2019年11月07日 (木)
こんばんは。.
ございます。
健康診断で脂肪肝を指摘される人が私の糖尿病患者さんにおいても、
かなりの確率でおられます。
それで今回は、脂肪肝について整理してみました。
脂肪肝(しぼうかん)とは、文字通り肝臓に脂肪が蓄積した状態です。
近年、30代~40代を中心に増加傾向にあります。
日本人間ドック学会が2016年に発表した「全国集計結果」では、
「肝機能異常」のある人は、20年前と比較すると10.5ポイント上昇して、
男性の40.2%、女性の22.8%にみられました。
これらのほとんどが脂肪肝と思われます。
脂肪肝は
1)非アルコール性脂肪性肝疾患
(NAFLD:nonalcoholic fatty liver disease)
a)単純脂肪肝:肥満などによるもの
b)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:Non-Alcoholic SteatoHepatitis)
2)アルコール性脂肪肝:飲酒によるもの
3)妊娠に伴うもの:急性妊娠性脂肪肝
(AFLP:Acute Fatty Liver of Pregnancy)
などにわけられます。
NAFLD(nonalcoholic fatty liver disease、非アルコール性脂肪肝疾患)は、
アルコールを原因としない脂肪肝です。
NAFLDの8割から9割は炎症や線維化を伴わない「単純性脂肪肝」です。
多くは肥満が関係します。
単純脂肪肝の予後は良好です。
非アルコール性の脂肪肝はかつては、
放置してもさしたることはないと言われていましたが、
近年、上述の「NASH」が認識されるようになり、様相が一変しました。
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis)を略してNASHです。
NASHは、肝炎から肝硬変や肝臓癌に進展することもあり、結構こわいのです。
NAFLDの1割くらいがNASHです。
結局、炎症を伴うか否かが、肝要ですが、
単純性脂肪肝からNASHへ進行することもあります。
[肝臓に脂肪が蓄積→脂肪肝→非アルコール性脂肪性肝炎→肝硬変→肝癌]
B型ウィルスやC型ウィルスや飲酒以外に、NASHからも肝癌になり得るので、
油断は禁物です。
<非アルコール性脂肪肝の根本要因は、脂質ではなく糖質>
(1) 糖質を摂取すると血糖値が上昇します。
(2) 血糖値が上昇すると追加分泌のインスリンが大量に分泌されます。
(3)追加分泌インスリンにより、筋肉細胞の糖輸送体が内部から細胞表面に移動します。
(4) 筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)により血液中のブドウ糖は細胞内に取り込まれます。
(5) まずエネルギー源として利用し、次いでグリコーゲンとして筋肉中に蓄えます。
(6) 筋肉細胞に取り込まれずに、血液中で余ったブドウ糖は全て中性脂肪に変わり、
脂肪細胞や肝臓に蓄えられます。
このように、追加分泌のインスリンが大量・頻回に出ることが、
脂肪肝や肥満の根本要因であり、インスリンが肥満ホルモンと言われる所以です。
[次回につづく]
ございます。
健康診断で脂肪肝を指摘される人が私の糖尿病患者さんにおいても、
かなりの確率でおられます。
それで今回は、脂肪肝について整理してみました。
脂肪肝(しぼうかん)とは、文字通り肝臓に脂肪が蓄積した状態です。
近年、30代~40代を中心に増加傾向にあります。
日本人間ドック学会が2016年に発表した「全国集計結果」では、
「肝機能異常」のある人は、20年前と比較すると10.5ポイント上昇して、
男性の40.2%、女性の22.8%にみられました。
これらのほとんどが脂肪肝と思われます。
脂肪肝は
1)非アルコール性脂肪性肝疾患
(NAFLD:nonalcoholic fatty liver disease)
a)単純脂肪肝:肥満などによるもの
b)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:Non-Alcoholic SteatoHepatitis)
2)アルコール性脂肪肝:飲酒によるもの
3)妊娠に伴うもの:急性妊娠性脂肪肝
(AFLP:Acute Fatty Liver of Pregnancy)
などにわけられます。
NAFLD(nonalcoholic fatty liver disease、非アルコール性脂肪肝疾患)は、
アルコールを原因としない脂肪肝です。
NAFLDの8割から9割は炎症や線維化を伴わない「単純性脂肪肝」です。
多くは肥満が関係します。
単純脂肪肝の予後は良好です。
非アルコール性の脂肪肝はかつては、
放置してもさしたることはないと言われていましたが、
近年、上述の「NASH」が認識されるようになり、様相が一変しました。
非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis)を略してNASHです。
NASHは、肝炎から肝硬変や肝臓癌に進展することもあり、結構こわいのです。
NAFLDの1割くらいがNASHです。
結局、炎症を伴うか否かが、肝要ですが、
単純性脂肪肝からNASHへ進行することもあります。
[肝臓に脂肪が蓄積→脂肪肝→非アルコール性脂肪性肝炎→肝硬変→肝癌]
B型ウィルスやC型ウィルスや飲酒以外に、NASHからも肝癌になり得るので、
油断は禁物です。
<非アルコール性脂肪肝の根本要因は、脂質ではなく糖質>
(1) 糖質を摂取すると血糖値が上昇します。
(2) 血糖値が上昇すると追加分泌のインスリンが大量に分泌されます。
(3)追加分泌インスリンにより、筋肉細胞の糖輸送体が内部から細胞表面に移動します。
(4) 筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)により血液中のブドウ糖は細胞内に取り込まれます。
(5) まずエネルギー源として利用し、次いでグリコーゲンとして筋肉中に蓄えます。
(6) 筋肉細胞に取り込まれずに、血液中で余ったブドウ糖は全て中性脂肪に変わり、
脂肪細胞や肝臓に蓄えられます。
このように、追加分泌のインスリンが大量・頻回に出ることが、
脂肪肝や肥満の根本要因であり、インスリンが肥満ホルモンと言われる所以です。
[次回につづく]
はじめまして!
私は、50代主婦です。
出産してよりどんどん体重が増えて、結婚したときより軽く10キロは増えました。
更年期に入ってからは、さらにダイエットしても体重が減りにくくなりました。
お酒を飲まなくても、脂肪肝にはなるんですよね?
色々な、ダイエットはしていますが
何に気を付けたら良いのでしょうか?
教えて頂けますでしょうか?
私は、50代主婦です。
出産してよりどんどん体重が増えて、結婚したときより軽く10キロは増えました。
更年期に入ってからは、さらにダイエットしても体重が減りにくくなりました。
お酒を飲まなくても、脂肪肝にはなるんですよね?
色々な、ダイエットはしていますが
何に気を付けたら良いのでしょうか?
教えて頂けますでしょうか?
ブログ内検索をしたのですが、見つけられなかったので、質問させてください。
脂肪のとりすぎは、インスリンの分泌を減らすらしいのです。
私はインスリン分泌量が少ないので、このまま糖質制限食を続けても大丈夫か、心配になりました。脂肪分の少ない肉を選ぶなど気を付けることがありましたら、教えていただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/a_00327.html
脂肪のとりすぎは、インスリンの分泌を減らすらしいのです。
私はインスリン分泌量が少ないので、このまま糖質制限食を続けても大丈夫か、心配になりました。脂肪分の少ない肉を選ぶなど気を付けることがありましたら、教えていただければ幸いです。
よろしくお願い致します。
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/a_00327.html
2019/11/08(Fri) 12:40 | URL | まや | 【編集】
江部先生いつも貴重なお話をありがとうございます。
NASHについては結構記事などにもなっているのでとても興味があります。
続きが待ち遠しいです!
NASHについては結構記事などにもなっているのでとても興味があります。
続きが待ち遠しいです!
2019/11/08(Fri) 17:03 | URL | hanamizuki | 【編集】
お酒なしでも糖質の過剰摂取とインスリンの過剰分泌で『脂肪肝』になります。
スーパー糖質制限食が体重減少や脂肪肝の改善には最適です。
肥満も脂肪肝も、根本原因は、『糖質の過剰摂取とインスリンの過剰分泌』
です。
2019/11/08(Fri) 17:21 | URL | ドクター江部 | 【編集】
まやさん
肥満の根本原因は、『糖質の過剰摂取とインスリンの過剰分泌』です。
インスリンは別名『肥満ホルモン』です。
糖質を食べると、大量のインスリンが分泌されます。
脂質を食べても、インスリンの分泌は、ゼロです。
蛋白質を食べると、少量のインスリンが分泌されます。
インスリンは人体に必須のホルモンですが、
過剰のインスリンは、肥満、老化、アルツハイマー病などのリスクとなるので、
血糖コントロールができている限りで、
インスリン分泌量は少なければ少ないほど人体には好ましいのです。
糖質制限食は、簡単に言えば、農耕時代(穀物時代)が始まる前の
狩猟・採集時代のご先祖の食事というイメージとなります。
まやさんの場合もスーパー糖質制限食でOKです。
スーパー糖質制限食は、『人類本来の食事』であり『人類の健康食』なのです。
2019/11/08(Fri) 17:32 | URL | ドクター江部 | 【編集】
都内河北 鈴木です。
私は、医療デ~タが示す様に、
糖尿病21年間、重症化する患者が、
江部先生「糖質制限理論」理解把握、実践で、
インスリン増量投与者が、3か月足らずで、
「生還、」以降後遺症「眼、脳姑息、」が「覚醒、再覚醒、」しました!!
江部先生のブログで質問に返答しているのは、
何か「日本医療界」専門組織「日本糖尿病学会」への違和感がぬぐえません!!!
日本医療の専門組織「日本糖尿病学会」は、
「改善への医学知識の無知ぶり」には、
改善皆無の医療指導している事を
「呆れるという言葉」しか、考えられない
「殺されかけた」被害者の1患者が存在している事実を、
理解していて欲しいと考えます!!
私個人を区役所・公共機関で「講義参加拒否」していても、
『自身達の無知を認め、時代進化解明・事実を、いつかは認めざるを得ない時は必ず来る!!』
という事です!!
何故なら「病態改善皆無だから!!」
江部先生の時代進化解明の「糖質制限理論」の御苦労には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
私は江部先生「糖質制限理論」で、
「生還、覚醒、再覚醒、」している9年目初頭の現在ですが、
「日本医療界には、日本人として情けなく思います!!」
敬具
私は、医療デ~タが示す様に、
糖尿病21年間、重症化する患者が、
江部先生「糖質制限理論」理解把握、実践で、
インスリン増量投与者が、3か月足らずで、
「生還、」以降後遺症「眼、脳姑息、」が「覚醒、再覚醒、」しました!!
江部先生のブログで質問に返答しているのは、
何か「日本医療界」専門組織「日本糖尿病学会」への違和感がぬぐえません!!!
日本医療の専門組織「日本糖尿病学会」は、
「改善への医学知識の無知ぶり」には、
改善皆無の医療指導している事を
「呆れるという言葉」しか、考えられない
「殺されかけた」被害者の1患者が存在している事実を、
理解していて欲しいと考えます!!
私個人を区役所・公共機関で「講義参加拒否」していても、
『自身達の無知を認め、時代進化解明・事実を、いつかは認めざるを得ない時は必ず来る!!』
という事です!!
何故なら「病態改善皆無だから!!」
江部先生の時代進化解明の「糖質制限理論」の御苦労には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
私は江部先生「糖質制限理論」で、
「生還、覚醒、再覚醒、」している9年目初頭の現在ですが、
「日本医療界には、日本人として情けなく思います!!」
敬具
2019/11/08(Fri) 21:43 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
| ホーム |