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私が糖尿病発症に到った過程 。米、恵比寿ビール、純米大吟醸。
こんにちは。

会社の健康診断では、糖尿病に対しては
<早朝空腹時血糖値とHbA1c>
が一般的です。

しかし、食後高血糖が数年間続いたあとに、
空腹時血糖値が上昇するという流れがほとんどですので、
<早朝空腹時血糖値とHbA1c>だけでは、
食後高血糖を見逃す可能性が極めて高いのです。

今回は、私、江部康二が糖尿病を発症した経緯と糖質制限食にたどり着くまでです。
すでに糖尿病を発症されている方も、糖尿病予備軍の方にも参考になる内容と思います。

<糖尿病発症と糖質制限食>

 もともと父も母も糖尿病で、
父は77歳の時糖尿病による血流傷害のため右大腿切断手術をし、
その後心筋梗塞や肺炎にもなり、80歳で永眠しました。
家族歴は完璧なので、私もそこそこ警戒はしていたのですが、
2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.7%と糖尿病の域に達していました。ヾ(゜▽゜)
翌日慌てて、給食(胚芽米)を食べて、
1時間後の血糖値を測定してみると250mg/dlもあり愕然としました。

さらに次の日は血糖値を上昇させにくい玄米で実験してみても
食後1時間血糖値は228mg/dlもあり、
軽く200アップで、ほとんど変わりませんでした。
ついでといっては何ですがメタボ、高血圧も発症していました。

 通常健康診断で調べる朝一番の空腹時血糖値は
十数年間ずっと108mg以下で安心していました。
しかし1998年には115mgで
初めて糖尿病と正常の境界領域になっていたのに油断して放置していたのです。

 もっとも34歳から、
基本玄米が主食で、魚中心で肉や脂は控えめで野菜はたっぷり摂り、
週に2回はテニスをし、週1回スポーツジムにも通っているし、
普通の中年サラリーマン諸氏よりは、
はるかに健康的なライフスタイルのはずでしたが・・・?

2000年に
「完全米飯給食が日本を救う」(東洋経済新報社)という本を
井上ひさしさんや、幕内秀夫さんと共著で刊行していたこともあり、
 旅先では玄米は無理なので、とにかく、
おにぎりとかご飯をしっかり食べるように心がけていました。
パン(小麦)を食べることはまずなくて、
努力して、米(玄米、白米)をタップリ食べていました。

 さらに40歳過ぎから
「酒をやるなら純米大吟醸、ビール飲むなら恵比寿ビール、愛読書並びに推薦書は夏子の酒・・・」
てなキャッチコピーでそれまでのウィスキーやブランデーから
純米酒と恵比寿ビールに切り替えて
当時浴びるように飲んでいたのが敗因の一つでした。

結局、私の場合、大量の<ご飯(玄米、白米)+恵比寿ビール+純米大吟醸>
三位一体となって、糖尿病発症コースにまっしぐらに突っ走ったのだと思います。

今なら、血糖値を直接上昇させるのが糖質だけ、
醸造酒は血糖値を上昇させ、
蒸留酒は上げないという知識があるのですが・・・。 ( ̄_ ̄|||)

通常食後高血糖が数年間続いたあとに、
空腹時血糖値が上昇すると言われているので、
実は1990年代の初めごろからとっくに
食後高血糖が存在した可能性が高かったのです。

読者の皆さんも糖尿病の早期チェックには
空腹時血糖値ではなく主食摂取後1時間血糖値を調べてくださいね。
これが180mg/dlを超えていると将来糖尿病になりやすいのです。


江部康二
コメント
re. 私が糖尿病発症に到った過程 。米、恵比寿ビール、純米大吟醸。
江部先生、いつもブログを楽しみにしています。

糖尿病発症についてですが、やはり食事の内容、特に糖質の摂り過ぎが最も大きな原因だと思います。しかし、発症の原因は食事だけではないのではないかと思うことがあります。食事のような外的要因ではない、内的要因、すなわち体質的(遺伝的?)に糖尿病になりやすい、あるいはなってしまうことがあるのではないかと思います。つまり糖質制限をしていても糖尿病を発症してしまうこともあるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?もちろん、糖質制限をしていれば、高血糖、高インスリン血症にはならず(糖尿病を発症していても気づくことがない)、そして、当然、糖尿病による合併症になることはないですが、糖尿病自体が発症していることはあり得るのではないかと思ったりします。

どうなのでしょうか?
2019/12/04(Wed) 22:17 | URL | じょん | 【編集
Re: re. 私が糖尿病発症に到った過程 。米、恵比寿ビール、純米大吟醸。
じょん さん

ご指摘通り、体質、運動、食事などが2型糖尿病の発症要因と思います。

体質的に糖尿病になりやすい人は、年齢と共に耐糖能が低下していきます。
このとき普通の糖質ありの食事の場合は、高血糖となり糖尿病を発症します。

一方、年齢的に耐糖能が低下してきても、糖質制限食を実践している場合は
高血糖にはならないので、糖尿病は発症しないと思います。

つまり、「耐糖能低下」と「糖尿病発症」は同一ではないということです。
私のように一旦、糖尿病を発症した場合は、膵臓のβ細胞が、3割くらいは壊れているので
これは元に戻ることはありません。
従って、江部康二は、糖質制限食を実践している限りは、健常人で
糖質を食べれば糖尿人ということとなります。
2019/12/05(Thu) 07:44 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖尿病の発症…
江部先生ちうもブログで詳細をありがとうございます。
江部先生の糖尿病発症時のブログは今までにも何度が拝見しましたが、教えていただいてよいですか?

>2002年の病院の健康診断(52歳時)で遂にHbA1Cが6.7%と糖尿病の域に達していました。>

とありますが…
1. 発症とは糖尿病と診断される数値に到達した、ということですか?
2. 例えば前年の診断値では糖尿病と診断されない検査値だったのですか?
2となると突然2002の検査値からHbA1C6.7とかですか?
それも怖いと思いますが。(-_-;)

私の健康診断の担当医は糖尿病診断をはっきり下さないのですよね…
カルテには書いてあるのかもしれないですが、
口頭でははっきり糖尿病です、とは言いません。
自分は糖質制限をして自己管理して医者には頼っていないので、どうでもよいのですが(笑)
ただ、やはり管理しきれないときには投薬の選択肢があるとよいなと
思っているもので…
医者にとってどのような都合があるのでしょうかね?不思議なのですが。
2019/12/05(Thu) 15:27 | URL | hanamizuki | 【編集
やせたければ脂肪をたくさんとりなさい
アマゾンで注文して届きました。
細かい字で盛りだくさんの内容ですね。
少しづつ読んでみます。
2019/12/05(Thu) 15:47 | URL | yanosono | 【編集
Re: 糖尿病の発症…
hanamizuki さん


2002の検査値で初めて、HbA1C6.7%という、糖尿病の診断基準を満たす数値になったということです。
2001年までは、健康診断のHbA1cは基準値内でした。
おそらく、それまでは食後高血糖が数年以上続いていたけれど、
HbA1cではチェックできなかったのでしょう。

75g経口ブドウ糖負荷試験をしていれば、2000年とか2001年でも
糖尿病の診断がついていたかもしれません。

糖尿病の診断基準がありますので、それを満たしていれば
主治医もお糖尿病と告げると思います。
主治医が糖尿病と言わないなら、まだ大丈夫なのでしょう。
2019/12/05(Thu) 16:47 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: やせたければ脂肪をたくさんとりなさい
yanosono さん

ご購入、ありがとうございます。
2019/12/05(Thu) 16:48 | URL | ドクター江部 | 【編集
年齢と共に耐糖能が低下
江部先生、コメントをいただきありがとうございます。

年齢と共に耐糖能が低下することを考えれば、若い時はまだしも、ある程度の年齢になると糖質の摂取量は減らした方がいいですね。

わたしの場合は、江部先生の著作を読んでから糖質制限を始めましたが、それまでは江部先生と同じように夏子の酒をよみ、純米酒にはまっていました。今では全く日本酒やビールは飲まなくなりました。日本酒は美味しいとは思うのですが、最近は飲みたいと思わなくなりました。

先生のご経験は、先生ご自身は大変だったと思いますが、非常に勉強になりました。
2019/12/05(Thu) 21:52 | URL | じょん | 【編集
Re: 年齢と共に耐糖能が低下
じょん さん


『年齢と共に耐糖能が低下することを考えれば、若い時はまだしも、
ある程度の年齢になると糖質の摂取量は減らした方がいいですね。』


その通りと思います。

『日本酒は美味しいとは思うのですが、最近は飲みたいと思わなくなりました。』

こちらも一緒ですね。
家では焼酎か糖質ゼロ発泡酒か辛口ワイン、外食では、ハイボールを飲むことも多いです。
2019/12/06(Fri) 17:59 | URL | ドクター江部 | 【編集
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