2018年12月05日 (水)
こんにちは。
相変わらず、根拠のない(エビデンスのない)糖質制限食批判が、
インターネットやユーチューブ(YouTube)で散見されます。
今回は、糖質制限食に肯定的なエビデンスとなる信頼度の高い論文を
取り上げてみました。
まずは、エビデンスレベルのもっとも高い
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」
の論文で、糖質制限食の有効性を示すものを列挙してみました。
集めてみると、こんなにたくさんあるのですね。
一方、糖質制限食に否定的な、
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」の論文は皆無です。
この時点で、「糖質制限食是非論争」に
エビデンスレベルで、明白な決着がついたと言えます。
ましてDaiGoさんの個人的見解などは、エビデンスレベルなしであり、問題外です。
RCT(ランダム化比較試験)レベル1+
①Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2009年
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009
②Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2012年
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066Systematic review and meta-analysis of clinical trialsof the effects of low carbohydrate diets oncardiovascular risk factorsobr_1021
③システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス。ランセット。
1)低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
A Systematic Review and Meta-Analysis Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu
RCT(ランダム化比較試験)レベル1
①低糖質食 vs. 低脂質食。低糖質食の圧勝
低糖質食 vs. 低脂質食、減量や脂質データなどCVD(心血管疾患)リスク低減で、
低糖質食の圧勝。148人の肥満者を、1年間研究。
低糖質食は40g/日未満。
Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial.
Bazzano LA et all
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18
②DIRECT低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加
脂肪制限食(カロリー制限)、
地中海食(カロリー制限)、
低炭水化物食(カロリー無制限)の3群
低炭水化物群のみカロリー無制限のハンディがあったが、結局3群全て同じだけのカロリーが減少。満足度と満腹度。
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)
322人を3群に分けて、2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
③DIRECTのフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も 体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012
④低糖質地中海食(LCMD)。HbA1cレベルの大きな減少。
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群(108人)と低脂肪群(107人)の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
⑤低炭水化物食が、肥満・HDL-C・TGを改善。
JAMA 2007年3月 A TO Z 体重減少研究
アトキンス、ゾーン、ラーン、オーニッシュダイエットのそれぞれの1年間の体重減少効果などをみた。311人の女性を上記4グループに分けて追跡。これら4種のダイエット法は、いずれも米国でポピュラーなものである。
アトキンスは低炭水化物食(スーパー糖質制限食)、ラーンとオーニッシュは高炭水化物、低脂肪食、ゾーンは炭水化物40%
低炭水化物食が体重を最も減少させて、HDL-CとTGを改善。
Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women
The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial ,JAMA297:969-977
エビデンスレベル 「糖尿病診療ガイドライン2016」
レベル1 + 質の高いランダム化比較試験(RCT)および
それらのメタアナリシス(MA)/システマティック・ レビュー(SR)
レベル1 それ以外のRCTおよびそれらのMA/SR
レベル2 前向きコホート研究およびそれらのMA/SR
(事前に定めた)RCTサブ解析
レベル3 非ランダム化比較試験 前後比較試験
後ろ向きコホート研究
ケースコントロール研究およびそれらのMA/SR
RCT後付けサブ解析
レベル4 横断研究
症例集積
*質の高いRCTとは①多数例②二重盲検、独立判定③高追跡率④ランダム割り付け法が明確などをさす。
江部康二
相変わらず、根拠のない(エビデンスのない)糖質制限食批判が、
インターネットやユーチューブ(YouTube)で散見されます。
今回は、糖質制限食に肯定的なエビデンスとなる信頼度の高い論文を
取り上げてみました。
まずは、エビデンスレベルのもっとも高い
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」
の論文で、糖質制限食の有効性を示すものを列挙してみました。
集めてみると、こんなにたくさんあるのですね。
一方、糖質制限食に否定的な、
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」の論文は皆無です。
この時点で、「糖質制限食是非論争」に
エビデンスレベルで、明白な決着がついたと言えます。
ましてDaiGoさんの個人的見解などは、エビデンスレベルなしであり、問題外です。
RCT(ランダム化比較試験)レベル1+
①Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2009年
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009
②Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2012年
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066Systematic review and meta-analysis of clinical trialsof the effects of low carbohydrate diets oncardiovascular risk factorsobr_1021
③システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス。ランセット。
1)低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
A Systematic Review and Meta-Analysis Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu
RCT(ランダム化比較試験)レベル1
①低糖質食 vs. 低脂質食。低糖質食の圧勝
低糖質食 vs. 低脂質食、減量や脂質データなどCVD(心血管疾患)リスク低減で、
低糖質食の圧勝。148人の肥満者を、1年間研究。
低糖質食は40g/日未満。
Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial.
Bazzano LA et all
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18
②DIRECT低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加
脂肪制限食(カロリー制限)、
地中海食(カロリー制限)、
低炭水化物食(カロリー無制限)の3群
低炭水化物群のみカロリー無制限のハンディがあったが、結局3群全て同じだけのカロリーが減少。満足度と満腹度。
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)
322人を3群に分けて、2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
③DIRECTのフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も 体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012
④低糖質地中海食(LCMD)。HbA1cレベルの大きな減少。
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群(108人)と低脂肪群(107人)の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
⑤低炭水化物食が、肥満・HDL-C・TGを改善。
JAMA 2007年3月 A TO Z 体重減少研究
アトキンス、ゾーン、ラーン、オーニッシュダイエットのそれぞれの1年間の体重減少効果などをみた。311人の女性を上記4グループに分けて追跡。これら4種のダイエット法は、いずれも米国でポピュラーなものである。
アトキンスは低炭水化物食(スーパー糖質制限食)、ラーンとオーニッシュは高炭水化物、低脂肪食、ゾーンは炭水化物40%
低炭水化物食が体重を最も減少させて、HDL-CとTGを改善。
Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women
The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial ,JAMA297:969-977
エビデンスレベル 「糖尿病診療ガイドライン2016」
レベル1 + 質の高いランダム化比較試験(RCT)および
それらのメタアナリシス(MA)/システマティック・ レビュー(SR)
レベル1 それ以外のRCTおよびそれらのMA/SR
レベル2 前向きコホート研究およびそれらのMA/SR
(事前に定めた)RCTサブ解析
レベル3 非ランダム化比較試験 前後比較試験
後ろ向きコホート研究
ケースコントロール研究およびそれらのMA/SR
RCT後付けサブ解析
レベル4 横断研究
症例集積
*質の高いRCTとは①多数例②二重盲検、独立判定③高追跡率④ランダム割り付け法が明確などをさす。
江部康二
都内河北 鈴木です。
私は本日フト考えても食生活は、「嗜好でしてはいけない」のだなと、
江部先生「糖質制限理論」食生活実践して、
「生還、覚醒」して行く自身を考えても思います。
21年糖尿病重症化して行くのが、3か月足らずでインスリン投与自主離脱し正常化!!
以降「覚醒」して行く「眼、頸動脈プラ~ク」!!
私は会席調理師として、バブル時に糖尿病発症したのは、
酒よりは食べる事の方が、
身体の為になると思い込んでいたことが原因です。
「米食」には、当時より疑問は有っても、害毒作用を明確に説明している理論は現在においても
江部先生「糖質制限理論」しかありません。
実践するとしても調理師として、何の問題も無いかなと考えました!!
実践翌日より血糖値減少効果有りました!!
私は実践時、糖尿病薬服用、インスリン投与もありましたが、
日々血糖値測定はしていましたから、低血糖は回避できましたが、
インスリン自主離脱できたのは「53の血糖値を検出」してからです。
何故この様な事をコメントするのかは、
「生還」「覚醒」して日々体調快調に成ってゆくのは何故なんだ??
と、時たま江部先生ブログを読んでいて思うことが有るからです。
治療目的の私へ医療世界情報を隠蔽していた
「区内肩書ある病院」「日本糖尿病学会・公認医」
が、現在も上から目線で専門医として「糖尿病教室」講義をしています。
ADA、江部先生「糖質制限理論」を現在も「隠蔽」している事が
何か釈然としないものを感じる事です!!
「隠蔽・日本医療界」には、時たまストレス過多になります!!
江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
私は本日フト考えても食生活は、「嗜好でしてはいけない」のだなと、
江部先生「糖質制限理論」食生活実践して、
「生還、覚醒」して行く自身を考えても思います。
21年糖尿病重症化して行くのが、3か月足らずでインスリン投与自主離脱し正常化!!
以降「覚醒」して行く「眼、頸動脈プラ~ク」!!
私は会席調理師として、バブル時に糖尿病発症したのは、
酒よりは食べる事の方が、
身体の為になると思い込んでいたことが原因です。
「米食」には、当時より疑問は有っても、害毒作用を明確に説明している理論は現在においても
江部先生「糖質制限理論」しかありません。
実践するとしても調理師として、何の問題も無いかなと考えました!!
実践翌日より血糖値減少効果有りました!!
私は実践時、糖尿病薬服用、インスリン投与もありましたが、
日々血糖値測定はしていましたから、低血糖は回避できましたが、
インスリン自主離脱できたのは「53の血糖値を検出」してからです。
何故この様な事をコメントするのかは、
「生還」「覚醒」して日々体調快調に成ってゆくのは何故なんだ??
と、時たま江部先生ブログを読んでいて思うことが有るからです。
治療目的の私へ医療世界情報を隠蔽していた
「区内肩書ある病院」「日本糖尿病学会・公認医」
が、現在も上から目線で専門医として「糖尿病教室」講義をしています。
ADA、江部先生「糖質制限理論」を現在も「隠蔽」している事が
何か釈然としないものを感じる事です!!
「隠蔽・日本医療界」には、時たまストレス過多になります!!
江部先生には、感謝尽きません!!
ありがとうございます。
敬具
2018/12/05(Wed) 22:57 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集】
偶然以下の記事を見つけました。
Dietary Approaches for Japanese Patients with Diabetes: A Systematic Review
https://www.mdpi.com/2072-6643/10/8/1080/htm?fbclid=IwAR1EZJ1N9fWRZGN2lC4DTbx2BEsnqY_3H1Srz3yqKe4Ib7XT1bdc95IAqsk
これによると、江部先生のおっしゃるように日本で糖尿病食として採用されているカロリー制限には科学的根拠がなく、糖質制限は少なくとも短期的には効果があり、長期的にも効果がある可能性がある。
といったことが述べられているようです。
これを書いている人の一人がHiroshi Notoとあるのですが、これはあの能登先生なのでしょうか?糖質制限派に鞍替えしたんでしょうか。
Dietary Approaches for Japanese Patients with Diabetes: A Systematic Review
https://www.mdpi.com/2072-6643/10/8/1080/htm?fbclid=IwAR1EZJ1N9fWRZGN2lC4DTbx2BEsnqY_3H1Srz3yqKe4Ib7XT1bdc95IAqsk
これによると、江部先生のおっしゃるように日本で糖尿病食として採用されているカロリー制限には科学的根拠がなく、糖質制限は少なくとも短期的には効果があり、長期的にも効果がある可能性がある。
といったことが述べられているようです。
これを書いている人の一人がHiroshi Notoとあるのですが、これはあの能登先生なのでしょうか?糖質制限派に鞍替えしたんでしょうか。
2018/12/06(Thu) 10:34 | URL | 松山 | 【編集】
いつもブログで勉強させていただいております。
佐賀県で病院栄養士として勤めております。谷口と申します。
腎機能が低下している患者様への糖質制限についてご相談させてください。
74歳男性(2型糖尿病)
Gul:193
HbA1c:6.7
BUN:未測定
Cre:1.38
eGFR:39.7
尿蛋白:2+
上記の患者様へ主治医より
1600kcal 糖質30% たんぱく質20% 脂質50%で指示が出されました。
腎機能が低下していることもあり、たんぱく質は減らした方がいいのではないかとお伺いしましたが、指示を変えられませんでした。
お伝えする情報が少ないですが、お答えいただけると幸いです。
佐賀県で病院栄養士として勤めております。谷口と申します。
腎機能が低下している患者様への糖質制限についてご相談させてください。
74歳男性(2型糖尿病)
Gul:193
HbA1c:6.7
BUN:未測定
Cre:1.38
eGFR:39.7
尿蛋白:2+
上記の患者様へ主治医より
1600kcal 糖質30% たんぱく質20% 脂質50%で指示が出されました。
腎機能が低下していることもあり、たんぱく質は減らした方がいいのではないかとお伺いしましたが、指示を変えられませんでした。
お伝えする情報が少ないですが、お答えいただけると幸いです。
いつも勉強させていただいております。
ご存知かもしれませんが『糖尿病診療ガイドライン2019』の栄養素バランスについて改訂を示唆する記事を見つけたのでお知らせしたく投稿です。
≪2018.12.1 日本医事新報より≫
日本糖尿病学会は11月5日、『糖尿病診療ガイドライン2019』の発行に向け、食事療法を巡るシンポジウムを5年ぶりに開催した。総エネルギー摂取量については、BMI22を基準に算定する方法に疑問が呈され、再検討の必要性が確認された。学会は今後、ガイドライン原案についてパブリックコメントを会員から募集する。門脇孝理事長は「ラディカルな意見を含めて案を示し、食事療法を大きく前進させたい」と語った。
(中略)
■炭水化物比率の設定、「多様性」重視の方向へ
一般からの関心が高まっている糖質制限の位置づけも、注目点の1つだ。「緩やかな糖質制限」を提唱する山田悟氏(北里大)は講演を通じて、肥満でない糖尿病患者にまでエネルギー制限を指導する必要性に疑問を投じた。山田氏は、エネルギー制限食が肥満の解消に一定の有効性を持つことは認めながらも、高血糖を是正できるとの科学的根拠が乏しい点を問題視。さらに、システマティックレビューの結果を示しつつ、減量の必要のない日本人糖尿病患者のHbA1c値の改善を目指す上で最も推奨できる食事療法は糖質制限食であるとした。
ただ、現行のガイドラインでは、最適な栄養素のバランスを「炭水化物50~60%エネルギー、蛋白質20%エネルギー以下を目安とし、残りを脂質とする」ことを推奨している。この点、門脇理事長は締め括りの挨拶の中で、医学的リスクの回避を前提としつつ、炭水化物の構成比率の設定に柔軟性と多様性を認める考えを示した。
新ガイドラインでは、食事療法の「個別化」と「最適化」がさらに推進される方向となりそうだ。
これほど情報がある中でも否定派の一般の方たちが従来どおりのエネルギー比率をよしとし実践するのは自己責任なのかなとも思いますが、従来どおりのカロリー制限を遵守するもなかなか改善に至らない患者さん、糖質の多い病院食を治療食としインスリン追加、、などというケースを考えると、やはりガイドラインが変わらないことにはと大変残念に思います。
昨年鼎談された門脇先生のいう"食事療法の大きな前進"に期待です!
ご存知かもしれませんが『糖尿病診療ガイドライン2019』の栄養素バランスについて改訂を示唆する記事を見つけたのでお知らせしたく投稿です。
≪2018.12.1 日本医事新報より≫
日本糖尿病学会は11月5日、『糖尿病診療ガイドライン2019』の発行に向け、食事療法を巡るシンポジウムを5年ぶりに開催した。総エネルギー摂取量については、BMI22を基準に算定する方法に疑問が呈され、再検討の必要性が確認された。学会は今後、ガイドライン原案についてパブリックコメントを会員から募集する。門脇孝理事長は「ラディカルな意見を含めて案を示し、食事療法を大きく前進させたい」と語った。
(中略)
■炭水化物比率の設定、「多様性」重視の方向へ
一般からの関心が高まっている糖質制限の位置づけも、注目点の1つだ。「緩やかな糖質制限」を提唱する山田悟氏(北里大)は講演を通じて、肥満でない糖尿病患者にまでエネルギー制限を指導する必要性に疑問を投じた。山田氏は、エネルギー制限食が肥満の解消に一定の有効性を持つことは認めながらも、高血糖を是正できるとの科学的根拠が乏しい点を問題視。さらに、システマティックレビューの結果を示しつつ、減量の必要のない日本人糖尿病患者のHbA1c値の改善を目指す上で最も推奨できる食事療法は糖質制限食であるとした。
ただ、現行のガイドラインでは、最適な栄養素のバランスを「炭水化物50~60%エネルギー、蛋白質20%エネルギー以下を目安とし、残りを脂質とする」ことを推奨している。この点、門脇理事長は締め括りの挨拶の中で、医学的リスクの回避を前提としつつ、炭水化物の構成比率の設定に柔軟性と多様性を認める考えを示した。
新ガイドラインでは、食事療法の「個別化」と「最適化」がさらに推進される方向となりそうだ。
これほど情報がある中でも否定派の一般の方たちが従来どおりのエネルギー比率をよしとし実践するのは自己責任なのかなとも思いますが、従来どおりのカロリー制限を遵守するもなかなか改善に至らない患者さん、糖質の多い病院食を治療食としインスリン追加、、などというケースを考えると、やはりガイドラインが変わらないことにはと大変残念に思います。
昨年鼎談された門脇先生のいう"食事療法の大きな前進"に期待です!
2018/12/06(Thu) 17:04 | URL | れ | 【編集】
松山 さん
この論文は、北里大学の山田悟先生の論文ですね。
そして、共同の著者は、あの能登洋先生です。
この論文は、北里大学の山田悟先生の論文ですね。
そして、共同の著者は、あの能登洋先生です。
2018/12/06(Thu) 19:50 | URL | ドクター江部 | 【編集】
谷口 さん
米国糖尿病学会は
2013年10月の「成人2型糖尿病患者の栄養療法に関する声明」
において、「糖尿病腎症においては、たんぱく質制限を推奨しない」と明言しました。
「1600kcal 糖質30% たんぱく質20% 脂質50%」
糖質を減らして、脂質を増やして、日本の常識とは異なりますが
この主治医はよく勉強しておられて、糖質制限食的にも好ましいです。
米国糖尿病学会は
2013年10月の「成人2型糖尿病患者の栄養療法に関する声明」
において、「糖尿病腎症においては、たんぱく質制限を推奨しない」と明言しました。
「1600kcal 糖質30% たんぱく質20% 脂質50%」
糖質を減らして、脂質を増やして、日本の常識とは異なりますが
この主治医はよく勉強しておられて、糖質制限食的にも好ましいです。
2018/12/06(Thu) 19:59 | URL | ドクター江部 | 【編集】
れ さん
門脇理事長、明らかに、糖質制限に対して寛容となっておられ、好ましいことです。
『糖尿病診療ガイドライン2019』の栄養素バランスに関して
少し期待できるかもしれませんね
門脇理事長、明らかに、糖質制限に対して寛容となっておられ、好ましいことです。
『糖尿病診療ガイドライン2019』の栄養素バランスに関して
少し期待できるかもしれませんね
2018/12/06(Thu) 20:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
DaiGoの動画見ましたが、糖質制限による「ダイエット」の是非(痩せるのか・健康的か)が主筋でした。ただ、「医者が糖質制限を勧めるのはA級戦犯」という発言は糖尿病治療に対する誤解を招きかねないと思いますので意見されるべきと思います。
2018/12/08(Sat) 18:31 | URL | 匿名 | 【編集】
Daigoさんは糖尿病患者に糖質制限を勧める医者がA級戦犯だと言っているのではなくて、健康な人のダイエットや美容目的で糖質制限を勧める医者がA級戦犯だと言っているのではと思います。
健康な人を対象にした減量や寿命、糖尿病の一次予防などに対する糖質制限の有効性を検証したデータはあるのでしょうか?(自分で調べれば良いのですが勉強不足で申し訳ありません。)
健康な人を対象にした減量や寿命、糖尿病の一次予防などに対する糖質制限の有効性を検証したデータはあるのでしょうか?(自分で調べれば良いのですが勉強不足で申し訳ありません。)
2018/12/13(Thu) 22:35 | URL | きー | 【編集】
きー さん
『健康な人を対象にした減量や寿命、糖尿病の一次予防などに対する糖質制限の有効性を検証したデータ』
健康な人のデータはないと思います。
『健康な人を対象にした減量や寿命、糖尿病の一次予防などに対する糖質制限の有効性を検証したデータ』
健康な人のデータはないと思います。
2018/12/14(Fri) 14:52 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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