2020年10月06日 (火)
【20/10/05 伸之介
アルコールの影響メカニズム
江部先生お世話になります。伸之介です。
70歳の私の糖尿病経歴です。
1997年 発症@47歳
2012年 糖質制限食生活開始(服薬無し)
注)2012年に主膵管拡大(3mm)所見受く
2013年上記は2.5mmφ
その後、ドックでの膵炎指摘は無し
2018年 主膵管径<2.5mmφ
昨年から朝一番の空腹時血糖値が130を越えることが目立ち始めました。先生のご指導の「速歩」に加えて「ルームウォーカー(モーター無し自走式)」を取り入れました。
お陰様で漸増には至らず、しかし水際です。
先生へのお願い事項です。
「アルコール飲酒が与える糖尿病者への影響のメカニズム」を厳しいサイドでご教示頂けませんか。
飲酒習慣が抜けずに苦労しておりますが、「適度な飲酒は体に良い」「アルコールは糖新生を抑制する」との二つをよりどころにしてしまっていて、生活スタイルの変化も相まって、「痛飲」「深酒」から脱出出来ません。
先生から、「アルコールが糖尿病患者にはこのようなメカニズムで悪影響がある」とのお話を伺って、又は、参考文献を紹介頂いて、今後の酒との共存生活に楔を打っておきたいとの、誠に勝手な注文で恐縮です。
実験結果です。
八月に4週間完全断酒、九月には飲酒復活で、各々の4週間の毎日の朝一番空腹時の血糖値平均を報告します。
私が酒をこよなく愛しすぎる悪いネタです。
8月断酒 127 (つまり半数は130超)
9月飲酒 119 (130超は僅か2回)
飲酒を続ける方が「朝に130を超えない」のであります。伸之介の「飲酒」は「適度」ではないので困っています。
10月に入って断酒を再開しましたが、5日間の平均は「138」です。
注)前回断酒時も開始当初はやや高い傾向
尚、飲酒継続時のa1c最新は2020年3月の6.5です。これも水際です。
「過ぎる酒は良くない」との事ですが、そのメカニズムを正しく厳しく理解致したく宜しくお願いします。
誠に幼稚な質問で申し訳ありません。】
こんにちは。
伸之介さんから、アルコールと糖尿病について、
コメント・質問を頂きました。
伸之介さん、空腹時血糖値は、平均値で、
飲酒時のほうが、119mg/dlで、断酒時の127mg/dlであり、
飲酒時のほうが、8mg/dlくらい低いですね。
アルコールの悪影響については、
<アルコールのリスク>や<アルコールと糖尿病> の項をご参照頂ければ幸いです。
また、糖尿病以外にもがんや脂肪肝や脂質異常症など様々な疾患の悪化要因となります。
☆☆☆の、e-ヘルスネットの記載をご参照ください。
<アルコールと血糖低下作用>
確かに、アルコールには、血糖低下作用があります。
しかし、個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、
低下させるというように一律にはいきません。
エネルギー源としては、[アルコール→糖質→脂質→タンパク質]の順で利用されます。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、
血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、
優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、
肝臓の糖新生を抑制することとなります。
血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、
個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、
血糖値が下がる人もいると思います。
また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、
翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
アルコールの血糖低下作用については個人差が大きいので、ご注意ください。
なお、SU剤内服中の糖尿人やインスリン注射中の糖尿人は、
過度のアルコール摂取により糖新生が阻害されると
低血糖になりやすいので要注意です。
正常人でも、空きっ腹で大量のアルコールを摂取すれば、
低血糖になる可能性もあります。
<アルコールの適量>
世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、
男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。
米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml
に相当します。
<アルコールのリスク>
世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、
「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、
「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。 (→ο←)
それから、過度のアルコール摂取は、
肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。
その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、
一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。
<アルコールと糖尿病>
e-ヘルスネットの記載によれば、
『アルコールはアルコールそのもの作用やアルコールの代謝に伴って血糖値に影響を与えます。
適度な飲酒は糖尿病の発病に抑制的に働く可能性が推定されています。
しかし多量飲酒は発病の危険性を高め、
特に肝障害や膵障害が加わるとコントロールが難しい糖尿病になるため、
糖尿病患者さんは多量飲酒は避けるべきです。
血糖コントロールが良好で合併症がない場合は、
酒肴(つまみ)や飲酒量に注意した適度の飲酒であれば
良いと考えられています。』
☆☆☆
以下のの記載は、厚生労働省のe-ヘルスネットのサイトの記載です。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol-summaries/a-01#:~:text=%E6%80%A5%E6%80%A7%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%B8%AD%E6%AF%92,%E6%AF%8E%E5%B9%B4%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
e-ヘルスネット > 飲酒 > アルコールによる健康障害
アルコールによる健康障害
急性アルコール中毒
急性アルコール中毒は飲酒により意識レベルが低下し、嘔吐、呼吸状態が悪化するなど危険な状態に陥ります。若年者・女性・高齢者などでリスクが高まり、とくに大学生や新社会人では一気飲みとして飲酒させられ、死亡に至るケースが毎年発生しています。急性アルコール中毒が疑われた場合、適切な処置や対応法を取りましょう。
→ 急性アルコール中毒 記事詳細へ
アルコールと肝臓病
アルコールの飲みすぎにより肝臓病がおこります。はじめは脂肪肝で、飲みすぎれば誰にでも起こります。飲み続けているとアルコール性肝炎になり、死亡することもあり得ます。さらに飲み続けると肝硬変という最終段階に入ります。ここまで来ると治すことが困難になります。そうならないような飲み方、またアルコール性肝臓病の早期発見が大切です。
→ アルコールと肝臓病 記事詳細へ
アルコールとすい臓病
すい臓(膵臓)病には急性すい炎と慢性すい炎および慢性すい炎から起こる糖尿病があります。飲みすぎる人がすべてすい臓病になるわけではありませんが、すい臓病の原因としてアルコールの飲みすぎが多くなっています。特に慢性すい炎の状態ではお酒がやめられないアルコール依存症になっている場合が多く見られます。したがって常習飲酒者で慢性すい炎の診断を受けた場合は、断酒をするべくアルコール依存症治療の専門病院への受診をお勧めします。
→ アルコールとすい臓病 記事詳細へ
アルコールと循環器疾患
適量の飲酒は循環器疾患に保護的に働くといわれています。その目安は男性では2ドリンク、すなわちビール中ビン1本または日本酒1合くらいまでで、女性ではこれより少ない量が推奨されます。過度の飲酒は逆に循環器疾患のリスク因子になります。「節度ある適度な飲酒」を守ることが肝要です。
→ アルコールと循環器疾患 記事詳細へ
アルコールとメタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームに関わる高血圧・高脂血症(脂質異常症)・高血糖には、お酒の飲みすぎが関与している場合が多数見られます。そのためメタボリックシンドロームの予防および治療には、「節度ある適度な飲酒」として成人男子では1日平均2ドリンク(純アルコールで20g/日本酒換算約1合)程度までとし、さらに週に2日間の休肝日を入れることが大切です。
→ アルコールとメタボリックシンドローム 記事詳細へ
アルコールとうつ、自殺
アルコール依存症とうつ病の合併は頻度が高く、アルコール依存症にうつ症状が見られる場合やうつ病が先で後から依存症になる場合などいくつかのパターンに分かれます。アルコールと自殺も強い関係があり、自殺した人のうち1/3の割合で直前の飲酒が認められます。
→ アルコールとうつ、自殺 記事詳細へ
アルコールと認知症
アルコール依存症および大量飲酒者には脳萎縮が高い割合でみられること、大量に飲酒したりアルコールを乱用した経験のある人では認知症になる人が多いといった疫学調査結果から、大量の飲酒は認知症の危険性を高めることが示されています。一方で少量ないし中等量の飲酒は認知症の原因にはならないのみならず、認知症の予防になる可能性があります。
→ アルコールと認知症 記事詳細へ
アルコールと癌(がん)
WHO(世界保健機関)の評価(2007年)では、飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となるとされています。またアルコールそのものに発癌(がん)性があり、少量の飲酒で赤くなる体質の2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人では、アルコール代謝産物のアセトアルデヒドが食道癌の原因となるとも結論づけています。
→ アルコールと癌(がん) 記事詳細へ
アルコールと歯科疾患
ほどほどの量のお酒が口腔機能に影響を与えることは少ないと思われます。しかしアルコールの過剰摂取を継続すると次第に身体機能が低下してきます。それに伴い口腔衛生の低下や唾液分泌の異常などが起こりやすくなります。その結果として口腔環境が悪化し歯科疾患に罹りやすくなり食機能の低下が懸念されます。
→ アルコールと歯科疾患 記事詳細へ
アルコールの消化管への影響
アルコールはほぼ全ての消化管に影響するため、適切な摂取が行なわれないと、胃食道逆流症・マロリーワイス症候群・急性胃粘膜病変(AGML)・門脈圧亢進性胃炎・下痢・吸収障害・痔核など、様々な疾患や症状の原因となります。
→ アルコールの消化管への影響 記事詳細へ
アルコール性肝炎と非アルコール脂肪性肝炎
アルコール性と非アルコール性、ふたつの肝炎の組織像は類似しており、肝臓内の酸化ストレスなど共通の発症メカニズムが研究されています。両者とも進行すると肝硬変や肝臓癌に至ります。アルコール性肝炎は常習飲酒家で大量飲酒後に発症し、救命率の低い重症型アルコール性肝炎もあります。アルコール依存症が背景にある場合はその専門治療が必要です。非アルコール性脂肪性肝炎は、過食・運動不足・肥満・糖尿病・脂質異常症などに伴う脂肪肝を背景として発症します。
→ アルコール性肝炎と非アルコール脂肪性肝炎 記事詳細へ
アルコールと痛風
痛風は高尿酸血症の結果生ずる関節炎です。アルコール摂取により体内での尿酸量が増大し、時に痛風発作となって現れます。高尿酸血症はメタボリックシンドロームとも関連が深く、アルコールの飲み方を再考すべき機会となります。
→ アルコールと痛風 記事詳細へ
アルコールと糖尿病
アルコールはアルコールそのもの作用やアルコールの代謝に伴って血糖値に影響を与えます。適度な飲酒は糖尿病の発病に抑制的に働く可能性が推定されています。しかし多量飲酒は発病の危険性を高め、特に肝障害や膵障害が加わるとコントロールが難しい糖尿病になるため、糖尿病患者さんは多量飲酒は避けるべきです。血糖コントロールが良好で合併症がない場合は、酒肴(つまみ)や飲酒量に注意した適度の飲酒であれば良いと考えられています。
→ アルコールと糖尿病 記事詳細へ
アルコールと高脂血症
血液中の脂質が基準値を超えてしまうことを高脂血症といいます。アルコールが関係する高脂血症は中性脂肪(トリグリセリド)とHDLコレステロールの増加です。飲酒時の摂取エネルギーを減少させれば基準値にもどる可能性もありますが、アルコールの代謝そのものに伴う脂質代謝異常もからんでいる場合は、飲酒コントロールを行うことも必要です。
→ アルコールと高脂血症 記事詳細へ
胎児性アルコール症候群
妊娠中の母親の飲酒は、胎児・乳児に対して低体重・顔面を中心とする奇形・脳障害などを引き起こす可能性があり、胎児性アルコール症候群と言われます。胎児性アルコール症候群には治療法はなく、また少量の飲酒でも妊娠のどの時期でも生じる可能性があることから、妊娠中の女性は完全にお酒を止めるようにしましょう。
→ 胎児性アルコール症候群 記事詳細へ
アルコールの影響メカニズム
江部先生お世話になります。伸之介です。
70歳の私の糖尿病経歴です。
1997年 発症@47歳
2012年 糖質制限食生活開始(服薬無し)
注)2012年に主膵管拡大(3mm)所見受く
2013年上記は2.5mmφ
その後、ドックでの膵炎指摘は無し
2018年 主膵管径<2.5mmφ
昨年から朝一番の空腹時血糖値が130を越えることが目立ち始めました。先生のご指導の「速歩」に加えて「ルームウォーカー(モーター無し自走式)」を取り入れました。
お陰様で漸増には至らず、しかし水際です。
先生へのお願い事項です。
「アルコール飲酒が与える糖尿病者への影響のメカニズム」を厳しいサイドでご教示頂けませんか。
飲酒習慣が抜けずに苦労しておりますが、「適度な飲酒は体に良い」「アルコールは糖新生を抑制する」との二つをよりどころにしてしまっていて、生活スタイルの変化も相まって、「痛飲」「深酒」から脱出出来ません。
先生から、「アルコールが糖尿病患者にはこのようなメカニズムで悪影響がある」とのお話を伺って、又は、参考文献を紹介頂いて、今後の酒との共存生活に楔を打っておきたいとの、誠に勝手な注文で恐縮です。
実験結果です。
八月に4週間完全断酒、九月には飲酒復活で、各々の4週間の毎日の朝一番空腹時の血糖値平均を報告します。
私が酒をこよなく愛しすぎる悪いネタです。
8月断酒 127 (つまり半数は130超)
9月飲酒 119 (130超は僅か2回)
飲酒を続ける方が「朝に130を超えない」のであります。伸之介の「飲酒」は「適度」ではないので困っています。
10月に入って断酒を再開しましたが、5日間の平均は「138」です。
注)前回断酒時も開始当初はやや高い傾向
尚、飲酒継続時のa1c最新は2020年3月の6.5です。これも水際です。
「過ぎる酒は良くない」との事ですが、そのメカニズムを正しく厳しく理解致したく宜しくお願いします。
誠に幼稚な質問で申し訳ありません。】
こんにちは。
伸之介さんから、アルコールと糖尿病について、
コメント・質問を頂きました。
伸之介さん、空腹時血糖値は、平均値で、
飲酒時のほうが、119mg/dlで、断酒時の127mg/dlであり、
飲酒時のほうが、8mg/dlくらい低いですね。
アルコールの悪影響については、
<アルコールのリスク>や<アルコールと糖尿病> の項をご参照頂ければ幸いです。
また、糖尿病以外にもがんや脂肪肝や脂質異常症など様々な疾患の悪化要因となります。
☆☆☆の、e-ヘルスネットの記載をご参照ください。
<アルコールと血糖低下作用>
確かに、アルコールには、血糖低下作用があります。
しかし、個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、
低下させるというように一律にはいきません。
エネルギー源としては、[アルコール→糖質→脂質→タンパク質]の順で利用されます。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、
血糖は全く上昇しません。
しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、
優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、
肝臓の糖新生を抑制することとなります。
血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、
個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、
血糖値が下がる人もいると思います。
また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、
翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
アルコールの血糖低下作用については個人差が大きいので、ご注意ください。
なお、SU剤内服中の糖尿人やインスリン注射中の糖尿人は、
過度のアルコール摂取により糖新生が阻害されると
低血糖になりやすいので要注意です。
正常人でも、空きっ腹で大量のアルコールを摂取すれば、
低血糖になる可能性もあります。
<アルコールの適量>
世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、
男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。
米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml
に相当します。
<アルコールのリスク>
世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、
「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、
「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。 (→ο←)
それから、過度のアルコール摂取は、
肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。
その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、
一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。
<アルコールと糖尿病>
e-ヘルスネットの記載によれば、
『アルコールはアルコールそのもの作用やアルコールの代謝に伴って血糖値に影響を与えます。
適度な飲酒は糖尿病の発病に抑制的に働く可能性が推定されています。
しかし多量飲酒は発病の危険性を高め、
特に肝障害や膵障害が加わるとコントロールが難しい糖尿病になるため、
糖尿病患者さんは多量飲酒は避けるべきです。
血糖コントロールが良好で合併症がない場合は、
酒肴(つまみ)や飲酒量に注意した適度の飲酒であれば
良いと考えられています。』
☆☆☆
以下のの記載は、厚生労働省のe-ヘルスネットのサイトの記載です。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol-summaries/a-01#:~:text=%E6%80%A5%E6%80%A7%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%B8%AD%E6%AF%92,%E6%AF%8E%E5%B9%B4%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
e-ヘルスネット > 飲酒 > アルコールによる健康障害
アルコールによる健康障害
急性アルコール中毒
急性アルコール中毒は飲酒により意識レベルが低下し、嘔吐、呼吸状態が悪化するなど危険な状態に陥ります。若年者・女性・高齢者などでリスクが高まり、とくに大学生や新社会人では一気飲みとして飲酒させられ、死亡に至るケースが毎年発生しています。急性アルコール中毒が疑われた場合、適切な処置や対応法を取りましょう。
→ 急性アルコール中毒 記事詳細へ
アルコールと肝臓病
アルコールの飲みすぎにより肝臓病がおこります。はじめは脂肪肝で、飲みすぎれば誰にでも起こります。飲み続けているとアルコール性肝炎になり、死亡することもあり得ます。さらに飲み続けると肝硬変という最終段階に入ります。ここまで来ると治すことが困難になります。そうならないような飲み方、またアルコール性肝臓病の早期発見が大切です。
→ アルコールと肝臓病 記事詳細へ
アルコールとすい臓病
すい臓(膵臓)病には急性すい炎と慢性すい炎および慢性すい炎から起こる糖尿病があります。飲みすぎる人がすべてすい臓病になるわけではありませんが、すい臓病の原因としてアルコールの飲みすぎが多くなっています。特に慢性すい炎の状態ではお酒がやめられないアルコール依存症になっている場合が多く見られます。したがって常習飲酒者で慢性すい炎の診断を受けた場合は、断酒をするべくアルコール依存症治療の専門病院への受診をお勧めします。
→ アルコールとすい臓病 記事詳細へ
アルコールと循環器疾患
適量の飲酒は循環器疾患に保護的に働くといわれています。その目安は男性では2ドリンク、すなわちビール中ビン1本または日本酒1合くらいまでで、女性ではこれより少ない量が推奨されます。過度の飲酒は逆に循環器疾患のリスク因子になります。「節度ある適度な飲酒」を守ることが肝要です。
→ アルコールと循環器疾患 記事詳細へ
アルコールとメタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームに関わる高血圧・高脂血症(脂質異常症)・高血糖には、お酒の飲みすぎが関与している場合が多数見られます。そのためメタボリックシンドロームの予防および治療には、「節度ある適度な飲酒」として成人男子では1日平均2ドリンク(純アルコールで20g/日本酒換算約1合)程度までとし、さらに週に2日間の休肝日を入れることが大切です。
→ アルコールとメタボリックシンドローム 記事詳細へ
アルコールとうつ、自殺
アルコール依存症とうつ病の合併は頻度が高く、アルコール依存症にうつ症状が見られる場合やうつ病が先で後から依存症になる場合などいくつかのパターンに分かれます。アルコールと自殺も強い関係があり、自殺した人のうち1/3の割合で直前の飲酒が認められます。
→ アルコールとうつ、自殺 記事詳細へ
アルコールと認知症
アルコール依存症および大量飲酒者には脳萎縮が高い割合でみられること、大量に飲酒したりアルコールを乱用した経験のある人では認知症になる人が多いといった疫学調査結果から、大量の飲酒は認知症の危険性を高めることが示されています。一方で少量ないし中等量の飲酒は認知症の原因にはならないのみならず、認知症の予防になる可能性があります。
→ アルコールと認知症 記事詳細へ
アルコールと癌(がん)
WHO(世界保健機関)の評価(2007年)では、飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となるとされています。またアルコールそのものに発癌(がん)性があり、少量の飲酒で赤くなる体質の2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人では、アルコール代謝産物のアセトアルデヒドが食道癌の原因となるとも結論づけています。
→ アルコールと癌(がん) 記事詳細へ
アルコールと歯科疾患
ほどほどの量のお酒が口腔機能に影響を与えることは少ないと思われます。しかしアルコールの過剰摂取を継続すると次第に身体機能が低下してきます。それに伴い口腔衛生の低下や唾液分泌の異常などが起こりやすくなります。その結果として口腔環境が悪化し歯科疾患に罹りやすくなり食機能の低下が懸念されます。
→ アルコールと歯科疾患 記事詳細へ
アルコールの消化管への影響
アルコールはほぼ全ての消化管に影響するため、適切な摂取が行なわれないと、胃食道逆流症・マロリーワイス症候群・急性胃粘膜病変(AGML)・門脈圧亢進性胃炎・下痢・吸収障害・痔核など、様々な疾患や症状の原因となります。
→ アルコールの消化管への影響 記事詳細へ
アルコール性肝炎と非アルコール脂肪性肝炎
アルコール性と非アルコール性、ふたつの肝炎の組織像は類似しており、肝臓内の酸化ストレスなど共通の発症メカニズムが研究されています。両者とも進行すると肝硬変や肝臓癌に至ります。アルコール性肝炎は常習飲酒家で大量飲酒後に発症し、救命率の低い重症型アルコール性肝炎もあります。アルコール依存症が背景にある場合はその専門治療が必要です。非アルコール性脂肪性肝炎は、過食・運動不足・肥満・糖尿病・脂質異常症などに伴う脂肪肝を背景として発症します。
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アルコールと痛風
痛風は高尿酸血症の結果生ずる関節炎です。アルコール摂取により体内での尿酸量が増大し、時に痛風発作となって現れます。高尿酸血症はメタボリックシンドロームとも関連が深く、アルコールの飲み方を再考すべき機会となります。
→ アルコールと痛風 記事詳細へ
アルコールと糖尿病
アルコールはアルコールそのもの作用やアルコールの代謝に伴って血糖値に影響を与えます。適度な飲酒は糖尿病の発病に抑制的に働く可能性が推定されています。しかし多量飲酒は発病の危険性を高め、特に肝障害や膵障害が加わるとコントロールが難しい糖尿病になるため、糖尿病患者さんは多量飲酒は避けるべきです。血糖コントロールが良好で合併症がない場合は、酒肴(つまみ)や飲酒量に注意した適度の飲酒であれば良いと考えられています。
→ アルコールと糖尿病 記事詳細へ
アルコールと高脂血症
血液中の脂質が基準値を超えてしまうことを高脂血症といいます。アルコールが関係する高脂血症は中性脂肪(トリグリセリド)とHDLコレステロールの増加です。飲酒時の摂取エネルギーを減少させれば基準値にもどる可能性もありますが、アルコールの代謝そのものに伴う脂質代謝異常もからんでいる場合は、飲酒コントロールを行うことも必要です。
→ アルコールと高脂血症 記事詳細へ
胎児性アルコール症候群
妊娠中の母親の飲酒は、胎児・乳児に対して低体重・顔面を中心とする奇形・脳障害などを引き起こす可能性があり、胎児性アルコール症候群と言われます。胎児性アルコール症候群には治療法はなく、また少量の飲酒でも妊娠のどの時期でも生じる可能性があることから、妊娠中の女性は完全にお酒を止めるようにしましょう。
→ 胎児性アルコール症候群 記事詳細へ
江部先生
早速にとりあげて頂きまして有難うございます。
本日の徒然日記を背負って精進致します。
2012年、私の糖質制限食は
加古川の荒木先生の病棟隣の薬局で販売している低糖質パンで幕開けました。
当時荒木先生の奥様が薬局を守っておられました。
「血糖値130」を記したのは町内の糖尿病専門医先生(糖質制限には無関心)が常々「さてさて、今朝は130以下かな?」と仰っていることによります。
130を超えだした際に通院したところ、「そうそう、膵炎(含:主膵管拡大)とか、膵臓癌が進むと血糖値はあがることがあるんだよねぇ」と言われて、その場で、エコーで膵臓を点検しました。(主膵管拡大は2.5mmφ以下で問題ありませんでした。)
本日はありがとうございました。伸之介
早速にとりあげて頂きまして有難うございます。
本日の徒然日記を背負って精進致します。
2012年、私の糖質制限食は
加古川の荒木先生の病棟隣の薬局で販売している低糖質パンで幕開けました。
当時荒木先生の奥様が薬局を守っておられました。
「血糖値130」を記したのは町内の糖尿病専門医先生(糖質制限には無関心)が常々「さてさて、今朝は130以下かな?」と仰っていることによります。
130を超えだした際に通院したところ、「そうそう、膵炎(含:主膵管拡大)とか、膵臓癌が進むと血糖値はあがることがあるんだよねぇ」と言われて、その場で、エコーで膵臓を点検しました。(主膵管拡大は2.5mmφ以下で問題ありませんでした。)
本日はありがとうございました。伸之介
伸之介 さん
日本糖尿病学会の合併症予防のための目標値が
<空腹時血糖値:130mg/dl未満>
なので、糖尿病専門医先生が、そう仰っているのでしょう。
日本糖尿病学会の合併症予防のための目標値が
<空腹時血糖値:130mg/dl未満>
なので、糖尿病専門医先生が、そう仰っているのでしょう。
2020/10/07(Wed) 06:03 | URL | ドクター江部 | 【編集】
都内河北 鈴木です。
私は、アルコ~ルは摂取しませんが、『既成概念・打破』は容易くない事は、
本日の悩める方の記事を読み、捨てがたいかなと考えます!!
現代は過去の日常食生活の料理もそうですが、江部先生『糖質制限理論』で、「日本糖尿病学会」の医療理論で、
21年間悪化一途で、殺されかけた患者私が、
『生還、覚醒、4度の再覚醒、』している私が、考えますには、
江部先生『糖質制限理論・対応食品』を製作する事が可能なら、
『糖質排除・食材』を製作するしかないかなと考えます!!!
何故なら今年4月からの食品表記が、
『法改定で炭水化物(糖質%、繊維質%)』と、
『法定・表記』する事になったのは、
明らかに、江部先生『糖質制限理論』の影響である事は、
まぎれもも無い事実ですから!!
「日本医療界」が、改善皆無の医療だと、バレバレのこの現状では、
何を考えてるのかなと考えます!!
<<「日本医療界」が、早期時代進化を望みたいかなと、考えます!!>>
江部先生には、『生還、覚醒、4度の再覚醒、』している8年目に
体調快調に成りながら生活できている事に、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
私は、アルコ~ルは摂取しませんが、『既成概念・打破』は容易くない事は、
本日の悩める方の記事を読み、捨てがたいかなと考えます!!
現代は過去の日常食生活の料理もそうですが、江部先生『糖質制限理論』で、「日本糖尿病学会」の医療理論で、
21年間悪化一途で、殺されかけた患者私が、
『生還、覚醒、4度の再覚醒、』している私が、考えますには、
江部先生『糖質制限理論・対応食品』を製作する事が可能なら、
『糖質排除・食材』を製作するしかないかなと考えます!!!
何故なら今年4月からの食品表記が、
『法改定で炭水化物(糖質%、繊維質%)』と、
『法定・表記』する事になったのは、
明らかに、江部先生『糖質制限理論』の影響である事は、
まぎれもも無い事実ですから!!
「日本医療界」が、改善皆無の医療だと、バレバレのこの現状では、
何を考えてるのかなと考えます!!
<<「日本医療界」が、早期時代進化を望みたいかなと、考えます!!>>
江部先生には、『生還、覚醒、4度の再覚醒、』している8年目に
体調快調に成りながら生活できている事に、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2020/10/07(Wed) 08:32 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
貴重な情報いつもありがとうございます。自分もお酒を飲むので興味深いトピックです。KETOで多くの患者をサポートしているDr.Bozによりますと人がケトーシスの状態ではミトコンドリアを通してエネルギー代謝される順番は1.アルコール、2.ケトン体、3.グルコースだそうです。アルコールの影響で一時的にケトーシスは阻害される為、KETOを始める、またはKETOに戻る人には最低2週間の禁酒を勧めているそうです。またケトーシス状態においてはお酒に酔いやすく(少しで酔えるのでお財布にはやさしい?)、2日酔いにもなりやすいので飲みすぎに注意し、できるだけ適量にするようアドバイスするそうです(これは私も経験で実感してます)。お酒は肝臓の負担を増やしてしまうリスクと精神的ストレス軽減効果のトレードオフかと勝手に思ってます(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=Od8l8Nuyznw
https://www.youtube.com/watch?v=Od8l8Nuyznw
2020/10/07(Wed) 09:03 | URL | 駐在君 | 【編集】
駐在君
興味深い情報をありがとうございます。
Dr.Boz「アルコールの影響で一時的にケトーシスは阻害される」
これは知りませんでした。
検査するときは、いつも素面ですから・・・。
やや、耳が痛いですね。
興味深い情報をありがとうございます。
Dr.Boz「アルコールの影響で一時的にケトーシスは阻害される」
これは知りませんでした。
検査するときは、いつも素面ですから・・・。
やや、耳が痛いですね。
2020/10/07(Wed) 19:56 | URL | ドクター江部 | 【編集】
上記のビデオを観たのですが、ミトコンドリアがケトン体ではなく、まずアルコールを代謝するので、遊離脂肪酸の代謝はストップする、ケトン体の利用も止まるということでしょうか。よって脂肪は利用されずに体脂肪になり(痩せない)、ケトン体も血中にあっても利用されない、ケトメーターでケトン体が確認されても、それが利用されているとは限らないという理解でよろしいでしょうか。
>Dr.Boz「アルコールの影響で一時的にケトーシスは阻害される」
ビデオの該当箇所を文字起こししますと下記のように言っています。
「Whenever you get alcohol into the ketogenic formula, it stops ketosis. And you can often see the ketones rise because they get backed up they aren't being burned for a little bit. ケトジェニック・フォーミュラーにアルコールを摂取するとケトーシスは止まります。そして、少しケトン体が燃焼されにくくなる為に(血中)ケトン体数値が上がることさえあります。」と言ってます。
私の理解ではアルコールはケトーシスの効率性に対しケトン産生とその燃焼の両方、つまりケトン体回路に(個人差はあれど)負の影響があると言うことのようです。下記のダイエット・ドクターのサイトでも「A word of caution」の中でアルコールの影響に関して記述があります。基本的にはDr.Bozの見解とほぼ同じですね。
https://www.dietdoctor.com/low-carb/keto/alcohol-guide
ビデオの該当箇所を文字起こししますと下記のように言っています。
「Whenever you get alcohol into the ketogenic formula, it stops ketosis. And you can often see the ketones rise because they get backed up they aren't being burned for a little bit. ケトジェニック・フォーミュラーにアルコールを摂取するとケトーシスは止まります。そして、少しケトン体が燃焼されにくくなる為に(血中)ケトン体数値が上がることさえあります。」と言ってます。
私の理解ではアルコールはケトーシスの効率性に対しケトン産生とその燃焼の両方、つまりケトン体回路に(個人差はあれど)負の影響があると言うことのようです。下記のダイエット・ドクターのサイトでも「A word of caution」の中でアルコールの影響に関して記述があります。基本的にはDr.Bozの見解とほぼ同じですね。
https://www.dietdoctor.com/low-carb/keto/alcohol-guide
2020/10/09(Fri) 20:26 | URL | 駐在君 | 【編集】
駐在君
ありがとうございます。
アルコール摂取は、ケトン産生とその燃焼の両方に抑制的に働くということですね。
ありがとうございます。
アルコール摂取は、ケトン産生とその燃焼の両方に抑制的に働くということですね。
2020/10/09(Fri) 22:06 | URL | ドクター江部 | 【編集】
疑問 さん
それでよろしいと思います。
それでよろしいと思います。
2020/10/09(Fri) 22:08 | URL | ドクター江部 | 【編集】
駐在君の訳してくださった<少しケトン体が燃焼されにくくなる為に(血中)ケトン体数値が上がることさえあります。>というところについて。ケトン体が確認されても利用されていない場合があるのがはっきりしました。他にもそういう場合があるのでしょうか。例えば人によって糖質50g以下でもケトメーターで出て来ない人もいるようですが、これは利用されつくしているからと考えられる?とか、アルコールなしでもケトン体が高く出ている人で、余っているからケトン体高値に出るとか?そもそも利用されているか、どうか、確認する術はあるのでしょうか。
疑問 さん
「人によって糖質50g以下でもケトメーターで出て来ない人もいるようですが、これは利用されつくしているからと考えられる?とか、アルコールなしでもケトン体が高く出ている人で、余っているからケトン体高値に出るとか?そもそも利用されているか、どうか、確認する術はあるのでしょうか。」
これについては、よくわかりません。
しかしながら
アルコールによるケトン体産生と燃焼の抑制は、あくまでも特殊状況と思います。
その根拠としては、現在も含めて700万年間の全人類の歴史において、
糖質摂取の有無に関係なく、
少なくとも空腹時と睡眠時は<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>が
主たるエネルギー供給システムであったからです。
本来<ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム>は、
農耕開始前は
①闘争や逃走などの緊急的筋肉収縮時と、
②たまたま糖質を摂取してインスリンが分泌されたときの
特別な時のエネルギー供給システムでした。
「人によって糖質50g以下でもケトメーターで出て来ない人もいるようですが、これは利用されつくしているからと考えられる?とか、アルコールなしでもケトン体が高く出ている人で、余っているからケトン体高値に出るとか?そもそも利用されているか、どうか、確認する術はあるのでしょうか。」
これについては、よくわかりません。
しかしながら
アルコールによるケトン体産生と燃焼の抑制は、あくまでも特殊状況と思います。
その根拠としては、現在も含めて700万年間の全人類の歴史において、
糖質摂取の有無に関係なく、
少なくとも空腹時と睡眠時は<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>が
主たるエネルギー供給システムであったからです。
本来<ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム>は、
農耕開始前は
①闘争や逃走などの緊急的筋肉収縮時と、
②たまたま糖質を摂取してインスリンが分泌されたときの
特別な時のエネルギー供給システムでした。
2020/10/10(Sat) 15:57 | URL | ドクター江部 | 【編集】
>ケトン体が高く出ている人で、余っているからケトン体高値に出るとか?そもそも利用されているか、どうか、確認する術はあるのでしょうか。
江部先生のおっしゃるとおりKETO利用に関してはまだまだわかっていないことが多いと思います。ただ極端な方法ですが、ケトン体が高値でそれが利用されていることを確認する方法として、ケトジェニックダイエット+断食のハイケトーシス状態で限界能力の運動をする方法です。例えばケトで食事を抜いた状態で軽く100キロ走るウルトラマラソン選手等はこれに当たりますね。これはケトン体が大量に利用された以外に考えられません。私は無酸素運動派ですが、以前投稿した下記内容を実践してケトン体の利用を確信してます。
「https://tim.blog/2015/11/03/dominic-dagostino/
上記はDr. Dominic D’Agostinoに関する記事です。彼はサウス・フロリダ大の分子薬理学の教授でケト応用による癌治療研究の他に米兵士のパフォーマンス向上のため海軍や国防省からの支援でケトジェニック・ダイエットの研究をしてます。彼は自身がケトジェニック・ダイエットを実践するパワーリフターでもありますが、7日間の断食をした高ケトンの状態でパーソナル・レコードのデッドリフト500ポンド(227キロ)x10レップスを成功させています。私も彼のトレーニングを参考にし、徐々に断食中の筋トレで体を慣らし、3日断食した状態でベンチプレスMAXにトライしパーソナル・レコードタイの100キロx10レップスがあがりました。この時のパフォーマンスを上げるポイントですが、血糖値と血中ケトン体の比率をみてます。まず筋トレ前に血糖値と血中ケトン体を自己測定しますが、3日断食後の数値は血糖値が77mg/dl、血中ケトン体が2.8mmol/L(2800μmol/L)、でした。これをGKI(グルコース・ケトン指数)比率に当てはめますとGKIは血糖値÷18÷血中ケトン体(mmol/L)
なので私は77÷18÷2.8でGKIが1.527となります。これを下記のGKI(Glucose Ketone Index)表でみますと指数1-3のハイレベル・ケトーシスになります。つまり自分の場合は筋トレ前にGKIをこのレベルに持っていくことが重要となります。https://keto-mojo.com/glucose-ketone-index-gki/
江部先生のおっしゃるとおりKETO利用に関してはまだまだわかっていないことが多いと思います。ただ極端な方法ですが、ケトン体が高値でそれが利用されていることを確認する方法として、ケトジェニックダイエット+断食のハイケトーシス状態で限界能力の運動をする方法です。例えばケトで食事を抜いた状態で軽く100キロ走るウルトラマラソン選手等はこれに当たりますね。これはケトン体が大量に利用された以外に考えられません。私は無酸素運動派ですが、以前投稿した下記内容を実践してケトン体の利用を確信してます。
「https://tim.blog/2015/11/03/dominic-dagostino/
上記はDr. Dominic D’Agostinoに関する記事です。彼はサウス・フロリダ大の分子薬理学の教授でケト応用による癌治療研究の他に米兵士のパフォーマンス向上のため海軍や国防省からの支援でケトジェニック・ダイエットの研究をしてます。彼は自身がケトジェニック・ダイエットを実践するパワーリフターでもありますが、7日間の断食をした高ケトンの状態でパーソナル・レコードのデッドリフト500ポンド(227キロ)x10レップスを成功させています。私も彼のトレーニングを参考にし、徐々に断食中の筋トレで体を慣らし、3日断食した状態でベンチプレスMAXにトライしパーソナル・レコードタイの100キロx10レップスがあがりました。この時のパフォーマンスを上げるポイントですが、血糖値と血中ケトン体の比率をみてます。まず筋トレ前に血糖値と血中ケトン体を自己測定しますが、3日断食後の数値は血糖値が77mg/dl、血中ケトン体が2.8mmol/L(2800μmol/L)、でした。これをGKI(グルコース・ケトン指数)比率に当てはめますとGKIは血糖値÷18÷血中ケトン体(mmol/L)
なので私は77÷18÷2.8でGKIが1.527となります。これを下記のGKI(Glucose Ketone Index)表でみますと指数1-3のハイレベル・ケトーシスになります。つまり自分の場合は筋トレ前にGKIをこのレベルに持っていくことが重要となります。https://keto-mojo.com/glucose-ketone-index-gki/
2020/10/11(Sun) 15:30 | URL | 駐在君 | 【編集】
ご丁寧に解説してくださりありがとうございます。筋トレ前にGKIが1.527ですか、凄いですね。
今後とも情報発信期待しています。
今後とも情報発信期待しています。
駐在君
ケトン体利用に関してのコメントありがとうございます。
とても参考になります。
私も以前、ウルトラマラソン(24時間走、約270kn)の優勝者には、
ケトジェニックダイエット実践者が多いという記事をみたことがあります。
それにしても、駐在君はすごいです。
『GKI(グルコース・ケトン指数)比率に当てはめますと
GKIは血糖値÷18÷血中ケトン体(mmol/L)
なので私は77÷18÷2.8でGKIが1.527となります。
これを下記のGKI(Glucose Ketone Index)表でみますと
指数1-3のハイレベル・ケトーシスになります。つまり自分の場合は
筋トレ前にGKIをこのレベルに持っていくことが重要となります。』
すでに、一流アスリートの域に達しておられますね。
ケトン体利用に関してのコメントありがとうございます。
とても参考になります。
私も以前、ウルトラマラソン(24時間走、約270kn)の優勝者には、
ケトジェニックダイエット実践者が多いという記事をみたことがあります。
それにしても、駐在君はすごいです。
『GKI(グルコース・ケトン指数)比率に当てはめますと
GKIは血糖値÷18÷血中ケトン体(mmol/L)
なので私は77÷18÷2.8でGKIが1.527となります。
これを下記のGKI(Glucose Ketone Index)表でみますと
指数1-3のハイレベル・ケトーシスになります。つまり自分の場合は
筋トレ前にGKIをこのレベルに持っていくことが重要となります。』
すでに、一流アスリートの域に達しておられますね。
2020/10/12(Mon) 17:28 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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