2008年07月10日 (木)
こんばんは。1単位のインスリンはどのていど血糖値をさげるのでしょうか?
今回は、みやびさんから、コメント・質問をいただきました。まずは、一番シンプルな超速効型インスリンで考えてみます。
『1単位のインスリンで どれだけ下がるのか?
先生 こんばんは☆いつもブログ拝見させていただいております☆先日、東京講演会での資料プリントと 自分でまとめたレポートを 職場仲間にコピーしてあげたら、すごく興味をもってくれたらしく、またレポートも『よくまとまってる』と 誉めてもらえました☆職場仲間は ダイエットに糖質制限を始めましたよ☆じわじわとではありますが、自分も周りに糖質制限食を広めるお手伝いをしていきたいと思っています☆
さて、今回 またまたお馬鹿なみやびの話を聞いてください。
今朝は血糖値が213mg/dlもありました。最近 真面目に糖質制限してたのに、今朝はまたずいぶんと上がってしまい、理由がわからず 納得もいかず 凹みました。
朝7時半頃、ノボラピッド300を3単位打ちました。食事はとってません(危険なやり方ですが)。その後 仕事に行き、約5時間後 昼食前に測ったら166mg/dlでした(まだ これでも高い…)
何気なくとった行動でしたが、どうやら自分で実験していたようです(笑)家に帰って計算してみたら、朝から昼で47mg/dl下がってました。これは、1単位のインスリンで15~16mg/dl下がったと解釈しても良いでしょうか?インスリンの効き具合が、自分の身体では 1単位でいつもこのくらいと考えても良いでしょうか?
東京講演会で 先生とお話させていただいたとき、糖質のカウントをすることと 『1単位のインスリンで どれくらい下がるかは個人差があるから、自分の身体で計算してみるといいですよ』と 先生からご教示いただいたことを、ふと思い出したのです。
それとも、体型によってインスリンの効き具合が異なるように、その日の体調でも下がり具合は異なるのでしょうか?
夜打ちの 30ミックスでも、同じような計算で良いですか?
質問ばかりになってしまい 申し訳ありません。お忙しい中恐縮ですが、ご教示いただけたらと思います。
2008/07/09(水) 19:51:52 | URL | みやび』
みやびさん。コメントそして糖質制限食普及活動ありがとうございます。
早朝空腹時血糖値が213mgで、超速効型インスリンのノボラピッド300(インスリンアスパルト)を3単位打って昼前166mgに低下。
超速効型インスリンは10~20分で作用発現し、最大効果は1~3時間、持続時間は3~5時間です。
食事無しだとすると仰る通り、単純に「47mg÷3単位」で1単位の超速効型インスリンが15~16mg血糖値を下げた計算ですね。
ノボラピッド30ミックスは、超速効型のインスリンアスパルト30%と、長く効果を発揮するように加工した中間型インスリンアスパルト(プロタミン結晶性インスリンアスパルト)が、70%含まれています。
従って血糖値を下げる効果は2相性となるので、単純計算はややしにくいですね。作用発現時間は10~20分、持続時間は約24時間です。
食事摂取時の計算パターンとして、追加分泌インスリンの役割を担う、超速効型インスリン使用時を考えてみます。
例えば
<朝空腹時血糖値測定>
<朝食前、超速効型インスリンを注射>
<朝食に摂取した糖質のグラム数を計算>
<朝食後1時間血糖値測定>
を行います。
1gの糖質が2型糖尿人の血糖値を約3mg/dl上昇させます。これを基に、仮にインスリン注射前の空腹時血糖値が120mgとすれば、糖質50gを摂取すると、(50g×3mgで)ピークの食後1時間血糖値は150mg上昇して270mgになるはずです。
4単位の超速効型インスリンを打って、食後1時間の血糖値が170mgなら、インスリン注射により(270mg-170mg)100mg血糖値が下がったことになります。そうすると1単位のインスリンが(100mg÷4単位)25mg血糖値を下げたことになります。
1単位のインスリンがどのくらい血糖値を下げるかは、かなり個人差が大きいです。(10mg~80mgなど)ご指摘のように、体調により少しはバラつくこともありますが、大雑把に自分のパターンを把握しておきましょう。
上述の計算で、自分の場合1単位のインスリンが、どのくらい血糖値を下げるか知っておけば、摂取する糖質のg数がわかれば、どの程度血糖値を上昇させるか予測して、インスリンの適量を決めることができるので、低血糖や高血糖の恐れはなくなります。 (^_^)
江部康二
今回は、みやびさんから、コメント・質問をいただきました。まずは、一番シンプルな超速効型インスリンで考えてみます。
『1単位のインスリンで どれだけ下がるのか?
先生 こんばんは☆いつもブログ拝見させていただいております☆先日、東京講演会での資料プリントと 自分でまとめたレポートを 職場仲間にコピーしてあげたら、すごく興味をもってくれたらしく、またレポートも『よくまとまってる』と 誉めてもらえました☆職場仲間は ダイエットに糖質制限を始めましたよ☆じわじわとではありますが、自分も周りに糖質制限食を広めるお手伝いをしていきたいと思っています☆
さて、今回 またまたお馬鹿なみやびの話を聞いてください。
今朝は血糖値が213mg/dlもありました。最近 真面目に糖質制限してたのに、今朝はまたずいぶんと上がってしまい、理由がわからず 納得もいかず 凹みました。
朝7時半頃、ノボラピッド300を3単位打ちました。食事はとってません(危険なやり方ですが)。その後 仕事に行き、約5時間後 昼食前に測ったら166mg/dlでした(まだ これでも高い…)
何気なくとった行動でしたが、どうやら自分で実験していたようです(笑)家に帰って計算してみたら、朝から昼で47mg/dl下がってました。これは、1単位のインスリンで15~16mg/dl下がったと解釈しても良いでしょうか?インスリンの効き具合が、自分の身体では 1単位でいつもこのくらいと考えても良いでしょうか?
東京講演会で 先生とお話させていただいたとき、糖質のカウントをすることと 『1単位のインスリンで どれくらい下がるかは個人差があるから、自分の身体で計算してみるといいですよ』と 先生からご教示いただいたことを、ふと思い出したのです。
それとも、体型によってインスリンの効き具合が異なるように、その日の体調でも下がり具合は異なるのでしょうか?
夜打ちの 30ミックスでも、同じような計算で良いですか?
質問ばかりになってしまい 申し訳ありません。お忙しい中恐縮ですが、ご教示いただけたらと思います。
2008/07/09(水) 19:51:52 | URL | みやび』
みやびさん。コメントそして糖質制限食普及活動ありがとうございます。
早朝空腹時血糖値が213mgで、超速効型インスリンのノボラピッド300(インスリンアスパルト)を3単位打って昼前166mgに低下。
超速効型インスリンは10~20分で作用発現し、最大効果は1~3時間、持続時間は3~5時間です。
食事無しだとすると仰る通り、単純に「47mg÷3単位」で1単位の超速効型インスリンが15~16mg血糖値を下げた計算ですね。
ノボラピッド30ミックスは、超速効型のインスリンアスパルト30%と、長く効果を発揮するように加工した中間型インスリンアスパルト(プロタミン結晶性インスリンアスパルト)が、70%含まれています。
従って血糖値を下げる効果は2相性となるので、単純計算はややしにくいですね。作用発現時間は10~20分、持続時間は約24時間です。
食事摂取時の計算パターンとして、追加分泌インスリンの役割を担う、超速効型インスリン使用時を考えてみます。
例えば
<朝空腹時血糖値測定>
<朝食前、超速効型インスリンを注射>
<朝食に摂取した糖質のグラム数を計算>
<朝食後1時間血糖値測定>
を行います。
1gの糖質が2型糖尿人の血糖値を約3mg/dl上昇させます。これを基に、仮にインスリン注射前の空腹時血糖値が120mgとすれば、糖質50gを摂取すると、(50g×3mgで)ピークの食後1時間血糖値は150mg上昇して270mgになるはずです。
4単位の超速効型インスリンを打って、食後1時間の血糖値が170mgなら、インスリン注射により(270mg-170mg)100mg血糖値が下がったことになります。そうすると1単位のインスリンが(100mg÷4単位)25mg血糖値を下げたことになります。
1単位のインスリンがどのくらい血糖値を下げるかは、かなり個人差が大きいです。(10mg~80mgなど)ご指摘のように、体調により少しはバラつくこともありますが、大雑把に自分のパターンを把握しておきましょう。
上述の計算で、自分の場合1単位のインスリンが、どのくらい血糖値を下げるか知っておけば、摂取する糖質のg数がわかれば、どの程度血糖値を上昇させるか予測して、インスリンの適量を決めることができるので、低血糖や高血糖の恐れはなくなります。 (^_^)
江部康二
お忙しい中、早速のご回答 ありがとぅございました☆
今回は なんとなくの計算だったので、次回は きっちり糖質カウントして食後1時間後に測って計算してみたいと思います。また別の結果が出るかもしれないですよね。計算は苦手ですが、自分の身体の為とあらば 私でも出来そうです(笑)
医者の指示通り この先ずっとインスリン注射漬けになるのは嫌なので、それなら自分の適量を知って 糖質制限しながら インスリンの量を減らしていこうと考えました。←気づくの遅いと言われそうですが(苦笑)
幸いなことに ユルユル制限な私でも、ヘモ値が 毎月地味に下がってきてるので、インスリン量を減らしても これだけ下がったんだと 担当医に話したいです。担当医は未だ ここんとこ真面目になって 指示通りのインスリン量でカロリー制限しながら下がったと思い込んでいるので。
わかりやすく説明していただき ありがとぅございました☆これからも頑張ります!!!
<(_ _)>
今回は なんとなくの計算だったので、次回は きっちり糖質カウントして食後1時間後に測って計算してみたいと思います。また別の結果が出るかもしれないですよね。計算は苦手ですが、自分の身体の為とあらば 私でも出来そうです(笑)
医者の指示通り この先ずっとインスリン注射漬けになるのは嫌なので、それなら自分の適量を知って 糖質制限しながら インスリンの量を減らしていこうと考えました。←気づくの遅いと言われそうですが(苦笑)
幸いなことに ユルユル制限な私でも、ヘモ値が 毎月地味に下がってきてるので、インスリン量を減らしても これだけ下がったんだと 担当医に話したいです。担当医は未だ ここんとこ真面目になって 指示通りのインスリン量でカロリー制限しながら下がったと思い込んでいるので。
わかりやすく説明していただき ありがとぅございました☆これからも頑張ります!!!
<(_ _)>
2008/07/10(Thu) 21:16 | URL | みやび | 【編集】
たびたび失礼いたします。
先日ご教示いただいた方法で、インスリン1単位でどの程度下がるのか 今朝 実験をし、結果が出たので ご報告します。
当初、1単位で15~16mg/dlの降下作用かと思ってましたが、改めて計算しましたら 30~31mg/dlという結果になりました。
これからは この結果を頭において、できれば超即効性インスリンの使用をゼロにしていきたいというのが目標です。今のまま 薬に頼る生活をしていたら、身体も気持ちもダメになる気がするので。
実験とはいえ、久しぶりの食パン 美味しかったんですが、その後、身体がだるくなり 血糖下げるの大変でした。それでも、糖質制限始める前は しょっちゅうこんな感じだったんです…高血糖になるからインスリンを打ち…の繰り返しでした。
糖質制限をはじめてからは、(我慢できずに食べてしまうときもあるけど)以前より 確実にインスリンの量は減らせてますし、体調も安定して肌の調子も良くなりました。食材を選べば お腹いっぱい食べられるし、お酒飲めるし(笑)糖質制限食に出会えて本当に良かったと改めて感じています。
だから、食パンは もういりません…食パンは私の敵です(笑)
これからは 欲に負けないよう 少し厳しく頑張りますので、また よろしくお願いいたします。
<(_ _)>
先日ご教示いただいた方法で、インスリン1単位でどの程度下がるのか 今朝 実験をし、結果が出たので ご報告します。
当初、1単位で15~16mg/dlの降下作用かと思ってましたが、改めて計算しましたら 30~31mg/dlという結果になりました。
これからは この結果を頭において、できれば超即効性インスリンの使用をゼロにしていきたいというのが目標です。今のまま 薬に頼る生活をしていたら、身体も気持ちもダメになる気がするので。
実験とはいえ、久しぶりの食パン 美味しかったんですが、その後、身体がだるくなり 血糖下げるの大変でした。それでも、糖質制限始める前は しょっちゅうこんな感じだったんです…高血糖になるからインスリンを打ち…の繰り返しでした。
糖質制限をはじめてからは、(我慢できずに食べてしまうときもあるけど)以前より 確実にインスリンの量は減らせてますし、体調も安定して肌の調子も良くなりました。食材を選べば お腹いっぱい食べられるし、お酒飲めるし(笑)糖質制限食に出会えて本当に良かったと改めて感じています。
だから、食パンは もういりません…食パンは私の敵です(笑)
これからは 欲に負けないよう 少し厳しく頑張りますので、また よろしくお願いいたします。
<(_ _)>
2008/07/12(Sat) 13:58 | URL | みやび | 【編集】
こんばんは。
1型のSaitoです。ご無沙汰しております。
みやびちゃんのコメントのついでに私の最近の実験について質問させてください。
バーンスタイン医師の著書を読んでいますが、なかなかまだ全部読めていません。
その中で気になったのは起床から3時間はインスリンが効かないとあります。起床からというより、就寝から8~10時間、つまり暁現象に関係があるとのことです。
私自身、昼食前の血糖値が下がりが悪いと感じていました。
最近は以前のカロリー制限の時と違い、いつもお腹が空いていて朝からしっかり食べるということがなくなり、朝食を食べなくなりつつあります。
食べても糖質3g程度(インスリンを打たなくていいくらい)にしています。
朝食に糖質量10~20g程度食べて超速攻型ノボラピッドを2~3単位打ってみても血糖値はほとんど下がりません。
5~6単位打ってやっと下がる感じです。
同じくらいの糖質量でインスリンを打たずに測ると同じくらいの血糖値になります。
平日は6時に起きますが、土日は8時くらいに起きます。寝るのは大体同じで1時半くらいですが、土日の朝食時は比較的効く気がします。
打っても打たなくてもあまり変わらないので、極力打たずに、あまり食べないようにしています。
江部先生、起床時のインスリンの効き方についてご教示お願い致します。
1型のデータがあまりないので難しいと思います。
もし、私の血糖値とインスリンの単位のデータをご覧になりたいということでしたら、お送り致しますが。
1型のSaitoです。ご無沙汰しております。
みやびちゃんのコメントのついでに私の最近の実験について質問させてください。
バーンスタイン医師の著書を読んでいますが、なかなかまだ全部読めていません。
その中で気になったのは起床から3時間はインスリンが効かないとあります。起床からというより、就寝から8~10時間、つまり暁現象に関係があるとのことです。
私自身、昼食前の血糖値が下がりが悪いと感じていました。
最近は以前のカロリー制限の時と違い、いつもお腹が空いていて朝からしっかり食べるということがなくなり、朝食を食べなくなりつつあります。
食べても糖質3g程度(インスリンを打たなくていいくらい)にしています。
朝食に糖質量10~20g程度食べて超速攻型ノボラピッドを2~3単位打ってみても血糖値はほとんど下がりません。
5~6単位打ってやっと下がる感じです。
同じくらいの糖質量でインスリンを打たずに測ると同じくらいの血糖値になります。
平日は6時に起きますが、土日は8時くらいに起きます。寝るのは大体同じで1時半くらいですが、土日の朝食時は比較的効く気がします。
打っても打たなくてもあまり変わらないので、極力打たずに、あまり食べないようにしています。
江部先生、起床時のインスリンの効き方についてご教示お願い致します。
1型のデータがあまりないので難しいと思います。
もし、私の血糖値とインスリンの単位のデータをご覧になりたいということでしたら、お送り致しますが。
saitoさん。
1型でも個人差があるのですね。
高雄病院に入院された1型の患者さん、20人近いと思いますが、朝だけ超速効型インスリンが効かないということは
経験していません。一度データを送ってみてください。
検討してみます。
1型でも個人差があるのですね。
高雄病院に入院された1型の患者さん、20人近いと思いますが、朝だけ超速効型インスリンが効かないということは
経験していません。一度データを送ってみてください。
検討してみます。
2008/07/14(Mon) 07:23 | URL | 江部康二 | 【編集】
お返事いただき、ありがとうございます。
私のデータを郵送させていただきますので、ご参考になればと思います。(すみません。すぐには送れないかもですが‥)
病院に入院時のことを思い出しましたが、就寝は21時、朝食は8時くらいではないですか?
そうなると、就寝から10時間以上空きますので、特に問題ないと思いますが、日常生活に戻るとなかなか、そんなに睡眠を取ってる方はいないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
2型の方でも朝の方がインスリンの効きが悪いというお話を聞いたことがありました。
とりあえず私も引き続き実験は続けます。
ご参考になさっていただけたらと思います。
宜しくお願いいたします。
私のデータを郵送させていただきますので、ご参考になればと思います。(すみません。すぐには送れないかもですが‥)
病院に入院時のことを思い出しましたが、就寝は21時、朝食は8時くらいではないですか?
そうなると、就寝から10時間以上空きますので、特に問題ないと思いますが、日常生活に戻るとなかなか、そんなに睡眠を取ってる方はいないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
2型の方でも朝の方がインスリンの効きが悪いというお話を聞いたことがありました。
とりあえず私も引き続き実験は続けます。
ご参考になさっていただけたらと思います。
宜しくお願いいたします。
この記事へのトラックバック
| ホーム |