産院から即、大学病院へ転院。
内科医からは妊娠したことによるというよりも、元々糖尿病であった可能性が高いと言われ(なので、冒頭で?をつけています)絶望的な気持ちで入院を迎えました。涙

2年前に父が糖尿病になったときに、糖質制限を知り江部先生や千葉の宗田先生の本を読んでいたので、入院前に再度読み直しました。そして、入院中自主的に(こっそり)糖質制限をして無事血糖コントロールができたので、食事療法のみで様子見となり早期に退院できました。

【入院中にとっていた糖質】
分食で25g、メイン食で60g、トータルで最低85g/日
※主食分(ご飯&パン)のみでこの量です。他フルーツや調味料などの分も加わるので90〜95gはとっていたのではと思います。

上記の糖質制限で、血糖値は1日7回測定で全て100未満。70〜90前半で安定していました。
ここから質問になります。

・自身の糖尿病の特性
検査の結果から、わたしはやはり糖尿病型であることは間違いないのですよね?
主治医からはインスリンが出にくい体質と言われました。インスリンの数値は、私が持っている資料には無いのですが、普通よりもかなり低いのだと思います。
今は妊娠中でさらにインスリンが出にくくなっているとは思いますが、産後の糖負荷検査が不安で仕方ないです。悪くても、糖質制限でやっていくしかないのですが・・・!

・これからの食事管理で気をつけること
先生の提案されているコースでいうと、スタンダードコースを今は実践していこうと思っています。その上で、
◎体重を増やしたい
◎検査結果でケトン体が出ないようにしたい
この2つが心配しているところです。糖質制限に加えて対策があれば教えてください!
その他気をつけた方がいい点があればご指摘頂けますと幸いです。

長くなりました。お時間と先生の興味がありましたらお返事頂けたらとても嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2020/10/08(Thu) 15:55 | URL | みう | 【編集
ありがとうございます
質問をさせていただいたありさです。
お忙しいところ、ご回答いただき、本当にありがとうございました。

先生のおっしゃる通り、今までほとんど脂質を取らない食生活を送っておりましたので、一時的にコレステロールが上がっているということかなと思いました。

中性脂肪が60mg/dlを超えていたらどうしよう…という不安はありますが、可能な限り早いうちに、10時間以上絶食の上、血液検査を受けてきたいと思います。

先生にお伺いしなければ、焦って脂質の摂取量を減らし、さらに体重を落とすところでした。
本当にありがとうございました。
2020/10/08(Thu) 17:23 | URL | ありさ | 【編集
質問があります。
LDLコレステロールについて質問です。
LDLコレステロールは肝細胞で生成されますが、加齢により肝細胞の機能も落ちてくるはずですがなぜLDLコレステロールは年齢とともに上昇していくのですか?
教えて下さい。
2020/10/09(Fri) 00:36 | URL | naochabin | 【編集
Re: 妊娠糖尿病
みう さん


・自身の糖尿病の特性
【75gの糖負荷検査の結果】
空腹時53
1h後196
2h後221


2時間値が、221と、200mgを超えているので、診断基準的には、糖尿病型となります。


・これからの食事管理で気をつけること

90〜95gはとっていた・・・血糖値は1日7回測定で全て100未満。70〜90前半で安定

この実績があるので、<1回30gの糖質で、1日で90gくらいの糖質>つまり緩やかな糖質制限食なら、
ケトン体はでないし、体重も増えると思います。

2020/10/09(Fri) 19:13 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 質問があります。
naochabin さん

女性ホルモン、男性ホルモンの原材料は、コレステロールです。

それで、加齢により、女性ホルモン、男性ホルモンの産生が低下すると、
原材料であるコレステロールは余ってくるので増加します。


2020/10/09(Fri) 19:21 | URL | ドクター江部 | 【編集
血中の総ケトン体も中性脂肪も両方とも上がっているケース
いつも勉強させてもらってます。
糖質制限推進派の医師です。

長期的に糖質制限をした際に、中性脂肪が高値になる患者さんが散見されます。
血中の総ケトン体も中性脂肪も両方とも上がっているケースです。
この現象のメカニズムについて可能でしたらご教授ください。
2020/11/04(Wed) 07:11 | URL | リグ | 【編集
Re: 血中の総ケトン体も中性脂肪も両方とも上がっているケース
リグ さん

スーパー糖質制限食でも、食事中の中性脂肪が分解代謝されるまでは、
ケトン体が高値でも、血中中性脂肪値が高値を示すことがあります。
従って食後数時間は高中性脂肪血症はあり得ます。

一方、家族性の高中性脂肪血症でないならば、
早朝空腹時の中性脂肪値は、スーパー糖質制限食で
80mg/dl以下になることがほとんどです。

なお、飲酒は、内臓脂肪や脂肪肝のリスクであり、空腹時高中性脂肪血症のリスクでもあります。
2020/11/04(Wed) 12:18 | URL | ドクター江部 | 【編集
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