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糖質制限食で気をつけることは?
【18/12/10 肉好き
糖質制限しています
江部先生。
尿糖が出てる、と健康診断でいわれました。
後日、ブドウ糖負荷試験の結果、2時間血糖値が208でした。

で、一ヶ月後の再検査でhba1c5.2、空腹時血糖値も90で問題なしと言うことで
貴方は糖尿病では無い、と、医師にいわれました。

江部先生、糖質制限食、続いて行きたいと思います。
何か気をつける事はありますか? 】



こんにちは。

肉好きさんから、
『糖質制限食実践において何か気をつける事はありますか?』
との、コメント・質問を頂きました。

まず、肉好きさんは、75g経口ブドウ糖負荷試験で、2時間値が208mg/dl
ですので、診断基準としては、糖尿病型です。

初回の検査では、糖尿病型ですが、
再検査では、HbA1c:5.2%、空腹時血糖値:90mg/dl
で、正常型です。

従って、現時点では、「糖尿病」と断定ではなく、
「糖尿病疑い」という診断となります。
再検査でも糖尿病型となれば、その時点で「糖尿病」の診断が確定します。

「再度、75g経口ブドウ糖負荷試験を実施する」とか
「普通に糖質ありの食事をして、食後2時間血糖値を測定する」とか
で、食後2時間値が200mg/dlを超えていれば
糖尿病の診断が確定します。

しかし、別に糖尿病の確定診断をつける必要はありません。
このまま、糖質制限食を続けていけば、
『空腹時血糖値』、『食後血糖値』もコントロール良好であり、
『平均血糖変動幅』も極めて小さく良好を維持できますので
合併症の心配も皆無であり、問題はありません。

糖質制限食で気をつけることについては、『糖質制限食十箇条』など
以下の記載を参考にして頂けば幸いです。


『糖質制限食十箇条』
-糖尿病や肥満が気になる人に-

一、 糖質の摂取を減らす。可能なら一回の食事の糖質量は20g以下とする。
二、 糖質制限した分、タンパク質や脂質が主成分の食品は充分量食べる。
三、やむを得ず主食(ご飯、パン、麺類など)を摂るときは少量とする。
四、水、番茶、麦茶、ほうじ茶などゼロカロリー飲料はOK。果汁・清涼飲料水はNG。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類はOK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)、糖質ゼロ発泡酒はOK。辛口ワインも適量OK。
醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツはNG。
十、可能なら化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。

*糖尿病の人がやむを得ず糖質を摂取するときは、食直前に、「αGI剤」か「グリニド系薬剤」を内服すると、
食後高血糖がある程度防げる。
*牛乳は100mlくらいならOK。成分未調整豆乳は200mlくらいOK。
*肉と魚貝の摂取量は<1:1>が目安。
*経口糖尿病薬やインスリン注射をしている糖尿人は、必ず医師と相談してください。

『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
  1回の食事の糖質量は20g以下。
二、スタンダード糖質制限食は、一日一回(朝か昼)少量の主食あり。夕食は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。朝と昼は少量の主食あり。
  嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。


抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。

魚貝・肉・卵・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べる。


糖質制限食実践後に好ましくない症状(力が入らない、しんどい、髪が抜ける、生理がとまる・・・など)が
出現した人のほとんどにおいて、実際にはカロリー不足が認められます。

☆糖質制限食はカロリー制限食ではありません。
摂取カロリーの目安は厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」です。
摂取エネルギーが足りていれば、好ましくない症状が出現することはほとんどありません。

☆糖質制限食実践者は、過度の塩分制限は必要ありません。
今まで通りの塩分摂取でOKです。過度の塩分制限でボーとしたり怠くなることがあります。

糖質制限食の理論的根拠
1、血糖値を直接上昇させるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は上昇させない。
2、糖質を摂取しなければ血糖値は上昇しない。
3、糖質制限食を実践すれば食後血糖値はほとんど上昇せず糖尿病は改善する。
4、食前・食後の血糖値血糖変動幅が少ないので生活習慣病の予防ができる。
5、食後血糖値の上昇が極めて少ないので、追加分泌インスリンも少量ですむ。
6、過剰なインスリンは肥満・がん・アルツハイマー病などのリスクとなるので、
 血糖コントロールができる限りで少量であるほど身体にはいい。
 

ということで、とてもシンプルです。
上記6つは、生理学的な事実やエビデンスがあることですので信頼度は高いです。

☆☆
なお本にも書きましたが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため、既に経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服や
インスリン注射をしておられる糖尿人は
低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、
以下の本などを参考にされて、
自力で 糖質制限食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。

推奨著書
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質オフ!健康法」2016年3月(PHP研究所 )
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)
「男・50代からの糖質制限食」2018年10月(東洋経済新報社)


レシピ
「電子レンジで糖質オフの作りおき」 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年3月(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年5月(洋泉社)
「作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立」(家の光協会)2017年10月
「いくら食べても太らない! 旨い酒のつまみ」 (宝島社)2018年5月
「糖質オフのラクうまレシピ150」2018年7月(ナツメ社)
「女性のためのラクやせ糖質制限ハンドブック」2018年9月(洋泉社)
「男性のための糖質制限最強ダイエットハンドブック」2018年10月(洋泉社)


江部康二


コメント
こむら返り
大変お世話になっております。
糖質制限開始時における就寝中のこむら返りについて、自身も開始時に経験があるため考えてみました。
栄養的に問題があるとすれば、水分や一部のミネラル・ビタミン不足が原因となるのでしょうが、糖質制限開始時にいきなり栄養的な問題がおこったりするのだろうかと疑問に思います。
 
こむら返りは、就寝中以外にも激しい運動時に発生し、激しい運動時はふくらはぎへの過度の負荷がかかっているために発生しているものと理解しております。(よくサッカー選手が試合中に足をつっているのを見かけます。)
就寝中のこむら返りが糖質制限の開始時に集中しているということであれば、ひょっとするとですが、糖質制限というよりも、ダイエットの効果を高めたいがために同時に開始(又は負荷を増やした)した運動(特にランニング等はふくらはぎに過度の負担となる)が引き起こしているのかもしれません。
一部のパーソナルジムでは、ダイエット目的での運動と糖質制限(もどき)をやっていて、これが世の中的にかなり浸透してきていることも背景にあるようです。
 
就寝中も同様にふくらはぎに負荷がかかっているとすると、単純に布団の重みなどで足先が伸びており、就寝前の運動に加えて、ふくらはぎが夜間でも長時間緊張状態にあるのが直接的に引き起こしているのでは、と考えます。その他の物理的要因としては、就寝中の足先の冷えもあるかもしれません。
いずれにしても、就寝中の物理的要因は糖質制限前後で基本的に変化がないはずですので、案外、運動が原因ではないか、という考察でした。
2018/12/12(Wed) 19:49 | URL | プーさん | 【編集
ケトジェニックになるには?
江別先生、はじめまして。
毎日しんどくてたまらない身体を、何とか元気に、健康になりたくて、分子栄養学を習ったときに、江別先生の糖質制限食をすすめられ、2年前からスーパー糖質制限食とともにMEC食を実践してきました。

身体のしんどさはまだ残ってるものの、しんどさの質が変わったのはわかりますし、おかげさまで、長年の不調であった便秘、ガス、頭痛、強烈な眠気、そしてアレルギー性鼻炎・花粉症の症状がでなくなりました!ありがとうございます!

でも、ケトン体の回路は回っていないようで、頭がクリアになる、エネルギッシュになる、体脂肪率が減る、といったところには至っておらず、

今度はダイエット目的で、ダイエットカウンセラーの方の指導のもと、糖質を極限までカットし、人工的に飢餓状態を作り、ケトン体回路に切り替え、体脂肪をエネルギーに替えてダイエットをさせる、というものです。

マルチビタミン、マルチミネラル、オメガ3系脂肪酸のサプリ、脂肪燃焼のためにLカルニチンのサプリを摂りながら、下記の食事を3週間実施しました。

肉→鶏胸肉、砂ずり
魚→いか、たこ、えび、貝類、鯛、鱈
野菜→土より上にできる野菜(葉野菜、トマト、キュウリ、トマト、ズッキーニ、キュウリ、ナス、セロリ、アスパラ、モヤシ)
調味料→塩、醤油、酢、ポン酢、
その他→海藻類、鰹節、昆布、いりこ、ゴマ

上記以外は食べてはいけないとのことでした。油も使わないでくださいとの指導でした。

3週間行った結果、開始5日目に身体の力が全く入らなくなりフラフラで歩けない、自転車もこげない状況に。カウンセラーの方に相談すると「低血糖状態なので耐えてください」と。

さらに便秘になり、しかもカチコチで全く出てこず、自分で摘便しないと出ない状況。

なのに、頻尿。1~2時間おきにトイレに駆け込む。

しんどいのは相変わらず。頭もボーッとする。

仕事から帰り、食事を済ませたら、もうしんどくて、お風呂に入るよりもベッドに駆け込む毎日。

そんな状態で何とか3週間を乗りきり、
体組成を計ってみるも、

体重 54.6㎏→53.6㎏(-1㎏)
体脂肪率 29.1%→26.9%(-2.2%)
筋肉量 36.5㎏→36.9㎏
内臓脂肪 5.0→4.5
基礎代謝 1144kcal→1148kcal
※37歳です

カウンセラーからは、「思ったほど体脂肪率が下がっていない、依頼者の平均5%は落ちるのに。そんなにしんどいのが続くのも不思議、低血糖状態は3日もすれば抜けられるのに」と言われました。

かなり辛い食事制限だったのと、元気になるはずの体調が逆に悪くなってるので、元のスーパー糖質制限に戻しました。

それから1ヶ月が経ちましたが、生理が止まっています。今月も来なかったら2ヶ月です。カウンセラーに相談しても、今までにそんな事例はないから関係性はないと言われました。

便秘は徐々にマシになりつつあります。力の入らない身体のフラフラもなくなりました。

私的には、脂肪分がかなりカットされた食事だったので、脂肪不足、カロリー不足で、フラフラになったり便秘になったり、生理も止まってしまったのでは?と思っています。

先生はどうおもわれますか?
生理は自然ときますか?
今まで生理不順もなく、初めて止まってしまったのでとても心配です。

そして、ケトジェニックになるには、スーパー糖質制限をするだけではなれないのですか?日々を健康的に、もっとパワフルに元気に過ごせる身体になりたいです。ダイエットも!

よろしくお願いいたします。
2018/12/12(Wed) 22:50 | URL | hirame | 【編集
江部先生。
ご丁寧なご返答、ありがとうございます。

ブドウ糖負荷試験、再度受けようかと思いましたが辞めておきます。

これからもずっと糖質制限食にします。
江部先生に出会えて良かったです。
2018/12/13(Thu) 11:38 | URL | 肉好き | 【編集
Re: ケトジェニックになるには?
hirame さん

私は、バランスの良いスーパー糖質制限食を推奨しています。
魚介類、肉類、野菜、海藻、茸、大豆製品・・・動物性脂肪も含めていろいろ何でも食べて貰います。
これで、
<必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維、推定必要エネルギー>

を確保できます。

「ダイエット目的で、ダイエットカウンセラーの方の指導のもと、糖質を極限までカットし、人工的に飢餓状態を作り、ケトン体回路に切り替え、体脂肪をエネルギーに替えてダイエットをさせる」

私は極端なカロリー制限は、推奨していません。
極端なカロリー制限で、体重が減少し過ぎると、生理が止まります。

スーパー糖質制限食で、推定必要エネルギーを摂取すれば、徐々に体重が標準に回復して
生理も再開すると思います。
スーパー糖質制限食で、充分血中ケトン体は高値となります。

2018/12/13(Thu) 18:47 | URL | ドクター江部 | 【編集
肝機能異常
江部先生
初めまして。オーストラリアで家庭医をしている山内といいます。
ケトン体ダイエット中の肝機能異常について質問させてください。

同僚の看護師(女性・43才)が一発奮起して、ケトン体ダイエットを始め二ヶ月が経ちます。タバコも止めて運動も始め、体重は100キロから現在7キロの減少中です。耐糖能異常も改善し、空腹時血糖が正常化しただけでなく、インスリンレベルも正常化しました。慢性化していた頭痛からもほぼ解放され、体調もずいぶん良くなったと喜んでいます。中性脂肪も正常化しました。血球、腎機能、甲状腺機能、ビタミンD、B12,葉酸、どれもすべて正常です。
ただ一つだけ問題なのが、肝機能異常です。ダイエット開始前のALT,ASTはどれも正常。だけれども、開始一ヶ月後にALTがやや上昇し、二ヶ月後の先日のデータでは、ALT,ASTのいずれも上昇しています。具体的には

AST 14 -> 31 -> 41 U/L (10-35)
ALT 13 -> 54 -> 84 U/L (5-30)

ちなみに他の酵素(ALP, GGT)は正常です。
彼女のアルブミンは当初かなり低かったのですが、二ヶ月のダイエット後には正常化しました。プロテイン、野菜、脂質の総カロリー数がけっこう低かったので、はじめは低タンパクによるものかと思いましたが、アルブミンの量を見るとそうでもないのかと思っています。下腿浮腫はいまだにありますが。

日本語英語も含めて、ウェブで検索してみたのですが、ケトン体ダイエットと肝機能異常の関連を報告するものは特に見つかりませんでした。

江部先生にはこういった患者さんの経験はございますでしょうか。あるいは、何か原因として思い当たることがおありでしょうか。

お忙しいなか申し訳ありません。教えていただけるととても助かります。
山内
2018/12/13(Thu) 22:56 | URL | 山内肇 | 【編集
Re: 肝機能異常
山内肇 先生

ケトン食の基礎から実践まで
編集 藤井達哉
編集協力 永井利三郎
診断と治療社


によれば、


ケトン食の副作用として、肝機能障害もあります。

一方


断食のときにも、時に見られるのですが、
ある程度傷んでいた肝細胞が、淘汰される過程で、AST、ALTが一過性に上昇することがあります。

あと、

低カロリー過ぎると、肝細胞が一部燃えてエネルギー源となり、AST、ALTが上昇することがあります。


ともあれ、多くの症状が改善していますので、このままケトジェニックダイエットを続けて
経過観察で良いと思います。
2018/12/14(Fri) 18:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます
お忙しい中、調べていただいてありがとうございました。
さっそく次回のコンサルテーションでその看護婦に説明します。この先も疑問があればまた質問させてください。
2018/12/15(Sat) 19:02 | URL | 山内肇 | 【編集
お返事ありがとうございます
江別先生、お忙しい中お返事ありがとうございます!

まだ生理はきていませんが、先生の言葉で少し安心できました!これからもスーパー糖質制限食を続けて、より健康な身体を目指しますね。

ありがとうございました!
2018/12/17(Mon) 23:33 | URL | hirame | 【編集
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