2020年06月01日 (月)
こんにちは。
サンデー毎日2020年6月7日号、140ページ~143ページに
糖質制限食のススメ
なぜ糖尿病患者はコロナが重症化しやすいのか
江部康二医師が緊急考察
という記事が掲載されました。
サンデー毎日の記事の、元原稿を、本日のブログ記事とします。
ブログ記事は、サンデー毎日掲載記事とは、趣旨は一緒ですが、内容に結構違いがあります。
以下、元原稿です。
「コロナに負けない"巣ごもり"糖質制限」
で免疫力向上
新型コロナウィルス感染症が猛威を振るっています。
その名のごとく新型なのでわかならいことが多く、対応も試行錯誤の状態です。
特効薬は勿論ありませんし、ワクチンもないので、
一番リーズナブルな対応策は「密集」「密閉」「密接」の3密を避けるということになりますが、
日本は欧州や米国に比べて、かなり持ちこたえている状況です。
握手したりハグする習慣がないのも功を奏しているのかもしれません。
一方世界では、この約半年ですでに約31万人が死亡しています。
「人と接触しない」ということで、私もひたすら家にこもっています。
ほぼ病院と家の往復で、週に1回くらい、酒屋さんや生協にマスクをしてでかけるくらいです。
食事は勿論スーパー糖質制限食ですので、
「コロナに負けない"巣ごもり"糖質制限」状態で免疫力を向上させつつ日々を過ごしています。
<新型コロナウィルスは血中に侵入できる>
新型コロナウィルスは、容易に血中に侵入できることが脅威です。
オランダの病院で、新型コロナ入院患者198人において、静脈血栓塞栓症(VTE)の発生率を調査して、
2020年5月5日に報告しています。
198人中、28人(14%)が亡くなっています。
39人の患者(20%)がVTEと診断されています。https://www.preprints.org/manuscript/202004.0345/v1
やはり、血中に侵入し血管壁を傷害し、血管炎を起こすというのは凶悪な性質です。
これに対してインフルエンザウィルスは血中に侵入することは極めてまれで、
基本的には、その存在は呼吸器と消化器にとどまります。
インフルエンザ脳症はありますが、脳内にはインフルエンザウィルスは存在しません。
インフルエンザに罹患した人がアセトアミノフェン以外の「消炎鎮痛剤」を内服したとき、
それをきっかけに「サイトカインストーム」(☆)を生じて、インフルエンザ脳症を発症します。
<川崎病、欧米でも集団感染が各国で発生>
川崎病は日本で、増えていましたが、欧米ではまれな病気でした。
川崎病は乳幼児に好発する急性熱性疾患であり、
全身の中型・小型の筋性動脈での血管炎を主病変とした血管炎症候群です。
何らかの感染がきっかけとなり、自然免疫系の過剰な活性化を生じ、、
サイトカインストームとなり、発熱、眼球結膜充血、血管炎、発疹、手指の紅斑などを誘発してくるものと考えられています。
このように欧米ではまれとされる川崎病ですが、
今回は、発病者が世界各地で報告されています。
世界各地で同時期に多数の症例数が出ることは、かつてありませんでした。
そのため欧米では、新型コロナウイルスが川崎病の発症に関連している可能性を研究し始めています。
<大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」とコロナ考察>
新型コロナウィルス感染症、日本での発端は、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客でした。
その後クルーズ船乗員3,711名にPCR検査をして、634名に陽性反応が出ました。
当初から、306名の人に発熱や咳あるいは肺炎などの症状がありましたが、
その後、新たに症状が出現した人たちもあり、
本当に無症状(不顕性感染)であった人を推計すると113人になりPCR検査で陽性であった人の17.9%でした。
感染しても発症しなかったのは、免疫力が高かった人と考えられます。
現時点で特効薬もワクチンもないわけですから、
自分自身の免疫力を高めて自己防衛するのが、最もリーズナブルな戦略と言えます。
『感染せずにはねのける』あるいは『感染しても全く無症状で、そのうち新型コロナウィルスも消失する』
といったパターンなら本人は全く元気です。
しかしながら、感染しているが無症状の場合は他人に感染させるおそれがあるので、
この時期、エチケットとして出歩くときはマスクをすることが必要です。
<新型コロナ、市中の感染率は?免疫の役割は?>
現実に、4月中旬に慶応大病院が公表したデータが、大変興味深いものでした。
入院前と手術前の患者67人に新型コロナウイルスのPCR検査をしたところ、
6%に当たる4人が陽性だったといいます。
いずれも全くの無症状で、病院は「市中で感染したと考えられる」としています。
単純に考えると東京の市中感染率は17人に1人ということになります。
神戸中央市民病院の新型コロナとは別の病気で4月7日までの8日間に外来を受診した患者1000人のデータでは、
2.7%の人にIgG抗体が陽性でした。
加藤勝信厚生労働相は15日午前の閣議後記者会見で、
東京都と東北地方で行っていた試験的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)抗体検査の結果、
東京都の陽性率は500検体で0.6パーセント、東北6県は500検体で0.4パーセントだったと発表しました。
つまり、誰でも普通に市中で新型コロナに感染する機会があるということであり、
免疫力増強以外に根本的な予防法はありません。
そんなわけで、今回は糖質制限食と免疫力向上について検討してみます。
免疫力とは、病原菌や毒素やその他の異物に対して、抵抗して打ちかつ能力です。
体には、まずは「ウイルスや細菌を体内に侵入させない」ためのシステムと、
「侵入した敵と戦う」という2段階の免疫の仕組みが存在しています。
<第一段階 防御=「粘膜免疫」>
日々の生活で、体内にはウイルスや細菌、花粉などの“ 異物” が絶えず侵入しようとします。
これらの異物を“ 侵入” させないように私たちの体を守っているのが「粘膜免疫」です。
粘膜免疫が働く場所は、目、鼻、口、気管支、腸管などの粘膜です。
ここで異物が粘膜を介して体内に入るのを防ぎ、体外に出してしまうことで感染を防ぎます。
<第二段階 攻撃=「全身免疫」>
病原体が「粘膜免疫」を突破して体内に侵入し、増殖してしまった状態が「感染」です。
体に侵入したウイルスや細菌に対しては、第2段階の「全身免疫」が働きます。
一つ目が、病原体の侵入後、直ちに働く「自然免疫」です。
白血球の一種である「好中球」「マクロファージ」が病原体を飲みこみます。
一方で、全身を常にパトロールしているリンパ球の一種「NK(ナチュラルキラー)細胞」は、
外敵が侵入すると即座に攻撃し、病原体に感染した細胞をも直接破壊します。
この「自然免疫」に続いて、二つ目の「獲得免疫」が働きだします。
外敵が侵入したとの知らせを「ヘルパーT細胞」が受け取ると、
ヘルパーT細胞は周囲の免疫細胞に対して「増殖しろ」「分化しろ」と働きかけ、
言わば司令塔の役割を果たします。
その命令を受けると、「キラーT細胞」や「NK(ナチュラルキラー)細胞」は活性化し病原体を攻撃します。
「好中球」は病原体の侵入場所に集まります。
また、B細胞と呼ばれるリンパ球の一種は分化して病原体を無効化する「IgA」「IgG」などの抗体を産生します。
全身免疫のシステムでは、免疫細胞が病原体を捕えて、排除するよう働きます。
さて糖質セイゲニストにおいては、糖質を食べている人に比べると
<①ケトン体高値><②AGEs(☆☆)の蓄積が少ない><③血糖変動幅が小さい>
①②③という3つの免疫力を高めるアドバンテージがあります。
<①ケトン体高値>
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
SGLT2阻害薬(糖尿病治療薬)の大規模臨床試験である「EMPA-REG OUTCOM試験」「CANVAS試験」において、
心臓・腎臓・脳保護作用が、認められました。
その理由として、SGLT2阻害薬による血中ケトン体高値が、
心臓・腎臓・脳保護に良い影響を与えている可能性が示唆されました。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、さらに期待できますね。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。
<②AGEsの蓄積が少ない>
②により、<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済みます。
老化すれば、免疫力も低下するのは必然です。
私は、52歳の時に糖尿病の確定診断がついて、以降は70歳現在まで18年間スーパー糖質制限食を続けています。
*歯は全て残り虫歯なし。
*目は裸眼で広辞苑が読める。
*身長は縮んでいない。
*聴力低下なし。
*夜間尿なし。
*血圧正常:120~135/75~85
*内服薬なし。
*糖尿病合併症なし。
*HbA1c:5.6%~5.8%(発症時6.7%で、その後の数値)
*身長:167cm 体重:57kg前後
勿論、髪の毛は白くなり、前髪はやや後退気味であり、
完全に老化が防げているわけではありません。
しかし『糖化の延長上にある老化』は、最小限ですんでいるので、
上記が達成できているのだと思います。
逆に言えば、AGEsの蓄積が、歯周病・虫歯、視力低下、背が縮む、聴力低下、夜間頻尿など老化症状の元凶と言えます。
AGEsが蓄積すれば全身の血流・代謝が悪くなるので当然免疫力も低下します。
同年代の糖質を摂取している人に比べたら、糖質セイゲニストは、老化の少ない分、免疫力はかなり高いと思います。
<③血糖変動幅が小さい>
糖尿病でない正常型の人でも、中年以降は、普通に糖質を摂取していると、
食後1時間血糖値は160~180mg/dlくらいになります。
国際糖尿病連合は、食後1時間も2時間も血糖値160mg/dl未満を目標としていますので、
糖尿病ない人も当然この目標を満たす必要があります。
さらに正常型でインスリン分泌能力が充分ある人は、
食後160mg/dlとかの血糖値になると大量のインスリンを追加分泌します。
その結果、食後3~4~5時間血糖値が60~70mg/dlくらいに下がって、凸凹状態となります。
すなわち血糖変動幅増大でこれが酸化ストレスリスクとなります。
またインスリン過剰分泌そのものも活性酸素を発生させ酸化ストレスとなります。
酸化ストレスは免疫力を低下させますが、糖質制限食なら、
血糖変動幅増大もインスリン過剰分泌もないので酸化ストレスを防ぎ、免疫力を向上させます。
<結論>
①②③により、糖質セイゲニストの免疫力は高いと思います。
私も糖尿人ではありますがコントロール良好であり、
同年代の糖質を普通に食べている健常人(AGEsの蓄積が多い)よりも免疫力は高いと思います。
皆さんもスーパー糖質制限食実践で免疫力を高め新型コロナを撃退しましょう。
(☆)サイトカインストーム
免疫細胞の活性化や機能抑制には、サイトカインと総称される生理活性蛋白質が重要な役割を担っています。
サイトカインは免疫系のバランスの乱れなどによってその制御がうまくいかなくなると、
サイトカインの過剰な産生状態を引き起こし、ひどい場合には致死的な状態に陥ります。
全身の細胞から通常量をはるかに超えるサイトカインが放出され、
体内を嵐のように駆け巡ります。
この過剰反応をサイトカインストームと呼びます。
(☆☆)AGEs
糖化とは、ブドウ糖(グルコース)などの糖が、直接たんぱく質などに結合する反応のことです。
糖尿病の検査指標として一般的に使われているヘモグロビンA1c(HbA1c)は糖化したヘモグロビンのことです。
HbA1cは、たんぱく質と糖が結合する「糖化反応系」の初期段階で作られる物質で、
さらに糖化反応が進むと、最終的に「終末糖化産物(AGEs=advanced glycation endproducts)」ができあがります。
AGEsは糖尿病合併症の元凶であるとともに、老化の元凶とも言われています。
『糖質制限食十箇条』2020年版
-糖尿病や肥満が気になる人に-
一、 糖質の摂取を減らす。可能なら一回の食事の糖質量は20g以下とする。
二、 糖質制限した分、タンパク質や脂質が主成分の食品は充分量食べる。
三、やむを得ず主食(ご飯、パン、麺類など)を摂るときは少量とする。
四、水、番茶、麦茶、ほうじ茶などゼロカロリー飲料はOK。果汁・清涼飲料水はNG。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類はOK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)、糖質ゼロ発泡酒はOK。辛口ワインも適量OK。
醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツはNG。
十、可能なら化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
サンデー毎日2020年6月7日号、140ページ~143ページに
糖質制限食のススメ
なぜ糖尿病患者はコロナが重症化しやすいのか
江部康二医師が緊急考察
という記事が掲載されました。
サンデー毎日の記事の、元原稿を、本日のブログ記事とします。
ブログ記事は、サンデー毎日掲載記事とは、趣旨は一緒ですが、内容に結構違いがあります。
以下、元原稿です。
「コロナに負けない"巣ごもり"糖質制限」
で免疫力向上
新型コロナウィルス感染症が猛威を振るっています。
その名のごとく新型なのでわかならいことが多く、対応も試行錯誤の状態です。
特効薬は勿論ありませんし、ワクチンもないので、
一番リーズナブルな対応策は「密集」「密閉」「密接」の3密を避けるということになりますが、
日本は欧州や米国に比べて、かなり持ちこたえている状況です。
握手したりハグする習慣がないのも功を奏しているのかもしれません。
一方世界では、この約半年ですでに約31万人が死亡しています。
「人と接触しない」ということで、私もひたすら家にこもっています。
ほぼ病院と家の往復で、週に1回くらい、酒屋さんや生協にマスクをしてでかけるくらいです。
食事は勿論スーパー糖質制限食ですので、
「コロナに負けない"巣ごもり"糖質制限」状態で免疫力を向上させつつ日々を過ごしています。
<新型コロナウィルスは血中に侵入できる>
新型コロナウィルスは、容易に血中に侵入できることが脅威です。
オランダの病院で、新型コロナ入院患者198人において、静脈血栓塞栓症(VTE)の発生率を調査して、
2020年5月5日に報告しています。
198人中、28人(14%)が亡くなっています。
39人の患者(20%)がVTEと診断されています。https://www.preprints.org/manuscript/202004.0345/v1
やはり、血中に侵入し血管壁を傷害し、血管炎を起こすというのは凶悪な性質です。
これに対してインフルエンザウィルスは血中に侵入することは極めてまれで、
基本的には、その存在は呼吸器と消化器にとどまります。
インフルエンザ脳症はありますが、脳内にはインフルエンザウィルスは存在しません。
インフルエンザに罹患した人がアセトアミノフェン以外の「消炎鎮痛剤」を内服したとき、
それをきっかけに「サイトカインストーム」(☆)を生じて、インフルエンザ脳症を発症します。
<川崎病、欧米でも集団感染が各国で発生>
川崎病は日本で、増えていましたが、欧米ではまれな病気でした。
川崎病は乳幼児に好発する急性熱性疾患であり、
全身の中型・小型の筋性動脈での血管炎を主病変とした血管炎症候群です。
何らかの感染がきっかけとなり、自然免疫系の過剰な活性化を生じ、、
サイトカインストームとなり、発熱、眼球結膜充血、血管炎、発疹、手指の紅斑などを誘発してくるものと考えられています。
このように欧米ではまれとされる川崎病ですが、
今回は、発病者が世界各地で報告されています。
世界各地で同時期に多数の症例数が出ることは、かつてありませんでした。
そのため欧米では、新型コロナウイルスが川崎病の発症に関連している可能性を研究し始めています。
<大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」とコロナ考察>
新型コロナウィルス感染症、日本での発端は、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客でした。
その後クルーズ船乗員3,711名にPCR検査をして、634名に陽性反応が出ました。
当初から、306名の人に発熱や咳あるいは肺炎などの症状がありましたが、
その後、新たに症状が出現した人たちもあり、
本当に無症状(不顕性感染)であった人を推計すると113人になりPCR検査で陽性であった人の17.9%でした。
感染しても発症しなかったのは、免疫力が高かった人と考えられます。
現時点で特効薬もワクチンもないわけですから、
自分自身の免疫力を高めて自己防衛するのが、最もリーズナブルな戦略と言えます。
『感染せずにはねのける』あるいは『感染しても全く無症状で、そのうち新型コロナウィルスも消失する』
といったパターンなら本人は全く元気です。
しかしながら、感染しているが無症状の場合は他人に感染させるおそれがあるので、
この時期、エチケットとして出歩くときはマスクをすることが必要です。
<新型コロナ、市中の感染率は?免疫の役割は?>
現実に、4月中旬に慶応大病院が公表したデータが、大変興味深いものでした。
入院前と手術前の患者67人に新型コロナウイルスのPCR検査をしたところ、
6%に当たる4人が陽性だったといいます。
いずれも全くの無症状で、病院は「市中で感染したと考えられる」としています。
単純に考えると東京の市中感染率は17人に1人ということになります。
神戸中央市民病院の新型コロナとは別の病気で4月7日までの8日間に外来を受診した患者1000人のデータでは、
2.7%の人にIgG抗体が陽性でした。
加藤勝信厚生労働相は15日午前の閣議後記者会見で、
東京都と東北地方で行っていた試験的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)抗体検査の結果、
東京都の陽性率は500検体で0.6パーセント、東北6県は500検体で0.4パーセントだったと発表しました。
つまり、誰でも普通に市中で新型コロナに感染する機会があるということであり、
免疫力増強以外に根本的な予防法はありません。
そんなわけで、今回は糖質制限食と免疫力向上について検討してみます。
免疫力とは、病原菌や毒素やその他の異物に対して、抵抗して打ちかつ能力です。
体には、まずは「ウイルスや細菌を体内に侵入させない」ためのシステムと、
「侵入した敵と戦う」という2段階の免疫の仕組みが存在しています。
<第一段階 防御=「粘膜免疫」>
日々の生活で、体内にはウイルスや細菌、花粉などの“ 異物” が絶えず侵入しようとします。
これらの異物を“ 侵入” させないように私たちの体を守っているのが「粘膜免疫」です。
粘膜免疫が働く場所は、目、鼻、口、気管支、腸管などの粘膜です。
ここで異物が粘膜を介して体内に入るのを防ぎ、体外に出してしまうことで感染を防ぎます。
<第二段階 攻撃=「全身免疫」>
病原体が「粘膜免疫」を突破して体内に侵入し、増殖してしまった状態が「感染」です。
体に侵入したウイルスや細菌に対しては、第2段階の「全身免疫」が働きます。
一つ目が、病原体の侵入後、直ちに働く「自然免疫」です。
白血球の一種である「好中球」「マクロファージ」が病原体を飲みこみます。
一方で、全身を常にパトロールしているリンパ球の一種「NK(ナチュラルキラー)細胞」は、
外敵が侵入すると即座に攻撃し、病原体に感染した細胞をも直接破壊します。
この「自然免疫」に続いて、二つ目の「獲得免疫」が働きだします。
外敵が侵入したとの知らせを「ヘルパーT細胞」が受け取ると、
ヘルパーT細胞は周囲の免疫細胞に対して「増殖しろ」「分化しろ」と働きかけ、
言わば司令塔の役割を果たします。
その命令を受けると、「キラーT細胞」や「NK(ナチュラルキラー)細胞」は活性化し病原体を攻撃します。
「好中球」は病原体の侵入場所に集まります。
また、B細胞と呼ばれるリンパ球の一種は分化して病原体を無効化する「IgA」「IgG」などの抗体を産生します。
全身免疫のシステムでは、免疫細胞が病原体を捕えて、排除するよう働きます。
さて糖質セイゲニストにおいては、糖質を食べている人に比べると
<①ケトン体高値><②AGEs(☆☆)の蓄積が少ない><③血糖変動幅が小さい>
①②③という3つの免疫力を高めるアドバンテージがあります。
<①ケトン体高値>
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
SGLT2阻害薬(糖尿病治療薬)の大規模臨床試験である「EMPA-REG OUTCOM試験」「CANVAS試験」において、
心臓・腎臓・脳保護作用が、認められました。
その理由として、SGLT2阻害薬による血中ケトン体高値が、
心臓・腎臓・脳保護に良い影響を与えている可能性が示唆されました。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、さらに期待できますね。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。
<②AGEsの蓄積が少ない>
②により、<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済みます。
老化すれば、免疫力も低下するのは必然です。
私は、52歳の時に糖尿病の確定診断がついて、以降は70歳現在まで18年間スーパー糖質制限食を続けています。
*歯は全て残り虫歯なし。
*目は裸眼で広辞苑が読める。
*身長は縮んでいない。
*聴力低下なし。
*夜間尿なし。
*血圧正常:120~135/75~85
*内服薬なし。
*糖尿病合併症なし。
*HbA1c:5.6%~5.8%(発症時6.7%で、その後の数値)
*身長:167cm 体重:57kg前後
勿論、髪の毛は白くなり、前髪はやや後退気味であり、
完全に老化が防げているわけではありません。
しかし『糖化の延長上にある老化』は、最小限ですんでいるので、
上記が達成できているのだと思います。
逆に言えば、AGEsの蓄積が、歯周病・虫歯、視力低下、背が縮む、聴力低下、夜間頻尿など老化症状の元凶と言えます。
AGEsが蓄積すれば全身の血流・代謝が悪くなるので当然免疫力も低下します。
同年代の糖質を摂取している人に比べたら、糖質セイゲニストは、老化の少ない分、免疫力はかなり高いと思います。
<③血糖変動幅が小さい>
糖尿病でない正常型の人でも、中年以降は、普通に糖質を摂取していると、
食後1時間血糖値は160~180mg/dlくらいになります。
国際糖尿病連合は、食後1時間も2時間も血糖値160mg/dl未満を目標としていますので、
糖尿病ない人も当然この目標を満たす必要があります。
さらに正常型でインスリン分泌能力が充分ある人は、
食後160mg/dlとかの血糖値になると大量のインスリンを追加分泌します。
その結果、食後3~4~5時間血糖値が60~70mg/dlくらいに下がって、凸凹状態となります。
すなわち血糖変動幅増大でこれが酸化ストレスリスクとなります。
またインスリン過剰分泌そのものも活性酸素を発生させ酸化ストレスとなります。
酸化ストレスは免疫力を低下させますが、糖質制限食なら、
血糖変動幅増大もインスリン過剰分泌もないので酸化ストレスを防ぎ、免疫力を向上させます。
<結論>
①②③により、糖質セイゲニストの免疫力は高いと思います。
私も糖尿人ではありますがコントロール良好であり、
同年代の糖質を普通に食べている健常人(AGEsの蓄積が多い)よりも免疫力は高いと思います。
皆さんもスーパー糖質制限食実践で免疫力を高め新型コロナを撃退しましょう。
(☆)サイトカインストーム
免疫細胞の活性化や機能抑制には、サイトカインと総称される生理活性蛋白質が重要な役割を担っています。
サイトカインは免疫系のバランスの乱れなどによってその制御がうまくいかなくなると、
サイトカインの過剰な産生状態を引き起こし、ひどい場合には致死的な状態に陥ります。
全身の細胞から通常量をはるかに超えるサイトカインが放出され、
体内を嵐のように駆け巡ります。
この過剰反応をサイトカインストームと呼びます。
(☆☆)AGEs
糖化とは、ブドウ糖(グルコース)などの糖が、直接たんぱく質などに結合する反応のことです。
糖尿病の検査指標として一般的に使われているヘモグロビンA1c(HbA1c)は糖化したヘモグロビンのことです。
HbA1cは、たんぱく質と糖が結合する「糖化反応系」の初期段階で作られる物質で、
さらに糖化反応が進むと、最終的に「終末糖化産物(AGEs=advanced glycation endproducts)」ができあがります。
AGEsは糖尿病合併症の元凶であるとともに、老化の元凶とも言われています。
『糖質制限食十箇条』2020年版
-糖尿病や肥満が気になる人に-
一、 糖質の摂取を減らす。可能なら一回の食事の糖質量は20g以下とする。
二、 糖質制限した分、タンパク質や脂質が主成分の食品は充分量食べる。
三、やむを得ず主食(ご飯、パン、麺類など)を摂るときは少量とする。
四、水、番茶、麦茶、ほうじ茶などゼロカロリー飲料はOK。果汁・清涼飲料水はNG。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類はOK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)、糖質ゼロ発泡酒はOK。辛口ワインも適量OK。
醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツはNG。
十、可能なら化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
コロナ重症患者皆無っぽい。カキコ出来る前に死んでいる人いるかも知れませんがwww
◎コロナウィルスも「糖質大好き」っぽい
と感じてます。血液中の血糖も大好きで侵入するようだし。
◎コロナウィルスも「糖質大好き」っぽい
と感じてます。血液中の血糖も大好きで侵入するようだし。
2020/06/02(Tue) 00:41 | URL | らこ | 【編集】
都内河北 鈴木です。
本日記事読み、江部先生『糖質制限理論』で、
『生還、覚醒、再覚醒、』している8年目の1患者としては、
時代進化・解明した食生活理論を、
時間はかかりましたが、名の有る情報誌が取り上げるのは、
『当然至極だなと考えます!!』
【何事であれ改善有る事を告知しても
『実践可否は、自由なのだからです!!』】
『日本医療界は、隠蔽体質だという事です!!』
何故なら、私自身が証明の『改善・皆無なカロリ~制限理論』を
宗教の如く「信奉」しているからです!!
インドネシアの主相が『糖質制限理論』を国民に実践には、
『時間は、かかる』と発言ありました事から頷けます!!
「日本医療界」の専門組織「日本糖尿病学会」に21年間の
後半7年間「医療世界情報・隠蔽」され、
『殺されかけた患者』が、3か月足らずで改善して
『生還、覚醒、再覚醒、』してる存在を
「改善・医療デ~タ」で証明してる事が、
不思議だと考え無いかなと、考えます!!!
【江部先生『糖質制限理論』は、
『脚気・高木兼寛医師』を勝る時代進化・解明・理論だと考えます!!】
江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』でき、
更なる2度の『改善、』している8年目に体調快調に成りながら、
生活できる事に、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
本日記事読み、江部先生『糖質制限理論』で、
『生還、覚醒、再覚醒、』している8年目の1患者としては、
時代進化・解明した食生活理論を、
時間はかかりましたが、名の有る情報誌が取り上げるのは、
『当然至極だなと考えます!!』
【何事であれ改善有る事を告知しても
『実践可否は、自由なのだからです!!』】
『日本医療界は、隠蔽体質だという事です!!』
何故なら、私自身が証明の『改善・皆無なカロリ~制限理論』を
宗教の如く「信奉」しているからです!!
インドネシアの主相が『糖質制限理論』を国民に実践には、
『時間は、かかる』と発言ありました事から頷けます!!
「日本医療界」の専門組織「日本糖尿病学会」に21年間の
後半7年間「医療世界情報・隠蔽」され、
『殺されかけた患者』が、3か月足らずで改善して
『生還、覚醒、再覚醒、』してる存在を
「改善・医療デ~タ」で証明してる事が、
不思議だと考え無いかなと、考えます!!!
【江部先生『糖質制限理論』は、
『脚気・高木兼寛医師』を勝る時代進化・解明・理論だと考えます!!】
江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』でき、
更なる2度の『改善、』している8年目に体調快調に成りながら、
生活できる事に、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2020/06/02(Tue) 15:37 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
先生はじめまして。フロリダに住んで25年になりますがずっと前から先生の著書の本を日本から買って読んでいます。私は60歳です。35歳から二型糖尿病です。
それから低糖質ダイエットをゆるくやって A1cは平均6.7% くらいです。薬はメトフォルミン1000m g pranden を毎食二錠 糖質の高いものを食べる時にnovoペン を使います。ランタスソロスターも4ユニット 朝打ちます。 あとは血圧の薬 Enalapril 10mg , コレステロールの薬 Atorvastatin 10mg を1日一回ずつ飲んでいます。 ご存知のように アメリカでは日本よりコロナウイルス対策はうまくいきません。私は怖さでパラノイアになってしまいました。ザナックスを0.5 mg 医者から出してもらいました。 今 こそ 先生の言われるように スーパー糖質制限をして運動もちゃんとしようと思い先月から挑戦しています。 あまりにも恐怖心が強いので先生から何かアドバイスがあれば教えて頂きたくコメントしています。
夫は私の事は心配していますがやはり外人 友達との交流は続けています。 私はとにかくやれる事だけやるしかないと思います。どうか何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。
それから低糖質ダイエットをゆるくやって A1cは平均6.7% くらいです。薬はメトフォルミン1000m g pranden を毎食二錠 糖質の高いものを食べる時にnovoペン を使います。ランタスソロスターも4ユニット 朝打ちます。 あとは血圧の薬 Enalapril 10mg , コレステロールの薬 Atorvastatin 10mg を1日一回ずつ飲んでいます。 ご存知のように アメリカでは日本よりコロナウイルス対策はうまくいきません。私は怖さでパラノイアになってしまいました。ザナックスを0.5 mg 医者から出してもらいました。 今 こそ 先生の言われるように スーパー糖質制限をして運動もちゃんとしようと思い先月から挑戦しています。 あまりにも恐怖心が強いので先生から何かアドバイスがあれば教えて頂きたくコメントしています。
夫は私の事は心配していますがやはり外人 友達との交流は続けています。 私はとにかくやれる事だけやるしかないと思います。どうか何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。
先生はじめまして。アメリカ フロリダに住む 60歳の女性日本人です。 アメリカに住んで25年になりますが20年前から二型糖尿病になり 先生の著書の本を買ってなるべく糖質制限して A1cは平均6.7% です。
使っている薬はメトフォルミン1000mg 朝晩 Atorvastatin 10 mg Enalapril 10mg を1日一回 pranden を毎食前2錠
ランタスソロスター4ユニット 一回 高糖質のものを
食べる時 ノボペンを2ー5ユニット使っています。
アメリカではコロナウイルス対策が良くないです。私の主人も外人ですから私の事を気遣い気を付けていますがやはり外人 友達とは頻繁に会っています。
やはり私はパラノイアのようになってしまいました。医者からザナックスを0.5 mg 処方されて飲んでいます。
一か月前からスーパー糖質制限にしています。散歩20分を朝晩 ヨガを30分やっています。それでも心配で心配で心が折れそうです。何か私にアドバイスがありましたらどうぞ教えてください!お願いします。長期戦になる事なのでやれる事はやって免疫力つけたいです。お願いします。
使っている薬はメトフォルミン1000mg 朝晩 Atorvastatin 10 mg Enalapril 10mg を1日一回 pranden を毎食前2錠
ランタスソロスター4ユニット 一回 高糖質のものを
食べる時 ノボペンを2ー5ユニット使っています。
アメリカではコロナウイルス対策が良くないです。私の主人も外人ですから私の事を気遣い気を付けていますがやはり外人 友達とは頻繁に会っています。
やはり私はパラノイアのようになってしまいました。医者からザナックスを0.5 mg 処方されて飲んでいます。
一か月前からスーパー糖質制限にしています。散歩20分を朝晩 ヨガを30分やっています。それでも心配で心配で心が折れそうです。何か私にアドバイスがありましたらどうぞ教えてください!お願いします。長期戦になる事なのでやれる事はやって免疫力つけたいです。お願いします。
Misae さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
なるべく糖質制限して A1cは平均6.7%なら、コントロール良好であり、合併症の心配はとても少ないです。
スーパー糖質制限食なら、さらにHbA1cが改善するので、
新型コロナ重症化リスクも同年代の一般人とほとんど変わらなくなると思います。
ランタスソロスター4単位もとても少量で、好ましいです。
スーパー糖質制限食なら、ノボペンとpranden(グリニド系薬剤)も休薬できると思います。
スーパー糖質制限食なら
「ケトン体高値」「AGEsの蓄積が最小限」「血糖変動幅増大なし」なので
免疫力が高まると思います。
拙著のご購入、ありがとうございます。
なるべく糖質制限して A1cは平均6.7%なら、コントロール良好であり、合併症の心配はとても少ないです。
スーパー糖質制限食なら、さらにHbA1cが改善するので、
新型コロナ重症化リスクも同年代の一般人とほとんど変わらなくなると思います。
ランタスソロスター4単位もとても少量で、好ましいです。
スーパー糖質制限食なら、ノボペンとpranden(グリニド系薬剤)も休薬できると思います。
スーパー糖質制限食なら
「ケトン体高値」「AGEsの蓄積が最小限」「血糖変動幅増大なし」なので
免疫力が高まると思います。
2020/06/03(Wed) 21:21 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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