糖尿病と人工透析、糖質制限導入前と後との差は?

12 -
こんにちは。
糖尿病合併症としての人工透析について、考察してみました。

糖尿病三大合併症のうち、
神経障害と網膜症は初診時すでに発症している患者さんもおられますが、
糖質制限食開始後、症状が改善した人もおられます。
糖尿病腎症からの人工透析が一番経過がわかりやすいので調べてみました。

毎年糖尿病腎症から16000人以上が人工透析になっていて、
疾患別では第一位です。
厚生労働省の2016年のデータで1000万人が糖尿病です。
2016年のデータで単純計算すると、
毎年新たに糖尿人の0.16%が透析に、
つまり糖尿人625人に1人が透析になっています。

今回のブログのデータは、
高雄病院及び江部診療所で私が定期的に診察している患者さんが対象です。

1999年、江部洋一郎高雄病院院長(当時)が糖質制限食導入
2001年、江部康二が糖質制限食導入
2002年、江部康二自身が糖尿病で糖質制限食開始

1978年から高雄病院勤務
1989年に江部診療所を開設


糖質制限食導入前
1978~2001:23年間で3名、糖尿病腎症から透析  

糖質制限食導入後
2001~2020:19年間で1名、糖尿病腎症から透析 

透析になった患者さんは、つらい体験なので4名ともよく覚えています。
糖質制限食導入前23年間は、高雄病院でも江部診療所でも、
日本糖尿病学会推奨の
<糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)+薬物療法>
で、一般の医療機関と一緒の治療法でした。

糖質制限食導入後は、薬物療法はかなり減薬できますし、
投薬なしになる患者さんも多いです。
また、糖質制限食導入前に比し、糖質制限食導入後は、
診察している糖尿病患者さんの数は、3倍以上
に増えていますが、
透析になった人は、明らかに減っています。

糖質制限食導入後の患者さんで、唯一透析になった方は、
初診時、糖尿病歴が長く20年以上であり、
他医で既にインスリン治療も受けておられました。
高雄病院初診時、血清クレアチニン値が、2.1mg/dl(eGFR:24.95)
糖尿病腎症第4期の段階でした。
数年後、残念ながら人工透析導入となりました。

このように、定期的に通院されている糖尿病患者さんにおいて、
糖質制限食導入前と後で、透析率に差がある可能性は高いです。

一方、上述以外に、遠方の患者さんで、
通院中断の場合もありますので、正確なことはわかりません。


江部康二
ページトップ