「質の良いHbA1c」糖質制限食、「質の悪いHbA1c」糖尿病食

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【20/04/14 Yumat
検査値
江部先生

初めまして。Yumat(60歳)と申します。
5年ほど前から先生のブログや著書を拝読し、
お陰さまで糖尿病や糖質制限の理解が徐々に深まっております。
私はどちらかというとやせ型の2型糖尿病の予備軍で、この体質はおそらく父から。
約3年前からスーパー糖質制限を心がけており、
私の食事は、ご飯や麺類・パンなどの主食は抜いて、
代わりに糖質制限ミックス粉で焼いたパン。
あとは肉や魚などのおかず、汁物そしてたっぷりの野菜です。
お腹がすいた時の間食はナッツと低糖質スイーツ、ヨーグルトなど。
ただ、ナッツは好物で食べ過ぎているかもしれません。
また野菜も大好きでこれも結構な量を食べています。
むしろ肉・魚などは少なくてベジタリアン的かもです。
このような食生活ですが、思ったほどヘモグロビンA1cが落ちないのは、
食べ過ぎなのでしょうか。
もちろん調味料やドレッシングも糖質をチェックしています。

人間ドックの検査値は以下になります。
◆2020年4月
ヘモグロビンA1c 6.0
空腹時血糖値 90
◆2019年4月
ヘモグロビンA1c 5.9
空腹時血糖値 90
◆2018年4月
ヘモグロビンA1c 6.0
空腹時血糖値 87

この状態で大丈夫でしょうか。
アドバイスを頂けたら幸いです。
よろしくお願いします。】



こんにちは。
Yumat さんから、HbA1cについてコメント・質問を頂きました。
拙著のご購入、ありがとうございます。
少しでもお役に立てば幸いです。

HbA1c: 2018年6.0% ⇒2019年5.9% ⇒2020年6.0%


いずれもコントロール良好と思います。
3年前から、スーパー糖質制限食を実践しておられるので、
いずれも「質の良いHbA1c」と考えられます。

糖質制限食実践者と従来の糖尿病食実践者(高糖質食)を比較してみると
両者ともHbA1c6.0%とかいうことはありえます。

しかし
糖質制限実践者の6.0%は「質の良いHbA1c」
糖尿病食実践者の6.0%は「質の悪いHbA1c」
であり、実は大きな差があるのです。

「質の悪いHbA1c」は糖質摂取時のもので
『食後高血糖』『空腹時低血糖』の平均値を示しているに過ぎません。
実際には血糖変動幅が大きく酸化ストレスリスクが大きいのです。
これでは、一見HbA1cはコントロール良好でも、合併症予防は困難です。

「質の良いHbA1c」は糖質制限食実践時のもので
食後高血糖と空腹時の低血糖がなくて
平均血糖変動幅も小さくて、酸化ストレスリスクが少ないのです。
こちらだと、合併症予防ができます。


【ナッツは好物で食べ過ぎているかもしれません。】
ナッツは糖質制限OK食材です。
その中でも、クルミはもっとも糖質が少ないです。
その次がアーモンドが糖質が少ないです。

【また野菜も大好きでこれも結構な量を食べています。】
スーパー糖質制限食では、ビタミンCと食物繊維を摂取するために
野菜、海草、茸を推奨しています。
野菜の中で、ブロッコリー、カリフラワー、ゴーヤなどは糖質が少なくてお奨めです。
葉野菜も比較的糖質が少ないのでOK食材です。
根菜類は、糖質がやや多いので、少量にしておきましょう。

【むしろ肉・魚などは少なくてベジタリアン的かもです。】
Yumat さんは、60歳ですので、
厚生労働省も、動物性食品の摂取を推奨しています。
もちろん、豆腐や納豆などの大豆製品も悪くないのですが、
60歳以上は、骨粗鬆症やサルコペニア予防のために、
タンパク質を積極的に摂取することが必要です。

この場合、ヒトも動物ですので、魚貝類や肉類などの動物性タンパク質のほうが
必須脂肪酸が満遍なく含まれていて、植物性タンパク質より好ましいのです。
少なくとも60歳超えの方々は、
動物性タンパク質を十分量摂取することが重要となってきますので、
Yumat さんもベジタリアンは返上されたほうが安全と思います。

また、スーパー糖質制限食実践なら、「AGEs」の蓄積も最小限ですみますので
<糖化 ⇒ 老化> のパターンも予防できます。

これからも、美味しく楽しく末長く、糖質制限食を実践されて
健康ライフを目指しましょう。


江部康二




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