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糖質制限食と塩分摂取。
【19/01/25 ゆうすけ
塩について▼江部先生

こんにちは。はじめて書き込みさせて頂きます
僕はかれこれ10年程、糖質制限している37歳の男です。
先生の記事にはいつも、情報をいただき、勇気づけられています。
1/8の記事で「塩分不足で身体がだるかったり、集中力が低下することがある」とありました
最近はあまりないですが、
たまに体がだるかったり、
頭がぼんやりする事がありました。
僕はほとんど自炊しますが
パートナーが言うには、味付けがかなり薄口なんだと思います。
記事をみて、たまに体がだるいのは
その為かな?と思い、最近は少ししっかり目に味をつけています(それでも、パートナーは普通だと言っていますが)
そこで質問なんですが、
塩が減るとそのような状態になる場合がある、原因はなんでしょうか?
あと、人間の歴史的に肉食?がメインだったと思いますが、
塩についてはどうでしょうか?
少しgoogleで調べたら内臓や骨髄には塩分があったようですね
人間は知識がなくても塩を必要としていたようですね
お時間がある時にでもお返事頂けたら嬉しいです
今後とも応援?しています!】


こんにちは。

1/26(土)は、江部診療所が終了したあと東京へ向かい、
「第7回CAKI conference」講演4 
で、「糖質制限の現状と未来について」と題してお話ししてきました。
日本全国の循環器科医師のクローズドの学術的な会で、
私も、とても勉強になり、有意義な時間を持つことができました。
東京で一泊して、朝の新幹線で帰京し、昼からはテニスに出かけました。

さて
ゆうすけさんから、糖質制限食と塩分摂取について、コメント・質問を頂きました。
今回は、糖質制限食と塩分摂取について考えてみます。

 インスリンは、交感神経を活性化させたり、腎臓でナトリウムの再吸収を促進させます。
ナトリウムと共に水分も再吸収されるので、高血圧の要因となります。
糖質ありの普通の食事をしていると過剰のインスリンが分泌されるので
浮腫みやすく血圧も上昇しやすくなります。

スーパー糖質制限食を実践すると、インスリン分泌が必要最小限に減るので
ナトリウムと水分は腎臓から排泄される方向にシフトします。
スーパー糖質制限食を開始して、2~3日~数日で、2kgくらい体重が減少することが
よくありますが、これは脂肪が燃えたのではなく水分の移動です。

糖質制限と共に『塩分制限』もしてしまうと、
摂取エネルギーは充分量であっても、
身体の塩分が不足することがあります。
こうなると、だるくなったり、ぼーっとしたり、頭重・頭痛があったり、
ぼんやりしたり、動きが鈍くなったりします。
塩分摂取が不足すると、体内の予備のナトリウムを使用することとなります。
少ないナトリウムで生命活動を維持するため、活動のペースを落とします。
すなわち、体内の水分量や血液、消化液の量が減少する方向となります。
簡単にいうと軽い脱水傾向となります。
血液循環が悪くなることで、頭痛、倦怠感や疲労感といった症状が出現します。
症状がさらに強ければ、頻脈、低血圧、筋力低下、筋肉痛などを生じることもあります。
さらに消化液の減少によって食欲不振や吐き気を引き起こしたりすることもあります。

過去の記事で、
「スーパー糖質制限食で血糖値は改善し体重も改善したが、
身体がだるかったり、動きが悪くなったりした。」
というような訴えがあったら
ほとんどが、『摂取エネルギー不足』であると説明してきました。

しかしながら、摂取エネルギーは明らかに充分であるにもかかわらず、
同様の訴えをする人が散見されるという実態があります。
このようなケースは、『塩分不足』の可能性が高いと思われます。

私自身、以前、塩分制限実験をしたことがあります。
摂取カロリーは普通にして、厳格な塩分制限食(味はほとんどないです)にしたら
ぼーとしてだるくなって集中力が低下しました。

このように考察してくると
糖質制限食の場合は、塩分制限は必要ない可能性が高いです。
また、とくにスーパー糖質制限食実践の場合は
『水分・塩分』が排泄されやすくなるので
しっかり水分補給して塩分も普通に摂るほうが良いと思われます。

なお、塩に関して、人類は当初は食物から得ていたと思われます。
その後、岩塩や海水などの塩を利用することを学習していったと考えられます。
さらに、ヨーロッパや中国で、3,000年前頃には、
塩が作られるようになっていたようです。


江部康二
コメント
ありがとうございました
江部先生
記事でのご回答ありがとうございました!
塩分不足による脱水症状だったんですね、、
塩と水不足にならないよう気をつけながら
糖質制限食で健康維持したいと思います。ありがとうございました
2019/01/27(Sun) 16:59 | URL | ゆうすけ | 【編集
大坂選手
大坂、進化の陰に「チームなおみ」のトレーニング戦略/全豪テニス

https://www.sanspo.com/…/news/201…/ten19012704040014-n1.html

さらに筋肉量を増やしつつ、3キロの減量に成功した。糖質を制限し、スイーツを口にしなかった。
2019/01/27(Sun) 22:49 | URL | XXY | 【編集
α-リポ酸
江部先生こんにちは。

私は約2年前から糖質制限をしています。
合わせて10日ほど前からα-リポ酸を飲み始めたのですが、めまいやふらつき、頭痛などが起きています。
そこでネットで調べたところ、α-リポ酸の副作用として「低血糖症」というのがありました。

江部先生に質問なのですが、糖質制限とα-リポ酸の摂取は同時に行わないほうが良いのでしょうか。
江部先生のお考えをお聞かせいただければ幸いです。
2019/01/28(Mon) 11:32 | URL | きっしー | 【編集
Re: 大坂選手
XXY さん

大坂なおみ選手の情報をありがとうございます。
2019/01/28(Mon) 16:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: α-リポ酸
きっしー さん

α-リポ酸のことは、よく知りません。
ただ、α-リポ酸を飲み始めてから、めまいやふらつきや頭痛があるなら、一旦中止されてはどうでしょう。


また、スーパー糖質制限食実践においては、
魚介類、肉類、大豆製品、ナッツ類、野菜、海藻、茸・・・など、いろんな種類のものを満遍なく摂取するので
<必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維、推定エネルギー必要量>
全て、確保できると思います。
従いまして、私はサプリは一切、摂っていません。
2019/01/28(Mon) 18:32 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: α-リポ酸
ご回答ありがとうございます。
先週の土曜日に服用を一旦中止したのですが、めまいやふらつきや頭痛がいまだにおさまりません。

重ねての質問で大変恐縮ですが、「インスリン自己免疫症候群」というのは、ほうっておいても治るものなのでしょうか。
お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答いただけましたら幸いです。
2019/01/29(Tue) 17:27 | URL | きっしー | 【編集
Re: Re: α-リポ酸
きっしーさん

インスリン自己免疫症候群について
私はあまり知識がありません。
以下のサイトが参考になると思います。


東邦大学医療センター
大森病院臨床検査部
https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/kensa/column/column20170104.html
α‐リポ酸とインスリン自己免疫症候群の関係について
2019/01/29(Tue) 18:26 | URL | ドクター江部 | 【編集
食後?低血圧の緩和方法
先生、いつもブログの更新をありがとうございます。毎日楽しみにしております。

タイトル通りなのですが、食後低血圧に困っています。
食後と言っても、食後2〜3時間後ぐらいに身体が怠く、頭が働かなくなります。
基本的には糖質制限をしていますし、怠くなった時に糖分を少量取ってみてもそんなに症状は変わらないので、低血糖ではないと思います。
血圧は立位だと更に低くなります。

食事量を増やしても、ちょこちょこ食べにしても、塩分を増やしてもあまり改善が見られていません。
コーヒーは効く時と効かない時があります。
血液検査で副交感神経と交感神経の割合みたいなものを調べられたのですが、圧倒的に副交感神経優位でした。

運動は細々としています(身体が怠くない時限定なので、そこまで頻繁にはしていないです)
糖尿病の人は、自律神経がうまく働かないので食後低血圧になりやすいと書いてありました。
根本的な改善法はないでしょうか?
2022/01/15(Sat) 10:14 | URL |  | 【編集
Re: 食後?低血圧の緩和方法

食後低血圧

という疾患があります。

以下のオムロンのサイトがとても参考になります。

食後低血圧。
オムロン。
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/94.html
2022/01/15(Sat) 17:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
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