2019年10月02日 (水)
こんにちは。
2019年9月29日(日)東京都内で、
「糖質制限食とケトン体、健康に生きるヒント」と題して、
一般の方向けの講演会を開催いたしました。
200人を軽く超える参加者で、満員御礼でした。
ブログ読者の皆さんにも、多数ご参加頂き、
いつもありがとうございます。 m(_ _)m
第1部は、「たがしゅうブログ」(https://tagashuu.blog.fc2.com/ )やYouTubeで
お馴染みの田頭秀悟先生に、
「病気はなぜできるのか~主体的医療のススメ~」と題してお話しいただきました。
主体的医療ということで
「○○先生に、言われたとおりに、我慢して糖質制限をしています。」
ではなくて
「○○先生の、お話に納得して糖質制限をしましたが、調子が良くないので
自分で緩やかな糖質制限にしたら症状が改善したが、先生の意見が聞きたい。」
といったスタンスで自分で考えて実践するのが主体的医療ということです。
また、全ての病気が「過剰適応」か「消耗疲弊」であるが、
<糖質制限+ストレスマネジメント>
を主体的に実践することが、解決につながるとのお話でした。
第2部は、私が糖質制限食の基礎理論、様々な良い効果をもたらす理由、
新しい知見、糖質制限食による糖尿病治療の症例などについて解説いたしました。
「糖尿病・生活習慣病を予防、改善する糖質制限食~人類本来の食事、人類の健康食」
トピックスとして,米国糖尿病学会が、2019年4月のコンセンサスレポートにおいて、
『全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは存在しない。』
『糖質制限食(Low-carbohydrate eating patterns)が、エビデンスも最も豊富。』
と記載したことなどをお話ししました。
第3部は、ベストセラー「ケトン体が人類を救う」(光文社)の著者である、
宗田哲男先生に、「ケトン体物語~憎まれっ子、ケトン体の真実」と題して、
分かりやすくお話しいただきました。
1995年以降、日本人のたんぱく質摂取量は減少して、2013年には
何と1950年頃と同じ、一日に67.5gしかないことを強調されました。
ちなみに1995年は82.5g/日です。
それとともに、妊婦でもたんぱく質摂取量が減少して糖質摂取量が非常に増加してしまい、
肥満なのに栄養失調状態という実態を示されました。
そして、縄文人は、肉食(高タンパク高脂肪)でアルコールにも強かったということが
遺伝情報により国立科学博物館により報告されたことをお話されました。
真打ちのケトン体ですが、胎児絨毛のケトン体は平均4300μmol/Lで、
成人基準値85μmol/L以下、に比し50倍であることを報告されました。
そして胎児のエネルギー源はケトン体でありブドウ糖ではないことを強調されました。
出産後の離乳食は、とにかく「たんぱくリッチ」がとても大切であり、
重湯のような、糖質ばっかりの離乳食は欠陥であり、
WHOも日本の離乳食(重湯)を批判していることを示されました。
赤ちゃんの成長には、たんぱく質と脂質がとても大切なのに
重湯にはそれらが、大変少量しか含まれていないのです。
最後に妊産婦死亡のトップは自殺であり、
鉄欠乏による貧血が「うつ」のベースとなることを強調されました。
動物蛋白リッチな糖質制限食なら鉄も豊富ですし、
貧血にもうつにも栄養失調にもなりにくいです。
出産時出血などもあり得ますので、必要なら鉄剤の内服もありです。
妊娠前も妊娠中も出産後も、糖質制限食なら
たんぱくリッチで、妊娠糖尿病にもならないし、体重コントロールも
容易で、母子ともに健康で、安産となります。
ちなみに宗田クリニックの「帝王切開率」は糖質制限食指導開始後は
2/3に減少・改善しています。
離乳食も母の食事も
「たんぱくリッチ」な糖質制限食で、
母子ともに健康ライフを目指しましょう。
東京工科大学・応用生物学部・教授、佐藤拓己先生にも、
10分間という短い時間でしたが、ポリケトンについて
貴重なお話をして頂きました。
ポリケトンはとても興味深い物質ですが、ヒトへの応用はまだで
まずは、ペットの肥満対策にペットフードへの応用を目指しておられるとのことでした。
江部康二
2019年9月29日(日)東京都内で、
「糖質制限食とケトン体、健康に生きるヒント」と題して、
一般の方向けの講演会を開催いたしました。
200人を軽く超える参加者で、満員御礼でした。
ブログ読者の皆さんにも、多数ご参加頂き、
いつもありがとうございます。 m(_ _)m
第1部は、「たがしゅうブログ」(https://tagashuu.blog.fc2.com/ )やYouTubeで
お馴染みの田頭秀悟先生に、
「病気はなぜできるのか~主体的医療のススメ~」と題してお話しいただきました。
主体的医療ということで
「○○先生に、言われたとおりに、我慢して糖質制限をしています。」
ではなくて
「○○先生の、お話に納得して糖質制限をしましたが、調子が良くないので
自分で緩やかな糖質制限にしたら症状が改善したが、先生の意見が聞きたい。」
といったスタンスで自分で考えて実践するのが主体的医療ということです。
また、全ての病気が「過剰適応」か「消耗疲弊」であるが、
<糖質制限+ストレスマネジメント>
を主体的に実践することが、解決につながるとのお話でした。
第2部は、私が糖質制限食の基礎理論、様々な良い効果をもたらす理由、
新しい知見、糖質制限食による糖尿病治療の症例などについて解説いたしました。
「糖尿病・生活習慣病を予防、改善する糖質制限食~人類本来の食事、人類の健康食」
トピックスとして,米国糖尿病学会が、2019年4月のコンセンサスレポートにおいて、
『全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは存在しない。』
『糖質制限食(Low-carbohydrate eating patterns)が、エビデンスも最も豊富。』
と記載したことなどをお話ししました。
第3部は、ベストセラー「ケトン体が人類を救う」(光文社)の著者である、
宗田哲男先生に、「ケトン体物語~憎まれっ子、ケトン体の真実」と題して、
分かりやすくお話しいただきました。
1995年以降、日本人のたんぱく質摂取量は減少して、2013年には
何と1950年頃と同じ、一日に67.5gしかないことを強調されました。
ちなみに1995年は82.5g/日です。
それとともに、妊婦でもたんぱく質摂取量が減少して糖質摂取量が非常に増加してしまい、
肥満なのに栄養失調状態という実態を示されました。
そして、縄文人は、肉食(高タンパク高脂肪)でアルコールにも強かったということが
遺伝情報により国立科学博物館により報告されたことをお話されました。
真打ちのケトン体ですが、胎児絨毛のケトン体は平均4300μmol/Lで、
成人基準値85μmol/L以下、に比し50倍であることを報告されました。
そして胎児のエネルギー源はケトン体でありブドウ糖ではないことを強調されました。
出産後の離乳食は、とにかく「たんぱくリッチ」がとても大切であり、
重湯のような、糖質ばっかりの離乳食は欠陥であり、
WHOも日本の離乳食(重湯)を批判していることを示されました。
赤ちゃんの成長には、たんぱく質と脂質がとても大切なのに
重湯にはそれらが、大変少量しか含まれていないのです。
最後に妊産婦死亡のトップは自殺であり、
鉄欠乏による貧血が「うつ」のベースとなることを強調されました。
動物蛋白リッチな糖質制限食なら鉄も豊富ですし、
貧血にもうつにも栄養失調にもなりにくいです。
出産時出血などもあり得ますので、必要なら鉄剤の内服もありです。
妊娠前も妊娠中も出産後も、糖質制限食なら
たんぱくリッチで、妊娠糖尿病にもならないし、体重コントロールも
容易で、母子ともに健康で、安産となります。
ちなみに宗田クリニックの「帝王切開率」は糖質制限食指導開始後は
2/3に減少・改善しています。
離乳食も母の食事も
「たんぱくリッチ」な糖質制限食で、
母子ともに健康ライフを目指しましょう。
東京工科大学・応用生物学部・教授、佐藤拓己先生にも、
10分間という短い時間でしたが、ポリケトンについて
貴重なお話をして頂きました。
ポリケトンはとても興味深い物質ですが、ヒトへの応用はまだで
まずは、ペットの肥満対策にペットフードへの応用を目指しておられるとのことでした。
江部康二
江部先生、こんにちは。
日曜日の講演会とても楽しく拝聴しました。視力が悪いので3列目におりましたが前に座って大正解でした。沢山の方が来られていて、だんだんと日本にも糖質制限が広まりつつあることを実感し嬉しく思いました。私はまだ糖質制限始めて3年の初心者で、以前もコメントさせていただきましたが、妊活中の35歳です。そこで心配なことがあります。
20歳からの2年間アメリカにいたときは、暴飲暴食+日本からインスリンを持参したため、通院せず過ごし、帰国後HbA1cが8.8でした。最近は6.1-6.3ですが、今は良くても、過去の高血糖の記憶は消えず、「血糖値×持続年数」による合併症発症のリスクが高まるとのことですが、その消えない借金が残っているかはどのように調べることができますか?眼科も毎年通っていますが元々良かった視力は現在0.4で、他にも再発性角膜上皮びらんや飛蚊症もあります。スマホのやり過ぎもあるとは思いますが、視力の悪化も合併症のひとつなのですか?糖質制限を始めてからも視力は少しずつ悪化しているので、とても不安です。よろしくお願いいたします。
日曜日の講演会とても楽しく拝聴しました。視力が悪いので3列目におりましたが前に座って大正解でした。沢山の方が来られていて、だんだんと日本にも糖質制限が広まりつつあることを実感し嬉しく思いました。私はまだ糖質制限始めて3年の初心者で、以前もコメントさせていただきましたが、妊活中の35歳です。そこで心配なことがあります。
20歳からの2年間アメリカにいたときは、暴飲暴食+日本からインスリンを持参したため、通院せず過ごし、帰国後HbA1cが8.8でした。最近は6.1-6.3ですが、今は良くても、過去の高血糖の記憶は消えず、「血糖値×持続年数」による合併症発症のリスクが高まるとのことですが、その消えない借金が残っているかはどのように調べることができますか?眼科も毎年通っていますが元々良かった視力は現在0.4で、他にも再発性角膜上皮びらんや飛蚊症もあります。スマホのやり過ぎもあるとは思いますが、視力の悪化も合併症のひとつなのですか?糖質制限を始めてからも視力は少しずつ悪化しているので、とても不安です。よろしくお願いいたします。
Frohman 愛 さん
「糖質制限食とケトン体、健康に生きるヒント」
東京講演会へのご参加、ありがとうございました。
眼科に毎年受診しておられるなら、「高血糖の記憶」に関して、まず大丈夫です。
糖尿病網膜症は、いろんな糖尿病合併症のなかで、比較的早く出現します。
毎年、眼科受診しておられて、糖尿病網膜症の指摘がないなら
「高血糖の記憶」はないと思います。
「元々良かった視力は現在0.4で、他にも再発性角膜上皮びらんや飛蚊症」
視力低下や飛蚊症は加齢による可能性が高く、
再発性角膜上皮びらんは糖尿病とは無関係と思います。
「糖質制限食とケトン体、健康に生きるヒント」
東京講演会へのご参加、ありがとうございました。
眼科に毎年受診しておられるなら、「高血糖の記憶」に関して、まず大丈夫です。
糖尿病網膜症は、いろんな糖尿病合併症のなかで、比較的早く出現します。
毎年、眼科受診しておられて、糖尿病網膜症の指摘がないなら
「高血糖の記憶」はないと思います。
「元々良かった視力は現在0.4で、他にも再発性角膜上皮びらんや飛蚊症」
視力低下や飛蚊症は加齢による可能性が高く、
再発性角膜上皮びらんは糖尿病とは無関係と思います。
2019/10/02(Wed) 21:01 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、こんばんは。
先日の東京講演会、初めての参加ですが大変勉強になりました。お土産まで頂いて、遠方からでしたが参加して本当に良かったっ思っております。
難しい内容もありましたが、参加された皆さんの意識の高さに驚きました。私も糖質制限を始めて一年ほどになりましたが職業柄、昼食を選ぶことができず朝晩のみの実践ですが…
目に見える効果が出るようにじっくり取り組みたいと思います。
講演会についてですが、是非神奈川県内でも実施していただけたら…と思っております。
先日の東京講演会、初めての参加ですが大変勉強になりました。お土産まで頂いて、遠方からでしたが参加して本当に良かったっ思っております。
難しい内容もありましたが、参加された皆さんの意識の高さに驚きました。私も糖質制限を始めて一年ほどになりましたが職業柄、昼食を選ぶことができず朝晩のみの実践ですが…
目に見える効果が出るようにじっくり取り組みたいと思います。
講演会についてですが、是非神奈川県内でも実施していただけたら…と思っております。
2019/10/02(Wed) 21:32 | URL | ゆり | 【編集】
江部先生、ご返信ありがとうございました。35歳で視力の低下は早いかなと思っていたのですが、やはり加齢なのですね。でも合併症はまず大丈夫との先生のお言葉で安心できました。ありがとうございます。これからも糖質制限+妊活がんばります。
赤ちゃんの離乳食はおかゆって昔の話では?
今ドラッグストアにも沢山離乳食売ってるから、タンパク質、脂質不足になりませんけど?
今ドラッグストアにも沢山離乳食売ってるから、タンパク質、脂質不足になりませんけど?
2019/10/03(Thu) 06:42 | URL | まつだ | 【編集】
まつだ さん
残念ながら
授乳・離乳の支援ガイド(厚生労働省2019年改定)
でも、離乳食のメインはお粥です。
残念ながら
授乳・離乳の支援ガイド(厚生労働省2019年改定)
でも、離乳食のメインはお粥です。
2019/10/03(Thu) 08:29 | URL | ドクター江部 | 【編集】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191003/k10012109921000.html
揚げ物税 先生はどう思いますか?
揚げ物税 先生はどう思いますか?
2019/10/03(Thu) 09:04 | URL | yanosono | 【編集】
都内河北 鈴木です。
Frohman 愛さんの「視力」疑問ですが、
参考になればと私体験をコメントします!!
私は、「糖質制限理論」理解把握して実践で、
21年間の糖尿病・重症化のインスリン増量者が、
3か月足らずで「ヘモグロビン正常化!!」し、
2年後には、江部先生にも感謝の意味で「糖質制限改善の募集時」に送付しました、
眼科「眼底検査の改善」に、眼科A院長も驚く結果が出ました頃ですが、
「視力改善有り」軽度の眼鏡に変えた記憶があります!!
人類の健康食生活は、時代進化解明された
江部先生「糖質制限理論」に元ずく食生活かなと、
「生還、覚醒、再覚醒、」して考えます!!
*ただ「糖質食材を、最低必要量以上は、摂取控えるだけで良いのだから!!」
江部先生には、「生還、覚醒、再覚醒、」でき、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
Frohman 愛さんの「視力」疑問ですが、
参考になればと私体験をコメントします!!
私は、「糖質制限理論」理解把握して実践で、
21年間の糖尿病・重症化のインスリン増量者が、
3か月足らずで「ヘモグロビン正常化!!」し、
2年後には、江部先生にも感謝の意味で「糖質制限改善の募集時」に送付しました、
眼科「眼底検査の改善」に、眼科A院長も驚く結果が出ました頃ですが、
「視力改善有り」軽度の眼鏡に変えた記憶があります!!
人類の健康食生活は、時代進化解明された
江部先生「糖質制限理論」に元ずく食生活かなと、
「生還、覚醒、再覚醒、」して考えます!!
*ただ「糖質食材を、最低必要量以上は、摂取控えるだけで良いのだから!!」
江部先生には、「生還、覚醒、再覚醒、」でき、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2019/10/03(Thu) 11:35 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
こんにちは。
私は糖質制限して5年目になりますが(特に病気とかはないのでゆるゆる糖質制限です)、最近、そういえば飛蚊症がまったく無くなってる!ということに気づきました。
なので、飛蚊症も加齢による現象というより糖化の害のひとつなのでは?と思っています。
私は糖質制限して5年目になりますが(特に病気とかはないのでゆるゆる糖質制限です)、最近、そういえば飛蚊症がまったく無くなってる!ということに気づきました。
なので、飛蚊症も加齢による現象というより糖化の害のひとつなのでは?と思っています。
2019/10/04(Fri) 09:21 | URL | torey | 【編集】
torey さん
それは良かったです。
飛蚊症も、硝子体のなかに、AGEsなどが貯まって生じる場合もあるので、
糖質制限食で改善する可能性があります。
それは良かったです。
飛蚊症も、硝子体のなかに、AGEsなどが貯まって生じる場合もあるので、
糖質制限食で改善する可能性があります。
2019/10/04(Fri) 16:25 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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