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新型コロナに対するケトン体の試験戦略
【20/07/26
駐在君
新型コロナに対するケトン体の試験戦略

主に老化関連疾患を研究する米バック研究所(The Buck Institute)が中心となり、
呼吸器ウイルス感染に対する免疫代謝的対策としてのケトン体の研究をする中で、
彼ら以外の多くの研究者に対しても新型コロナや季節性インフルエンザなどの呼吸器感染症の治療としてもっとケトン体に注目するように促しています。

その理由のポイントとして「すでに基礎研究において、BHB(ケトン体であるβ-ヒドロキシ酪酸)が炎症誘発性経路NLRP3の活性化を直接阻害することが証明されているが、このNLRP3は新型コロナの重症化原因の中心であるサイトカインストームの一因となっている可能性が高い。」と言ってます。

また「BHBが感染後の自然免疫にどのように影響するかを解明することは、研究者が積極的に取り組んでほしい重要な前臨床問題の一つである。」とも言っています。

結論としてケトン体を研究することは、(糖尿病や心血管疾患だけでなく)新型コロナとの闘いにおいて有望であり、私たちの寿命を延ばすのに役立つだろうといってます。この研究が広まれば糖質制限がさらに見直される機会になるかもしれません。
https://www.sciencedaily.com/releases/2020/07/200715131230.htm
https://www.cell.com/med/fulltext/S2666-6340(20)30013-1】


こんにちは。
駐在君から、ケトン体に関する研究論文についてコメント頂きました。
有用な情報をありがとうございます。

<論文の要約>
https://www.sciencedaily.com/releases/2020/07/200715131230.htm
ケトン体のCOVID-19に対する試験戦略を概説
2020年7月15日
「Buck Institute of Aging」(バック研究所)。バック・エイジング研究所

要約。
新しいレビューは、代謝と免疫を研究している研究者に、COVID-19、季節性インフルエンザおよび他の呼吸器感染症に対する可能性のある治療法として、老化に関する役割のために広く研究されているケトン体に注意を向けることを奨励している。]


<日本の医師とケトン体>
ケトン体は、『糖尿病ケトアシドーシス』というこわい病気があるので、
日本では、今でもケトン体高値を恐れる医師が多いです。
私の糖尿病患者さん(スーパー糖質制限食実践中)が、たまたま風邪などで
近医を受診されたとき、尿中ケトン体が陽性だったりすると大騒ぎになることがほとんどで、説明しても医師はなかなか理解してくれないようです。

<欧米の医師・研究者とケトン体>
一方、欧米では、着々とケトン体の研究が進んでいて、
今回は、新型コロナウィスルやインフルエンザや他の呼吸器感染症にも
有効な可能性があるということで、日本のケトン体大好きおじさんである私としては
嬉しい限りです。
また、老化を予防する役割を期待して、ケトン体は広く研究されているということです。

<ケトン体の抗炎症効果と研究課題>
駐在君ご指摘のように

「すでに基礎研究において、BHB(ケトン体であるβ-ヒドロキシ酪酸)が炎症誘発性経路NLRP3の活性化を直接阻害することが証明されているが、
このNLRP3は新型コロナの重症化原因の中心であるサイトカインストームの一因となっている可能性が高い。」

ケトン体が、
サイトカインストームを予防してくれる可能性があるのは素晴らしいことです。

「BHBが感染後の自然免疫にどのように影響するかを解明することは、研究者が積極的に取り組んでほしい重要な前臨床問題の一つである。」

こちらは、研究課題です。

<確認されているケトン体の効果>
一方、
ケトン体の一種であるBHBは心不全患者の心機能を改善し、認知機能を向上させることが、ヒトを対象とした小規模な臨床試験で実証されています。
実験室での実験では、BHBは2型糖尿病に対する効果が期待でき、有害な炎症を抑制することが示されています。
血中ケトン体の上昇は、重度の呼吸器感染症で発生する低酸素関連の組織損傷に対して広く保護することが示されています。

著者らは、筋肉機能を強化し、感染者のせん妄を減衰させたり回避したりする方法として、
ケトン体の補充を試験する臨床研究を期待しているそうです。

日本は、かなり出遅れてますが、世界目線では
ケトン体の未来は前途洋々ですね。

<ケトン体高値のメリット、私のまとめ>

ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
SGLT2阻害薬(糖尿病治療薬)の大規模臨床試験である「EMPA-REG OUTCOM試験」「CANVAS試験」において、
心臓・腎臓・脳保護作用が、認められました。

その理由として、SGLT2阻害薬による血中ケトン体高値が、
心臓・腎臓・脳保護に良い影響を与えている可能性が示唆されました。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、さらに期待できますね。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。

江部康二
コメント
ケトン体解明へ、世界医学界は進化へ、スンゴイですね!!
都内河北 鈴木です。

ケトン体の有用性は、本日駐在君さんの情報記事から、江部先生説明で学習しましたが、まだまだ時代進化・解明中なんですね!!

ここで疑問なんですが、「日本医療界」は、
世界解明された事実を理解把握して、改善・医療に活用してないのかなと、
考えてしまいました!!

1つが江部先生『糖質制限理論』を、認めないのがそうです!!

文中の「日本は、かなり出遅れていますが、世界目線では、
ケトン体の未来は、前途洋々ですね。」
この言葉通りだとしたら、私達も日本医療者を過信は禁物だと考えます!!

<<事実、私がその「日本医療界」の被害者自身だからです!!>>

駐在君さんの海外からの情報で、江部先生も感動の説明かなと、考えます!!

私は今後共に、江部先生『糖質制限理論』食生活を、終生実践して行くのは、
勿論です!!

何故なら、糖尿病・重症化から『生還、覚醒、再覚醒、』出来たのだから、
更なる改善『覚醒、』を期待して、
当然至極です!!

【本日記事は、江部先生『糖質制限理論』食生活・実践者には、
 安堵!!安堵!!です!!】

江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』でき、
更なる2度の『改善・覚醒』している8年目に、
体調快調に成りながら生活できる事に、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具



2020/07/28(Tue) 22:45 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
スーパー糖質制限食するとコロナにかかり難い!
スーパー糖質制限食継続が「最良のコロナ対策」
2020/07/29(Wed) 15:11 | URL | らこ | 【編集
Re: スーパー糖質制限食するとコロナにかかり難い!
らこ さん

その通りと思います。
2020/07/29(Wed) 17:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
オリゴ糖
江部 先生
西村  様
御世話になります

先日の便秘の話  に教えてもらった
オリゴ糖 やはり 効果あるとおもいます
ここ2-3日ためしていますが 良い結果だと
思います ただ私は人工甘味料が入っていないタイプのほうが良いように思います
(2種類ためしてみました)

糖尿人
2020/07/29(Wed) 20:01 | URL | 糖尿人 | 【編集
「空腹」こそ最強のクスリ?
江部先生、お世話になります。

 小生、76歳になりました。
先日、今の会社社長からオファーを頂き、資格を生かした勤務に復帰しました。
すでに運転免許を返納、愛車も手放した為に「十分な勤務は出来ない」旨、説明しましたが、恐縮なことに、送り迎え付きで働いています。
得難きご縁を感じております。

しかし、それより何より有難く思い起こしますのは、江部先生との邂逅です。
2010年2月に糖質制限を実施以降、「ケトン体おじさん」に変身しました。
今も毎日充実感を体現、幸せな毎日です。
江部先生には感謝の思いが尽きません。

 ところで、江部先生は「断食の実現者」でいらっしゃいます、
「空腹の効果」は何人も認めるところです。
図書館より、常時予約人数:100人という、「空腹」こそ最強のクスリ
を読みました。(A先生)
1. 引用文献の記載なし。
2. ~と言われています。~のはずです。
3. 睡眠時間も含め、16時間の空腹時間を作れば、何を食べても・好きなだけ食べてもよい。
4. オートファジーの働きで万病が治る。
などの記述に違和感を覚えています。

糖尿病治療の選択肢としての「空腹」にどのような機序があるのでしょうか?
2020/07/29(Wed) 20:02 | URL | ライフワーク光野 | 【編集
腎不全患者の糖質制限のご相談
80歳(男)、8ヶ月前に腎不全、糖尿病、動脈硬化が判明しました。

現在の状況
・腎不全(eGFR:38、クレアチニンが8ヶ月で1.52から1.40に改善)
・糖尿病(A1C:5.9)
 食後1時間血糖値
 :200…8ヶ月前のプチ糖質制限時時
 :140…スーパー糖質制限
・動脈硬化(CTにより動脈の石灰化の進行が判明)
・高血圧;朝食前血圧:上150、下80
・コレストロール
 HDL:90、LDL:273、中性脂肪:70
・薬の処方:なし(スタチンは糖尿病には禁忌、降圧剤は死亡率が上がる)
・運動:散歩と東北大学式腎臓リハビリ

・1日の食事;
 タンパク質:50g、塩分:6g,糖質:50g
 脂質:約120g(毎日体重を測定して加減)
・脂質の種類と量(日本脂質栄養学会の指針を参考)
 飽和脂肪酸(バターとラード):30g
 アマニ油:20g
 ココナッツオイル:30g
 MCTオイル:40g

今後は、シスタチンCで経過観察を続けるつもりです。

本ブログの過去ログでは、「腎不全の場合の糖質制限は医師と相談」とありますが、糖質制限のわかる腎臓専門医を見つけることはできませんでした。

病気が判明して8ヶ月間、文献やネットの国内外論文などを調べて選択した食事と治療方針ですが、今ひとつ自信がありません。
何かお気づきのことがあるでしょうか。
2020/07/29(Wed) 20:23 | URL | タカハシカズノリ | 【編集
日本の研究
ケトン体が糖尿病性腎臓病における腎組織修復の鍵となる
―糖尿病性腎臓病克服への可能性に期待―

https://research-er.jp/articles/view/90825
2020/07/30(Thu) 17:39 | URL | XYZ | 【編集
Re: オリゴ糖
糖尿人 さん

フラクトオリゴ糖なら、血糖値も上げないし便通も良くなるし、いいですね。
2020/07/30(Thu) 19:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 「空腹」こそ最強のクスリ?
ライフワーク光野 さん

私の本「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」において、
半日断食と昼夕の2食を推奨しています。

寝ている最中には脂肪が燃焼して、糖新生のエネルギー源や身体のエネルギー源となっています。
それで血中ケトン体は高値となります。
翌朝、朝食抜きなら、前日の夕食が19時開始として、翌日の正午に昼食なら17時間経過しています。
糖新生が始まるのは食事開始後数時間経過してからです。
調度、入眠する時間帯から糖新生が始まります。
脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが活性化して朝を迎えます。
ここで朝食抜きなら正午まで活性化が続きます。
脂肪酸-ケトン体システムが活性かしているほど、人体は健康で、糖尿病にもいいです。
ケトン体には、脳、心、腎、保護作用もあります。
2020/07/30(Thu) 19:43 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 腎不全患者の糖質制限のご相談
タカハシカズノリ さん

脂質摂取比率が73%の、ケトン食に近いスーパー糖質制限食ですね。
とても良い選択だと思います。

この食事(脂質中心)なら腎臓にも糖尿病にも良いと思います。
内服薬なしで、食事療法だけなのも素晴らしいです。
2020/07/30(Thu) 19:48 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 日本の研究
XYZ さん

コメントをありがとうございます。
調度、本日の記事にしました。
2020/07/30(Thu) 19:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: Re: 腎不全患者の糖質制限のご相談
心強いお返事ありがとうございました。
シスタチンCの数値を指標にしてn=1のテストを続けます。
(現時点ではこれ以外に選択肢は見つかりません)
2020/07/30(Thu) 21:19 | URL | タカハシカズノリ | 【編集
都内河北 鈴木さんへ
下記疑問について
>ここで疑問なんですが、「日本医療界」は、
世界解明された事実を理解把握して、改善・医療に活用してないのかなと、
考えてしまいました!!

私は次のように考えています。

日本医療界(糖尿病医療)の指導階層は、
糖質制限が有効なことを熟知しています。
だから効果的に妨害しています。

糖質制限が一般化すると糖尿病関連業界は大打撃を受けます。
・開業医:患者激減
・製薬業界:糖尿病薬の需要激減
・栄養師業界;栄養士の食事指導の仕事が激減
・厚労省:天下り先の減少

江部先生の著書『糖質制限革命』35ページによれば
糖尿病関連の医療費の総額は年間1兆2000億円になるそうです。

糖質制限によりこれらの大部分がなくなると、
影響を受ける関連業界の損害は莫大です。

一般の開業医は、糖尿病学会のガイドラインにしたがって治療をしています。
高糖質治療食で血糖値を上げて糖尿病薬で下げるという
「マッチポンプ」治療を続けるうちに、
順調に失明、下肢切断、透析まで進行して十分な売上が確保できます。
大部分の開業医は、機械的にガイドラインに従って治療を続けています。

私は最近、市立病院の腎臓内科の診断を受けました。
病院に雇われている身分では、
ガイドラインを守らない治療を行うのはかなり困難だそうです。

日本の糖尿病学会は、「しらねのぞるば」さんのブログによれば、内輪もめ状態がもうすぐ決着するようです。
1兆2000億円の利益関係者がいるわけですから、解決には時間がかかります。
2020/08/01(Sat) 11:17 | URL | タカハシカズノリ | 【編集
Re:都内河北 鈴木さんへ
都内河北 鈴木です。

タカハシカズノリさん、
私の疑問へ詳細を説明してくれて、感謝いたします!!
ありがとうございます。

私の『糖尿病』21年間で、後遺症『眼、脳梗塞、』が、
『糖尿病』だけでなく、後遺症『眼、脳梗塞、』が、
『覚醒、再覚醒、』している『医療デ~タ』が、存在している事実は、
現実です!!

何度でも発言しますが、『脳梗塞』の4度目の『改善・覚醒、』は、
今年3月です!!

【専門・医療者なら、患者より改善への知識不足は、
 有ってはならないかなと考えます!!】

仮に患者が、悪化一途から『生還、』したのなら、私は担当医に発言しました、
『貴女は、江部先生『糖質制限理論』を、会話に1言も出しませんでしたが、
 現在私はインスリンは投与していないんですがこの『生還・結果』です!!』

これが2013年1月の診療時です!!
この後担当医は、
『反省、学習、皆無で、トンズラしました!!』
【退職後もこの病院のグル~プに存在してます!!】

「日本医療界」が、この様な思考力では、現在の新型コロナに対応不可かなと、
思えて致し方ありません!!

本コメントはタマタマ見かけて、正解でした、
【現在の医療問題に関心ある方は、おられるという事で、安心しました!!】

上記説明知識は、シッカリと把握し於ておきます!!

そして更なる『改善・覚醒、』を期待して、証明事実を積み重ねるだけです!!

江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』出来、
更なる2度の『改善・覚醒』している8年目に、
体調快調に成りながら生活できる事に、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具


2020/08/01(Sat) 17:14 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
医療利権
いやあ、高橋カズノリさん、ぶちまけましたねえ。
私もずっと思ってたことなんですよ。

医療利権に巣くう連中は、明治維新以降同じ勢力ですよ。森鴎外もね。彼は自己矛盾に耐えられなくなったんですよ。彼らが
厳重食 による治療を潰したんですよ。
心の底から腐った連中が、この世の中を支配してるんですよ

まあ,ただそこまで言っちゃったら江部先生もこれから困っちゃうかもなあ・・・。
2020/08/01(Sat) 20:01 | URL | 厳重食 | 【編集
Re:Re:都内河北 鈴木さんへ
【専門・医療者なら、患者より改善への知識不足は、
 有ってはならないかなと考えます!!】

鈴木さんがそのように考えても、糖尿病学会はそのようには考えていません。
だからガイドラインでは高糖質治療食を推奨しています。

鈴木さんの考えている通りの医療者は、江部先生と僅かな同志しかいません。
現時点では、日本の圧倒的な多数派は糖尿病学会です。

江部先生がこのような多勢に無勢の環境で長年孤軍奮闘を続け、
患者の知識レベルを向上させ続けた努力と使命感には敬服いたします。
(鈴木さんの毎度の言葉と似てきました)
2020/08/01(Sat) 21:16 | URL | タカハシカズノリ | 【編集
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