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内蔵脂肪と脂肪肝、アルコールと糖質制限食の関係について
【日付 名前
20/05/29 Yuki yoshi

内臓脂肪と肝臓脂肪は違うんですか?
アルコールと糖質制限食の相関関係についての先生の意見をお願い致します。】


こんにちは。
Yuki yoshi さんから、
内蔵脂肪と脂肪肝、アルコールと糖質制限食の関係について
コメント、質問を頂きました。

<脂肪蓄積、糖質摂取とインスリン分泌>
三大栄養素のうち、直接血糖値を上げるのは糖質だけであり、タンパク質と脂質は上げません。
糖質を摂取して血糖値が上昇するとインスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませますが、
余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄えます。
インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄えます。
インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制します。
このようにインスリンは三重の肥満ホルモンなのです。
そしてインスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみです。

<内臓脂肪とは?>
糖質とインスリンのコンビで、中性脂肪が体内に蓄積していきます。
一般には『体脂肪=皮下脂肪+内臓脂肪』です。
これに加えて
第三の脂肪である異所性脂肪(例えば脂肪肝)があります。

内臓脂肪は、腸間膜につく脂肪のことです。
腸を固定する膜が腸間膜ですが、
この部分に絡みつくように脂肪が蓄積して内臓脂肪となります。
内臓脂肪が過剰にたまるとお腹がポコッと出てきますが、
その腹囲がメタボリックシンドロームの診断基準の一つになっています。

<内蔵脂肪と悪玉ホルモン>
内臓脂肪がが過剰にたまると、
TNFα(ティエヌエフアルファ)、PAI-1(パイワン)、アンジオテンシノーゲンなどの
悪玉ホルモンが分泌されるようになります。(☆)
メタボリックシンドロームによって起こる悪玉ホルモンの分泌は、
糖尿病を引き起こしたり悪化させたりし、また高血圧を助長するのみならず、
直接的に動脈硬化の進行を促進するため、心臓病や脳卒中の危険を高めるのです。

<異所性脂肪>

最近、体脂肪のなかでも「異所性脂肪」というものが注目されています。
皮下脂肪、内臓脂肪と同じ中性脂肪ですが、この二つに続く“第三の脂肪”、
あるいはテレビ番組などで“場違い脂肪”とも呼ばれています。
皮下脂肪はその名のとおり、皮膚の下にある皮下組織につく脂肪のことで、
体温を維持したり、エネルギーを貯蔵したり、外からの衝撃に対するクッションの役割を果たします。

それに対して異所性脂肪は、
皮下脂肪や内臓脂肪の脂肪組織に入りきらなくなった脂肪が
“本来たまるはずのない場所”に蓄積されたものです。
その場所とは、
心臓や肝臓、膵臓といった臓器自体やその周囲、さらには筋肉(骨格筋)などです。

<脂肪肝>
異所性脂肪の代表格が脂肪肝です。
脂肪肝とは、文字通り肝臓に脂肪が蓄積した状態です。
近年、30代~40代を中心に増加傾向にあります。
日本人間ドック学会が2016年に発表した「全国集計結果」では、
「肝機能異常」のある人は、20年前と比較すると10.5ポイント上昇して、
男性の40.2%、女性の22.8%にみられました。
これらのほとんどが脂肪肝と思われます。

脂肪肝は

1)非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD:nonalcoholic fatty liver disease)
a)単純脂肪肝:肥満などによるもの
b)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:Non-Alcoholic SteatoHepatitis)

2)アルコール性脂肪肝:飲酒によるもの

3)妊娠に伴うもの:急性妊娠性脂肪肝 (AFLP:Acute Fatty Liver of Pregnancy)

などにわけられます。

NAFLD(nonalcoholic fatty liver disease、非アルコール性脂肪肝疾患)は、
アルコールを原因としない脂肪肝です。

NAFLDの8割から9割は炎症や線維化を伴わない「単純性脂肪肝」です。
多くは肥満が関係します。
単純脂肪肝の予後は良好です。

非アルコール性の脂肪肝はかつては、
放置してもさしたることはないと言われていましたが、
近年、上述の「NASH」が認識されるようになり、様相が一変しました。
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis)を略してNASHです。

NASHは、肝炎から肝硬変や肝臓癌に進展することもあり、結構こわいのです。
NAFLDの1割くらいがNASHです。
結局、炎症を伴うか否かが、肝要ですが、
単純性脂肪肝からNASHへ進行することもあります。

[肝臓に脂肪が蓄積→脂肪肝→非アルコール性脂肪性肝炎→肝硬変→肝癌]
このようにB型ウィルスやC型ウィルスや飲酒以外に、NASHからも肝癌になり得るので、
油断は禁物です。


(☆)
TNFα(ティエヌエフアルファ)
インスリンの働きを妨げる作用があります。内臓脂肪が増えると分泌が高まり、インスリン抵抗性をもたらし、糖尿病を引き起こしたり悪化させる一因になります。

PAI-1(パイワン)
内臓脂肪の増加とともに分泌が高まり、血栓ができるとそれを融解させるプラスミンの働きを妨げ、血栓を大きくし、血流をさえぎる状態をつくります。メタボリックシンドロームでは、脂質異常症・高血圧・糖尿病があって動脈硬化が進行しますので、そこに血栓のできやすい状態が加われば、心筋梗塞や脳梗塞の危険が高まります。

アンジオテンシノーゲン
血圧を上昇させる作用のアンジオテンシンの分泌を高めます。内臓脂肪がたまると分泌が増加して、血圧を上昇させ、高血圧を招く一因となります。


長くなりました。
アルコールと糖質制限食の相関関係については次回とします。

江部康二
コメント
丁寧な説明ありがとうございます!昼食、夕食の時間はいつなんですか?
2020/05/29(Fri) 17:54 | URL | Yuki yoshi | 【編集
Re: タイトルなし
Yuki yoshi さん

通常、昼は、高雄病院の糖質制限給食で、12時~13時の間くらいです。
通常、夕食は、19時~20時くらいです。
夜診のある火曜日と水曜日は、夕食は20:30~21:30くらいです。
2020/05/29(Fri) 19:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
返信ありがとうございます。質問ばかりで申し訳ありませんが、間食、夜食などはたまにはするんでしょうか?
2020/05/29(Fri) 20:46 | URL | Yuki yoshi | 【編集
本日『脂肪』説明は、必読ですね!!
都内河北 鈴木です。

本日の『脂肪』説明は、『無知は怖い』なと考えます!!

私は、『生還、覚醒、再覚醒、』して8年目ですが、
30歳の時風邪で診察して血液検査で『脂肪肝だね。』と言われましたが、
それが悪化で38歳時には「糖尿病発症しました!!」

28年前ですから江部先生『糖質制限理論』食生活は、存在しない時代です!!

2005年江部先生『糖質制限理論』を発表されても、
専門医が、改善・無視している事が、されている事が疑問ですが!!

【現在の「日本医療界」の糖尿病・専門組織「日本糖尿病学会」
信奉・病院、担当医達も、
患者より知識皆無では、致し方ないですね!!】と、
『生還、覚醒、再覚醒、』して、発言できます!!

何しろ私は、江部先生には、『生還、覚醒、再覚醒、』でき、
更なる2度の『改善、』している8年目に、
更なる「真理」を学習できる事には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具

2020/05/29(Fri) 23:08 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
Re: タイトルなし
Yuki yoshi さん

間食は、ほとんどなしです。
夕食後は、晩酌で、焼酎の水割り2~3杯か、赤ワインをボトル半分くらいです。
赤ワインは、最近はピノノワール単独が多いです。
チリワインが、比較的安くて美味しいです。
おつまみは、チーズ、焼き海苔、糖質の少ないナッツです。
2020/05/30(Sat) 13:07 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます。結構お酒を飲むのにビックリしました😳
2020/05/30(Sat) 15:39 | URL | Yuki yoshi | 【編集
乾性咳嗽:かんせいがいそう についての質問
スーパー糖質制限食実行11年目の らこ です。
丸10年以上、無くなっていた「睡眠中のカラ咳」が再発してしまいました><

◎咳 糖尿病 google検索トップが  たけおクリニック https://www.takeo-clinic.com/naika/seki.html

でした。糖質制限食は小さく扱っている糖尿病専門医 とのことです。
表示ページ に原因として「後鼻漏」がありますが、これがスーパー糖質制限食実行11年目でも完治しておりません。なたまめ茶も11年以上飲んでいて「対症療法」ですが、睡眠中の咳は止まっていました。それが10年以上ぶりに復活してしまいました。

1. 睡眠中の咳は糖尿病合併症と関係あるのでしょうか?
2. 後鼻漏は「スーパー糖質制限食実行 + なたまめ茶」で少なくとも起床時は完全に収まっているのですが、何か追加した方が良いことがあれば、ご教示下さいまで。
2020/05/31(Sun) 22:19 | URL | らこ | 【編集
Re: 乾性咳嗽:かんせいがいそう についての質問
らこ さん

後鼻漏があるということは、「アレルギー性鼻炎」か「副鼻腔炎」がありそうです。
副鼻腔炎も最近はアレルギーが関与していることが多いです。

私も長年のアレルギー性鼻炎がありますが、酒を飲み過ぎるとてきめん、悪化します。
らこさんも、酒量を減らして実験してみてください。
やはり若いときと比べると、適正な酒量は、年齢とともに、かなり少なくなっていると思います。

1、糖尿病合併症とは無関係と思います。
2、酒量を減らしましょう。
 <インターバル速歩>などの運動もいいです。

2020/06/01(Mon) 15:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
後鼻漏は糖尿病合併症です!
江部先生、早速のご回答ありがとうございます。

私らこ は、遅くとも5才で扁桃腺摘除手術を受けた時以来、最低44年間、鼻詰まりで口呼吸して生きて来ました。なたまめ茶飲用開始したのは、スーパー糖質制限食実行前です。鼻詰まりは軽くなったのですが、口呼吸は出来ませんでした。それが、スーパー糖質制限食実行1週間しないで

1. 若年性アルツハイマー型認知症完治
2. 両眼性複視完治
3. 後鼻漏大巾改良 → 鼻呼吸開始10年以上継続

でした。順番はわかりませんでしたが、多分両眼性複視完治が最後です。両眼性複視完治の時には

◎小銭数えは万全
◎鼻呼吸はこんなに楽で、においがするのか!

と感じていましたから。
2泊3日旅行になたまめ茶忘れたら、速攻で鼻詰まり戻りましたがwww

加齢と共に酒に弱くなる、は教訓として試行してみます。ありがとうございます。
2020/06/01(Mon) 23:55 | URL | らこ | 【編集
両眼性複視 原因 google検索トップ
木村眼科内科病院 https://kimura-eye.or.jp/mb/mb_ssi/

わかり易い説明で、糖尿病起因が明記されてます。
2009年当時は、この解説はありませんでした。そんな当時、私らこ が「糖尿病起因の成人病か?」「高血圧起因の成人病か?」を必死に判断して、糖尿病と信じ、糖尿病解決のベスト治療が「スーパー糖質制限食実行」と判断、実行しました。

◎49才時私らこ =糖尿病合併症のデパート

でした。
最も「死への近道合併症=若年性アルツハイマー型認知症」でした。父と同じく「赤信号認識できず」だから、交通事故は遅かれ早かれ必ず来ます><

◎両眼性複視=糖尿病合併症明記は冒頭HPのみ

後鼻漏も両眼性複視も「はっきり糖尿病合併症」です。あぁ、アルツハイマー型認知症もwww
2020/06/02(Tue) 22:27 | URL | らこ | 【編集
後鼻漏治療効果
◎スーパー糖質制限食 > なたまめ茶

後鼻漏治療の2大治療法は

1. なたまめ茶
2. 鼻うがい

鼻うがいの方が安いですが、誤ると中耳炎になったりするので、1包6円のなたまめ茶使っています。

◎なたまめ茶だけ時代 → 口呼吸できず
◎スーパー糖質制限食だけの時 → 鼻かみ続けて少なくとも起床時は鼻呼吸

誰がどう見ても、スーパー糖質制限食の方が圧倒的に効果あります。
ちなみにアルツハイマー型認知症も

◎スーパー糖質制限食実行 > 鼻インスリン投与

です。1週間足らずで完治ですからwww
2020/06/02(Tue) 22:55 | URL | らこ | 【編集
Re: 後鼻漏治療効果
らこ さん

なたまめ茶も、らこさんには、良く合っているのでしょう。
一方、なたまめ茶があまり効果がない人もいると思います。

その点スーパー糖質制限食は、人類本来の食事であり人類の健康食ですから
「糖質制限禁忌の病気の人達」を除けば、ほとんどの人に有効と思われます。
2020/06/03(Wed) 20:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
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