2019年09月19日 (木)
こんにちは。
私は糖尿人であり、スーパー糖質制限食歴17年で、
筋金入りの糖質セイゲニストです。
やはり、糖尿人で、スーパー糖質制限食歴10年の患者さんから、
「炭水化物(糖質)の存在意義および価値は? 糖質は何のためにあるのでしょうか?」
という、質問を頂きましたので考えてみました。
必須アミノ酸、必須脂肪酸は、厳然と存在します。
人体で生産することができないアミノ酸と脂肪酸は、
必ず食物から摂取する必要があります。
ビタミンも体内で合成できないものがほとんどで、
食物から摂取する必要がありますし、ミネラルや微量元素も同様に必須です。
また、食物繊維も、腸内細菌と人体の関係性も含めて摂取する必要があります。
これに対して、必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、
食物から摂取する必要はないのです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。
人体内で唯一絶対にブドウ糖を必要とするのは、赤血球です。
赤血球は、人体の細胞で唯一、
ミトコンドリアというエネルギー生産装置を持っていないので、
ブドウ糖しか利用できません。
空腹時や睡眠時などを含めると赤血球へのブドウ糖供給は、
ほとんどが肝臓の糖新生によって、まかなわれており、食材からは少量です。
脳はミトコンドリアを持っているので、
脂肪酸の分解物のケトン体をいくらでもエネルギー源としますし、
ブドウ糖も利用します。
他の心筋、骨格筋、体細胞は日常的には脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源として、
時々ブドウ糖も利用します。
<炭水化物(糖質)の役割>
人類の進化の歴史において、農耕が始まる前の狩猟・採集時代700万年間においては、
食材としての糖質の役割は、中性脂肪蓄積が第一義であったと考えられます。
初期の人類において、中性脂肪を体脂肪として蓄えておくことは、
日常的に襲ってくる飢餓への、唯一のセーフティーネットであったと考えられます。
狩猟・採集時代に時々手に入った糖質は、
野生の果物類、ナッツ類、そして山芋・百合根など根茎類です。
運良くこれらを得たとき、少量のインスリンが追加分泌されて、
脂肪細胞のGLUT4が細胞表面に上がり、血糖を取り込んで中性脂肪に変えていたのです。
インスリンが追加分泌されれば、筋肉細胞も血糖を取り込み血糖値を下げます。
しかし余った血糖は全てインスリンが脂肪細胞に取り込ませて、
中性脂肪に変えて蓄えていたのです。
狩猟・採集時代においては、「インスリンと糖質」のコンビは、
もっぱら、『脂肪蓄積装置』として、稼働していたと考えられます。
また果物の果糖は、ブドウ糖にはほとんど変わりませんが吸収されて肝臓に至り、
ブドウ糖より速やかに中性脂肪になり蓄積されます。
果物の糖質には、ブドウ糖、ショ糖、果糖などがあります。
このように、人類の進化の過程では、糖質は時々しか手に入らない
ラッキー食材であり、貴重な中性脂肪蓄積のもとだったと考えられます。
本来、中性脂肪蓄積が第一義であった糖質を、
農耕が定着して以降は、日常的に摂取するようになりました。
さらにこの200年は、精製炭水化物を常食するようになったので、
大量の追加分泌インスリンがでて、大変中性脂肪が蓄積されやすい状況となり、
肥満が発症しやすくなったのです。
大量のインスリンを分泌し続けて、膵臓のβ細胞が疲弊すれば、
糖尿病を発症します。
700万年間の狩猟・採集時代は、β細胞は、
基礎分泌インスリン産生以外はほとんど働く必要もなく、
のんびり過ごしていたと考えられます。
精製炭水化物登場以降の現代は、
β細胞にとって朝から晩まで過剰に働き続けざるを得ない受難の時代と言えるでしょう。
β細胞が過労死になってもおかしくないのが、現代の糖質過剰時代なのです。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits
of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy
Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerste
in MK, Jequier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O,
Uauy R.
私は糖尿人であり、スーパー糖質制限食歴17年で、
筋金入りの糖質セイゲニストです。
やはり、糖尿人で、スーパー糖質制限食歴10年の患者さんから、
「炭水化物(糖質)の存在意義および価値は? 糖質は何のためにあるのでしょうか?」
という、質問を頂きましたので考えてみました。
必須アミノ酸、必須脂肪酸は、厳然と存在します。
人体で生産することができないアミノ酸と脂肪酸は、
必ず食物から摂取する必要があります。
ビタミンも体内で合成できないものがほとんどで、
食物から摂取する必要がありますし、ミネラルや微量元素も同様に必須です。
また、食物繊維も、腸内細菌と人体の関係性も含めて摂取する必要があります。
これに対して、必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓で糖新生してまかなうので、
食物から摂取する必要はないのです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。
人体内で唯一絶対にブドウ糖を必要とするのは、赤血球です。
赤血球は、人体の細胞で唯一、
ミトコンドリアというエネルギー生産装置を持っていないので、
ブドウ糖しか利用できません。
空腹時や睡眠時などを含めると赤血球へのブドウ糖供給は、
ほとんどが肝臓の糖新生によって、まかなわれており、食材からは少量です。
脳はミトコンドリアを持っているので、
脂肪酸の分解物のケトン体をいくらでもエネルギー源としますし、
ブドウ糖も利用します。
他の心筋、骨格筋、体細胞は日常的には脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源として、
時々ブドウ糖も利用します。
<炭水化物(糖質)の役割>
人類の進化の歴史において、農耕が始まる前の狩猟・採集時代700万年間においては、
食材としての糖質の役割は、中性脂肪蓄積が第一義であったと考えられます。
初期の人類において、中性脂肪を体脂肪として蓄えておくことは、
日常的に襲ってくる飢餓への、唯一のセーフティーネットであったと考えられます。
狩猟・採集時代に時々手に入った糖質は、
野生の果物類、ナッツ類、そして山芋・百合根など根茎類です。
運良くこれらを得たとき、少量のインスリンが追加分泌されて、
脂肪細胞のGLUT4が細胞表面に上がり、血糖を取り込んで中性脂肪に変えていたのです。
インスリンが追加分泌されれば、筋肉細胞も血糖を取り込み血糖値を下げます。
しかし余った血糖は全てインスリンが脂肪細胞に取り込ませて、
中性脂肪に変えて蓄えていたのです。
狩猟・採集時代においては、「インスリンと糖質」のコンビは、
もっぱら、『脂肪蓄積装置』として、稼働していたと考えられます。
また果物の果糖は、ブドウ糖にはほとんど変わりませんが吸収されて肝臓に至り、
ブドウ糖より速やかに中性脂肪になり蓄積されます。
果物の糖質には、ブドウ糖、ショ糖、果糖などがあります。
このように、人類の進化の過程では、糖質は時々しか手に入らない
ラッキー食材であり、貴重な中性脂肪蓄積のもとだったと考えられます。
本来、中性脂肪蓄積が第一義であった糖質を、
農耕が定着して以降は、日常的に摂取するようになりました。
さらにこの200年は、精製炭水化物を常食するようになったので、
大量の追加分泌インスリンがでて、大変中性脂肪が蓄積されやすい状況となり、
肥満が発症しやすくなったのです。
大量のインスリンを分泌し続けて、膵臓のβ細胞が疲弊すれば、
糖尿病を発症します。
700万年間の狩猟・採集時代は、β細胞は、
基礎分泌インスリン産生以外はほとんど働く必要もなく、
のんびり過ごしていたと考えられます。
精製炭水化物登場以降の現代は、
β細胞にとって朝から晩まで過剰に働き続けざるを得ない受難の時代と言えるでしょう。
β細胞が過労死になってもおかしくないのが、現代の糖質過剰時代なのです。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits
of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy
Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerste
in MK, Jequier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O,
Uauy R.
江部先生、こんにちわ。
今日、本屋で次の本を立ち読みしました。内容に疑問があり購入はしませんでした。
「西洋医学の限界」 東京大学医学部客員研究員、岡部哲郎著、(株)アスコム出版
岡部氏は漢方が専門のようですが、東大医学部先生でもあり、根拠のないことを書かれるとも思われませんが、あまりにも、従来の知見とは異なるので、江部先生のご見解をお聞かせください。
この中で、糖質制限、特に糖質制限+有酸素運動で緑内障を発症すると記載されています。
全く信じがたいのですが、どのような根拠で言っておられるのか推察できればお教えください。
私自身、15年程前から緑内障を発症、3種の目薬使用して眼圧の上昇を抑えています。
糖質制限は8年前に開始し継続しています。
視野はかなり欠けていますが、糖質制限を開始した8年前から特に進行したという感じはありません。
さらに、この本の中で、「漢方薬で眼圧上昇の原因を根本から除くことができ、緑内障は完治可能」と記載されています。
高雄病院は漢方もご専門ですので、そのような漢方薬があるのであればお教えください。
貴病院で診察を受けたいと思います。
名古屋・h
今日、本屋で次の本を立ち読みしました。内容に疑問があり購入はしませんでした。
「西洋医学の限界」 東京大学医学部客員研究員、岡部哲郎著、(株)アスコム出版
岡部氏は漢方が専門のようですが、東大医学部先生でもあり、根拠のないことを書かれるとも思われませんが、あまりにも、従来の知見とは異なるので、江部先生のご見解をお聞かせください。
この中で、糖質制限、特に糖質制限+有酸素運動で緑内障を発症すると記載されています。
全く信じがたいのですが、どのような根拠で言っておられるのか推察できればお教えください。
私自身、15年程前から緑内障を発症、3種の目薬使用して眼圧の上昇を抑えています。
糖質制限は8年前に開始し継続しています。
視野はかなり欠けていますが、糖質制限を開始した8年前から特に進行したという感じはありません。
さらに、この本の中で、「漢方薬で眼圧上昇の原因を根本から除くことができ、緑内障は完治可能」と記載されています。
高雄病院は漢方もご専門ですので、そのような漢方薬があるのであればお教えください。
貴病院で診察を受けたいと思います。
名古屋・h
都内河北 鈴木です。
本日記事説明の「炭水化物存在意義」ですが、
私は、江部先生「糖質制限理論」理解把握して、実践で、
「生還、覚醒、差覚醒、」している現在に思いますのは、
「糖質・摂取は、健康人生生活に、生きる為に、
『摂取無用』だと考えます!!」
何故なら、江部先生糖質制限理論」で
私は「薬不要で、食生活実践で、生還できたからです!!」
私が2005年転院時より通院していた「病院の経営者K・Hの肩書!!」
行く先々の病院、M日赤・内科部長S・Tは、
「私は現在の美上に改善したのは、江部先生「糖質制限理論」の御陰です。」
の発言に、
転院紹介状に「日本糖尿病学会へ批判的」などと書く始末です!!
私は「日本糖尿病学会」への批判などの発言は、申していません!!
「否定」発言はしています!!
何故なら、悪化から、「脳梗塞・発症で救急搬送され」
殺されかけたのですから!!
私の21年間の糖尿病・重症化が、
3か月足らずで、インスリン増量が不要に、
ヘモグロビン正常化に「生還」改善した医療証明書が存在してます!!
そして「改善皆無」の日本で唯一行われている
「日本糖尿病学会」の「カロリ~制限理論」には、
何の改善へ繋がらない事を、江部先生「問室制限理論」で、
1患者が証明したのです!!
そして江部先生「糖質制限理論」の正当さを、
体感できた事は、
「生還、覚醒、再覚醒、」の医療デ~タが
証明しています!!
*「生還、」の医療デ~タは、2005年転院時から
「隠蔽していた都内S区K総合病院」での物です!!
私の「医療デ~タを見てもらえれば、理解可能かと考えます!!」
私は、現在「糖質制限理論」で8年目後半ですが、
2005年発表、江部先生「糖質制限理論」を否定、批判して、
「日本糖尿病学会」信奉者は、
改善へに何の意味があるのかを、考えないのかが疑問です!!
明らかに3文ドラマの筋書きになりそうな、
「既得権益・亡者」だと、
ネットで地球の社会にさらしているだけだと理解できないのかと考えます!!
本日記事内容は、
時代進化解明した医学知識だと、読後理解把握できる内容で
「生還、覚醒、再覚醒、」でき、
感動尽きません!!
ありがとうございます。
*今後も更なる改善目指して、報告できるように改善可能性を目指します!!
敬具
本日記事説明の「炭水化物存在意義」ですが、
私は、江部先生「糖質制限理論」理解把握して、実践で、
「生還、覚醒、差覚醒、」している現在に思いますのは、
「糖質・摂取は、健康人生生活に、生きる為に、
『摂取無用』だと考えます!!」
何故なら、江部先生糖質制限理論」で
私は「薬不要で、食生活実践で、生還できたからです!!」
私が2005年転院時より通院していた「病院の経営者K・Hの肩書!!」
行く先々の病院、M日赤・内科部長S・Tは、
「私は現在の美上に改善したのは、江部先生「糖質制限理論」の御陰です。」
の発言に、
転院紹介状に「日本糖尿病学会へ批判的」などと書く始末です!!
私は「日本糖尿病学会」への批判などの発言は、申していません!!
「否定」発言はしています!!
何故なら、悪化から、「脳梗塞・発症で救急搬送され」
殺されかけたのですから!!
私の21年間の糖尿病・重症化が、
3か月足らずで、インスリン増量が不要に、
ヘモグロビン正常化に「生還」改善した医療証明書が存在してます!!
そして「改善皆無」の日本で唯一行われている
「日本糖尿病学会」の「カロリ~制限理論」には、
何の改善へ繋がらない事を、江部先生「問室制限理論」で、
1患者が証明したのです!!
そして江部先生「糖質制限理論」の正当さを、
体感できた事は、
「生還、覚醒、再覚醒、」の医療デ~タが
証明しています!!
*「生還、」の医療デ~タは、2005年転院時から
「隠蔽していた都内S区K総合病院」での物です!!
私の「医療デ~タを見てもらえれば、理解可能かと考えます!!」
私は、現在「糖質制限理論」で8年目後半ですが、
2005年発表、江部先生「糖質制限理論」を否定、批判して、
「日本糖尿病学会」信奉者は、
改善へに何の意味があるのかを、考えないのかが疑問です!!
明らかに3文ドラマの筋書きになりそうな、
「既得権益・亡者」だと、
ネットで地球の社会にさらしているだけだと理解できないのかと考えます!!
本日記事内容は、
時代進化解明した医学知識だと、読後理解把握できる内容で
「生還、覚醒、再覚醒、」でき、
感動尽きません!!
ありがとうございます。
*今後も更なる改善目指して、報告できるように改善可能性を目指します!!
敬具
2019/09/19(Thu) 18:53 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
名古屋・h さん
「糖質制限+有酸素運動で緑内障を発症する」というような事実はありません。
そして、漢方も含めて、内服薬では、緑内障は治りません。
根本的緑内障治療は手術以外にありません。
深作秀春先生のご著書「視力を失わない生き方」光文社新書
193-209ページに、詳しく解説してあります。
「糖質制限+有酸素運動で緑内障を発症する」というような事実はありません。
そして、漢方も含めて、内服薬では、緑内障は治りません。
根本的緑内障治療は手術以外にありません。
深作秀春先生のご著書「視力を失わない生き方」光文社新書
193-209ページに、詳しく解説してあります。
2019/09/20(Fri) 08:00 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生
早速、回答ありがとうございました。
安心しました。
東大医学部関係者が間違った情報を流すのも困ったものです。
名古屋・h
早速、回答ありがとうございました。
安心しました。
東大医学部関係者が間違った情報を流すのも困ったものです。
名古屋・h
糖質制限は50歳までしか推奨しないと医者に言われました。本当でしょうか?
50歳過ぎの人が糖質制限するとダメなのでしょうか?
50歳過ぎの人が糖質制限するとダメなのでしょうか?
2019/09/20(Fri) 22:33 | URL | まるこ | 【編集】
まるこ さん
人類の700万年の歴史において、穀物の登場は、約1万年前です。
つまり、人類は約700万年間は、大人も子供も糖質制限食ということです。
従いまして、50歳過ぎても子供でも、糖質制限食OKです。
ちなみに、私は52歳からスーパー糖質制限食を開始し、現在69歳です。
歯は全て残っていて、虫歯なし。
身長は縮んでいません。
目は、裸眼で広辞苑が読めます。
聴力低下もありません。
睡眠中の尿もなしです。
血圧も正常です。
血液・尿検査も正常です。
薬は飲んでいません。
糖尿病の合併症もありません。
人類の700万年の歴史において、穀物の登場は、約1万年前です。
つまり、人類は約700万年間は、大人も子供も糖質制限食ということです。
従いまして、50歳過ぎても子供でも、糖質制限食OKです。
ちなみに、私は52歳からスーパー糖質制限食を開始し、現在69歳です。
歯は全て残っていて、虫歯なし。
身長は縮んでいません。
目は、裸眼で広辞苑が読めます。
聴力低下もありません。
睡眠中の尿もなしです。
血圧も正常です。
血液・尿検査も正常です。
薬は飲んでいません。
糖尿病の合併症もありません。
2019/09/22(Sun) 09:51 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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