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1型糖尿病患者における糖質制限について。
【19/11/30 中嶋一雄
糖尿病学会誌
学会誌「糖尿病」61巻11号787-788頁(2018)

「1型糖尿病患者における糖質制限について」

中嶋一雄

https://doi.org/10.11213/tonyobyo.61.787

 発行して1年経過したので、誰でも閲覧できるようになりました。
糖質制限に批判的な人物がいたら、これを印刷して読ませてあげてください】



おはようございます。
中嶋一雄先生から、コメントを頂きました。
ありがとうございます。

1型糖尿病患者における糖質制限について、
日本の文献と欧米の文献を整理整頓して論じて頂きました。(☆)
とても参考になります。

日本糖尿病学会誌に
糖尿病Vol. 60 (2017) No. 6 p. 449-455
症例報告厳密な糖質制限と持効型溶解インスリン1回法を約15年継続している罹病歴33年の1型糖尿病の1例
https://doi.org/10.11213/tonyobyo.60.449

と題する症例報告が掲載されて、
主治医は
「日本糖尿病学会により推奨される食事療法(炭水化物 50-60 %)を摂取し
必要なインスリンを追加することが標準的な糖尿病の治療であり推奨する」
ことを説明したとあります。(☆☆)

この主治医の説明には、おおいに違和感を覚えます。
罹病歴33年の1型糖尿病患者さんが、自分の頭で考えて
厳密な糖質制限と持効型溶解インスリン1回法を約15年継続し
血糖コントロール良好を保ち、糖尿病合併症なしです。

これだけ素晴らしい結果を出している1型糖尿病患者さんに対して、
エビデンスはないと日本糖尿病学会も自ら認めている、
「糖尿病食(炭水化物50~60%)」を推奨するとは、あり得ません。
少なくとも、この個人においては、最高の状態を保っているわけですので、
無根拠な「糖尿病食」を推奨する理由は皆無です。

計算してみると、2002年から糖質制限食を開始しておられます。
高雄病院で糖質制限食を導入したのは1999年ですが、
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」江部康二著(東洋経済新報社)
を上梓したのが、2005年です。
ということは、日本で糖質制限食の概念が一般的になる前に、
自力で開始しておられるので、すごく勉強しておられるのだと思います。

なお、従来の糖尿病食は、カロリー制限・高糖質食ですので、
「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という合併症リスクを、必ず生じます。
誠に遺憾ながら、従来の糖尿病食は、「合併症製造食」としか言いようがないのです

中嶋先生も指摘しておられるように「1型糖尿病と糖質制限」に関して
エビデンスはまだありません。

一方、症例報告は

「1 型糖尿病とてんかんの合併例に,超低炭水化物食であるケトン食療法を実施して,
血糖維持と痙攣発作がいずれも改善し安定した状態を得られたと,
すでに複数の症例が報告されている.」

「Flash glucose monitoring(FGM)とインスリンポンプを併用して,
1 型糖尿病患者にそれまでの 1 日量 100-150 g から,
30-50 g 迄に減量した低炭水化物食を実施した症例報告も行われている.
本例ではインスリンの 1 日量が 50 単位から30 単位に減量でき,
FGM により記録された毎日の平均血糖値は改善し,
脂質異常等の合併症も生じなかったとある.」


あります。

このように、
1型糖尿病において、糖質制限食を導入すれば、インスリンの単位が大幅に減量できます。
従って、低血糖リスクも大幅に減少します。
過剰のインスリンは酸化ストレスリスクであり、
<肥満、老化、動脈硬化、がん、アルツハイマー病・・・etc>
の元凶となりますので、インスリンの減量にはおおいに意味があります。

一方、減量したとはいえ、1型でインスリンは必ず注射していますので、
ケトアシドーシスのリスクは、ほぼ皆無と言えます。
つまり、1型糖尿病と糖質制限食は相性が良いということです。



(☆)
以下の緑の文字の記載が、中嶋先生の論文です。

学会誌「糖尿病」61巻11号787-788頁(2018)
「1型糖尿病患者における糖質制限について」
中嶋一雄


【近年糖尿病の食事療法に糖質制限食が注目され,米国のジョスリン糖尿病センターでは,2004 年より食事療法勧告において炭水化物を 40 %エネルギーと定めている1)
米国糖尿病学会は 2013 年 10 月より,
食事療法においてあらゆる栄養素比率を選択することが可能であるとの見解を出した2).
本誌 60 巻 6 号に
「厳密な糖質制限と持効型溶解インスリン 1 回法を約 15 年継続している罹病歴 33 年の 1型糖尿病の 1 例」
と題する症例報告3)が掲載された.
日本糖尿病学会により推奨される食事療法(炭水化物 50-60 %)を摂取し
必要なインスリンを追加することが
標準的な糖尿病の治療であり推奨することを説明したとある.

一方,1 型糖尿病における糖質制限については統一見解には至っていないと思われる.
1 型糖尿病とてんかんの合併例に,超低炭水化物食であるケトン食療法を実施して,
血糖維持と痙攣発作がいずれも改善し安定した状態を得られたと,
すでに複数の症例が報告されている4~6).

2018 年になり,
1 型糖尿病と低炭水化物食との研究について系統的レビューが発表された7).
炭水化物を45 %エネルギー以下とした論文のレビューを実施したが,
HbA1c の低下がみられた論文とみられなかった論文とが混在しており,
エビデンスとしては限界があるため全体として結論は下せず,
さらなる臨床研究をすすめる必要があると記載されている.

一方,近年に使用開始された
Flash glucose monitoring(FGM)とインスリンポンプを併用して,
1 型糖尿病患者にそれまでの 1 日量 100-150 g から,
30-50 g 迄に減量した低炭水化物食を実施した症例報告も行われている8).
本例ではインスリンの 1 日量が 50 単位から30 単位に減量でき,
FGM により記録された毎日の平均血糖値は改善し,
脂質異常等の合併症も生じなかったとある.
FGM による血糖変化の観察と適切なインスリン調節が
安全な血糖維持をもたらしたと考えられ,
頭痛は減少し睡眠も良好化し情動面が改善するなど,本人の QOL も向上した.
1 型糖尿病患者における糖質制限についてさらなる臨床研究が望まれる.


(☆☆)
糖尿病Vol. 60 (2017) No. 6 p. 449-455
症例報告厳密な糖質制限と持効型溶解インスリン1回法を約15年継続している罹病歴33年の1型糖尿病の1例


抄録
症例は46歳男性である.13歳時に1型糖尿病を発症し,インスリン治療を開始された.
10代より運動時の低血糖のためインスリンを減量し,
30代より糖質制限を行い持効型溶解インスリン1回法に変更,
HbA1c 7 %前後で経過した.
45歳,当科に入院時,我々は
1型糖尿病における糖質制限の有効性,安全性に関する報告は少なく
動脈硬化性疾患のリスクとなること,
インスリン減量がケトアシドーシス発症の危険となることを繰り返し説明し,
炭水化物比50~60 %の食事を勧めた.
しかし,現時点では動脈硬化性疾患やケトーシスの既往はなく,
患者の強い意向に沿った糖質制限食とインスリン1回法を容認せざるを得なかった.
その危険性を十分に患者に説明するとともに,
慢性合併症やケトーシスのモニタリング等,慎重に経過観察する必要がある.
厳密な糖質制限と持効型インスリン1回法を長期間継続した1型糖尿病の症例は
希少であるため,報告する.



江部康二
コメント
「合併症製造食」被害者として!!
都内河北 鈴木です。

本日記事を読んでも、現在も進まぬ「ブドウ糖必須だとの神話」から
脱却できない「日本医療界」、中でも「日本糖尿病学会」のようですね!!

私は「2型糖尿病」でしたが、時代進化解明した江部先生「糖質制限理論」が
「糖質・害毒」だと理解した「糖質摂取」排除して、
成し得た「生還、覚醒、再覚醒、」です!!

21年間の「糖尿病・重症化」(右眼眼圧破裂・失明、脳梗塞発症、)するのが、
江部先生「糖質制限理論」を知り、理解把握し、実践で、
インスリン3年半余り増量(ヒュ~マリン1日、8・6・6)の患者が、
3か月足らずでインスリン自主離脱して
「ヘモグロビン正常化!!」しました!!

この事は事実ですし、医療デ~タ改善してから現在迄の
「生還、覚醒、再覚醒、」医療デ~タは存在しています!!

文中の『従来の糖尿病食は、「合併症製造食」としか言いようがないのです。』

この言葉通りだと私自身の「生還、覚醒、再覚醒、」の事実は、
「ただ極力・糖質摂取を控えただけです!!」
よって「糖尿病」には、絶対に「糖質摂取は、しては駄目だと考えます!!」

過去の最悪「糖尿病」時の114Kgの体型から、
「糖質制限理論」実践で2ヵ月で、
私の身長176Cm,体重80数Kg、BMI25~26
年齢65歳、現在は俳優ジェイソン・ステイサムと同体型。
今年の立川講演時には、私を見た方もおられます。

江部先生の「1食20g」は、必須かなと考えます!!

私の食生活は、「1食20g」以下の日を極力「糖質・摂取拒否」を目指していましたから、
翌日より効果有りの21年間の「糖尿病・重症化」から、
3か月足らずで「正常化!!」したのだと考えます!!

心底には、
「脚気・原因解明した・高木兼寛医師」!!
「第2次世界大戦ガダルカナル静岡連隊・帰還兵・自身の父親の食生活」!!

この事実がまさしく「糖質制限理論」を証明しているかと考えます!!

「糖尿病」発症して21年間、2005年転院後、後半7年間
「医療世界情報・隠蔽」されていた事、
*ADA2004年発表、「血糖値上昇は、糖質のみ!!」
*江部先生2005年発表、「糖質制限理論」!!

<この発表事実を何故国民へ発表しないのかが、不思議です??!!>
ネッ時代に確認は容易にできます!!
しかし専門職が無知では、改善は無理です!!

この発表で、私は江部先生「糖質制限理論」を会席調理師でもあり
疑問していた事柄排除で、
「生還、覚醒、再覚醒、」できたわけだと考えます!!

日本の医療界の肩書だけでは、1分の利も無い「カロリ~制限理論」では、
「生還、覚醒、再覚醒、」は、絶対に無理だと、
被害者の私の医療デ~タで、
断言できます!!!

絶対に無理だと理解できます!!
私は、悪化から殺されかけた被害者その者だから!!

理解不能なら、夏井睦先生「炭水化物が人類を滅ぼす」などを読むべきかなと考えます!!

私は、江部先生とは、面識皆無、利害関係皆無、ですが、
「糖質制限理論」理解把握実践で、「生還、覚醒、差覚醒、」している患者がいることを、
改善望む人達が理解していただければなと考えます!!

*私は現在、後遺症「眼、脳梗塞、」の為、参加希望をしています、
都内S区区役所ネット広報が開催している、
糖尿病「血糖改善教室」が「改善皆無の理論信奉の講師では、
出鱈目・肩書・講師では、講義に改善は無理だと、
都内S区区政相談課へ申告中です!!」
どうなる事やらですが!!

江部先生には、「生還、覚醒、再覚醒、」でき、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具




2019/12/01(Sun) 14:34 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
日本糖尿病学会誌の糖質制限はカロリー制限はないのでしょうか?
2019/12/02(Mon) 13:02 | URL |  | 【編集
Re: タイトルなし
この記事の
1型糖尿病患者さんは、ご自分で、厳格な糖質制限食を実践しておられます。

主治医は<従来の糖尿病食:カロリー制限高糖質食>を推奨してますが、
この患者さんは、自分の頭で考えて、糖質制限食をキープしておられます。
2019/12/02(Mon) 14:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
先生こんにちは!

私は妊娠糖尿病になり、病院からはカロリー制限食を指導されました。当時糖質制限については無知だったのですが、食後血糖値がもちろん目標値を越えるので本能的に?ご飯の量を指導された量より減らし、インスリンを打つことなく出産することができました。産後は普通の食事に戻してしまった為、3ヶ月後のOGTTで境界型と診断されました。どうすればいいのか悩んでいたところ、糖質制限に出会い3週間ほど前からスーパー糖質制限を始めたところです!

糖質制限を始めてから血糖値を測るようになったのですが、就寝前血糖は普通なのですが、夜間(リブレの為誤差あるかも)と朝食前血糖値が低め(59~74)なのですが、これは夜間に授乳をしているからなのでしょうか?夕食が18時頃で朝食は8時頃になるので何か間食した方が良いのですかね?

また、体重が現時点で妊娠前+4キロで糖質制限してからも変化なしですが、今BMIは20です。妊娠前はBMIが20を切るやせ型だったので、そういう場合はこれ以上痩せないのが普通でしょうか?食べ過ぎているのか?このままでいいのかと疑問です。
忙しいところ申し訳ないですが、回答いただけると助かりますm(__)m
2019/12/02(Mon) 15:39 | URL | ゆん | 【編集
Re: タイトルなし
ゆん さん

妊娠糖尿病、ご飯を減らしてインスリンなしで、出産とは<good job>です。

『夜間(リブレの為誤差あるかも)と朝食前血糖値が低め(59~74)』

リブレは、低い血糖値が、実測より20~30mg/dl低くでることが多いです。
従って、低血糖症状がないなら、まず大丈夫の可能性が高いです。

今後のためも含めて、血糖自己測定器のほうが、リブレより正確なので、
購入するのも良いと思います。

妊娠糖尿病の人は、一旦良くなっても、将来糖尿病になる確率が結構高いです。
3ヶ月後のOGTTで境界型だったならば、
一回の食事の糖質量が<30~40g>の緩やかな糖質制限食でも糖尿病発症を予防できる可能性が高いです。
もちろん、スーパー糖質制限食なら、確実に予防できます。

BMIが20なら、減らさずに体重を維持したほうが、今後の総死亡率が減って、健康的です。

なお、糖質制限食を続けるなら、OGTTも必要ないと思います。
血糖自己測定器で、時々、空腹時血糖値や食後血糖値をチェックしておけば充分です。
2019/12/02(Mon) 15:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
先生、早速の回答ありがとうございます!

体重の件、安心しました!スーパー糖質制限、快適に続けられそうです。
確認なのですが、パンはパンでも糖質5g以下の手作りふすま食パンを毎朝食べてますが一食の総糖質量20g以下であればスーパー糖質制限してることになりますよね^^;?
リブレですが、電極を使っての血糖値測定にも誤差がそれほどあるのでしょうか?
夜間はセンサーのみですが、朝食前はリブレの電極を使用しての血糖値測定が59の時がありました。特に自覚症状はないのですが気になっていました!
質問ばかりですみません
2019/12/02(Mon) 17:25 | URL | ゆん | 【編集
Re: タイトルなし
ゆん さん

『一食の総糖質量20g以下であればスーパー糖質制限してることになりますよね』

その通りです。

リブレのセンサーの連続的測定の誤差は非常に大きいことは間違いないです。
電極は調べてないのでわかりませんが、
センサーの値と電極の値は、同じ時刻なら一緒ですか?
一緒なら、電極も怪しいですね。

2019/12/02(Mon) 18:32 | URL | ドクター江部 | 【編集
ちゃんとスーパー糖質制限できてて良かったです^^

そうなのですね!

電極と全く同じ数値ではないですが、誤差はセンサーの方がたまに+10くらいだったりでほぼ一緒という感じです。怪しいので血糖測定器買ってみます。それでも血糖値低めの数値でる場合は就寝前に何か間食すべきでしょうか?
2019/12/02(Mon) 19:36 | URL | ゆん | 【編集
Re: タイトルなし
ゆん さん

①低血糖は、SU剤内服とかインスリン注射をしている場合がほとんどです。

②極端な低カロリーの時も、低血糖はあり得ます。

③機能性低血糖は、糖質を摂取して、血糖値が急上昇して、追加分泌インスリンが大量に出た時におこります。

④肝硬変の進行した病態だと、糖新生が上手くできないので、低血糖になりやすいです。

⑤空腹での運動

⑥飲酒

⑦入浴

ゆんさんは、①②③④⑤⑥⑦のいずれも当てはまらないので
低血糖にはならないと思います。
2019/12/03(Tue) 08:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
なるほど!

安心いたしました!
自己血糖測定器購入し、時々測る程度でやっていきます

ご回答ありがとうございましたm(__)m
2019/12/03(Tue) 09:20 | URL | ゆん | 【編集
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