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ADA(米国糖尿病学会)ガイドライン2019、食事パターン。
こんにちは。
米国糖尿病学会(ADA)が、ガイドライン2019 を発表しました。(☆)

ADAガイドライン2019の中の
Position Statements ライフスタイルマネジメント
の項目の、
食事パターン、主要栄養素分布、食事計画の項目に
以下の記載があります。(☆☆)

結局、
2019年4月のコンセンサス・レポートに比べると
かなり糖質制限食に関して、トーンダウンしています。

The Mediterranean :地中海食
Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH):高血圧食(DASH)
plant-based diets :植物ベース食
low-carbohydrate eating plans:糖質制限食
The diabetes plate method :カロリーコントロールの食事法

の5つの食事パターンが、健康的であるという評価で同列に論じられています。
また患者個人のそれぞれの事情や考え方を優先するということで、
個別化した患者中心のケア重視を強調しています。
つまり、そもそもいろんな食事療法があってよいという立場で、
上記5つの食事パターンも、健康的ですが、その他どんな食事パターンでも良いですよというスタンスです。

また、2013年のガイドラインと同様に、
『2型糖尿病患者への「唯一無二の理想的な食事パターン」はない』
というのがまず主たるスタンスです。

糖質制限食は、高血糖を改善し、血糖降下薬を減らせる可能性があると、
述べていますが、妊娠中や授乳中の女性、
摂食障害の患者や腎臓病の患者にもには推奨できないとしています。
さらにSGLT2阻害薬を内服中の患者には、
ケトアシドーシスのリスクの可能性があるので注意が必要としています。

コンセンサス・レポートでは、糖質制限食が
エビデンスが最も豊富であると、以下のごとく明言していました。
『低炭水化物食、特に非常に低い低炭水化物食パターンは、HbA1cを下げて、
糖尿病薬を減らすことを示してきた。
これらの食事パターンは、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。』


しかし、コンセンサス・レポートの表現に比較すると
ガイドラインの記載では、かなりトーンダウンしているので、
もしかしたら
ADA内部でも、「糖質制限食賛成派」と「糖質制限食反対派」
のバトルがあるのかもしれませんね。
日本と同じとしたら、何だか妙に親近感を覚えます。

2019年のガイドラインは、『個別化した患者中心のケア重視』が、
かなり強調されていましたが、
結局、それ以外は、2013年のガイドラインと、大きな差はないように思いました。

江部康二


(☆)

ADA
Diabetes Care 
The Standards of Medical Care in Diabetes has been updated—July 31, 2019
https://care.diabetesjournals.org/




(☆☆)

https://care.diabetesjournals.org/content/42/Supplement_1/S46

Position Statements
5. Lifestyle Management: Standards of Medical Care in Diabetes—2019
American Diabetes Association
Diabetes Care 2019 Jan; 42(Supplement 1): S46-S60.
https://doi.org/10.2337/dc19-S005


Eating Patterns, Macronutrient Distribution, and Meal Planning

Evidence suggests that there is not an ideal percentage of calories from carbohydrate, protein, and fat for all people with diabetes. Therefore, macronutrient distribution should be based on an individualized assessment of current eating patterns, preferences, and metabolic goals. Consider personal preferences (e.g., tradition, culture, religion, health beliefs and goals, economics) as well as metabolic goals when working with individuals to determine the best eating pattern for them (35,51,52). It is important that each member of the health care team be knowledgeable about nutrition therapy principles for people with all types of diabetes and be supportive of their implementation. Emphasis should be on healthful eating patterns containing nutrient-dense foods, with less focus on specific nutrients (53). A variety of eating patterns are acceptable for the management of diabetes (51,54), and a referral to an RD or registered dietitian nutritionist (RDN) is essential to assess the overall nutrition status of, and to work collaboratively with, the patient to create a personalized meal plan that considers the individual’s health status, skills, resources, food preferences, and health goals to coordinate and align with the overall treatment plan including physical activity and medication. The Mediterranean (55,56), Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) (57–59), and plant-based (60,61) diets are all examples of healthful eating patterns that have shown positive results in research, but individualized meal planning should focus on personal preferences, needs, and goals. In addition, research indicates that low-carbohydrate eating plans may result in improved glycemia and have the potential to reduce antihyperglycemic medications for individuals with type 2 diabetes (62–64). As research studies on some low-carbohydrate eating plans generally indicate challenges with long-term sustainability, it is important to reassess and individualize meal plan guidance regularly for those interested in this approach. This meal plan is not recommended at this time for women who are pregnant or lactating, people with or at risk for disordered eating, or people who have renal disease, and it should be used with caution in patients taking sodium–glucose cotransporter 2 (SGLT2) inhibitors due to the potential risk of ketoacidosis (65,66). There is inadequate research in type 1 diabetes to support one eating plan over another at this time.

A simple and effective approach to glycemia and weight management emphasizing portion control and healthy food choices should be considered for those with type 2 diabetes who are not taking insulin, who have limited health literacy or numeracy, or who are older and prone to hypoglycemia (50). The diabetes plate method is commonly used for providing basic meal planning guidance (67) as it provides a visual guide showing how to control calories (by featuring a smaller plate) and carbohydrates (by limiting them to what fits in one-quarter of the plate) and puts an emphasis on low-carbohydrate (or nonstarchy) vegetables.
コメント
アメリカも糖質制限食で論争?
江部先生を見ている限り、「糖尿病患者はスーパー糖質制限食実行」を明言していても、高尾病院は人気あるように見えるのですが。

◎盆暗な生活習慣病メインの内科医は、糖尿病患者が激減したら「くいっぱぐれ」

で、反対するのでしょうwww

2019/08/06(Tue) 15:32 | URL | らこ | 【編集
私も同様に考えます!!
都内河北 鈴木です。

らこさんの考えは、
私の「生還、覚醒、再覚醒、」できた事を考えても、同様に考えます!!

しかし、まだまだ権威肩書に惑わされている医療無知な方々は存在しています!!

時代進化した現代は、「病態も進化しています!!」

改善皆無の無益理論「カロリ~制限理論」を、
信奉しても致し方ないかと考えますが!!

それも世界に存在しない過去の2000年以前の理論
「カロリ~制限理論」では!!

江部先生の「糖質制限理論」の恩恵受けたら尚更ですね!!

私は、「日本糖尿病学会」理論進歩者達に、悪化だけでなく、殺され方のだが、
江部先生「糖質制限理論」で、
「生還、覚醒、再覚醒、」できたのだから!!
(医療デ~タ存在しています!!)

江部先生には「生還、覚醒、再覚醒、」でき、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2019/08/06(Tue) 16:11 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
Re: アメリカも糖質制限食で論争?
らこ  さん

おかげさまで
高雄病院には、糖尿病を中心に
北海道から沖縄まで入院される患者さんがおられます。

糖質制限食入院というのは、日本全国ほかには、ほぼないからでしょうが、
高雄病院は、自画自賛で恐縮ですが人気のある病院と言えると思います。

2019/08/06(Tue) 18:22 | URL | ドクター江部 | 【編集
>ADA内部でも、「糖質制限食賛成派」と「糖質制限食反対派」のバトルがあるのかもしれませんね。

権益が大きいほど人は地位と権威を手放しませんよね。下記動画は最近、アメリカの一部関係者の間だけで話題になってるビデオですが、例のランセット記事を主導し、ADA食事ガイドラインにも影響力のある地中海食派(ハーバード食品ピラミッド)で栄養易学の権威、 Walter Willett教授が2012年のガン予防の学会講演後の質疑応答でうっかり(?)、肥満、ガンの原因は脂質ではなく炭水化物であることを認めてしまった動画です。私は1時間あまりのオリジナル動画も見て確信しましたが、彼は炭水化物が肥満、ガンの原因になっている事を少なくとも7年前から気づいていて現在まで知らない振りしていたはずです。彼は長い間、彼の言うことを信じて玄米や全粒粉パンやパスタを毎日食べ続けた結果、糖尿病やガンにかかった人に対してどう思うのでしょうね。日本糖尿病学会の主流派にも自身は糖質制限をしながら表では学会のガイドラインを患者さんに勧めているお医者さんもいるのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=-sKu_mukdiA
2019/08/06(Tue) 19:04 | URL | 駐在君 | 【編集
Re: タイトルなし
駐在君

大変貴重な、ある意味では恐ろしい情報をありがとうございます。
Walter Willett教授、こわい人物ですね。

駐在君は、米国駐在で英語に堪能な方なのでしょうか?

2019/08/06(Tue) 19:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
>駐在君は、米国駐在で英語に堪能な方なのでしょ>うか?

ご質問ありがとうございます。
「駐在君」は長い海外駐在員時代のハンドルネームで、現在は引退しシンガポールをベースにFX、株指数のトレードをしてます。英語はビジネス英語程度で堪能と言うほどでも無いです。アメリカのKetogenc diet情報をベースにKETOで筋トレを趣味にしてます。いまマレーシア在ですが、近所に同じくKETOのGACKTさんが住んでいるらしく、私がナッツを買いに行く店に彼も買いに来るらしいです(笑)
2019/08/06(Tue) 20:43 | URL | 駐在君 | 【編集
米国糖尿病学会のガイドラインの改定
Standards of Medical Care in Diabetes-2019
は随時更新されています。

更新箇所は注釈として書かれています。元の文章は変更されません。

栄養療法はコンセンサス・レポート発表と同時に、4月18日に更新されています。
下記からジャンプできます。

https://care.diabetesjournals.org/living-standards

Updates to the Standards of Medical Care in Diabetes
Jump to:
July 31, 2019 Updates (Liraglutide labeling change, Tamborlane et al., REWIND, Battelino et al.)
June 3, 2019 Updates (CREDENCE and CANVAS Trials)
April 18, 2019 Updates (Nutrition Therapy Consensus Statement)
March 27, 2019 Updates (DECLARE-TIMI 5 and REDUCE-IT)
2018 Updates (2018 updates incorporated into the 2019 Standards of Care)

Table 5.1
Medical nutrition therapy recommendations
も更新されており、下記がエビデンスレベルBになっています。

“5.11 A variety of eating patterns are acceptable for the management of type 2 diabetes and prediabetes.
Reducing overall carbohydrate intake for individuals with diabetes has demonstrated the most evidence for
improving glycemia and may be applied in a variety of eating patterns that meet individual needs and preferences.
For select adults with type 2 diabetes not meeting glycemic targets or where reducing glucose-lowering
medications is a priority, reducing overall carbohydrate intake with low- or very low carbohydrate eating
plans is a viable approach. B”
2019/08/07(Wed) 00:24 | URL | hiroshi abe | 【編集
夏井先生も宗田先生も「糖質制限食入院」はしてないかw
アルツハイマー型認知症中期まで進行した 私らこ ですがw

◎夏井先生も宗田先生も「糖尿病入院指導」は無い

ですね。幸運な 私らこ のように、江部本3冊購入+江部ブログ毎日3回以上更新で、

◎糖尿病合併症が「脂漏性皮膚炎以外」全て寛解

になることは少ない気もします。都内河北 鈴木さんのような「糖尿病合併症」が出る前に、寛解領域に導いてくれた江部先生には、感謝しかありません。
2019/08/07(Wed) 00:41 | URL | らこ | 【編集
Walter Willett教授
駐在君さんの一連の投稿で、シリコンバレーとハーバードの派閥争いがあり、ハーバード派重鎮も炭水化物が肥満、ガンの原因と認めていた事がよく分かりました。江部先生、これは記事にして記録として残しておくべきではないでしょうか? (筋肉信仰派さんへの強烈なカウンターとなるのでは)
2019/08/07(Wed) 02:01 | URL | 通りすがり | 【編集
Re: タイトルなし
駐在君

お返事ありがとうございます。

なるほど、そういうご経歴なら、少なくとも私よりは、はるかに英語にご堪能と言えます。

「アメリカのKetogenc diet情報をベースにKETOで筋トレを趣味にしてます。」
こちらも、ケトジェニック・ダイエットとスーパー糖質制限食は、同一ですので、
これからも、海外英語情報など、よろしくお願い申し上げます。

GACKTさん、基本はケトジェニック・ダイエットで、年に一回スイーツを食べたときに
メチャクチャ眠くなって困ったとテレビで言ってましたね。
2019/08/07(Wed) 07:04 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 米国糖尿病学会のガイドラインの改定
hiroshi abe さん

「Standards of Medical Care in Diabetes-2019
は随時更新されています。
更新箇所は注釈として書かれています。元の文章は変更されません。」


なるほど、そういうことなのですね。
参考になります。
ありがとうございます。
私は、英語が得意ではないので、とても助かります。

「Table 5.1
Medical nutrition therapy recommendations
も更新されており、下記がエビデンスレベルBになっています。」


エビデンスレベルはBですが、糖質制限食に高評価ですね。
2019/08/07(Wed) 07:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
地中海食、DASH食の糖質量について
ADAのガイドラインはちょと残念ですね。

さて、ADAのガイドラインで認められている地中海食やDASH食の特徴?としては、全粒粉が含まれていますが、実際に食事として糖質はどの程度になるのでしょうか。その場合、ADAは食後高血糖についてどのように考えているのでしょうか。
2019/08/07(Wed) 07:58 | URL | 西村 典彦 | 【編集
糖尿病・合併症だと気づかされました!!
都内河北 鈴木です。

らこさんの発言通り
「私は、糖尿病・合併症」なんだったと、「生還、覚醒、再覚醒、」した
今となって、気付きました!!

私の場合治療したいと思っていても、
日本の糖尿病・専門組織の「日本糖尿病学会」が現在も「カロリ~制限理論」を唯一の糖尿病・治療理論だと考えていたからの被害証明者です!!

重症化する被害者が、江部先生「糖質制限理論」実践での証明者として、
「各種デ~タで確信した」からのコメントだと考えてください!!

発言不可になる前、殺されかけた1患者が
江部先生「糖質制限理論」で、
「生還、覚醒、再覚醒、」できたからの、
確証を得てからの事実感謝コメントです!!

私は糖尿病21年間が、3か月足らずでインスリン投与者が「生還」するとは考えませんでしたが、
江部先生の「糖質制限理論」講義を読んでも、
近代史の「脚気・高木兼寛医師」からの時代進化した医学知識だと考えての実践だから、
「糖尿病・合併症」の私が
「生還、覚醒、再覚醒、」できたのだと考えます!!

今私は、自身が「糖尿病・合併症」だと気づきましたが、
その1患者でも薬不要で「生還、覚醒、再覚醒、」可能だと考えます!!

*医療デ~タ「生還、覚醒、再覚醒、」全て存在してます!!

私は可能な限り、「江部先生「糖質制限理論」で、完治を目指します!!

江部先生には、「生還、覚醒、再覚醒、」でき、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具

2019/08/07(Wed) 10:17 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
Re: 地中海食、DASH食の糖質量について
西村 典彦 さん

DASH食は、高タンパク低脂肪食なので
必然的に糖質比率は結構多いと思います。
地中海食も結構、糖質比率は多いと思います。

対照群が、同様に糖質をしっかり摂取している群なので
それなりに結果が出ているのでしょう。

理論的にはスーパー糖質制限食群が一定の数集まれば
「がん」「アルツハイマー病」「糖尿病」「メタボリックシンドローム」「肥満」など
が、有意差をもって少ないことが証明できると思われます。
しかし、数を集めることがなかなか困難ですね。
2019/08/07(Wed) 12:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
「糖質制限」と言う言葉について
最近、「糖質制限」と言う言葉が独り歩きしているように思えます。
糖質を控える事を糖質制限と表現すると、「そんなのは糖質制限ではない。糖質制限にはちゃんとルールがある」などと反論する人が少なからずいます。
血糖値を語る上で「炭水化物」と「糖質」を同等のものと理解できていない方も大勢いるように思います。
英語のCarbohydrateは炭水化物であって糖質ではないと言う風に思っている方も多いのではないでしょうか。そもそも糖質と言う英語が存在しない事を理解されていないのかもしれません。

これらの理解不足によって議論が変な方向に進んでいるサイトをよく見かけます。
一度、整理していただいた方が良いのではないかと懸念しています。
2019/08/08(Thu) 14:20 | URL | 気がかり | 【編集
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