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「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり。
こんばんは。
少し前になりますが、
医療関係者用のサイトCarenetで
「『炭水化物』中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり」
という論文が紹介されています。
www.carenet.com/news/risk/carenet/30280

以下、一部を抜粋引用します。

////////////////引用ここから//////////////////

食生活は生活習慣病の発症に関与するだけでなく、
認知症の発症にも影響を及ぼすといわれている。
では、どのような食生活が認知症リスクを高めるのか。
Roberts氏らはカロリー摂取と認知症との関係を検討した。
J Alzheimers Dis誌オンライン版2012年7月17日号の報告。
Roberts RO, et al. J Alzheimers Dis. 2012 Jul 17.

高齢者(年齢中央値:79.5歳)を対象とした集団ベースの前向きコホート研究により、
毎日の総カロリーにおける主要な栄養素の割合と
軽度認知障害(MCI)または認知症の発症との関係を調査した。
追跡期間の中央値は3.7年。

(中略)

主な結果は以下のとおり。

・試験開始前に認知機能が正常であった937名のうち、
200名はMCIまたは認知症であると診断された。

・MCIまたは認知症のリスクは、炭水化物の摂取比率が高い方で上昇し、
脂質の摂取比率が高い方やタンパク質の摂取比率が高い方では減少した。

・炭水化物からのカロリー摂取比率が高く、
脂質およびタンパク質からの摂取率が低い高齢者では、
MCIまたは認知症の発症リスクが増加する可能性が示唆された。

////////////////引用ここまで//////////////////


試験開始前に認知機能が正常であった937名のうち、
200名が、軽度認知障害または認知症であると診断されました。
軽度認知障害または認知症のリスクは、炭水化物の摂取比率が高いと上昇し、
脂質の摂取比率、タンパク質の摂取比率が高いと減少しました。
「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性があるということですね。

「肉・卵・牛乳・油脂類をよく食べるグループ」は、
『ご飯・味噌汁・漬け物をよく食べるグループ』
『植物性食品をよく食べるグループ』に比べて、
「知的能動性」が低下せずに保たれる
という日本の報告もあります。(*)

知的能動性とは「探索」「創作」「余暇活動」などの知的活動能力です。
知的能動性が低下していけば認知症コースまっしぐらです。

すなわち、ご飯・味噌汁・漬け物の炭水化物たっぷりパターンだと
認知症になりやすいけれど、
動物蛋白や油脂をしっかり食べるパターンは認知症になりにくいということで、
J Alzheimers Dis誌の報告と同じ結論です。


また、有名な久山町研究でも、
第22回日本疫学会学術総会2012年1月26〜28日 で、
認知症リスクの低い食事パターンとして、
『・・・1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,
「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示された。・・・』

と報告されました。
www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2012.html#5th


ご飯など、炭水化物摂取の認知症リスク、恐るべしですね。


(*)熊谷修ほか 「老年社会科学」1995;16:146-155.


江部康二


コメント
中鎖脂肪酸「ココナッツオイル」と成分
炭素数による分類によれば、ココナッツオイルば中鎖脂肪酸として注目されています。

飽和度によるココナッツオイルの成分は、
日本食品標準成分表2015年版(七訂)可食部100g当たり

脂肪酸総量:92.08g

〇飽和脂肪酸:83.96g

〇一価不飽和脂肪酸:6.59g
〇多価不飽和脂肪酸:1.53g

・n-3系多価不飽和脂肪酸:0g
・n-6系多価不飽和脂肪酸:1.53g

・6:0ヘキサン酸:510mg
・8:0オクタン酸:7600mg
・10:0デカン酸:5600mg
・12:0ラウリン酸43000mg
・14:0ミリスチン酸:16000mg
・15:0ベンタミン酸:35mg
・16:0バルミチン酸:8500mg
・18:0ステアリン酸:2600mg
・18:1n7オレイン酸:0mg
・20:0アラギニン酸:79mg
・20:1イコセン酸:43mg
・18:2 n-6リノール酸:1500mg
・18:3 n-3リノレン酸:0mg

文部科学省の食品成分データベースによれば
飽和脂肪酸が83.96gで、n-6系多価不飽和脂肪酸が1.53g、
そしてオレイン酸が0g、ω3リノレン酸が0gです。

「ココナッツオイル」や「MCTオイル」の摂取について、改めて考えてみたいと思っています。


出典:デジタル大辞泉の解説
https://kotobank.jp/word/%E4%B8%AD%E9%8E%96%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8-672371
ちゅうさ‐しぼうさん〔‐シバウサン〕
【中鎖脂肪酸
分子に含まれる炭素数が8~10で、普通の植物油の半分ほどの飽和脂肪酸。吸収が早く、すぐエネルギーとなるので体内に蓄積されにくい。母乳・牛乳・ココナツ油などに含まれる。】

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8
脂肪酸とは、
【脂肪酸(しぼうさん、Fatty acid)とは、長鎖炭化水素の1価のカルボン酸である。
一般的に、
〇炭素数2-4個のものを短鎖脂肪酸(低級脂肪酸)、
〇5-12個のものを中鎖脂肪酸、
〇12個以上のものを長鎖脂肪酸(高級脂肪酸)と呼ぶ。】
2018/12/15(Sat) 01:02 | URL | オスティナート | 【編集
Re: 中鎖脂肪酸「ココナッツオイル」と成分

オスティナート  さん

中鎖脂肪酸に関するコメント、ありがとうございます。


ココナッツオイル100g当たり

脂肪酸総量:92.08g

〇飽和脂肪酸:83.96g


このココナッツオイルの飽和脂肪酸のうちどのくらいが「中鎖脂肪酸」なのでしょうね。
日清オイリオのサイトによると、
ココナッツオイルには約60%の中鎖脂肪酸が含まれているそうです。


日清オイリオのMCTオイル
http://www.nisshin-mct.com/contents/page195.html

は100%中鎖脂肪酸とのことです。
2018/12/15(Sat) 08:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
低血糖が危険?(先日のガッテンより)
先日のガッテンでは、最新研究で低血糖(血糖値70以下)により血管がダメージを受けて狭心症などの心臓病につながるかもしれないことが明らかになったという内容を放送していました。また、前にDaiGoさんも取り上
げていたように睡眠の質が低血糖状態になると低下したり、夜中に糖新生が起こって、交感神経が活発になるので目が醒めるとのことでした。
ケトジェニック状態なら血糖値は70以下で安定している人もいると思います。しかし、それではケトジェニックは低血糖状態になり、心臓病を招く危険があるということになりますよね。
最終的にはガッテンのまとめは寝る前のドカ食いによるインスリンの過分泌によって、寝てる間に低血糖になる。そのため間食をして、ドカ食いは避けようという結論でした。
ここで疑問があります。低血糖が直接血管にダメージを与えてる?そうではなくて、寝る前の血糖値スパイクが血管内皮にダメージを与えてるだけでは?と思いました。
江部先生は低血糖状態が血管にダメージを与えるなどの研究についての話を見聞きしたことはありますか?
確かにインスリン注射などで低血糖状態になってるのはかなり危険だと思いますが、健常者の糖質制限によって低血糖状態を維持しながら安定させることで健康を害するとは思えませんでした。低血糖状態で血管が傷つくという理論が全く思い当たらないのです。一回でもそのような話を聞いたら覚えているはずですが。江部先生のご意見をお聞きしたいです。
2018/12/15(Sat) 12:26 | URL | チーズ大好き | 【編集
Re: 低血糖が危険?(先日のガッテンより)
チーズ大好き  さん

低血糖発作のほとんどは、インスリン注射をしているか、
SU剤内服の場合です。

薬なしで、低血糖になることは、
「機能性低血糖」という病気を除けば、極めてまれです。


糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第4版、2009年)293ページには、
低血糖症の定義として、

「低血糖症状があり血糖値60mg/dl以下」

と記載されています。

薬なしで、スーパー糖質制限食やケトジェニックダイエットをしても、低血糖になることはまれです。
肝臓で糖新生しますので、糖質摂取ゼロでも、血糖値は一定レベルに保たれるのです。
ご先祖が狩猟・採集時代などには、「食事あり」と「飢餓」や「絶食状態」の繰り返しだったことを
考慮すればわかりやすいですね。

血糖値が60mg~70mg/dlあって、症状もなければ、それは「低血糖」ではありませんし、ごく正常です。

「ガッテンのまとめは寝る前のドカ食いによるインスリンの過分泌によって、寝てる間に低血糖になる」
これは機能性低血糖のことです。
機能性低血糖症に関しては以下の、太字のブログ記事をご参照頂けば幸いです。


2018年01月15日 (月)
機能性低血糖症が糖質制限食で改善。低体重と推定エネルギー必要量。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4448.html



 『血糖コントロール良好を目指してHbA1cを下げるべく厳格に薬物療法を行うとかえって総死亡率が上昇する』
という信頼度の高いACCORD試験のエビデンスがあります。

これは
すなわち<糖質摂取+薬物療法>による血糖値の乱高下と頻回の低血糖が活性酸素を発生させ、
酸化ストレスリスクとなり血管内皮を傷害し動脈硬化を生じ、死亡率上昇の大きな要因となったと考えられます。
2018/12/15(Sat) 15:07 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re;低血糖が危険?(先日のガッテンより)へ
都内河北 鈴木です。

私は2型糖尿病で21年間「日本糖尿病学会・公認医」に悪化一途で苦しみましたが、
インスリン投与者が「糖質制限理論」理解把握して、3か月足らずで正常化しました!!

低血糖は、専門医の説明無いなら、
インスリン投与者なら起こり得る事かと、私も自身の体験から理解できます!!

インスリン投与者なら、「自己血糖測定器で自己管理」してますから、
まずは安全かと思います。

私は江部先生「糖質制限理論」ブログに出会えて、
学習するほどに色々学んで、「低血糖は回避できました!!」

「血管損傷」ですが、「糖質制限理論」実践での、
私は、「2年後・眼科、4年後・脳梗塞頸動脈プラ~クの、
血管損傷が希少改善しています!!」
*医学デ~タあります。

眼科、脳神経外科、各院長が驚いていました事を思い出しても、
江部先生の説明通りだなと思い、
江部先生の「真理理論説明」には、感謝感激です!!

本日のこの様な「批判文言」には、
「糖質制限理論」実践での、
「生還、覚醒、証明者」として

「私の改善は何なんだと言いたいです!!」

私は脳梗塞、眼科の更なる改善の為に、
都内S区保健センタ~の「糖尿病教室」への参加を昨年より拒否されています。

なので「区長宛メ~ル送信窓口」へ、本日までに84通メ~ル送信しています。
最近は区役所保健センタ~で、昨年ニュ~ス発表の「世界1の糖尿病、ガン、発症国」だとの日本国なのに、「糖尿病教室」の講義がなくなり、
「病院紹介所」となっている事に、
紹介病院が「改善可能性無い病院」紹介なので、「大丈夫なのか??」と

私としては、「改善可能性ある専門医の講義を望みます!!」とメ~ル送信しています!!

江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具


2018/12/15(Sat) 16:50 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
「サラダ油摂取」による認知症リスクについて
江部先生。はじめまして。いつも本ブログにて勉強させていただいております。
先生のご専門である糖質制限と直接の関係はございませんが、脳科学専門医の山嶋哲盛先生が「特定のサラダ油摂取が、認知症、うつ病、動脈硬化、糖尿病などを引き起こす原因である」という警鐘を鳴らす著書を多数出版されております。
江部先生と山嶋先生、双方のご意見を拝聴しておりますと、どんなに「炭水化物」を避けていても、サラダ油摂取を続けている限り、認知症リスクは減らないと推論できます。
外食産業では大量に使用されている安価なサラダ油です。江部先生は、サラダ油摂取について、どのようなご意見をお持ちでしょうか。
お聞かせいただけると助かります。
2019/01/11(Fri) 06:36 | URL | うなぎ大好き | 【編集
Re: 「サラダ油摂取」による認知症リスクについて
うなぎ大好き さん

私もサラダ油(リノール酸)過剰摂取の害は、大きいと思います。

リノール酸は、必須脂肪酸の一つですが、
現代日本人は、過剰摂取状態なので注意が必要です。
2019/01/11(Fri) 16:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
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