2020年07月01日 (水)
こんにちは。
本日の記事は、
日本人糖尿病の死因について検討した論文があったので、
要約して、考察してみました。
私も一糖尿人として、少し気になるところではあります。
もっとも、本研究の糖尿病患者さんは、糖質を普通に食べている方々です。
我々糖質セイゲニストは
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」「食後高インスリン血症」 が最小限なので、
酸化ストレスリスクが低く、悪性腫瘍にはなりにくいと思われます。
また、<糖化⇒老化> が最小限なので免疫力も維持できており、
感染症にも罹りにくいと思います。
そして、「AGEsの蓄積」も最小限なので、血管障害も生じにくいと考えられます。
―糖尿病の死因に関する委員会報告―
アンケート調査による日本人糖尿病の死因
―2001~2010 年の 10 年間,45,708 名での検討―
〔糖尿病 59(9):667~684,2016〕
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/59/9/59_667/_pdf/-char/ja
【要約】
アンケート調査方式で,全国 241 施設から 45,708 名が集計され、
2001~2010 年の10年間における日本人糖尿病患者の死因を分析した。
45,708 名中 978 名が剖検例であった。
1)<死因の順位>
全症例 45,708 名中の死因、
第 1 位は悪性新生物の 38.3 %であり,
第 2 位は感染症の 17.0 %,
第 3位は血管障害(慢性腎不全,虚血性心疾患,脳血管障害)の 14.9 %で,
糖尿病性昏睡は 0.6 %であった.
第一位、悪性新生物の中では肺癌が 7.0 %と最も高率であり、
第2位の感染症では、肺炎が多く68%を占めていました。
血管障害の中では慢性腎不全が 3.5 %に対して、
虚血性心疾患と脳血管障害がそれぞれ 4.8 %と 6.6 %でした。
虚血性心疾患のほとんどが心筋梗塞でした。
虚血性心疾患以外の心疾患が 8.7 %と意外に高率で、そのほとんどが心不全でした。
脳血管障害の内訳では脳梗塞が脳出血の 1.7 倍でした。
2)<年代別死因>
血管障害全体の比率は、30歳代以降で年代による大きな差は認められませんでした。
糖尿病性腎症による慢性腎不全は,30 歳代で,
心筋梗塞は 40 歳代で,脳血管障害は 30 歳代で比率が増加し,
それ以降の年代において同程度でした。
50 歳代までは脳出血,60 歳代以降では脳梗塞の比率が高かったです。
悪性新生物の比率は,
50歳代および 60 歳代でそれぞれ 46.3 %および 47.7 %と高率であり、
50 歳代以降で悪性新生物による死亡者全体の 97.4 %を占めていました。
感染症のなかでも肺炎による死亡比率は年代が上がるとともに高率となり、
70 歳代以降では 20.0 %と上昇しています。
肺炎による死亡者全体の 80.7 %は 70 歳代以降でした。
糖尿病性昏睡による死亡は,
10 歳代および 20 歳代でそれぞれ 14.6 %および 10.4 %と高率であり,
それらの年代では悪性新生物に次いで第 2 位でした。
3)<血糖コントロールの良否と死亡時年齢との関連>
血糖コントロール不良群では良好群に比し 1.6 歳短命でした。
その差は悪性新生物に比し
血管合併症とりわけ糖尿病性腎症による腎不全で大きかったです。
4)<糖尿病罹病期間と血管障害死の関連>
糖尿病性腎症の 73.4 %が 10 年以上の罹病期間を有していたのに対して、
虚血性心疾患および脳血管障害では、
10 年以上の罹病期間を有したのはそれぞれ 62.7 %と 50 %でした。
5)<治療内容と死因に関する全症例での検討>
食事療法単独 18.8 %、経口血糖降下薬療法 33.9 %、インスリン療法 41.9 %と、
インスリン治療患者さんが最も死亡者が多かったです。
とりわけ糖尿病性腎症では53.7 %を占め、
虚血性心疾患での 38.9 %,脳血管障害での 39 %に比べて高頻度でした。
インスリン治療が必要なさんは、
食事療法単独や経口血糖降下薬治療の患者さんに比べると、
糖尿病がより重症であったと考えられます。
6)<糖尿病患者の平均死亡時年齢>
男性 71.4 歳、女性 75.1 歳で、
同時代の日本人一般の平均寿命に比して、
それぞれ 8.2 歳、11.2 歳短命でした。
しかしながら,前回(1991~2000 年)の調査成績と比べると、
男性で 3.4 歳、女性で 3.5 歳の延命が認められ、
日本人一般における平均寿命の伸び(男性 2.0 歳,女性 1.7 歳)より大きかったです。
江部康二
本日の記事は、
日本人糖尿病の死因について検討した論文があったので、
要約して、考察してみました。
私も一糖尿人として、少し気になるところではあります。
もっとも、本研究の糖尿病患者さんは、糖質を普通に食べている方々です。
我々糖質セイゲニストは
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」「食後高インスリン血症」 が最小限なので、
酸化ストレスリスクが低く、悪性腫瘍にはなりにくいと思われます。
また、<糖化⇒老化> が最小限なので免疫力も維持できており、
感染症にも罹りにくいと思います。
そして、「AGEsの蓄積」も最小限なので、血管障害も生じにくいと考えられます。
―糖尿病の死因に関する委員会報告―
アンケート調査による日本人糖尿病の死因
―2001~2010 年の 10 年間,45,708 名での検討―
〔糖尿病 59(9):667~684,2016〕
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/59/9/59_667/_pdf/-char/ja
【要約】
アンケート調査方式で,全国 241 施設から 45,708 名が集計され、
2001~2010 年の10年間における日本人糖尿病患者の死因を分析した。
45,708 名中 978 名が剖検例であった。
1)<死因の順位>
全症例 45,708 名中の死因、
第 1 位は悪性新生物の 38.3 %であり,
第 2 位は感染症の 17.0 %,
第 3位は血管障害(慢性腎不全,虚血性心疾患,脳血管障害)の 14.9 %で,
糖尿病性昏睡は 0.6 %であった.
第一位、悪性新生物の中では肺癌が 7.0 %と最も高率であり、
第2位の感染症では、肺炎が多く68%を占めていました。
血管障害の中では慢性腎不全が 3.5 %に対して、
虚血性心疾患と脳血管障害がそれぞれ 4.8 %と 6.6 %でした。
虚血性心疾患のほとんどが心筋梗塞でした。
虚血性心疾患以外の心疾患が 8.7 %と意外に高率で、そのほとんどが心不全でした。
脳血管障害の内訳では脳梗塞が脳出血の 1.7 倍でした。
2)<年代別死因>
血管障害全体の比率は、30歳代以降で年代による大きな差は認められませんでした。
糖尿病性腎症による慢性腎不全は,30 歳代で,
心筋梗塞は 40 歳代で,脳血管障害は 30 歳代で比率が増加し,
それ以降の年代において同程度でした。
50 歳代までは脳出血,60 歳代以降では脳梗塞の比率が高かったです。
悪性新生物の比率は,
50歳代および 60 歳代でそれぞれ 46.3 %および 47.7 %と高率であり、
50 歳代以降で悪性新生物による死亡者全体の 97.4 %を占めていました。
感染症のなかでも肺炎による死亡比率は年代が上がるとともに高率となり、
70 歳代以降では 20.0 %と上昇しています。
肺炎による死亡者全体の 80.7 %は 70 歳代以降でした。
糖尿病性昏睡による死亡は,
10 歳代および 20 歳代でそれぞれ 14.6 %および 10.4 %と高率であり,
それらの年代では悪性新生物に次いで第 2 位でした。
3)<血糖コントロールの良否と死亡時年齢との関連>
血糖コントロール不良群では良好群に比し 1.6 歳短命でした。
その差は悪性新生物に比し
血管合併症とりわけ糖尿病性腎症による腎不全で大きかったです。
4)<糖尿病罹病期間と血管障害死の関連>
糖尿病性腎症の 73.4 %が 10 年以上の罹病期間を有していたのに対して、
虚血性心疾患および脳血管障害では、
10 年以上の罹病期間を有したのはそれぞれ 62.7 %と 50 %でした。
5)<治療内容と死因に関する全症例での検討>
食事療法単独 18.8 %、経口血糖降下薬療法 33.9 %、インスリン療法 41.9 %と、
インスリン治療患者さんが最も死亡者が多かったです。
とりわけ糖尿病性腎症では53.7 %を占め、
虚血性心疾患での 38.9 %,脳血管障害での 39 %に比べて高頻度でした。
インスリン治療が必要なさんは、
食事療法単独や経口血糖降下薬治療の患者さんに比べると、
糖尿病がより重症であったと考えられます。
6)<糖尿病患者の平均死亡時年齢>
男性 71.4 歳、女性 75.1 歳で、
同時代の日本人一般の平均寿命に比して、
それぞれ 8.2 歳、11.2 歳短命でした。
しかしながら,前回(1991~2000 年)の調査成績と比べると、
男性で 3.4 歳、女性で 3.5 歳の延命が認められ、
日本人一般における平均寿命の伸び(男性 2.0 歳,女性 1.7 歳)より大きかったです。
江部康二
都内河北 鈴木です。
本日記事は、江部先生『糖質制限理論』実践者には、
大変安心のデ~タ満載だなと考えます!!
私の『生還、覚醒、再覚醒、』も、
上記デ~タが元になってのものだなと、感慨深いです!!
以前問題視していた『ペットフ~ド』の『糖質量』ですが、
人類は『糖質』を食べて良いわけは無いかなと、
疑問に考えなければならないかなと、考えます!!
何故「日本医療界」の、糖尿病・専門組織「日本糖尿病学会」は、
日本国民の健康を考えているのかな??と、
江部先生『糖質制限理論』実践で、
翌日より感じた『血糖値・減少』効果です!!
『生還、覚醒、再覚醒、』している8年間、
何故、時代進化・解明した『糖質・害毒』を専門医が患者へ告知しないかなと、
時あるごとに考えています!!
<【上記を何故、「日本糖尿病学会」は、気付かないかなと考えます!!】>
江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』でき、
更なる2度の『改善・覚醒、』して体調快調に生活している事に、
感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
本日記事は、江部先生『糖質制限理論』実践者には、
大変安心のデ~タ満載だなと考えます!!
私の『生還、覚醒、再覚醒、』も、
上記デ~タが元になってのものだなと、感慨深いです!!
以前問題視していた『ペットフ~ド』の『糖質量』ですが、
人類は『糖質』を食べて良いわけは無いかなと、
疑問に考えなければならないかなと、考えます!!
何故「日本医療界」の、糖尿病・専門組織「日本糖尿病学会」は、
日本国民の健康を考えているのかな??と、
江部先生『糖質制限理論』実践で、
翌日より感じた『血糖値・減少』効果です!!
『生還、覚醒、再覚醒、』している8年間、
何故、時代進化・解明した『糖質・害毒』を専門医が患者へ告知しないかなと、
時あるごとに考えています!!
<【上記を何故、「日本糖尿病学会」は、気付かないかなと考えます!!】>
江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』でき、
更なる2度の『改善・覚醒、』して体調快調に生活している事に、
感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2020/07/01(Wed) 20:38 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
いつも楽しく拝見!
素晴らしいレポートですね!
big dataによる多くのお医者さんが協力されてます。
特に死因別dataに注目しました
新井圭輔先生、水野雅登先生もご著書でインスリン”毒説"を明言されてます。
”5)<治療内容と死因に関する全症例での検討>
食事療法単独 18.8 %
経口血糖降下薬療法 33.9 %
インスリン療法 41.9 %”
ところで多くの医師が協力されている調査委員会と糖尿病学会との
関係はどうなっているのでしょうか?
学会も従来方針を変更されて、開業医の方々にも情報提供されることを
強く望みたいです!
素晴らしいレポートですね!
big dataによる多くのお医者さんが協力されてます。
特に死因別dataに注目しました
新井圭輔先生、水野雅登先生もご著書でインスリン”毒説"を明言されてます。
”5)<治療内容と死因に関する全症例での検討>
食事療法単独 18.8 %
経口血糖降下薬療法 33.9 %
インスリン療法 41.9 %”
ところで多くの医師が協力されている調査委員会と糖尿病学会との
関係はどうなっているのでしょうか?
学会も従来方針を変更されて、開業医の方々にも情報提供されることを
強く望みたいです!
2020/07/01(Wed) 21:25 | URL | gintora | 【編集】
今般の新型コロナ騒動では、1型糖尿病に罹患した人もいると思います。
スーパー糖質制限実践による、1型糖尿病罹患抑止効果につい、是非知りたいところです。
スーパー糖質制限実践による、1型糖尿病罹患抑止効果につい、是非知りたいところです。
2020/07/02(Thu) 15:13 | URL | 石川 | 【編集】
gintora さん
この研究に参加した医師は、勿論、全員、日本糖尿病学会の会員です。
私、江部康二も、2006年12月10日から、日本糖尿病学会会員です。
この研究に参加した医師は、勿論、全員、日本糖尿病学会の会員です。
私、江部康二も、2006年12月10日から、日本糖尿病学会会員です。
2020/07/02(Thu) 16:58 | URL | ドクター江部 | 【編集】
石川 さん
スーパー糖質制限食による1型糖尿病罹患抑止効果については、よくわかりません。
一方、スーパー糖質制限食実践者は、新型コロナに罹患しにくいですし、
罹患しても重症化することは少ないと思います。
私の立場は、
①糖尿人なら、糖質制限食で血糖コントロールは良好となる。
②正常型の人なら、糖質制限食実践で、将来の糖尿病発症を予防できる。
③糖質制限食なら「AGEs」の蓄積が最小限ですむので、「糖化⇒老化」も最小限ですむ。
従って、免疫力も同年齢の普通食の人に比べると高い。
④穀物なしの食事は、人類700万年間の歴史のほとんどを占める、「人類本来の食事」、「人類の健康食」である。
ということです。
スーパー糖質制限食による1型糖尿病罹患抑止効果については、よくわかりません。
一方、スーパー糖質制限食実践者は、新型コロナに罹患しにくいですし、
罹患しても重症化することは少ないと思います。
私の立場は、
①糖尿人なら、糖質制限食で血糖コントロールは良好となる。
②正常型の人なら、糖質制限食実践で、将来の糖尿病発症を予防できる。
③糖質制限食なら「AGEs」の蓄積が最小限ですむので、「糖化⇒老化」も最小限ですむ。
従って、免疫力も同年齢の普通食の人に比べると高い。
④穀物なしの食事は、人類700万年間の歴史のほとんどを占める、「人類本来の食事」、「人類の健康食」である。
ということです。
2020/07/02(Thu) 17:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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