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ADA(米国糖尿病学会)と糖質制限食の歴史。

こんにちは。
今回は、米国糖尿病学会と糖質制限食の歴史について考察してみます。

米国糖尿病学会(ADA)が、2019年4月
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」
コンセンサス・レポートを発表しました。
糖質制限食が最も積極的に推奨されています。

http://care.diabetesjournals.org/content/42/5/731
Nutrition Therapy for Adults With Diabetes or Prediabetes: A Consensus Report
Diabetes Care 2019 May; 42(5): 731-754.https://doi.org/10.2337/dci19-0014

http://care.diabetesjournals.org/content/42/5/731
で、全文を見ることができます。


<ADAと糖質制限食の歴史>
①2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていた。
②2008年、「食事療法に関する声明2008」において、「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載。
③2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認。
④2013年10月の『成人糖尿病患者の食事療法に関する声明』において、
•全ての糖尿病患者に適した“one-size-fits-all(唯一無二の)”食事パターンは存在しないと明言。 
→ patient-centered approach を強調。
•患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH食〕が受容可能。
•最適な炭水化物、蛋白質、脂質における理想的な比率を示唆するエビデンスはない。
•炭水化物摂取をモニタリングは、依然として血糖管理の改善における重要な戦略である。

2013年10月に米国糖尿病学会が「栄養療法に関する声明」において
『糖質制限食』を地中海食などど共に正式に認めました。
米国糖尿病学会の「栄養療法に関する声明」の改訂委員の一人は
デューク大学のヤンシー先生でした。
デューク大学では、2008年から、
炭水化物を20g/日未満に制限する「糖質制限-ケトジェニック食」(ケトン食)
を臨床に用いています。



<ADA、2019年のコンセンサス・レポート>
今回、ADAの、2019年4月発表の
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサス・レポート
では、
糖質制限食(Low-carbohydrate eating patterns)が、
ボリュームとして一番大きく取り上げられていて、
エビデンスも最も豊富であると記載してあり、
この6年間で、大きく前進した感があります。

一方、非常に効果があるので、脱水や低血糖の予防の必要があり
開始時に医師などに相談するようにとの記載があります。

今回も、マクロ栄養素・コンセンサス・リコメンデーションにおいて
「エビデンスは、糖尿病および予備軍における最適な炭水化物、蛋白質、脂質のカロリー比率はないことを示唆している」との記載があります。
それで、糖質制限食以外にも以下の食事パターンも取り上げてあります。
総じて、基本姿勢は、2013年と2019年と同様ですが糖質制限食が目立ってきた感じです。

糖質制限食の次に記載ボリュームが大きいのは地中海食です。
あくまでも、私見ですが、エビデンスが蓄積してきた結果、ADAは
「糖質制限食」「地中海食」の二つを他とは別格に
有効性があると捉えているように思えます。

1)Mediterranean-Style Eating Pattern(地中海食)
2)Vegetarian or Vegan Eating Patterns(ベジタリアン食)
3)Low-Fat Eating Pattern(低脂肪食)
Very Low-Fat: Ornish or Pritikin Eating Patterns
4)Low-Carbohydrate or Very Low-Carbohydrate Eating Patterns
(低炭水化物食、超低炭水化物食)
5)DASH Eating Pattern(高血圧食)
6)Paleo Eating Pattern(パレオ食)
7)Intermittent Fasting(間欠的断食)

<食事パターン・コンセンサス・リコメンデーション>(☆)

糖尿病の管理には、さまざまな食事パターンが許容されます。
特定の個人における異なる食事パターンの周囲を比較した利点のエビデンスが強化されるまで、医療提供者はそのパターンに共通しているキーとなる要素に焦点を当てるべきです。

○でんぷん質のない野菜を重視する。

○砂糖や精製した穀物の追加を最小限に抑える。

○可能な限り、高度に加工された食品よりも自然食品を選ぶ。」


糖尿病患者の全炭水化物摂取量を減らすことは、血糖を改善するための最も多くの証拠を示してきており、
個人のニーズや好みに合ったさまざまな食事パターンに適用することができます。

血糖値目標を達成していない、または血糖降下薬の服用量を減らすことが優先される成人2型糖尿病患者では、
低炭水化物または超低炭水化物の食事プランで炭水化物摂取量を減らすことが現実的です。



<食事パターン・コンセンサス・リコメンデーション
糖質制限食(低炭水化物食、超低炭水化物食)>
(☆☆)

低炭水化物食、特に非常に低い低炭水化物食パターンは、HbA1cを下げて、
糖尿病薬を減らすことを示してきた。
これらの食事パターンは、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。


・・・中略・・・

非常に低い低炭水化物食パターンを実践すると、利尿が生じ、速やかに血糖値が下がる。
それ故に、開始時には、脱水予防やインスリンと経口糖尿病薬を減らして低血糖を予防するために、知識豊富な医師などに相談する必要がある。・・・

以下略。


江部康二



EATING PATTERNS Consensus recommendations(☆)
A variety of eating patterns (combinations of different foods or food groups) are acceptable for the management of diabetes.

Until the evidence surrounding comparative benefits of different eating patterns in specific individuals strengthens, health care providers should focus on the key factors that are common among the patterns:

○ Emphasize nonstarchy vegetables.

○ Minimize added sugars and refined grains.

○ Choose whole foods over highly processed foods to the extent possible.

Reducing overall carbohydrate intake for individuals with diabetes has demonstrated the most evidence for improving glycemia and may be applied in a variety of eating patterns that meet individual needs and preferences.

For select adults with type 2 diabetes not meeting glycemic targets or where reducing antiglycemic medications is a priority, reducing overall carbohydrate intake with low- or very low-carbohydrate eating plans is a viable approach.


EATING PATTERNS Consensus recommendations
Low-Carbohydrate or Very Low-Carbohydrate Eating Patterns(☆☆)

Low-carbohydrate eating patterns, especially very low-carbohydrate (VLC) eating patterns, have been shown to reduce A1C and the need for antihyperglycemic medications. These eating patterns are among the most studied eating patterns for type 2 diabetes. One meta-analysis of RCTs that compared low-carbohydrate eating patterns (defined as ≤45% of calories from carbohydrate) to high-carbohydrate eating patterns (defined as >45% of calories from carbohydrate) found that A1C benefits were more pronounced in the VLC interventions (where <26% of calories came from carbohydrate) at 3 and 6 months but not at 12 and 24 months (110).
Another meta-analysis of RCTs compared a low-carbohydrate eating pattern (defined as <40% of calories from carbohydrate) to a low-fat eating pattern (defined as <30% of calories from fat). In trials up to 6 months long, the low-carbohydrate eating pattern improved A1C more, and in trials of varying lengths, lowered triglycerides, raised HDL-C, lowered blood pressure, and resulted in greater reductions in diabetes medication (111). Finally, in another meta-analysis comparing low-carbohydrate to high-carbohydrate eating patterns, the larger the carbohydrate restriction, the greater the reduction in A1C, though A1C was similar at durations of 1 year and longer for both eating patterns (112). Table 4 provides a quick reference conversion of percentage of calories from carbohydrate to grams of carbohydrate based on number of calories consumed per day.

Quick reference conversion of percent calories from carbohydrate shown in grams per day as reported in the research reviewed for this report
Because of theoretical concerns regarding use of VLC eating plans in people with chronic kidney disease, disordered eating patterns, and women who are pregnant, further research is needed before recommendations can be made for these subgroups. Adopting a VLC eating plan can cause diuresisand swiftly reduce blood glucose; therefore, consultation with a knowledgeable practitioner at the onset is necessary to prevent dehydration and reduce insulin and hypoglycemic medications to prevent hypoglycemia.
No randomized trials were found in people with type 2 diabetes that varied the saturated fat content of the low- or very low-carbohydrate eating patterns to examine effects on glycemia, CVD risk factors, or clinical events. Most of the trials using a carbohydrate-restricted eating pattern did not restrict saturated fat; from the current evidence, this eating pattern does not appear to increase overall cardiovascular risk, but long-term studies with clinical event outcomes are needed (113-117).




コメント
津川氏やDAIGO氏が引用したランセットの「糖質制限で寿命が縮まる」と言うハーバード大の論文は地中海食派(ハーバード食品ピラミッド派・Harvard’s Healthy Eating Pyramid)の政治的プロパガンダです(津川氏もハーバードで食品ピラミッド派になったのでしょうか)。で、この論文の中心人物はハーバード大教授で栄養疫学の権威でもあるDr Walter Willettで、彼がこの新食品ピラミッドを作成し、「赤肉を減らし、精白されてない全粒穀物や野菜、果物を多く取るのが健康にベストである」と言う通説を全世界に広めた人でもあります。ただ近年になって糖質制限食の安全性と有効性を証明する科学的論文が増え、ADAまでガイドライン変更するにいたって彼が焦りを感じている現状があり、それがこのハーバード大の馬鹿げたFFQによる低レベルな論文発表の根拠と考えれば納得もできます。アメリカでは多くの科学者が論文のいい加減さを指摘してますが、特にDr Georgia Edeが下記記事内で言った「この論文の著者たち(ウォルター・ウィレット教授一派)は”糖質制限で寿命が縮まる”と言う見出しだけが世間の目に止まり、その内容が精査されることなく世に受け入れられ、彼らの全粒粉神話の砂の城が洗い流されるのが遅れることだけを望んでいたのだろう。」とのコメントが全てを言いえているとおもいます。
https://www.psychologytoday.com/intl/blog/diagnosis-diet/201809/latest-low-carb-study-all-politics-no-science
2019/07/31(Wed) 18:17 | URL | 駐在君 | 【編集
Re: タイトルなし
駐在君

ありがとうございます。
なるほど、腑に落ちました。
2019/07/31(Wed) 22:05 | URL | ドクター江部 | 【編集
本日ブログ記事に、再認識して、納得です!!
都内河北 鈴木です。

本日記事説明は、私の医療デ~タが証明するように、
「生還、覚醒、再覚醒、」した事実が証明です!!

糖尿病で悪化した後遺症の「眼、脳梗塞、」も
「覚醒、再覚醒、」している事から、
現在「糖質制限理論」実践している方も、
希望は捨てずにいれば、改善可能性の確証があります!!

本日記事は、私は8年目の現在「生還、覚醒、再覚醒、」していますが、
更なる再認識として、心の安らぎになります!!

ネットで社会状況をニュ~スなどを見ていても、
日本医療界も無視は不可能な現況かと考えます!!

「糖質制限理論」は、時代進化解明事実なのだから、必ず圧勝だと言えます!!

私への「医療世界情報・隠蔽」の「日本糖尿病学会」公認の
病院、担当医、者達が、「反省・学習の思考力が有ればですが!!」

本日も都内S区「保健センタ~」検索しても、
「血糖改善教室」開催が有りません!!

私からすれば、糖尿病・専門医が改善皆無の講師の講義では、
質問に返答不可では、
当然至極かと考えます!!

江部先生には「生還、覚醒、再覚醒、」でき、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具






2019/07/31(Wed) 22:39 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
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