2020年07月19日 (日)
こんにちは。
本ブログでは、肉、魚など動物性タンパク質、脂肪は人体に優しい健康食で、
たくさん食べてよいといつも述べています。
糖質を摂取すると食後血糖値が急上昇して、インスリンが大量に分泌されます。
糖質摂取で、「食後高血糖」「平均血糖幅増大」「高インスリン血症」が生じ、
酸化ストレスリスク上昇となり、人体にとって有害です。
それでは動物性タンパク質、脂肪は、安全なのでしょうか?
米国糖尿病学会は、
2019年4月、コンセンサス・レポートで糖質制限食が、
エビデンスも最も豊富と明言しました。
糖質制限食に関しては、低炭水化物食、超低炭水化物食共に記載してあります。
タンパク質の摂取比率は、一定なので、超低炭水化物食は、間違いなく高脂肪食です。
高雄病院のスーパー糖質制限食はこの「超低炭水化物食」に相当し、
脂質摂取比率は56%、タンパク質32%、糖質12%です。
さらに2020年4月、ガイドラインの「栄養療法」において
『地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、
いずれも研究で良好な結果が示されている 健康的な食事パターンの例である。
個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、および目標に焦点を当てるべきである。
糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、
血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、
個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに 適用することができる。』
としています。
従って、高脂肪食の安全性に関しては、エビデンスありですね。
さらに理論的に考察してみます。。
単純には、700万年間の農耕開始前の狩猟・採取時代には、
肉・魚はメインに摂取していたものの一つということです。
さらに絞って、我々ホモ・サピエンスは20万年間、
狩猟・採集を生業として食生活をおくり、突然変異を繰り返して、
消化管、栄養、代謝、生理システムを完成させました。
この間、雑食ではありますが、穀物なしで、肉・魚などの高タンパク食をメインに摂取しながら、
それに適合するように、人体のシステムは完成されました。
現実に、必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維、微量元素などは、
人体で生産できないので必ず食材から摂取する必要があります。
これに対して必須糖質はなく、理論的には糖質ゼロでもヒトは生きることができます。
結局、狩猟・採集をしながら完成された人体のシステムには、
狩猟・採集時代の食生活こそが本来の食生活であり健康食と言えます。
農耕開始後1万年間は、穀物が主食となりました。
しかし、狩猟・採集で形づくられた人体のシステムにとって、
摂取エネルギーの50~60%を穀物から摂取することは、本来無理筋なのです。
ヒューマン・ニュートリション 基礎・食事・臨床 第10版
JS Garrow WPT james A Ralph 編
日本語版監修 細谷憲政
上記は、英国の最も権威ある栄養学の本で、920ぺージに及ぶ大著です。
この本の75ページに
『現代の食事では、・・・・・デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、
多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。
農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、
進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』
と記載してあります。
常日頃、糖質制限食の立場から私が主張している、
「人類の主食は穀物ではない」
と完全に一致する内容ですね。
ヒューマン・ニュートリションでは、穀物の過剰摂取の害、
特に精製炭水化物による「血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇」が
多くの点で健康に有害と強調しています。
これも私が日頃主張している
「精製炭水化物摂取によるグルコースミニスパイクとインスリンの頻回・過剰分泌が
生活習慣病の元凶である。」
という説と、全く同じといっていいと思います。
江部康二
本ブログでは、肉、魚など動物性タンパク質、脂肪は人体に優しい健康食で、
たくさん食べてよいといつも述べています。
糖質を摂取すると食後血糖値が急上昇して、インスリンが大量に分泌されます。
糖質摂取で、「食後高血糖」「平均血糖幅増大」「高インスリン血症」が生じ、
酸化ストレスリスク上昇となり、人体にとって有害です。
それでは動物性タンパク質、脂肪は、安全なのでしょうか?
米国糖尿病学会は、
2019年4月、コンセンサス・レポートで糖質制限食が、
エビデンスも最も豊富と明言しました。
糖質制限食に関しては、低炭水化物食、超低炭水化物食共に記載してあります。
タンパク質の摂取比率は、一定なので、超低炭水化物食は、間違いなく高脂肪食です。
高雄病院のスーパー糖質制限食はこの「超低炭水化物食」に相当し、
脂質摂取比率は56%、タンパク質32%、糖質12%です。
さらに2020年4月、ガイドラインの「栄養療法」において
『地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、
いずれも研究で良好な結果が示されている 健康的な食事パターンの例である。
個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、および目標に焦点を当てるべきである。
糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、
血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、
個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに 適用することができる。』
としています。
従って、高脂肪食の安全性に関しては、エビデンスありですね。
さらに理論的に考察してみます。。
単純には、700万年間の農耕開始前の狩猟・採取時代には、
肉・魚はメインに摂取していたものの一つということです。
さらに絞って、我々ホモ・サピエンスは20万年間、
狩猟・採集を生業として食生活をおくり、突然変異を繰り返して、
消化管、栄養、代謝、生理システムを完成させました。
この間、雑食ではありますが、穀物なしで、肉・魚などの高タンパク食をメインに摂取しながら、
それに適合するように、人体のシステムは完成されました。
現実に、必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維、微量元素などは、
人体で生産できないので必ず食材から摂取する必要があります。
これに対して必須糖質はなく、理論的には糖質ゼロでもヒトは生きることができます。
結局、狩猟・採集をしながら完成された人体のシステムには、
狩猟・採集時代の食生活こそが本来の食生活であり健康食と言えます。
農耕開始後1万年間は、穀物が主食となりました。
しかし、狩猟・採集で形づくられた人体のシステムにとって、
摂取エネルギーの50~60%を穀物から摂取することは、本来無理筋なのです。
ヒューマン・ニュートリション 基礎・食事・臨床 第10版
JS Garrow WPT james A Ralph 編
日本語版監修 細谷憲政
上記は、英国の最も権威ある栄養学の本で、920ぺージに及ぶ大著です。
この本の75ページに
『現代の食事では、・・・・・デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、
多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。
農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、
進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』
と記載してあります。
常日頃、糖質制限食の立場から私が主張している、
「人類の主食は穀物ではない」
と完全に一致する内容ですね。
ヒューマン・ニュートリションでは、穀物の過剰摂取の害、
特に精製炭水化物による「血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇」が
多くの点で健康に有害と強調しています。
これも私が日頃主張している
「精製炭水化物摂取によるグルコースミニスパイクとインスリンの頻回・過剰分泌が
生活習慣病の元凶である。」
という説と、全く同じといっていいと思います。
江部康二
世界で一番開発が進んでいるオックスフォード大学のワクチンが画期的な前進です
抗体が3ヶ月でも効用があるのを期待したいです
英大学が開発中 ワクチン 画期的な前進
https://www.news24.jp/articles/2020/07/17/10682364.html
抗体が3ヶ月でも効用があるのを期待したいです
英大学が開発中 ワクチン 画期的な前進
https://www.news24.jp/articles/2020/07/17/10682364.html
2020/07/20(Mon) 00:33 | URL | 久堀 | 【編集】
都内河北 鈴木です。
本日記事は、読むほどに『日本糖尿病学会』という専門組織は、
何の反論もできないでしょう!!
私は、『生還、覚醒、再覚醒、』している8年目の現状で、
本日記事を、『最もだ』と、喜びの笑いと共に考えます!!
私の『糖尿病*重症化』21年間が、
江部先生『糖質制限理論』理解把握して実践で、3ヵ月足らずで、
インスリン増量3年半余りの患者が、インスリン自主離脱して、
『ヘモグロビン正常化!!』して、
『生還、』出来た事が、
証明だと考えます!!!
以降に『糖質制限理論』食生活を継続している事で、
後遺症『眼、脳梗塞、』が、
『覚醒、再覚醒、』している事実!!
*脳梗塞は、今年3月には、4度目の『覚醒、』しています!!
【改善・医療デ~タ存在してます!!】
江部先生には、面識皆無、利害関係皆無、でありながら、御礼もできない生活状況ですが、
『改善*医療デ~タ』、
『肩書だけの複数の医療者の無知の書付』が
存在している事が、日本医療界の唯一の事実だとの証明です!!!
こんな「日本医療界」では、新型ウイルスなどの解明にも、
どこぞの国を批判しているのでは、進化はなく、
自国「日本医療界」は、自戒しろと、常々考えています、改善有るまで!!
江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』でき、
更なる2度の『改善・覚醒、』している8年目に、
体調快調に成りながら生活できる事に、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
本日記事は、読むほどに『日本糖尿病学会』という専門組織は、
何の反論もできないでしょう!!
私は、『生還、覚醒、再覚醒、』している8年目の現状で、
本日記事を、『最もだ』と、喜びの笑いと共に考えます!!
私の『糖尿病*重症化』21年間が、
江部先生『糖質制限理論』理解把握して実践で、3ヵ月足らずで、
インスリン増量3年半余りの患者が、インスリン自主離脱して、
『ヘモグロビン正常化!!』して、
『生還、』出来た事が、
証明だと考えます!!!
以降に『糖質制限理論』食生活を継続している事で、
後遺症『眼、脳梗塞、』が、
『覚醒、再覚醒、』している事実!!
*脳梗塞は、今年3月には、4度目の『覚醒、』しています!!
【改善・医療デ~タ存在してます!!】
江部先生には、面識皆無、利害関係皆無、でありながら、御礼もできない生活状況ですが、
『改善*医療デ~タ』、
『肩書だけの複数の医療者の無知の書付』が
存在している事が、日本医療界の唯一の事実だとの証明です!!!
こんな「日本医療界」では、新型ウイルスなどの解明にも、
どこぞの国を批判しているのでは、進化はなく、
自国「日本医療界」は、自戒しろと、常々考えています、改善有るまで!!
江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』でき、
更なる2度の『改善・覚醒、』している8年目に、
体調快調に成りながら生活できる事に、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2020/07/20(Mon) 08:35 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
江部先生
いつも有益な記事をありがとうございます。今回の記事に関し一つ質問させてください。
記事の中にもベジタリアン食事パターンとありますが、低脂肪のプラントベースホールフード(PBWF)という食事法が、糖質制限に変わる糖尿病食として人気を集めつつあるようです。
PBWFはインスリン抵抗性の真の原因は食事中の脂肪だと主張します。脂肪のとり過ぎにより、まず脂肪細胞に炎症が起こり、その結果として脂肪組織に蓄積できなくなった脂肪は、肝臓や膵臓、骨格筋など、本来脂肪を蓄積すべきでない臓器に異所性脂肪として蓄積され、脂肪毒性と呼ばれるさまざまな臓器障害をもたらす。
筋肉細胞での脂肪毒性はGLUT4による糖の取り込みを阻害し、膵臓における脂肪毒性は、β細胞の機能不全によるインスリンの産生を阻害し、インスリン抵抗性をさらに高める。つまりインスリンがグルコースを体の細胞内に入れるのを妨害しているのは脂肪だというわけです。
PBWFは動物性タンパク質もインスリン抵抗性の要因と考えます。従って、PBWFは低脂肪(一日の摂取量が30g以下)と低動物性タンパクによって細胞内の脂肪の量を減らし、インスリン感受性を上げ、炭水化物の代謝能力は自然と上がり、糖尿病は完治すると主張します。
肥満型の方が減量によってインスリン感受性を上げることは周知の事実ですが、一般の2型糖尿病患者や境界型の方にも、低脂肪のPBWFは有益なのでしょうか?
糖質制限は高脂肪・高蛋白・低炭水化物、PBWFは低脂肪・非動物蛋白・高炭水化物と、真っ向からその主張は食い違っています。先生のご見解をお聞かせ頂ければ幸いです。
いつも有益な記事をありがとうございます。今回の記事に関し一つ質問させてください。
記事の中にもベジタリアン食事パターンとありますが、低脂肪のプラントベースホールフード(PBWF)という食事法が、糖質制限に変わる糖尿病食として人気を集めつつあるようです。
PBWFはインスリン抵抗性の真の原因は食事中の脂肪だと主張します。脂肪のとり過ぎにより、まず脂肪細胞に炎症が起こり、その結果として脂肪組織に蓄積できなくなった脂肪は、肝臓や膵臓、骨格筋など、本来脂肪を蓄積すべきでない臓器に異所性脂肪として蓄積され、脂肪毒性と呼ばれるさまざまな臓器障害をもたらす。
筋肉細胞での脂肪毒性はGLUT4による糖の取り込みを阻害し、膵臓における脂肪毒性は、β細胞の機能不全によるインスリンの産生を阻害し、インスリン抵抗性をさらに高める。つまりインスリンがグルコースを体の細胞内に入れるのを妨害しているのは脂肪だというわけです。
PBWFは動物性タンパク質もインスリン抵抗性の要因と考えます。従って、PBWFは低脂肪(一日の摂取量が30g以下)と低動物性タンパクによって細胞内の脂肪の量を減らし、インスリン感受性を上げ、炭水化物の代謝能力は自然と上がり、糖尿病は完治すると主張します。
肥満型の方が減量によってインスリン感受性を上げることは周知の事実ですが、一般の2型糖尿病患者や境界型の方にも、低脂肪のPBWFは有益なのでしょうか?
糖質制限は高脂肪・高蛋白・低炭水化物、PBWFは低脂肪・非動物蛋白・高炭水化物と、真っ向からその主張は食い違っています。先生のご見解をお聞かせ頂ければ幸いです。
2020/07/20(Mon) 11:45 | URL | ジョー | 【編集】
いつも勉強させていただいております。
動物の脂質は飽和脂肪酸が多く含まれており、動脈硬化の原因の一つと思います。
摂取量は気を付けたほうが、いいと思いますが、どうでしょうか。
動物の脂質は飽和脂肪酸が多く含まれており、動脈硬化の原因の一つと思います。
摂取量は気を付けたほうが、いいと思いますが、どうでしょうか。
2020/07/20(Mon) 12:27 | URL | としの | 【編集】
久堀 さん
情報をありがとうございます。
ワクチン、上手く完成すればいいですね。
情報をありがとうございます。
ワクチン、上手く完成すればいいですね。
2020/07/20(Mon) 13:43 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ジョー さん
いろんな仮説があるのは、そんなものだと思います。
そして様々な食事療法の中で、
2019年4月、米国糖尿病学会が、『糖質制限食が最もエビデンスが多い』
と明言していますので、
食事療法間における優劣は、もう勝負は付いていると思います。
いろんな仮説があるのは、そんなものだと思います。
そして様々な食事療法の中で、
2019年4月、米国糖尿病学会が、『糖質制限食が最もエビデンスが多い』
と明言していますので、
食事療法間における優劣は、もう勝負は付いていると思います。
2020/07/20(Mon) 14:23 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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