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エリスリトールの有用性・安全性とアレルギー性について
こんにちは。

エリスリトールは、糖アルコールの中で唯一、血糖値を上昇させない、糖質制限OK甘味料です。

糖類の分子に水素を添加することにより、アルコール基(-OH)をもつ糖質が得られますが、これらを「糖アルコール」と言います。虫歯菌に利用されないことと、消化管で吸収されにくいので低カロリー甘味料としてよく使用されています。

キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。
キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、
エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれています。
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。

自然界に存在するものなので、糖アルコールは合成甘味料には分類されません。
国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、
甘味料など添加物の安全性評価を公表していますが、これらの糖アルコールは、極めて安全性が高いとされています。
妊婦にも大丈夫です。

糖アルコールの中でエリスリトールだけは、血糖値を上昇させず、カロリーもゼロです。
糖アルコールのカロリーですが、欧州連合 (EU) では、
エリスリトール以外のすべての糖アルコールに対し一律に 2.4 kcal/g という値を表示することが義務付けられているようです。
血糖値を上昇させるか否かですが、エリスリトール以外の糖アルコールは、砂糖の約半分程度血糖値を上昇させます。
よく、「糖アルコールは血糖値を上昇させない」との記載がみられますが間違いです。

また、エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。
吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいです。

エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、
全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。
ですから厚生労働省お墨付きのゼロカロリーで、かつ全く血糖値を上昇させません。
ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢も起こしにくいです。

従ってエリスリトールは、糖アルコールの中で唯一の糖質制限食OK食材です。

そのエリスリトールでも極めてまれにですが、アレルギーを起こすことがあります。
エリスリトールを製造しているメーカー(三菱化学フーズ株式会社)がエリスリトールのアレルギー性について、
取引先に配布した文書があります。

以前、 lulu さん から教えて頂きました。
lulu さんありがとうございます。
とても参考になる信頼度の高い情報です。
エリスリトールによるアレルギーの発生頻度は、百万人中1件に満たないとのことです。

これは極めて低い確率です。

牛乳、卵、小麦、米、大豆、ナッツ、肉、果物、魚介類・・・数ある食材のなかで、
エリスリトールは極めてアレルギーを起こしにくい部類に入ることは間違いありません。

一方極めてまれとはいえ、エリスリトールアレルギーが出現した場合は、
他の甘味料に切り替える必要があります。

江部康二



以下、三菱化学フーズ株式会社品質保証部の作成した
取引先への文書です。

http://www.mfc.co.jp/topics/pdf/20130510_2.pdf で見ることができます。

三菱化学フーズ株式会社

平成25年5月10日
取引先各位

三菱化学フーズ株式会社品質保証部

エリスリトールのアレルギー性について

一部報道機関において、エリスリトールのアレルギー性に関する報道がございました。本件に対する弊社の見解は、
以下の通りです。

(1)
弊社では、2000年に外部専門家に依頼し、エリスリトールのアレルギー性について調査・試験を実施し、
「ごく低頻度であるが、 エリスリトールはヒトにアレルギー反応を起こす」との結論を得て おります。
この結果は学会誌で公表し(*1)、お取引先や照会のあった方々にお伝えしております。

なお、多くの食品がアレルギー反応を起こすことが報告されていますが(*2)、
エリスリトールによるアレルギーの発生頻度は、百万人中1件に満たないと推定されており(*1)、
非常に低いレベルにあります。

この数字は、卵・魚介類に比して数万分の1、大豆・ピーナッツ ・小麦に比して数千分の1に相当致します。

(2)
弊社はエリスリトールによって起こるアレルギーについて、 引き続き、軽視することなく、
適切な情報の提供に努めて参ります。


参考文献
*1)J Allergy Clin Immunol. 2001 Oct;108(4):650.
   Allergic reactions after ingestion of erythritol-containing foods and beverages.
   Yunginger JW, Jones RT, Kita H, Saito K, Hefle SL, Taylor SL.
*2)International Food Information Council,IFIC(2007)
コメント
エリスりト~ル説明に、時代進化を感じます!!
都内河北 鈴木です。

エリスリト~ル甘味料の説明読み、
既存の食生活も時代進化している事が、理解把握できます!!

長年の甘味に、毒されてきたからでしょうが!!

会席調理師として、甘味には思い当たること多々あります!!

ただ単に、調理長より「旨味=甘味」と意味合い表現している事が、
多々ありました!!

本日に記事内容で、食生活の「甘味味付け」には、
注意する事ですねとなりますね!!

私自身は、「糖質制限理論」実践して、
8年目現在も食生活に「甘味」は使用したこと有りませんが!!

時代進化食知識として、学習させていただきました!!

私は江部先生には、「生還、覚醒、再覚醒、」でき、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具

2019/04/02(Tue) 20:33 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
エリスリトール食材について
Hba1cが8.4になって、江部先生の糖質制限(1日炭水化物100g以内)を始めました。2ヶ月たってこの前見てもらったら、7.4になっていて担当の先生もびっくりされました。このままいくと薬はいらなくなるかもと言われました(メトグルコなど)。先生の言われていたエリスリトールのラカントS(サラヤ)、パルスイートカロリーゼロ(味の素KK)を買いましたが、100g中炭水化物が100gとなっていますが、1日100g以内の糖質制限においてもこれらは摂取してもいいのでしょうか?
2019/04/02(Tue) 21:31 | URL | かなやん | 【編集
Re: エリスリトール食材について
かなやん さん

HbA1cが改善して良かったです。

炭水化物=糖質+食物繊維


です。
糖質だけが血糖を直接上昇させますが、
血糖を上げない糖質もあり、その一つがエリスリトールです。
以下の、本ブログ記事をご参照頂けば幸いです。

2019年03月30日 (土)
血糖値を上げるのは糖質だけだが、血糖を上げない糖質もある。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4860.html
2019/04/03(Wed) 07:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
日本酒について
江部先生

お世話になっております。
以前よりこちらのブログを拝読し、家族で糖質制限マニアになっております。
さて、表題の件ですが、最近日本酒が糖尿病に良いとの記事を頻繁に見かけます。
血糖値の上昇を抑えるとのことで、糖尿病学会も推奨しているとのことですが、先生のお考えをお伺い出来ますでしょうか。家族が糖尿病のため、一日1杯程度の赤ワインを飲んでいましたが、日本酒の方が美味しいとの事で、出来れば飲みたいそうです。ただ、私の今までのイメージでは糖質が高いのかと思い不安に感じております、あくまで健常人には予防として日本酒が効果的なのか、長期間糖尿病の患者でも1合程度であれば特に問題ないのか、大変気になっております。
どうぞお考えをお聞かせ頂ければ幸いです。

どうぞ宜しくお願い致します
2019/04/03(Wed) 22:42 | URL | なな | 【編集
Re: 日本酒について
なな さん

日本酒(純米酒)100mlに約5gの糖質です。
赤ワイン100mlに約1.5gの糖質です。

一合だと180mlなので、日本酒だと、9gの糖質です。
おかずと合わせて、日本酒1合を飲んで、食事の糖質量が20g以下であれば、大丈夫と思います。

日本7酒の成分が血糖値の上昇を抑える可能性は否定しませんが、効果は微々たるものであり、
摂取する糖質量のほうがはるかに重要な要素です。

2019/04/04(Thu) 17:52 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 日本酒について
日本酒について、
>血糖値の上昇を抑えるとのことで、糖尿病学会も推奨しているとのことですが、

※推奨ではなく、アルコールの摂取について、条件付き(消極的)許可(禁止しない)だと思われますが、いかがでしょうか。

●食事療法 - 日本糖尿病学会2013
アルコールの摂取に関しては,合併症のない例や肝疾患などを有しない血糖コントロールのよい例では 必ずしも禁止する必要はないが、
中略
アルコールの摂取については、1日25g程度を上限とし、毎日は飲酒しないよう指導する。
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&ved=2ahUKEwjz-fGKvbXhAhXFaN4KHTMDA1oQFjAAegQIBBAC&url=http%3A%2F%2Fwww.jds.or.jp%2Fcommon%2Ffckeditor%2Feditor%2Ffilemanager%2Fconnectors%2Fphp%2Ftransfer.php%3Ffile%3D%2Fuid000025_474C323031332D30332E706466&usg=AOvVaw0TeHBBFs8L6TFd9Bsa55KH

●一方、日本酒業界のサイトでは、
≪酒蔵プレス≫より一部抜粋
「糖尿病だから日本酒はダメ」は過去のもの
「日本酒から発見された活性ペプチドは、糖尿病患者のインスリンの感受性を改善し、高血圧や動脈硬化といった心疾患のリスクを軽減させます。『糖尿病だから日本酒は避ける』という考えはもはや過去のものです。今や糖尿病学会においても、血糖コントロールが良好、合併症がない状態であれば、1日約1合(純アルコール換算で25グラム)の日本酒の摂取を許可しています。」滝澤行雄さん(秋田大学名誉教授、老健・ホスピア玉川の施設長)
https://www.sakagura-press.com/staff-blog/health-sake/

●食品タンパク質由来ペプチドの生活習慣病予防改善作用に関する研究の新展開
長岡 利
岐阜大学応用生物科学部
Published: 2016-10-20
〇糖代謝改善ペプチド
https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=683
2019/04/04(Thu) 19:24 | URL | オスティナート | 【編集
ありがとうございました。
江部先生

お忙しい中、ご返信ありがとうございました。
今後とも糖質制限を楽しみつつ勉強していければと思います。
2019/04/04(Thu) 21:04 | URL | なな | 【編集
Re: Re: 日本酒について
オスティナート さん

情報をありがとうございます。
2019/04/05(Fri) 08:13 | URL | ドクター江部 | 【編集
病院について
初めまして。
エリスリトールの記事、大変参考になりました。
どうしても甘味への執着断ち難くパルスイートなどに手を出しておりました。

ところで、私はHbA1cが去年6月6.8だっのが次第に上昇し、現在7.6です。糖尿病として受診はしておりません。食事と運動のみ心がけておりましたが、現在の数値は不安です。やはり通院治療を必要とする段階かと思っておりますが、埼玉県西部で病院を探していますが、治療で糖質制限をモットーとする病院をご存知でしたらご教示願えれば幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
2019/04/05(Fri) 20:55 | URL | 金子洋一 | 【編集
Re: 病院について
金子洋一 さん

埼玉県の提携医療機関は一つです。
ご夫婦で開業しておられます。
内科は富美子先生、整形外科は保尚(ヤスヒサ)先生です。
お二人とも、親切で優しい先生です。

医療法人 鴻生会 小室クリニック
所在地: 埼玉県鴻巣市加美1丁目3-48
TEL: 048-541-0020
診療科目:整形外科・内科
いろいろな疾患に糖質制限を応用しています。楽しい低糖質料理教室も随時開催中。
2019/04/06(Sat) 07:48 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます。
ご多忙にも拘らず早速のご返信まことに恐れ入ります。
2時間半くらいの通院時間ですが、頑張って通院したいと存じます。
ありがとうございました!
2019/04/06(Sat) 09:00 | URL | 金子洋一 | 【編集
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