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菊芋とイヌリンと血糖値
【19/02/13 いもいも
菊芋のイヌリンについて
お忙しい中恐れ入ります。
先生のブログを拝見し、ぜひ教えて頂きたく、コメントを差し上げました。

糖尿病の家族の為に、菊芋料理をしているのですが、菊芋は一時期しか取れない為、
菊芋を天日干ししようと思い、
菊芋の天日干しと菊芋のイヌリンについて調べておりました。

そこで、イヌリンは
「酵素を失活させる熱処理をしてから冷凍あるいは乾燥するなどの保存法が有効」
との記事を読みました。

菊芋の天日干しを推奨している記事もあり、菊芋を天日干ししても、
イヌリンは大丈夫なのか分からなくなりました。

野菜は
「ビタミンC等の一部を除いては、天日干しすると成分が増える」
と思っていたので、菊芋の成分(イヌリン)は、
天日干ししても大丈夫なのか、逆に減るのか、分からずにおります。

どんなに調べても素人の知識では判断付かず、先生なら教えて頂けるのでは…と、
一縷の望みをかけてみました。
ぶしつけかとは存じますが、宜しくお願い致します。】


こんにちは。

いもいもさんから、菊芋とイヌリンについて、コメント・質問を頂きました。
今回は、菊芋とイヌリンと血糖値について、考えてみます。

五訂日本食品標準成分表によると、

・菊芋100g:35kcal
・タンパク質 :1.9g
・脂質:0.2g
・糖質:13.1 ほとんどがイヌリン
・食物繊維:2.0
・水分:81.2g


菊芋は名前はイモと付きますが、キク科の多年草で、根はショウガの形に似たイモ状です。
糖質はありますが、ジャガイモやサツマイモのようにデンプンは含まれていません。
菊芋の糖質は、ほとんどがイヌリンです。
フジ日本精糖は世界で初めて、砂糖からイヌリンを作ることに成功した会社です。

そのホームページからの引用です。
・・・・引用ここから・・・・
イヌリンは水に非常に良く溶ける食物繊維です。
普段よく食べているタマネギ、ゴボウなどといった多くの植物に存在します。
キクイモやチコリには 特に多く含まれています。
血糖値の上昇を抑制するなど多くの生理作用が期待されるため、
欧米では古くから糖尿病患者用の食事に利用されています。
イヌリン含量
・キクイモ 15~20%
・チコリ 15~20%
・ニンニク 9~16%
・ニラ 3~10%
・タマネギ 2~6%
イヌリンは、ヒトの胃や腸などの消化管では消化・吸収されにくい難消化性の炭水化物(食物繊維)です。
消化・吸収される消化性糖質のでん粉やオリゴ糖とは異なり、胃や小腸ではまったく分解されません。
大腸ではじめて腸内の善玉菌であるビフィズス菌などの餌として利用されます。
イヌリンのカロリー値は、消化性糖質の約半分にあたる2kcal/gと推定されています。
・・・・引用ここまで・・・・


通常の糖質は4kcal/gですから、
イヌリンは糖アルコールのマルチトール・ソルビトール・キシリトールなどと同じ程度のカロリーです。
血糖値に関してですが、イヌリンはカロリーは有していますが、血糖値は上昇させないと思います。
マルチトール・ソルビトール・キシリトールなどは、砂糖の半分くらい血糖値を上昇させると思います。
腸内細菌がイヌリン(食物繊維)を分解して、産生するのは、短鎖脂肪酸です。
短鎖脂肪酸はカロリーは有していますが、血糖値は上昇させません。
論より証拠ということで、私自身がイヌリンの粉を20g摂取して、人体実験しました。

2014年9月25日(木)
・午後6時、空腹時血糖値:124mg/dl 
 イヌリンを20gお湯に溶いて摂取。
・午後6:30、摂取30分後:119mg/dl
・午後7時、摂取1時間後:119mg/dl

従いまして、イヌリンは糖質制限OK食材です。

菊芋も含まれている糖質のほとんどがイヌリンなので、
血糖値はほぼ上昇せず、糖質制限OK食材と言えます。

なお、菊芋のイヌリン含有量は変化しやすいので、
収穫後は速やかな処理が必要です。


☆☆☆
東京農業大学生物産業学部永島俊夫教授 によれば
『・・・キクイモの試験を行っているうちに、イヌリン含量は変化しやすく、
収穫後の保存状態が大きく影響することや、加工処理中に色の変化が早いこ
となどがわかってきて、取り扱いについての検討が必要でした。
このような変化は酵素によるものと思われ、酵素を失活させる熱処理をしてから
冷凍あるいは乾燥するなどの保存法が有効であることが明らかになりました。・・・』



☆☆☆
菊芋普及会によれば
https://e-kikuimo.com/otameshi/form.html?gclid=Cj0KCQiA-onjBRDSARIsAEZXcKZJdOzuj2VL-IbupxlBpgemgGnO111hM4dcP6rAzMYM7FTDinZNZHUaAooJEALw_wcB
『成分劣化を防ぐために、
畑のすぐそばの最新鋭設備が整った工場で特別製造を実施しています
収穫した菊芋は素早く加工することが重要です。
なぜなら、収穫後の菊芋はイヌリンの量がどんどん減っていき、
代わりに果糖に変わっていくからです。
当店の菊芋は、畑のすぐそばの最新鋭設備を整えたイヌリン抽出工場で、
『収穫→選別→洗浄→皮むき→搾汁→濃縮→凍結乾燥(フリーズドライ)→粉末化』
という工程が素早く行われ、
さらに洗浄以降の工程では人の手を一切加えない衛生面にも
管理が行き届いた優れた製造環境で菊芋エキスを抽出します。』



☆☆☆
オスティナートさんからも、貴重なアドバイスを頂きました。
ありがとうございます。
19/02/13 オスティナート
『菊芋の保存について
菊芋栽培農家のオスティナートです。
菊芋はキク科の植物ですが、11月上旬に地中で芋になります。
放っておくと、土の中で3~4上旬まで、約5ケ月収穫できます。
よって、期間中は、玉ねぎ用のネットなどに入れ土中で保管できます。
その後の保管は、茹でて冷凍保存します。
まず、生の菊芋をピーラーで皮をむき、料理の種類(フライ、炒め物、煮物、スープなど)により重さを決め同量にカットします。
これは、菊芋は茹で時間が難しく、カット重量(g)当たりで、
茹で時間を変える必要があるためです。
少し芯が残る程度に茹でて、料理の種類ごとに冷凍(10月まで)します。
ちなみに一昨年、菊芋の種芋を岩手県と青森県から通販で購入しましたが、
土付きのままで届きました。
やはり、イヌリンの減少を防ぐためだそうです。
追記
菊芋栽培2年目です、去年400株育てました、100株収穫し、残り300株です。』



江部康二
コメント
血中インスリン濃度が低いと太りやすい?
広島大学大学院の浮穴和義教授主導の研究で、血中のインスリンの濃度が低いと、炭水化物などに対する食欲を増進させる機能と、炭水化物などの糖質を脂肪に変換する機能を増幅させる脳内因子NPGLの産出量が増えてしまうそうです。

これはずっと糖質制限を継続していくと、インスリン分泌量は低下しますが、食欲(主に炭水化物への欲求)が高まり、糖質を摂ったときには、それを脂肪に変換する能力が高まっていて、糖質制限をやめてしまえば、以前よりも太りやすいカラダになってしまっているということではないでしょうか? もしくは、一生糖質制限を続けていくことが、リバウンドを防ぐために必要なことなのでしょうか?

参考研究
https://www.hiroshima-u.ac.jp/souka/news/41197

2019/02/15(Fri) 12:24 | URL | クワトロ | 【編集
2型糖尿病50代男性BMI22です。
スーパー糖質制限8年目継続中です。
私の場合ですが、炭水化物への欲求は有りません。
糖質制限開始後3か月程度は甘味への欲求はかなり有りましたが。
2019/02/15(Fri) 15:14 | URL | tama | 【編集
江部康二先生の著書に出会い、糖質制限を2年続けている者(男、28歳)ですが、炭水化物(糖質)への欲求は全くありません。
この研究はラット実験であること。また高カロリー食がNPGLの産生を促し過食を引き起こす、というのはかなり眉唾もんですね。
そもそも、血糖値のコントロールが出来ていれば、血中インスリンの濃度が低くなることも無いのでは。
単純に糖質の過剰摂取→高血糖→インスリン過剰分泌→低血糖、が糖質への欲求を促しているように思います。
2019/02/15(Fri) 16:30 | URL | 焚口 | 【編集
Re: タイトルなし
tama さん

私は、52歳から69歳現在まで、スーパー糖質制限食を実践中です。

私も、当初の3ヶ月くらいは、甘いものや炭水化物への欲求がありました。
特に、飲酒後にありました。

その後は、tama さんと同様に、炭水化物への欲求はありません。
2019/02/15(Fri) 18:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
焚口 さん

血糖値の乱高下により、『炭水化物依存症』のリスクが高まりますね。
2019/02/15(Fri) 18:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
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