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糖尿病腎症と糖質制限食
おはようございます。相変わらず蝉の声が賑やかです。

今朝は、おまけに6時過ぎに軽い地震があり、しっかり目が覚めました。

さて、今回はヒデゾウさんから、糖尿病腎症糖質制限食に関して、コメントと質問をいただきました。


『08/07/26 ヒデゾウ

こんにちは、江部康二先生に糖質制限の質問をさせていただきたいのです、
今年四月にDMが発症したヒデゾウと申します、個人病院で検査にて結果
HbA1C 6.5 食前血糖 150 蛋白2+ アルブミン尿が500を超えてました、
その後専門医の居る大きな病院に教育入院して               
入院時食前血糖値 137     退院時 ?       1ヵ月後食前血糖値 95
入院時HbA1C  6.4    退院時HbA1C 6.2   1ヵ月後 5.9
入院時尿蛋白 プラス     退院時マイナス
               退院時アルブミン尿 52.5   
主治医は個人病院でのアルブミン尿500を超えは誤差かもと言っていました
入院時クレアチニン 1.27(入院当初) 1.11(中間) 1.04(退院時)  1ヵ月後0.91      
入院時尿酸 8.0       退院時 6.9   投薬で下がったと思います(ニューロタン)
脂肪肝で  右腎臓にのうほう4つ  

5年前に食前血糖値 120 HbA1C 6.2 と言う記録が有りました、
その頃から隠れ糖尿病で判らず放置した結果と思っています、
合併症として腎症、神経症が有ると思っています、症状も現在改善されましたが
腎症、神経症の症状と思われるものが幾つか有りました、通風腎でも有ると思います。
右目に飛蚊症も出ているのですが、眼底検査の結果問題ないとの事でした。
高血圧、通風も患っています。薬にて尿酸値は6.9に下がりました、
食前にベイスンOD錠0.2を起床時にニューロタン25mg アロシトール100mg
ノルバスク5mgを飲んでいます

現在、自己購入した血糖測定器で自己測定しています
確かに炭水化物を摂取しないと血糖値が上がりません。
腎症?又は通風腎、高血圧のある僕でも糖質制限は出来るのでしょうか?
糖質制限が出来ないにしても、炭水化物(糖質)を少なくしタンパク質、脂質もほどほどで
温野菜を中心にした方法ぐらいしか無いのでしょうか?
本当に悩んでいます、アドアイス宜しくお願いします。  ヒデゾウ』


ヒデゾウさん。コメントそして本のご購入ありがとうございます。

8月4日のコメントで、この一ヶ月、糖質を控えめにした食生活で、HbA1cが5.9から5.2まで下がったということでよかったですね。 ヾ(^▽^)

「5年前に食前血糖値 120 HbA1C 6.2」ですので、少なくとも当時から空腹時血糖値が境界領域で、さらに食後高血糖もあった可能性が高いですね。

「入院時クレアチニン 1.27(入院当初) 1.11(中間) 1.04(退院時)  1ヵ月後0.91」

腎機能として、クレアチニンが一番気になるところですが、幸い改善していますので、糖質制限食OKですね。

尿中微量アルブミンは、糖尿病腎症の一番初期の段階でひっかかってくるものです。

高血糖が持続すると、腎糸球体の細小血管の障害が起こります。その結果糸球体の構造が破壊され、機能障害が生じていきます。

腎症の一番初期の段階は、尿中微量アルブミンの増加としてとらえられます。3ヶ月に1回ていど尿中微量アルブミンを検査すれば、一般的に測定されている尿タンパクが出現する以前の段階で、早期腎症を発見することができます。

蛋白尿が出始めたら、顕性腎症の段階に入ります。この段階では血液の腎機能検査は正常ですが、血液検査で、クレアチニン、BUNなどに異常が出現すれば腎不全となります。

さらに進行すれば、人工透析が必要となります。現在、年間約1万三千人の方が糖尿病性腎症により人工透析を導入していますが、慢性腎炎を抜いて疾患別では1位となっています。できれば微量アルブミンの早期腎症の段階で発見し、進行をくいとめたいものです。

ヒデゾウさんの場合は、尿中微量アルブミン陽性の初期段階ですので、糖質制限食を行ってよいです。 糖質制限食糖尿病のコントロールが良くなれば、微量アルブミンの段階なら回復して正常に戻る可能性が充分あります。内服中のニューロタンなどアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)も微量アルブミンの改善に有効とされています。

尿酸値も6.9mgていどであれば糖質制限食OKですし、高血圧も糖質制限食大丈夫です。

本ブログに時々登場する、ご自身が1型糖尿病の米国のバーンスタイン医師は、小児期12才に1型糖尿病を発症し、以後インスリンを打ち続けておられます。

35才、糖尿病腎症の初期となった頃、SMBGで血糖自己測定をしながら食事療法を研究し、徹底した糖質制限食を開始。蛋白尿が出現する段階の顕性腎症前期から、糖質制限食で回復しタンパク尿消失。

45才で医学部に入学、49才で医師になり、糖尿病を徹底的に研究。以後、多数の糖尿病患者を診察。73才現在、糖尿病合併症もなく、現役医師としてお元気にお過ごしです。

バーンスタイン医師のように、顕性腎症前期からでも、糖質制限食で正常に回復することがありますので、ヒデゾウさんも、現在のデータなら安心して、糖質制限食を続けていただけばよいと思いますよ。 (^_^)


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
本日のブログと直接関係がない質問なのですが。

WEBでGTFクロムフェリンというものを見つけました。
インシュリンが出ている糖尿病の場合に特に有効ということで,三価クロムというものがあります。

体内に摂取しにくいもののために,ラクトフェリンとくっつけてクロムフェリンにしたというものです。

他にもGTFクロムという商品は結構あります。

三価クロムが糖尿病にどれくらい効果があるのかを教えてくださいますか。

2008/08/06(Wed) 21:42 | URL | ギター講師 | 【編集
江部先生、はじめまして!
いつも拝見させていただいております、ゆうと申します。

早速ですが、私も本日のブログと直接関係がない質問なのですが、カフェインが血糖値を上げる作用があるという内容がカステーラさんのブログにありました。だとしたら「食後の血糖値が気になる方の食生活の改善に役立ちます」と許可表示されている市販の「健茶王」にもカフェインが入っており、何だか矛盾している気がするのですが、いかがなものでしょうか?実はセール中とのことで健茶王を大量に購入してしまい処分しなければいけないのか途方にくれているところなのです。
ご多忙中誠に恐縮なのですが宜しくご教授お願いいたします。

2008/08/07(Thu) 15:19 | URL | ゆう | 【編集
しがないサラリーマンさん。

「実践編」の155ページ、誤解を招く表現で申し訳ありませんでした。

いろんなメーカーさんが血糖値を下げる効果をうたったお茶を販売していますが、「特定保健用食品」であれば、厚生労働省お墨付きで一定の効果が確認されていると思います。

本で伝えたかったのは、普通に主食を摂取すれば、
糖質が50g以上含まれているので、その種のお茶をのんでいても食後血糖値が180mgを切ることは困難ということなのです。

ご指摘ありがとうございました。重版のときに、表現を直させていただきます。
2008/08/07(Thu) 18:36 | URL | 江部康二 | 【編集
ギター講師さん。

クロムフェリンはただの健康食品です。
医薬品とは異なり、効果も品質も学術的に保証されていません。
れっきとした臨床試験が行われていることもありえません。
副作用などがあったときも、自己責任になります。
医薬品は効果や品質が臨床試験により保証されていますし、副作用があったときは救済制度もあります。

医薬品と健康食品は、はっきりわけて考えた方がよいと思いますよ。
2008/08/07(Thu) 22:39 | URL | 江部康二 | 【編集
maminekoさん。

クレアチニンが軽度ですが上昇しています。
残念ながら糖質制限食の適応となりません。
2008/08/08(Fri) 07:47 | URL | 江部康二 | 【編集
Re: No title
michiさん。

1型で十数年、HbA1c6%台をキープ。立派だと思います。
一方、糖質を普通に摂取しておられたら、食後高血糖は防げていないと思います。
平均値としてのHbA1cはコントロール良好でも、食後高血糖があれば、糖尿病腎症となりえます。

血液検査で腎機能は正常ですので、糖質制限食を実践され、食後高血糖を防げば
腎症が正常化する可能性があります。タンパク質も摂取して大丈夫と思います。
インスリンの量は1/3以下になりますのでこちらも身体には良いことです。

2010-11-03のブログ「タンパク質制限食が糖尿病腎症の進展予防に無効」
2010年05月12日 のブログ「糖尿病腎症と糖質制限食2010」
をご参照ください。
あと、カテゴリー欄の<糖質制限食と腎臓>に27記事がありますので、
こちらもご参照いただけば幸いです。

主治医とよく相談され、最終的には自己責任でご決断ください。
2010/12/31(Fri) 09:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
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