FC2ブログ
時計遺伝子と概日リズムと朝食の是非
こんにちは。

以前から、
「一日の生活のリズムは朝食をしっかり食べることで整う」
という説があります。
しかし、この通説、一見もっともらしいのですが、
根拠はあるのでしょうか?
今回は、朝食の是非について、考えてみます。

その一環として、
概日リズム(サーカディアンリズム) についても
考察してみたいと思います

さて皆さんは「時間医学」「時計遺伝子」といった概念をご存じですか?

大塚邦明先生の『100歳を可能にする「時間医学」』(NTT出版・2010年)は、
時間医学や時計遺伝子や健康長寿に関して詳しく解説した本ですが、
私は、とても興味深く読ませて頂きました。

その中で、サーカディアンリズム(慨日リズム)に関して、ヒトは25
時間、夜行性動物は23時間との記載がありました。

そしてヒトは日々光を浴びることで、
25時間を24時間に修正するということです。

この約24時間で繰り返される生体活動の概日リズムが、動物だけで
なく植物にも存在していて、地球の生命に共通だそうです。

そして光を照射することで概日リズムをリセットできるのです。

このように光が概日リズムを司るというのは、おおいに納得ですね。

地球の誕生、生命の誕生・進化の歴史、太陽光との関連など、壮大
なお話しですね。

この概日リズムの時計は、哺乳類では脳の視床下部の視交叉状核に
あります。

時計の中は時計細胞で満たされていて、時計細胞中に時計遺伝子が
あります。

そして内臓を始め身体のほとんどの細胞にも、時計遺伝子がありま
す。

脳の視床下部の視交叉状核を主時計と呼び、身体の細胞にある時計
を末梢時計と呼びます。

そして、「末梢時計は、朝食をしっかり食べることでリズムが整
う」という説があるそうで、朝食摂取推進派(1日3食派)の根拠とな
っているようです。

しかし、これはちょっと待ってくださいですね。

太陽光が、脳の視床下部の視交叉状核の主時計の概日リズムを司る
というのは、地球の歴史・環境、生命の進化を考慮しても大変リー
ズナブルです。

一方、地球上の生命は動物・植物を問わず飢餓との戦いの歴史でし
た。

朝起床後の一定時間に一定の食物を食べることは、農耕後の人類だ
けの、特殊な習慣です。

従いまして、ガッツリ普通の食事を朝から食べるというような特殊
なことが、動物の概日リズムに関わっているというのは、進化の歴
史からは考えにくいです。

つまり、朝食を食べる必然性は全くないと思います。

ちなみに、私は朝食抜きの1日2食です。

日本では、江戸時代初期までは一日二食で、中期から三食になった
ようです。
庶民が1日に3回食事を摂るきっかけとなったのは、
江戸時代の明暦の大火(1657年)という説もあります。

幕府は、焼失した江戸を復興するため全国から大工や職人を集めて、朝から夕方まで一日中働かせました。

この時に朝食と夕食だけでは体力が持たないため、昼にも食事を出すようになり、一日三食の習慣が広まっていったという説です。

三食が定着していったことには、明治維新後に軍隊ができたことが大きな役割を果たしました。

軍隊が一日三食を提供して、「白米が毎日3回食べれる」というキャッチコピーで貧しい農家の次男や三男を勧誘したのが実態のようです。

これにより全国的に一日三食が普及していきました。


平安時代や鎌倉時代の一日二食は、朝食が午の刻(正午頃)で、夕食が
申の刻(午後4時頃)だったそうです。

イギリスやフランスなどヨーロッパの国々でも、 18世紀に二食か
ら三食になったので三食の歴史は浅いようです。

なお、野生のライオンは、3日~数日間に1回の食事です。成長した
ライオンは1回に18kgの肉を食べるそうです。野生の虎は、7~10日
間に1回の食事回数のようです。
つまり、ライオンや虎においては、」そもそも朝食という概念がないということですね。


江部康二
コメント
私の1日の食事回数!!
都内河北 鈴木です。

本日記事内容は、「糖質制限理論」食生活回数に迷いがある方には、
時代進化を理解していただくには、納得の内容ですね!!

私も納得です!!
日々の時代進化のブログには、ホントに感謝いたします!!

私の1日の食事回数ですが、
私は2012年10月1日より、「糖質制限理論」実践していますが、
以前ほかの方のコメントにもありましたが、
「糖質欲望」は、初めだけです!!

私は健康に成る為に実践翌日にバ~ンスタイン医師同様に「血糖自己測定器」をインスリン投与患者は持参していますから、
測定して「激減」していることを知り実践へ改善確信しました!!

当初の「糖質洗脳」から離脱できれば、
何の苦労もない「生還、覚醒、再覚醒、」の現在です!!
*医療デ~タ存在しています!!

私は、右目失明、脳梗塞の為、運動はストレッチ、日常生活、くらいですが、
食事回数は1日1食です。

私は身長176センチ、体重80キロ強、筋肉体形です。
当然、腹周りはスッキリしています!!

江部先生は、食事を楽しみたいと「2食を進めています事は、存じています。」

時には2食の食事にすることもありますが、
運動量も少ないからなのか、空腹感も無く、食事としては夕食のみだけです!!

食事以外は、コ~ヒ~、ほうじ茶、を飲む時は、
スルメ、ピ~ナッツ、煮干し、等の可能食材を御茶うけとして、少量食べます。

「糖質制限理論」食生活で8年目ですが、
食生活に何も困る事が無く、無駄が省けて、食生活を続けているからこそ
「生還、覚醒、再覚醒、」の結果が出たのだと考えます!!

江部先生には、「生還、覚醒、再覚醒、」でき、
感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具


2019/04/12(Fri) 18:01 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
お疲れ様です
最近の記事、おもしろく勉強させてもらってます。
地球上の生命体は、飢餓との戦いの歴史だったというのは、教育で必要な感じがします。
しかし、私は朝からしっかり食べてます(笑)
2019/04/12(Fri) 18:11 | URL | 猫 | 【編集
サプリの情報
サプリでは栄養素を適切に補えず過剰摂取時には死亡リスクを高めることもあるという研究結果

https://gigazine.net/news/20190411-more-vitamin-not-supplement/

元論文

Association Among Dietary Supplement Use, Nutrient Intake, and Mortality Among U.S. Adults: A Cohort Study

https://annals.org/aim/article-abstract/2730525/association-among-dietary-supplement-use-nutrient-intake-mortality-among-u#

マルチビタミンのサプリは心臓病や脳卒中にまるで効果なしと判明

https://gigazine.net/news/20180712-multivitamins-heart/

原文

Multivitamins do not promote cardiovascular health

https://newsroom.heart.org/news/multivitamins-do-not-promote-cardiovascular-health
2019/04/12(Fri) 19:24 | URL | 街の人 | 【編集
Re: サプリの情報
街の人 さん

情報をありがとうございます。

私自身、サプリ摂取はゼロですし、
患者さんにサプリを進めることもほとんどないので、この情報には賛成です。

ただし
鉄欠乏性貧血に、鉄剤を処方することはあります。
こむら返りに、安価な「カルシウム-マグネシウム」製剤を薦めることはあります。
2019/04/12(Fri) 19:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
システインについて
おかげさまで、もう10年ほど、糖質制限食で、血糖値をコントロールしており
ます。
今日は、気になった記事について質問させてください。
美白や飲酒用のサプリとして人気のLシステイン(ハイチオールC以外にも輸入
サプリも人気です)で、私も毎晩500mg摂取していますが、β細胞のインスリン分泌
に関する研究論文を見つけ、不安に思っています。


「もともと、2型糖尿病やその関連した疾患では、血液などの細胞外液におい
てアミノ酸の1種であるL-システインの濃度が長期的に上昇することが報告
されていて、Lシステインがβ細胞のインスリン分泌を阻害するようだ」という事は
読み取れたのですが、

“グルコースが細胞内で代謝されてATPへと変換される過程(解糖系やクエン
酸回路などの代謝系)・・・”

などの記載が良くわかりません。

Lシステインサプリは摂取しない方が良いのでしょうか。
2019/04/12(Fri) 21:35 | URL | りか | 【編集
先日はご返信、ありがとうございました!
繰り返しの質問で恐縮なのですが、脂肪燃焼・体重減少を目標にする場合 脂質>タンパク質>>>>>糖質(ほぼ制限) の方が効果が期待出来るでしょうか?カリウムやミネラル、ビタミン摂取に葉物野菜とサプリメントを摂取して…
脂質を取らないことがカロリー低下に繋がり、停滞期の引き金になると聞いた記憶があります。
2019/04/13(Sat) 11:00 | URL | なこ | 【編集
食事回数について
食事回数のお話面白く拝見させていただいております。皆さん人それぞれで、それでいいのではないでしょうか。
わたしは、糖質制限する前からずっと一日一食朝食だけです。
私の場合朝食べないと便通もよくないし、なにしろものすごく空腹なので、なにもできません。
そういうリズムになってしまっているので仕方ないです。
多分夕食をしっかり食べるパターンだと、朝はお腹がすかずなにも食べたくないと思います。
糖質制限をきちんとやっている分には、その人に合った時間帯に食事すれば別段問題なしと思います。
2019/04/13(Sat) 14:27 | URL | りつ | 【編集
Re: システインについて
りか さん

http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/20150303171452.html
東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部


上記サイトによると、
「◆L-システインは色素沈着症や二日酔いの緩和を目的として幅広く服用されていますが、無計画な摂取が糖尿病の発症や悪化につながる可能性があることが示されました。」

ということですので、
Lシステインサプリは摂取しない方が良いと思います。
2019/04/13(Sat) 16:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
なこ さん

糖質制限食では、脂質とタンパク質はたっぷり摂取して、
カロリー不足にならないように注意します。

糖質制限食では、厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を確保することが大切です。

高雄病院のスーパー糖質制限給食の平均的比率は
<脂肪56%、タンパク質32%、糖質12%>です。

カロリー制限食を続けると基礎代謝が低下する可能性が高いですし、
骨粗鬆症のリスクとなります。
2019/04/13(Sat) 16:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 食事回数について
りつ さん

私も、そのように思います。
2019/04/13(Sat) 16:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
食事回数について、りつさんへ感動です!!
都内河北 鈴木です。

りつさんの食事回数の返答には、
私の言い尽くせない、言葉の裏の「糖質制限理論」の真理発言を言ってくれたかなと思い「食の解明真理」を弁えた方だなと、
江部先生の返答を読み、尚更確信しました!!

江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具

2019/04/14(Sun) 00:32 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
Re: システインについて
江部先生

> http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/20150303171452.html
> 東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部

これについて思うのですが、私のような肥満型でたんぱく質の摂取でもインスリン分泌が多い(かつインスリン抵抗性がある)人にとっては、
血糖値の面では不利であるものの、しっかりと糖質制限さえ出来ていれば、より低インスリンな状態を保つことが出来る可能性があるということになりませんか?

またケトン食でスーパー以上に高濃度のケトン値を維持しなければならない癌患者にとっても、低インスリンは高ケトンになりやすいようですし、何より癌の増殖抑制にもなりますし、かなり効果的なものであると思うのですが、如何なものでしょうか?

もちろんスーパーかそれ以上の糖質制限を行うことが前提です。
2019/04/15(Mon) 15:40 | URL | 福助 | 【編集
メガビタミン と添加物について
糖質制限以外に、メガビタミン を推奨され、去年から開始しています。沢山摂取がつらくなり、基本といわれるビタミンb.c.eのみに変更中。サプリメントの効果と添加物が気になり、継続するか悩んでいます。アドバイス頂けると助かります。
メガビタミン 開始前は緑黄色野菜など沢山食べていたのですが、糖質が気になり青汁に変更しました。サプリメントを食品由来のタイプに変更したりも(この場合メガビタミン 量にはならないのですが、体に優しいのかなと)
2019/04/15(Mon) 16:08 | URL | なる | 【編集
Re: Re: システインについて
福助 さん

インスリン分泌能力は残っているけれど、
ケトン食などにより、追加分泌インスリンの必要性が極めて少ないというのは、身体に良いと思います。

しかしながら
『細胞外液の長期的なL-システイン濃度の増加が、膵β細胞のインスリン分泌不全を引き起こすことで、
2型糖尿病の発症や悪化に関与する可能性が示されました。』


ということなら、基礎分泌も追加分泌も両方抑制されるように思われますので、
インスリン分泌能力そのものが落ちる可能性が高いです。
そうするとやはり好ましくないように思います。
2019/04/15(Mon) 17:31 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: メガビタミン と添加物について
なる さん

メガビタミンを推奨する医師もおられると思いますし、それなりの根拠おありなのでしょう。

一方、私自身は、サプリもベガビタミンも一切なしですし、
患者さんにも推奨することはありません。
糖質制限食のみで、必要充分なように思えます。
それで、必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維は確保できると思います。

例外としては、
鉄欠乏性貧血なら鉄剤の投与、
こむら返りに、カルシウム・マグネシウム
などを処方することはあります。

2019/04/15(Mon) 17:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可