2008年07月17日 (木)
こんにちは。16日に近畿の梅雨があけて、暑さがいや増してる京都です。
今日は、ライブの前のリハーサルの日です。明日の第三金曜ライブ、雨が降っても暑すぎても、お客さんの入りが心配です。
さて今回は、正常人の低血糖のお話しです。
私が31才、まだ糖尿病とは縁がないころで、一日三食主食を食べていた時のことです。
30才でテニスを始めましたから、一番おもしろくてたまらない時期ですね。十数人で一泊二日で滋賀県の信楽までテニス合宿に出かけました。
一泊して翌朝ご飯を食べて、しばらくしてテニスを始めて、食事時間がもったいなくて、結局昼食抜きで試合を続けて夕方4時ごろ終わりました。
車を運転して京都に向かって帰っている途中、急に視野が狭くなって、目が霞んで周囲が暗いように感じました。
動悸とか冷や汗とか低血糖に定番の症状はなかったのですが、すぐに車を止めて自動販売機でスポーツ飲料を買って飲みました。
すぐに回復して運転して帰りましたが、低血糖だったと思います。(=_=;)
二回目は初めて本断食をした、1984年、34才のときです。
1000→700→300キロカロリーと漸減して、ゼロカロリーになった最初の2日間は軽い立ち眩み・脱力感がありました。
3日目は血糖値35mg/dlで、発汗、動悸、頻脈、顔面蒼白、脱力感という低血糖症状オンパレードでしたが、午前の外来はちゃんとやり抜きましたよ。
通常60mg/dl以下が低血糖ですから、35mgは半端じゃないです。脳がケトン体を利用してなかったら、私の命は34才で終わっていたかも・・・。
とはいっても、スタッフには見栄を張って大丈夫とか言ってましたが、外来が終わったらヘロヘロで、個室のベットでしばらく横になってました。(;ー;)
本断食を高雄病院で積極的に実施していたころは、大多数の断食患者さんが、何らかの低血糖症状を起こしてました。廊下で倒れたりとか、症状が強いときは、断食を中止して点滴をすることもありました。
また、私が20歳代で京大胸部疾患研究所で働いていたころ、忙しくて朝昼食事抜きでぶっ通しに仕事していた同僚の医師が、意識が低下するレベルの低血糖発作を起こしたことがあります。
このように、正常人が低血糖を起こすとすれば、絶食が長引いたとき、軽い食事の後、長く強い運動を続けたときなどでしょうか。
なお糖尿病ではないのですが、機能性低血糖という病気があります。日本ではまだ認知度が低いのですが欧米ではそこそこあるようです。
2008年03月24日 ブログ、「糖質摂取と眠気・・・機能性低血糖」をご参照ください。
江部康二
今日は、ライブの前のリハーサルの日です。明日の第三金曜ライブ、雨が降っても暑すぎても、お客さんの入りが心配です。
さて今回は、正常人の低血糖のお話しです。
私が31才、まだ糖尿病とは縁がないころで、一日三食主食を食べていた時のことです。
30才でテニスを始めましたから、一番おもしろくてたまらない時期ですね。十数人で一泊二日で滋賀県の信楽までテニス合宿に出かけました。
一泊して翌朝ご飯を食べて、しばらくしてテニスを始めて、食事時間がもったいなくて、結局昼食抜きで試合を続けて夕方4時ごろ終わりました。
車を運転して京都に向かって帰っている途中、急に視野が狭くなって、目が霞んで周囲が暗いように感じました。
動悸とか冷や汗とか低血糖に定番の症状はなかったのですが、すぐに車を止めて自動販売機でスポーツ飲料を買って飲みました。
すぐに回復して運転して帰りましたが、低血糖だったと思います。(=_=;)
二回目は初めて本断食をした、1984年、34才のときです。
1000→700→300キロカロリーと漸減して、ゼロカロリーになった最初の2日間は軽い立ち眩み・脱力感がありました。
3日目は血糖値35mg/dlで、発汗、動悸、頻脈、顔面蒼白、脱力感という低血糖症状オンパレードでしたが、午前の外来はちゃんとやり抜きましたよ。
通常60mg/dl以下が低血糖ですから、35mgは半端じゃないです。脳がケトン体を利用してなかったら、私の命は34才で終わっていたかも・・・。
とはいっても、スタッフには見栄を張って大丈夫とか言ってましたが、外来が終わったらヘロヘロで、個室のベットでしばらく横になってました。(;ー;)
本断食を高雄病院で積極的に実施していたころは、大多数の断食患者さんが、何らかの低血糖症状を起こしてました。廊下で倒れたりとか、症状が強いときは、断食を中止して点滴をすることもありました。
また、私が20歳代で京大胸部疾患研究所で働いていたころ、忙しくて朝昼食事抜きでぶっ通しに仕事していた同僚の医師が、意識が低下するレベルの低血糖発作を起こしたことがあります。
このように、正常人が低血糖を起こすとすれば、絶食が長引いたとき、軽い食事の後、長く強い運動を続けたときなどでしょうか。
なお糖尿病ではないのですが、機能性低血糖という病気があります。日本ではまだ認知度が低いのですが欧米ではそこそこあるようです。
2008年03月24日 ブログ、「糖質摂取と眠気・・・機能性低血糖」をご参照ください。
江部康二
江部先生
毎日ブログを大変楽しみに拝読しております。
今年3月7日に、A1C8.1%、血糖値195 (糖尿など露ほども考えずに、診療を待つ間、外にでてとっても甘いデザートを食べて、その20分後に血糖値を測ったものです)という数値がでて、Ⅱ型糖尿病と診断され、アマリールを日に1錠処方されました。
同時に脂肪肝も指摘され、体重を落とすことが全ての改善の道だろうということで、
164センチ、96キロから我流のダイエットにより2か月で
体重 89キロ
A1C 6.1%
に下げ、肝臓の異常値がなくなりました。
その後、きれいに痩せたいと欲がでてダイエットクリニックに通い始めて、栄養管理士さんのご指導のもと1日1400から1500キロカロリーに、またそのころに江部先生の御本やブログと出会うことができ、スーパー糖質制限食を始めました。
3月に糖尿病と診断されてから3か月後、スーパー糖質制限食開始1ヶ月後の6月には、
体重 84キロ
A1C 5.6%(ちょうどアマリールを切らして、飲まなくなって2日後の数値です)
となり、アマリールの処方はなくなりました。
父が30代から糖尿病を発症してから30年以上が経ち、今ではインシュリン注射に頼る生活をしております。
長いことごく身近にあった「糖尿病」という病について、ある程度理解をしていたつもりだったのに、先生の御著書を読み続けるうちに、いかに自分の知っていた糖尿病に関する知識が浅はかだったか、また血糖値というものに大変興味を持ち、家で簡易測定器を使って血糖値を測り始めました。
前置きが長くなりましたが、いくつか質問をさせて頂ければと思います。
まず、最近の血糖値なのですが、スーパー糖質制限食のお陰で、すっかり正常値内におさまっています。
ここ2週間ほどの平均は、
起床後すぐ 73
朝食後1H 103
朝食後2H 84
昼食前 82
昼食後1H 100
昼食後2H 100
夕食前 73
夕食後1H 94
夕食後2H 96
という数値です。
仕事の都合で毎日確実に測れるわけではないので、まだまだ平均値をだすほどのデータではないのですが、
傾向として、最近は朝が60台、今日などは55という数値がでており、前日夜にアルコールをとらなくとも、夕食から10時間以上が過ぎるあたりから、どうも60台かそれ未満に落ちるようになってきています。
また、朝食後は確実に、食後1Hよりも2H後のほうが数値が下りますが、昼食、特に夕食後は、1H後と2H後の数値があまり変わらない、或いは若干高くなることもあります。
いずれにしましても、各食前と食後1H或いは2H後の血糖値の差は、50mg以内、かつ正常値範囲内です。
昼食から夕食までの間が9時間以上空くとき、また、昼食がサラダだけなどの低カロリーの時には夕食前に60台の数値が出る時があります。
かかりつけの医者に「若いし(現在41歳です)もしかしたらもう高血糖の数値が出ないかも知れない」と言われ、
試しにご飯200グラム(炭水化物量にして66グラム程度)を一度に食べてみましたが、食前81が食後1H、食後2H後とも114という数値でした。
お尋ねしたいのは、
●空腹時血糖値が、2週間前では80から90ほどあったのが、最近では55から60台になりつつあるが問題はないか
●現在の状況ならば、むしろ一日一食、炭水化物をとったほうが血糖値が正常に安定するのではないか
●糖尿病が完治することはない、とあちこちで見聞するが、やはり私の場合もこれは完治ではなく一時的に血糖値コントロールがうまくいっているだけと考えるべきなのか
●アマリールを処方されなくなった6月の時点から、つまりスーパー糖質制限食を始めて1か月後の血液検査の結果以降赤血球数が若干増え、510万となっている(医者からは問題ないと言われましたが)が、食生活等で気をつけるべき点はあるか
の4点です。
現在はお蔭様で血糖値のコントロールが非常にうまくいっていると思っていますが、体重が増えればまた以前の状態に戻ってしまうでしょうし、遺伝的にも血糖値については注意が必要だと思うので、この先も糖質制限食とダイエットを続けていこうと思っております。
先日のブログで、低血糖の数値が出る時は摂取カロリーが低すぎる場合がある、とのことでしたが、カロリーは毎日1500kcl程度はとっています。また、特に低血糖と思われるような自覚症状はなく、むしろ血糖値が60前後のほうが朝の目覚めがすっきりとしています。
血糖値について勉強し始めてまだまだ初心者で戸惑いも多く、愚問かも知れませんが、
これから末永く血糖値コントロールを確実に、安心にしていきたいと思い、
私などよりもっともっと重症で大変な患者さんも多い中、こんな質問はご迷惑かも知れないと思いつつ、質問をさせて頂きました。
お時間がおありの時にでもご回答を頂けましたら幸いです。
江部先生ご推奨の糖質制限食は、多くの糖尿病に苦しむ方たちにたくさんの希望を与えてくださっています。
心からお礼と感謝を申し上げるとともに、先生のますますのご活躍とご健康をお祈りしております。
mako(41歳・女性)
毎日ブログを大変楽しみに拝読しております。
今年3月7日に、A1C8.1%、血糖値195 (糖尿など露ほども考えずに、診療を待つ間、外にでてとっても甘いデザートを食べて、その20分後に血糖値を測ったものです)という数値がでて、Ⅱ型糖尿病と診断され、アマリールを日に1錠処方されました。
同時に脂肪肝も指摘され、体重を落とすことが全ての改善の道だろうということで、
164センチ、96キロから我流のダイエットにより2か月で
体重 89キロ
A1C 6.1%
に下げ、肝臓の異常値がなくなりました。
その後、きれいに痩せたいと欲がでてダイエットクリニックに通い始めて、栄養管理士さんのご指導のもと1日1400から1500キロカロリーに、またそのころに江部先生の御本やブログと出会うことができ、スーパー糖質制限食を始めました。
3月に糖尿病と診断されてから3か月後、スーパー糖質制限食開始1ヶ月後の6月には、
体重 84キロ
A1C 5.6%(ちょうどアマリールを切らして、飲まなくなって2日後の数値です)
となり、アマリールの処方はなくなりました。
父が30代から糖尿病を発症してから30年以上が経ち、今ではインシュリン注射に頼る生活をしております。
長いことごく身近にあった「糖尿病」という病について、ある程度理解をしていたつもりだったのに、先生の御著書を読み続けるうちに、いかに自分の知っていた糖尿病に関する知識が浅はかだったか、また血糖値というものに大変興味を持ち、家で簡易測定器を使って血糖値を測り始めました。
前置きが長くなりましたが、いくつか質問をさせて頂ければと思います。
まず、最近の血糖値なのですが、スーパー糖質制限食のお陰で、すっかり正常値内におさまっています。
ここ2週間ほどの平均は、
起床後すぐ 73
朝食後1H 103
朝食後2H 84
昼食前 82
昼食後1H 100
昼食後2H 100
夕食前 73
夕食後1H 94
夕食後2H 96
という数値です。
仕事の都合で毎日確実に測れるわけではないので、まだまだ平均値をだすほどのデータではないのですが、
傾向として、最近は朝が60台、今日などは55という数値がでており、前日夜にアルコールをとらなくとも、夕食から10時間以上が過ぎるあたりから、どうも60台かそれ未満に落ちるようになってきています。
また、朝食後は確実に、食後1Hよりも2H後のほうが数値が下りますが、昼食、特に夕食後は、1H後と2H後の数値があまり変わらない、或いは若干高くなることもあります。
いずれにしましても、各食前と食後1H或いは2H後の血糖値の差は、50mg以内、かつ正常値範囲内です。
昼食から夕食までの間が9時間以上空くとき、また、昼食がサラダだけなどの低カロリーの時には夕食前に60台の数値が出る時があります。
かかりつけの医者に「若いし(現在41歳です)もしかしたらもう高血糖の数値が出ないかも知れない」と言われ、
試しにご飯200グラム(炭水化物量にして66グラム程度)を一度に食べてみましたが、食前81が食後1H、食後2H後とも114という数値でした。
お尋ねしたいのは、
●空腹時血糖値が、2週間前では80から90ほどあったのが、最近では55から60台になりつつあるが問題はないか
●現在の状況ならば、むしろ一日一食、炭水化物をとったほうが血糖値が正常に安定するのではないか
●糖尿病が完治することはない、とあちこちで見聞するが、やはり私の場合もこれは完治ではなく一時的に血糖値コントロールがうまくいっているだけと考えるべきなのか
●アマリールを処方されなくなった6月の時点から、つまりスーパー糖質制限食を始めて1か月後の血液検査の結果以降赤血球数が若干増え、510万となっている(医者からは問題ないと言われましたが)が、食生活等で気をつけるべき点はあるか
の4点です。
現在はお蔭様で血糖値のコントロールが非常にうまくいっていると思っていますが、体重が増えればまた以前の状態に戻ってしまうでしょうし、遺伝的にも血糖値については注意が必要だと思うので、この先も糖質制限食とダイエットを続けていこうと思っております。
先日のブログで、低血糖の数値が出る時は摂取カロリーが低すぎる場合がある、とのことでしたが、カロリーは毎日1500kcl程度はとっています。また、特に低血糖と思われるような自覚症状はなく、むしろ血糖値が60前後のほうが朝の目覚めがすっきりとしています。
血糖値について勉強し始めてまだまだ初心者で戸惑いも多く、愚問かも知れませんが、
これから末永く血糖値コントロールを確実に、安心にしていきたいと思い、
私などよりもっともっと重症で大変な患者さんも多い中、こんな質問はご迷惑かも知れないと思いつつ、質問をさせて頂きました。
お時間がおありの時にでもご回答を頂けましたら幸いです。
江部先生ご推奨の糖質制限食は、多くの糖尿病に苦しむ方たちにたくさんの希望を与えてくださっています。
心からお礼と感謝を申し上げるとともに、先生のますますのご活躍とご健康をお祈りしております。
mako(41歳・女性)
ゆうちゃんへ。
本のご購入ありがとうございます。
HbA1c や中性脂肪が改善していますので、トータルに良い方向に向かっています。
つらくなければスーパー糖質制限食でいきましょう。
なおガムに砂糖やブドウ糖が含まれていれば当然血糖値は上昇します。
本のご購入ありがとうございます。
HbA1c や中性脂肪が改善していますので、トータルに良い方向に向かっています。
つらくなければスーパー糖質制限食でいきましょう。
なおガムに砂糖やブドウ糖が含まれていれば当然血糖値は上昇します。
2008/07/21(Mon) 15:24 | URL | 江部康二 | 【編集】
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