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BCGワクチンは、新型コロナ感染にも他の感染症にも有効か?
【日付 名前
20/04/20 駐在君
BCGワクチンとサイトカイン応答

あくまで仮説の域を出ませんが、新型コロナウィルス肺炎において日本型BCGワクチン接種国が易学的に桁違いの致死率の低さ(非摂取の欧米国とは2桁以上の差)を示している件ですが、これは新生児BCGワクチン接種がサイトカイン応答に影響しているためと考えられます。
「インターロイキン-6(IL6:Interleukin-6)は、炎症性サイトカインおよび抗炎症性サイトカインの両方として作用するインターロイキンである」と言われてますが、下記オックスフォード大のチームによると「新生児BCGワクチン接種が高レベルのインターロイキン6(IL-6)の状況下で抗炎症性サイトカインとして特徴づけられる。」とあります。またBCGワクチン接種が自然免疫系を調節するという仮説を示唆してます。BCG仮説が正しいとすると(少なくとも現状データでは正しい気がします。)、専門家会議の西浦教授が言う「日本でR0=2.5」と言うデータの根拠も全く不明なこともあり、個人的には欧米のような感染爆発が日本で起こるとは考えてません。メディアが恐怖を煽って軽症者までが病院に押し寄せた結果、医療崩壊を招くようなことがない様、皆が冷静になることが必要だと思います。

https://academic.oup.com/jid/article/217/11/1798/4837044

https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/anti-il-6-antibody-pgi.asp?entry_id=33843



駐在君から、興味深いコメントを頂きました。
駐在君、いつも、とても有益な情報をありがとうございます。
私は、英語は苦手なのですが、
最近<グーグル翻訳>がかなり優れものとなってきて嬉しい限りです。
BCGは、新型コロナだけでなく、いろんな感染症の予防に役立つ可能性があるようです。
BCGは、インターロイキン-6を介して自然免疫(訓練された免疫)を強化するといった効果を有すようです。(☆)
その効果で、新型コロナウィルスにも一定有効な可能性があります。

世界各国の新型コロナウィルス陽性の感染者数は、検査数によって大きく異なる可能性があります。
例えば日本は検査数が非常に少ないと欧米から指摘されています。
また、死亡者数も国の人口と比較する必要があります。
そういった影響のないように、一定人口に対する志望者の割合をみてみると、
Our World in Data(https://ourworldindata.org/grapher/total-covid-deaths-per-million)というサイトの
COVID-19情報(4月11日)によれば、
人口100万人に対する死者数の割合の
上位3国はスペイン338.8、イタリア311.7、フランス202.1、米国56.7、日本0.69となっています。
高齢者の死亡率は高いのですが、日本は超高齢化国なのに、死亡者が極めて少ないのです。

WHOのデータによれば、結核が撲滅された欧米諸国では人口10万人あたりの結核感染者数は25人未満です。
そして欧米のCOVID-19の死亡者は急増中です。
これに対し、中国や韓国では25人以上100人未満です。
モンゴルでは結核の感染者数は人口10万人あたり300人以上報告されていますが、COVID-19の死亡者はまだいません。

BCGの接種プログラムのない高所得国のCOVID-19による死亡者の割合は、
高齢化率を加味してもBCG接種が義務付けられている中~高所得国より高いとされています。
このような背景から、BCG接種プログラムを持たないドイツ、オランダ、オーストラリアでは、
医療従事者の新型コロナウイルス感染・重症化予防のためにBCG接種を行う臨床研究を開始しました。

インターロイキン-6は、炎症性サイトカインおよび抗炎症性サイトカインの両方として作用するインターロイキンです。
インターロイキン-6は自然免疫から獲得免疫への移行を指揮する上で不可欠な役割を担っています。

こうなると、あくまでも仮説段階ではありますが、
BCG接種が、新型コロナウィルスを始めとして、様々な感染症の予防や改善に
一定の効果を有する可能性が高いと思います。
日本人の約98%がBCG摂取を受けています。
この仮説が正しいなら、
日本では、ヨーロッパや米国のような感染爆発は起こらないと思いますし、そう願いたいです。

BCGと新型コロナウイルスについては
大隅典子東北大学大学院医学系研究科教授がブログで解説されています。
https://nosumi.exblog.jp/28020527/


なお駐在君にご教示頂いた
https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/anti-il-6-antibody-pgi.asp?entry_id=33843
のサイト (コスモ・バイオ株式会社)に、
インターロイキン-6の説明が記載してありますので参考にして頂ければ幸いです。


(☆)
新生児BCGワクチン接種はToll様受容体リガンドと異種抗原に対するサイトカイン応答に影響を与える。
Journal of Infectious Diseases、Volume 217、Issue 11、2018年6月1日

<バックグラウンド>
BCGワクチン接種は、高死亡率環境での全死因の乳児死亡率の低下に関連しています。
根本的なメカニズムは不明のままですが、自然免疫応答(訓練された免疫)の長期的な変調が関与している可能性があります。

<方法>
新生児BCGワクチン接種の無作為化試験に登録された212人の新生児から無作為化後7日で収集された全血検体は、殺された病原体とToll様受容体(TLR)リガンドで刺激され、サイトカイン反応を調べました。

<結果>
BCGワクチン接種された乳児は、刺激されていないサンプルでインターロイキン6(IL-6)の産生が増加し、インターロイキン1受容体拮抗薬、IL-6、IL-10およびケモカインマクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP-1α)、MIP-1βおよびペプチドグリカン(TLR2)およびR848(TLR7 / 8)による刺激後の単球走化性タンパク質1(MCP-1)の産生が減少しました。
BCGワクチン接種された乳児はまた、異種病原体による刺激に続いてMCP-1応答が減少しました。性別および母親のBCGワクチン接種状況は、新生児BCGワクチン接種と相互作用しました。

<結論>
新生児BCGワクチン接種は、TLRリガンドおよび異種病原体に対するサイトカイン応答に影響を与えます。この効果は、刺激されていないサンプルにおけるIL-6のレベルが高い状況で、抗炎症性サイトカインとケモカインの応答が低下することを特徴としています。これは、BCGワクチン接種が自然免疫システムを調節するという仮説を支持します。これらの調査結果と、全死因死亡率に対するBCGワクチンの有益な非特異的(非相同)効果との間に関連があるかどうかを判断するために、さらなる研究が必要です。


https://academic.oup.com/jid/article/217/11/1798/4837044
Neonatal BCG Vaccination Influences Cytokine Responses to Toll-like Receptor Ligands and Heterologous Antigens
The Journal of Infectious Diseases, Volume 217, Issue 11, 1 June 2018, Pages 1798–1808,

Abstract
BACKGROUND:
BCG vaccination is associated with a reduction in all-cause infant mortality in high-mortality settings. The underlying mechanisms remain uncertain, but long-term modulation of the innate immune response (trained immunity) may be involved.

METHODS:
Whole-blood specimens, collected 7 days after randomization from 212 neonates enrolled in a randomized trial of neonatal BCG vaccination, were stimulated with killed pathogens and Toll-like receptor (TLR) ligands to interrogate cytokine responses.

RESULTS:
BCG-vaccinated infants had increased production of interleukin 6 (IL-6) in unstimulated samples and decreased production of interleukin 1 receptor antagonist, IL-6, and IL-10 and the chemokines macrophage inflammatory protein 1α (MIP-1α), MIP-1β, and monocyte chemoattractant protein 1 (MCP-1) following stimulation with peptidoglycan (TLR2) and R848 (TLR7/8). BCG-vaccinated infants also had decreased MCP-1 responses following stimulation with heterologous pathogens. Sex and maternal BCG vaccination status interacted with neonatal BCG vaccination.

CONCLUSIONS:
Neonatal BCG vaccination influences cytokine responses to TLR ligands and heterologous pathogens. This effect is characterized by decreased antiinflammatory cytokine and chemokine responses in the context of higher levels of IL-6 in unstimulated samples. This supports the hypothesis that BCG vaccination modulates the innate immune system. Further research is warranted to determine whether there is an association between these findings and the beneficial nonspecific (heterologous) effects of BCG vaccine on all-cause mortality.


江部康二
コメント
岸本忠三氏の言葉!!
都内河北 鈴木です。

本日の記事は、駐在君さんの説明に只々「納得しかありません!!」

日本の過去の医療者は、日本国だけでなく、
世界へ時代進化対応した世界医学へ貢献していたんだなと考えます!!

江部先生本ブログを読んで知った、「岸本忠三氏、IL-6発見者」!!

医学界では、ノ~ベル賞に匹敵する発見だと、認識していました!!
その岸本先生が、本日ブログで駐在君さんコメントにも、記されています事は、
何か感動を感じます!!

岸本先生は、自身の組織機関誌で、東大・門脇孝氏との対談で、
「糖質が、血糖を上げるなら、食べなければ良い。」
との言葉で、岸本先生は「糖質制限理論を容認していると考えます!!」

この時も、門脇氏は、「糖質の必要性を、述べていました。」
呆れますが!!

何故なら私は、当時「生還、」していたのだから、門脇氏を医学者として、
疑問視していました!!
現在もですが、「日本闘病病学会」配下の病院、担当医に、
殺されかけたのですから!!
【改善・医療デ~タ存在しています!!】

本日記事は、日本人として日本医学者に、
江部先生同様に、感謝感動します!!
駐在君さんにも感謝します!!

江部先生には、「糖質制限理論」理解把握し実践で、
「生還、覚醒、再覚醒、」でき、
更なる2度の「改善、」している8年目に、
感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具



2020/04/23(Thu) 15:02 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
新型コロナウイルス情報
初めて投稿させて頂きます。
江部先生のご著書、東京講演、朝日カルチャー立川教室などで勉強させて頂き、毎日ブログを読むのを楽しみにしております。
お忙しい中、いつも有益な情報を惜しみなく発信して下さり有難うございます。
本日記事内容と違う投稿で申し訳ないのですが、
医薬ビジランスセンターのHP、『薬のチェック』速報No.184〜186に新型コロナウイルスの情報があります。

https://npojip.org

4月19日の江部先生の記事でNSAIDs投与によるサイトカインストームのお話がありましたが、医薬ビジランスセンターの情報ではアセトアミノフェンも基本的に害があるとの見解なのですが、どの様に判断するべきか…?
よろしければ江部先生のご意見をお聞かせ願えればと思います。
お時間のある時、どうぞ宜しくお願いいたします。
2020/04/23(Thu) 19:35 | URL | 葉月 | 【編集
イヌイットとBCG
イヌイットは貧困が原因で結核が多く、BCGは有効だったようです

Inuit Tuberculosis Elimination Framework

https://www.itk.ca/wp-content/uploads/2018/12/FINAL-ElectronicEN-Inuit-TB-Elimination-Framework.pdf


A systematic review of BCG vaccination policies among high-risk groups in low TB-burden countries: implications for vaccination strategy in Canadian indigenous communities

https://bmcpublichealth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12889-019-7868-9
2020/04/23(Thu) 21:05 | URL | 中嶋一雄 | 【編集
BCG接種について
イギリスは1953年から2005年まで、フランスは1950年から2007年まで義務化されていました。
https://en.wikipedia.org/wiki/BCG_vaccine#Europe
つまり、イギリスは15歳~65歳、フランスは13歳~70歳までBCGを受けている事になります。
それでも、死者はイギリスが1万8千人、フランスが2万1千人です。
BCGに効果あるのか、疑問です。
2020/04/24(Fri) 14:10 | URL | e10go | 【編集
新型コロナは全身の血管に感染することが判明
江部先生

ネットの記事ですが、掲載します。

------------------------------------
『高齢者の重症化原因? 新型コロナは全身の血管に感染することが判明』

https://nazology.net/archives/57616

<中略>
今回の研究により、ウイルスは肺に存在するACE2にだけ感染するのではなく、体全体の血管内皮に存在するACE2にも感染することが判明しました。

ウイルスが感染した血管内皮は炎症を引き起こすだけでなく、ウイルスが細胞を喰い破る物理的な破壊を受けて体内で出血を引き起こします。

高齢者や血管系にかかわる生活習慣病などの持病がある人は既に血管が弱っているため、ウイルスによる感染と破壊に血管が耐えきれず、症状が重篤化すると考えられます。

------------------------------------

こうならないためにも、普段から糖質Off、高血糖回避が欠かせませんね。


ちなみに上記e10goさんの懸念されてます件ですが、
ヨーロッパで使用していたデンマーク株は効果が薄いようです。
日本の東京172株は最強ですので、自己免疫がブーストアップされていると期待しています(^^;

2020/04/24(Fri) 16:42 | URL | 福助 | 【編集
Re: 新型コロナウイルス情報
葉月 さん

副作用のない薬は、ありませんので、
アセトアミノフェンでも副作用はあり得ると思います。
以下、浜六郎先生のご見解です。
【アセトアミノフェンは、NSAIDs 解熱剤よりは害が多少少ないのですが、アセトアミノフェンといえども、大量に使って平熱に下げると感染症を悪化させます。例えば、小児の水痘に使うと治癒までの時間が長引きました。そして、敗血症など重篤な感染症の発熱をアセトアミノフェンで平熱にまで下げると、ヒトでも死亡の危険度が 7 倍になりました。】

アセトアミノフェンの常用量では、38℃と39℃の熱が、平熱まで下がることはまれです。
基本、薬なしが一番ですが、『熱で寝られない、食事ができない』とかを放置して体力を消耗するよりは、
適量のアセトアミノフェンで、37℃後半くらいまで下げるとかなり楽になります。
浜六郎先生も、平熱まで下げるなということを、強調しておられますね。
2020/04/24(Fri) 17:33 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: イヌイットとBCG
中嶋一雄 先生

情報をありがとうございます。

2020/04/24(Fri) 17:35 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 新型コロナは全身の血管に感染することが判明
福助 さん

コメントありがとうございます。

『新型コロナは全身の血管に感染する』
これは大変恐ろしいです。
インフルエンザウィルスは、血中にも入れないのと比べると脅威です。
これほど、人体に都合悪くできている悪意を感じるようなウィルスは過去にもないような気がします。
こうなると『人工的に作られたウィルス?』というのが、信憑性を帯びてきていますね。

【ヨーロッパで使用していたデンマーク株は効果が薄いようです。
日本の東京172株は最強ですので、自己免疫がブーストアップされていると期待しています(^^;】

なるほど、とても嬉しい情報をありがとうございます。
腕にBCGの判子を押されて、跡形が残っても良かったです。
2020/04/24(Fri) 17:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
BCG接種について
BCG仮説ではBCG株の違いが重要で、易学的に見てBCG ロシア株、BCG日本株、BCGモロー(ブラジル)株の第一世代BCGワクチンが新型コロナウィルスには効果的ですが、イギリス、フランスは西欧型で効果は上記に比べるとそれほど期待できないようです。同じドイツでも戦後体制でBCG株が別れた西欧型の旧西ドイツとロシア株の旧東ドイツの違いが興味深いです。http://agora-web.jp/archives/2045229.html
2020/04/24(Fri) 18:26 | URL | 駐在君 | 【編集
Re: BCG接種について
駐在君

コメント、ありがとうございます。

BCG、ソビエト株・日本株・ブラジル株が、新型コロナにも有効みたいですね。
2020/04/24(Fri) 18:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
お忙しい中、早速のご回答ありがとうございました
基本解熱剤なし、状況に応じて使用ですね。
高熱の場合、アセトアミノフェンの常用量では平熱まで下がることはまれなのですね。
勉強になりました。
どうもありがとうございました。
2020/04/24(Fri) 19:08 | URL | 葉月 | 【編集
アラスカでの出来事
妹がアラスカ州に嫁いでいるのですが、ツベルクリン反応の話です。
そこは村で、お医者さんがいないので、看護師さんとお医者さんの中間くらいの資格の人が〔看護師だけど、簡単な処方やエコー検査など出来る資格があるらしく)村の人を集めてツベルクリン反応をした事があったそうです。日本人は妹一人で、陽性だったのは妹だけ。赤くなった腕を見て、看護師が、結核よーこの子結核よーと叫び大騒ぎに。みんなから、汚い!あっちへ行けと唾を吐きかけられたり罵られたらしいです。妹は日本で看護師をしていましたので、これはBCGを打ったからだと言ったそうですが、ツベルクリン反応を見に来た他の医療従事者も村民と同じ様な反応だったそうです。そして、医師に説得されて抗結核剤を飲んだと言ってました。BCGはしなくて、結核を見つけたら、薬を飲ませる方法なのだなと思いました。

なので、BCGがコロナに効くとしたら、その様な地域は蔓延はあり得ると思います。

※妹はいじめられ続けた訳ではなく、その後看護師として広まり、村長さんから頼まれて病気の人を訪問して、遠隔で医師に指示を仰いだりして、若干社会貢献しました。
2020/04/24(Fri) 22:30 | URL | 太郎 | 【編集
Re: アラスカでの出来事
太郎 さん

それは、妹さん災難でしたね。
でも今は看護師として社会貢献しておられるなら良かったです。

ともあれ、日本型BCGは、新型コロナに対する抵抗力を高めてくれているのは、間違いないようです。
妹さんも、他の米国人に比べると、<27.2人 ÷ 0.6 = 45>
45倍くらい抵抗力が高いと思います。
2020/04/25(Sat) 18:31 | URL | ドクター江部 | 【編集
知識の違いは、怖いですね!!
都内河北 鈴木です。

太郎さんのアラスカの妹さんは、現在に知識違いで大変でしたね!!

だが勘違いだけなら良いが、反省、学習皆無の現在の
「日本医療界」の糖尿病・専門組織、
「日本糖尿病学会」が、
「勘違いどころではない」、時代進化皆無の改善皆無の
『隠蔽医療そのものです!!』

21年間の後半転院時より7年間「医療世界情報・隠蔽」され通院で、
患者私が、『殺されかけたのですから!!』

しかし、江部先生「糖質制限理論」理解把握実践で、
『生還、覚醒、再覚醒、』して、
更なる2度の『改善、』している、
8年目の体調快調に成りながらの現在があります!!

江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2020/04/26(Sun) 12:48 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
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