FC2ブログ
糖質制限食とSU剤について
こんばんは。

いよいよ明日から、信州八ヶ岳南麓・富士見高原にテニス合宿?に出かけます。7.26~29までテニスor焼酎三昧で美味しく楽しく糖質制限食、実践ですね。ペンション借り切りですので、気楽です。
勿論、抜かりなく糖質ゼロ発泡酒も頼んでおきましたよ。毎回二十数人で第27回ですから、ギネスブックものですね。 (^_^)

29日は京都に帰ってますが、ヘロヘロに酔っぱらっているのでブログ更新は無理です。勿論、お酒の一滴も飲めない格調高い友人の運転手は確保してありますよ。

で、ブログは30日から更新再開ですのであしからず。 m(_ _)m

さて今回は、piyopiyoさんから、SU剤についてコメント・質問をいただきました。


『SU剤について
先生、初めまして。SU剤についてご相談したく、お邪魔しました。
私の母(71歳)は10年ほど前に糖尿病との診断を受け、以後SU剤を服用しています。食事も工夫し、数年前からはラカントに、油はほとんど使用せず、食材も糖尿に良いと言われるものを多用してきました。血糖値が上がればご飯やおかずを減らすということの繰り返しで体重が減り、34キロを切ったことも数度(身長153cm)。それでもHbA1cは徐々に上昇し、昨年6月には9.6の最高記録を出してしまいました。その後、またいろいろ努力を重ね、今年の3月には7.8まで下がったものの、もうどうにも手詰まりで、インスリン注射に強い抵抗感を持つ母もとうとう観念せざるをえないか・・・というときに、先生のご本を知ったんです。
4月中旬から早速、夕食のご飯をやめました。しかし早朝空腹時血糖値がそれまでの180~210と大きく変わることがなく、1か月後には昼食のご飯も抜くことに。すると150~180で推移するようになり、6月初めの検査ではHbA1cが6.7に!この数字(6%台)が出たのは5年振りです。主食を抜くということで痩せるのを心配していたのですが、カロリー計算をし直し、逆に、制限していた頃(恐らく1000Kcal以下)よりしっかり、1200は食べるようにしたところ1.5~2キロ増えて、とても喜んでいます。
ただ、この1か月ほど、早朝空腹時血糖値がまた上がってきてしまって・・・(180~200)。糖新生のせいかなと思ったりもするのですが、もうひとつ気になるのがSU剤のことです。今も朝夕服用しているのですが(ベイスンは毎食前)、ブログを拝読すると、糖質制限食の利点のひとつは膵臓を休ませてあげられることですよね?なのにSU剤を飲み続けたのでは膵臓を1日中いじめているのと同じことで、疲弊が止まることはないのでは・・・と。でも、朝は50gですがご飯を食べていますし、早朝空腹時血糖値が高いため、夜の薬をやめるのが怖いのです。このまま飲み続けたほうがいいのでしょうか?それとも、長い目で見ればやめたほうが膵臓のためにいいのでしょうか?他の方々は、糖質制限食を始めてから薬(SU剤)をやめていらっしゃるのでしょうか?
ご飯を抜いてもこれでは、今まで通り食べたらどうなるのか、これは相当悪化しているということなのだろうかと、どうすればいいのか途方に暮れています。どうかアドバイスをいただきたく、よろしくお願いします。
2008/07/16(水) 14:20:14 | URL | piyopiyo』


piyopiyoさん。コメントありがとうございます。

御母上、カロリー制限食から糖質制限食に切り替えてHbA1c7.8%→6.7%に改善。また、しっかり1200キロカロリー食べて体重も回復。良かったですね。

現在、朝だけ50gのご飯で、昼と夕は主食なしなのですね。主食を摂る時だけ、食前にベイスンやグルファストを単独あるいは2種類内服する糖尿人もおられます。

通常のSU剤に比べて、グルファストやスターシスなど速効型インスリン分泌促進剤は、2~3時間と作用時間が短いので膵臓への負担が少ないのです。ここらのことは、主治医とよくご相談くださいね。

3食とも主食抜きのスーパー糖質制限食を実践すれば、SU剤もベイスンも内服しなくてもほとんどの2型糖尿人は食後高血糖は改善します。

しかし、インスリン基礎分泌が、長年の糖尿病であるていど低下していたら、スーパー糖質制限食を実践していても、早朝空腹時血糖値が140mg/dlを超えてきます。こうなると、食後高血糖がなくても、動脈硬化のリスクとなります。

スーパー糖質制限食を1~2ヶ月続けて膵臓を休養させても、早朝空腹時血糖値が140mg/dl以上なら、上述のごとくインスリン基礎分泌が不足していると考えられます。

早朝空腹時血糖値は、夜中の肝の糖新生が一番関係しています。夜間絶食時には、肝臓で乳酸やアミノ酸(アラニンなど)、グリセロール(中性脂肪の分解物)からブドウ糖をつくります(糖新生)。この肝の糖新生を抑制するのが、インスリンの基礎分泌です。

従って、インスリン基礎分泌があるていど減少している糖尿人は、夜間の肝の糖新生が抑制できずに早朝空腹時血糖値が高めになります。

例えば、夜10時の血糖値が110mgで何も食べていないのに、翌朝7時は130mgもあったりすることがあるのはこのためです。

日本人に一番多いのは、食後高血糖があるのを数年間見過ごされたあと、インスリン基礎分泌が徐々に減少し、とうとう早朝空腹時血糖値が上昇してきて糖尿病と診断されるパターンです。かくいう私もその一人です。

従いまして、その時点で膵臓のβ細胞が、どの程度生き残っているのかということになります。軽症糖尿病は1~2割のβ細胞は死滅していて、2~3割は疲れて機能が落ちている状態です。

スーパー糖質制限食を実践すれば、膵臓はしっかり休養できるので、疲れて機能が落ちている細胞は回復してきます。そうすると、基礎分泌もあるていど回復して、早朝空腹時血糖値も110mg未満の正常に戻ることもあります。

実際、入院してきっちり糖質制限食を実践して、空腹時血糖値180mgとかだった方が108mgとかに改善した例もあります。

一方、β細胞が既に3~4割ダメージを受けて回復不能の場合は、 糖質制限食を実践してもインスリン基礎分泌の改善に限界があり、早朝空腹時血糖値が高値となります。この場合、何とか126mg未満、無理なら140mg未満を目指すこととなります。早朝空腹時血糖値が140mg/dlを超えてくると合併症のリスクが高まります。

β細胞のダメージがある程度あって、基礎分泌のインスリン不足があり、糖質制限食を実践していても、早朝空腹時血糖値が常に140mg/dl以上がある糖尿人は、ランタス注ソロスターという22時間半持続するインスリン注射を、一日一回だけ打つ選択肢もあります。

この注射は、ジワジワと同じペースで一定量が吸収されるので、血中濃度を一定に保つことができます。即ちピークがないので低血糖も起こしにくいです。

ランタスが基礎分泌のインスリンの役割をしてくれるわけで、一日一回だけうって、既に回復不能の分だけ補充して、 糖質制限食を実践すれば、血糖値は正常を保つことが可能になります。

この場合も主食(糖質)を摂取するときだけ、ベイスン・グルコバイやグルファスト・スターシス内服を併用します。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック